初心者のホイール選びについて【質問いただきました】

以下のような質問をいただきました。
【ロードバイク初心者の47歳男性(70kg弱)ですが、まずはロングライドとそれに伴う程度のヒルクライムを考えており、いずれはブルベなんかにも挑戦してみたいと思っています。現在カーボンロード(EMONDA SL5)に乗っていますが、最初のホイール選びとして、悩んでいます。制動力を考慮してレーゼロナイト、シャマルミレ、キシリウムプロエグザリットまた、レーゼロカーボン、BORAも選択肢として考えています。ロングの乗り心地も考えると(剛性が高いとロングはつらいといわれていますが、それぞれ評価がことなるので、まったくわからなくなりました・・・)いったいどれが比較的初心者むけなのでしょうか?もしかして、カーボンのほうがいいのでしょうか?】




これについてご回答いたします。

エモンダSL5について

まず残念ながら、私はエモンダシリーズは試乗したことがありません
5年くらい前ですが、前作のマドン(MADONE)3シリーズ、4シリーズ、5シリーズには試乗したことがあります。

マドン5.9(電動アルテグラ6770)がついていたモデルだったと思いますが、これも500シリーズOCLVカーボン採用だったはずで、エモンダSL5とカーボンのグレードは同じはずです。
私の記憶では、マドン3と4は結構柔らかいなと感じたのですが、5については軽量でありながらも剛性もしっかりあり、かといって剛性過多でもなかったような記憶があります。

もちろん、マドンとエモンダではまた乗り味が違うとは思いますが。
なのでバイクとの相性云々は、正直なところわかりません。
しかしながら、バイクとホイールの相性というのは絶対的なものではなく、乗り手の好みによるフィーリングの問題のほうが大きいと思うので、あまり気にしなくてもいいかもしれませんが。

文章から読む、ホイール選びのポイント

まず、キーワードをピックアップしてみます。
私が気になったキーワードとしては、
・初心者
・ロングライド
・ヒルクライム
・いずれはブルベ

まず、初心者ということでカーボンリムのホイールは即座に消えていいと思います
最近のカーボンリムは、一昔前よりも作りがしっかりしてきているのですが、それでもブレーキ熱の放熱性の悪さという問題はアルミとは比較にならないほどの大きな問題です。

ブレーキをかけることでリムには熱を帯びるのですが、アルミリムだと放熱性が良く、早く冷却されます。
カーボンリムは放熱性が悪く、それでいて熱によりカーボンが変性を起こしてしまうため、アルミリムのような使い方はホイールの寿命を短くします。

具体的なところでいうと、カーボンリムが熱で変形するとどうなるかということです。
リムが変形すればブレーキをかけた時に波打つようなグワングワンした感触になって、怖くて乗れません。
またカーボンチューブラーならともかく、カーボンクリンチャーの場合はリムが変形するとタイヤを保持できなくなり、脱輪します。
そもそも、変形したカーボンリムで乗る人がいるとは思えませんが。

カーボンリムの寿命を長くするコツとしては、ブレーキングは最小限にするという鉄則があります。
初心者だと峠の下りでビビって、ブレーキを当て効き状態にする方がいますが、そういう使い方はしないほうがいいのです。

なのでカーボンリムのホイールは、初心者には全くお勧めしません。

次に、ロングライド、ヒルクライム、ブルベとありますが、個人的な感覚としてはこれらを一本のホイールでまとめようとしないほうがいい気がします。
ロングライドでもコース次第ではミドルハイト(35mm程度)のほうが適する場合もあれば、ローハイトのほうがいい場合もあります。
また、どれくらいの速度が常用域なのかにもよります

例えばですが、ミドルハイト~ディープリムの場合、期待する効果はエアロです。
空気を切り裂いていくようなエアロ性能を求めると思いますが、これが感じ取れるのは時速30キロ台後半からです。
それ以下の速度が常用域なら、エアロ性能の前に【リムが重いホイール】というデメリットしかありません。

ヒルクライムとなるとやはりローハイトリムのほうが適しています。

ブルベに関してですが、ブルベにあまり詳しくないのですが、一昔前まではブルベ=手組ホイールだったように感じます。
これの理由ですが、手組で32本スポークのホイールは、万が一のスポーク切れの際にもそのまま走れます。
スポーク数20本程度のホイールだと、一本スポークが切れた時点でホイールが大きく振れて走れません。
なので完走目指すなら手組というのがある意味常識だったように感じますが、最近は完組ホイール派のほうが多いのでしょうか??

