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新品のチェーンは洗浄してから使う?洗浄せずに使う?永遠の謎について考える。

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ロードバイクのチェーンは消耗品と言われます。
10速以上のチェーンだと耐久性もかなり低くなっていて、3000~5000キロで新品に交換することが推奨されています。
前にテレビで新城幸也が語っていましたが、ツールドフランスのようなレースでは1週間でチェーンを交換するそうです。



シマノの新品のチェーンを見ると、やたら粘度が高いグリスのようなものがネチャネチャついています。
これを洗浄してから使うのか、イヤイヤ、洗浄しちゃダメだって!と様々な意見がありますが、この問題について考えてみます。

新品チェーンの運用には、様々な説がある

大きく分けると、ディグリーザーなどで完璧に洗浄してから新しいオイルを付ける派と、洗浄せずそのまま使う派、洗浄はしないがオイルをつけてから使う派に分かれます。
さすがにディグリーザーで脱脂してオイルは付けずに走る派はいないと思いますが、大きくカテゴリー分けするならこの三つの派閥があります。

それぞれの言い分ですが以下の通りです。

ディグリーザーで脱脂してから新しいオイルを付ける派

新品チェーンにはヌチャヌチャ系のグリスが付いていて、どう考えても回転が重くなる。
軽快に走りたいから、グリスを全て脱脂して落とし切った後に、新しいオイルを付ければ問題ない。

洗浄せずにそのまま使う派

シマノは公式見解として、【新品チェーンは脱脂するな】と言っているのだから、当然そのまま使うべき。

洗浄せずに上から新しいオイルをつける派

シマノの公式見解では【新品チェーンは脱脂するな】と言っているのだから、それに従う。
だけどヌチャヌチャ具合が気に入らず回転も重くなるから、脱脂せずに新しいオイルをつけて潤滑を良くする。

 

大きく分ければこの3パターンだと思います。
脱脂する手段として、ディグリーザーなどの溶剤を使う人、灯油を使う人、中性洗剤を使う人など様々いるでしょう。
また、チェーン洗浄機で洗う人、チェーンは切ってからペットボトルなどで洗う人、直接ディグリーザーなどをかけてブラシで汚れを掻き出す人など、様々な洗浄方法があります。

シマノの公式見解

シマノの公式見解では、チェーンのメンテナンスについてこういっています。
(SIL-TEC加工されたチェーンについての話なので、厳密には105以上のチェーンの話になります)

洗浄するときは中性洗剤
・酸性やアルカリ性などのクリーナーに漬け込むのはやめてね
・新品チェーンはローラー部にグリスが入っているが、ディグリーザーなどの溶剤や灯油などに漬け込むとローラー部のグリスが流れてしまい、上からオイルを垂らした程度では浸透しないため、洗浄せずにそのまま使ってね
・どうしても気になるなら、中性洗剤で表面を拭いてあげて、オイルをつけてね。漬け込みは極力避けて。

これがシマノの公式見解です。

シマノ的には、ローラー部に封入されているグリスが一度流れてしまうと、そこに潤滑オイルを浸透させるのは困難なので、漬け込みで脱脂するのは推奨していないようです。

新品チェーンについているグリスですが、これ自体の目的はあくまでも防錆だと思われます。
内部までガッツリ脱脂されてしまうと、ローラー部に封入されたグリスは完全に流れてしまい、上からオイルを垂らした程度ではローラー部まで浸透しないというのがシマノの見解のようです。
その結果、アウター×ローのようにタスキ掛け状態になったときに、チェーンオイルが行き渡っていないがために、チェーンにクラックが入った事例もあるとか。

それでもチェーン洗浄機やディグリーザーは販売されている

いろんなメーカーから、チェーンの洗浄機とかディグリーザーは販売されています。
有名どころでいえば、ワコーズとかフィニッシュラインとか、AZとか。


AZのチェーン洗浄キットって、安いですよね。

ところがです。
天下のシマノは、チェーン洗浄キットを販売していません。


ですがシマノ純正のチェーン洗浄機というものはありません。

これはやはり、シマノ的には【漬け込みNG】という姿勢の表れなのか、それとも他社が作っているから作っていないだけなのか、そのあたりは全く分かりません。
ただ、どちらにせよシマノ的には中性洗剤のみ使用、溶剤系に漬け込みはNGという姿勢なのは間違いないようです。

結局、どうしたらいいのか??