次に、カーボンリム以外で挙がっているホイールについてです。
レーゼロナイト、シャマルミレ、キシリウムプロエグザリットと書かれていますが、私の感覚では硬い順にレーゼロナイト、キシリウムプロエグザリット、シャマルミレかなと思います。
どれもアルミスポークのホイールですが、レーゼロ系は一番硬いです。
この差は、主にスポークの組み方によるものです。
シャマルミレも決して柔らかいホイールではなく、その辺のスチールスポークのホイールに比べたら硬いですが、その三つの中では一番乗り心地がいい気がします。
とはいえ、そこまで劇的な違いが出るわけでもないので、この三つでどれを選ぶかと聞かれたら【好み】としか言いようがありません。
ここでいう好みとは、ブランドの好み、見た目の好みなどの話です。
フルクラムとカンパはそもそも同じ会社なので、ハブ構造は同じです。
マヴィックはシールドベアリングなので、回転自体はその中では一番悪いです。
これについては、マヴィックのホイールが回らない理由をご覧ください。

どれくらいの脚力なのかなどわかりませんし、どれくらいの距離を乗っているのか、エモンダを硬いと感じているかなどによっても話は変わりますが、レーゼロナイト、シャマルミレ、キシリウムエグザリットの中ならどれを選んでも大きな差にはなりませんし、どれを選んでも満足できると思います。

個人的な好みでいうならば、私はマヴィック派なのでキシリウムプロエグザリットを選びます。
マヴィックの良さは、構造がシンプルなので頑丈であるということと、リムの精度が高いことです。
ハブについては賛否両論あり、マヴィックのハブはシール性が高いために回転自体は悪いです。
その代わり、水や埃の侵入には強いです。

重量 F605g,R750g

ペア1355g

リムタイプ ISM 4D

エグザリッド加工

(リム15㎜)

リム高 F24mm,R26mm
スポーク素材 フロント アルミ

リア(DS) アルミ

リア(NDS)カーボン

スポーク数 F18、R20
付属タイヤ イクシオンプロ25c

(210g)

対応タイヤ クリンチャー

キシリウムプロエグザリッドSLをサイクリングエクスプレスで見る

ハブの回転性については、正直なところでいうと実走ではほとんどわからないくらいの差にしかなりません。
ですがスタンド上で回転させると、明らかにマヴィックは他社よりも止まるのが早いです。
これを嫌がってマヴィックを避ける人もいます。
ハブの回転性を重視しながらも、硬すぎるホイールが嫌だと考えるならば、シャマルミレでしょうか。

Campagnolo – Shamal Mille (シャマルミレ) C17 クリンチャーホイールセット

※ただし、カンパフリーしか在庫はないようです。
フリーボディだけシマノ用に変えればシマノコンポでも使えますが、厳密にはフリーボディの交換だけでなくセンター出しをしたほうがいいかと思いますので、自力でやるのは困難かもしれません。

重量 F611g,R811g

ペア1426g

リムタイプ プラズマ電酸化

(リム15㎜)

リム高 F25mm,R30mm
スポーク素材 アルミ

スポーク数 F16、R21
付属タイヤ なし

対応タイヤ クリンチャー

現在のシャマルミレはワイドリム化していますが、ワイドリム化する前のスペックを書きました。
リンク先がワイドリムかどうかはわかりません。

シマノ用フリーはたぶん1万弱で買えるので、カンパフリーのホイールを買ってシマノフリーに付け替えたほうが安いかもしれません。
ただし、フリーボディを変えるとセンターが狂うことがあり、センター出しが必要になるケースもあります。
この作業はかなり慣れたショップじゃないとできません。

ホイール選びって難しいところですが、挙げたホイールはわずかな硬さの違いこそあれ、大雑把に言えば似たようなもの同士です。
見た目と予算だけで決めてもいいかもしれませんね。

レーゼロナイト、シャマルミレ、キシリウムプロエグザリットとプラズマ電酸化処理されたリムを選ぶということは、雨天時の制動力を気にしてのことだと思います。
これらのホイール、シューのすり減りはかなり早いです。
あと、ブレーキ音がうるさいです。
これらは性能とは関係ありませんが、一応知っておくといいでしょう。

ちなみにトレックにお乗りのこととの話ですが、トレック専門店に相談すると、例外なくボントレガーを勧められます(笑)




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