正直なところでいいますと、ベテランの人ほど新品チェーンは洗浄して乾燥させたのちにオイルを付けている気がします。
また新品以外のチェーンのメンテナンスでは、多くの自転車乗りがディグリーザーなどで洗浄し、乾かして注油という流れだと思います。
(洗浄機なのか、チェーンを切って洗うかは別にして)

ここでシマノの真意を読み取れなければならないのですが、シマノが警戒しているのはこういう流れだと思います。

ディグリーザーなどで脱脂⇒注油⇒注油不足でオイルが行き渡っていない⇒チェーンが折れる⇒事故、クレーム

そりゃ製造元からしたら、一番怖いのはユーザーがワケわかんないメンテナンスを実行した結果、事故につながったとか、チェーンが折れてクレームになったとか、そういう事態です。
なのでシマノ的には、【これならどんなアホがやってもほぼ確実に安全だろう】という指針として、中性洗剤での洗浄を推奨し、溶剤に漬け込むのはNGとしているだけだと思います。
SIL-TEC加工自体は酸やアルカリに弱いわけでもないですし、最終的にチェーン内部までしっかりオイルが行き渡っていれば問題ないわけです。

例えばですが、溶剤で脱脂してすぐさまオイルをつけてすぐに走り出した結果、ローラー部までオイルが行き渡っていないためにチェーンが折れたとします。
慣れているローディなら【それはちゃんと乾かしてからオイルを付けていないために、オイルが分解されて内部まで浸透しなかったお前の責任】とすぐに原因がわかりますが、初心者は間違ったメンテナンスをするものです。
なのでシマノ的には、内部のグリスを完全に流し切らないようなメンテナンスを推奨することで、安全性の確保をしているのだと推測できます。

こういうのはどの分野の製品でも同じで、メーカー的には【アホの極み】みたいな人を想定して何を推奨して何を禁止するかを決めます。

なので新品チェーンのグリスについてですが、私の考えではディグリーザーなどで脱脂しても、最終的に内部までキッチリオイルが回っていればOKと考えています。
(もちろん、メーカー的には推奨されていないのでしょうけど)

そういう私の場合ですが、新品チェーンについては、実は洗浄せずにそのまま使うことが多いです。
まれに新品チェーンにオイルを垂らす場合もありますが。

普段のメンテナンスでは、チェーン洗浄機&ディグリーザーです。
私が使っているのは、こちら。
洗浄機はAZのもの。


ディグリーザーはフィニッシュライン。


チェーンオイルはAZのロードレースSP。


これらの選定理由ですが、洗浄機については元々、フィニッシュラインのチェーン洗浄機を使っていました。
これが汚れてきたので買い替えようと思ったところ、たまたま見つけたAZのチェーン洗浄機が安かったのでそれ以降AZ。

デュグリーザーについてですが、フィニッシュラインしか使ったことがありません。
というより、一時何を血迷ったのかフィニッシュラインのマルチディグリーザーをまとめ買いしてしまったため、豊富に在庫があるだけですww
これらを使い切ったら、安いAZに行こうかと思っています。

チェーンオイルにAZのロードレースSPを使う理由ですが、潤滑性能がかなりいいからです。
あと、安いww
ボトルタイプではなくスプレータープを選ぶ理由ですが、なぜかスプレータイプのほうが安いからです。
これを醤油差しに適量移し替えて、チェーンに添付するときは醤油差しでやっています。

<2018年5月追記>
スプレー式オイルをオイラーに移し替えて使った場合に、スプレー式オイルだとガスが入っているため、オイラーから急に噴射する可能性があると読者様からご指摘いただきました。
私自身はそうなったことがないのですが、確か言われてみるとそういう可能性はありますね。

 

なおタレコミ頂いた方の情報では、オイラーを逆さにするとオイルが急噴射してしまい使い物にならなかったとのことです。
勝手な予想では、針が極細になっているようなオイラーに移し替えるとこういう現象が起こりそうな気もしますが、すみませんがまだ未検証です。
・・・・・・・・・・・・・・

結論

私の考えでは、最終的に乗るときに、チェーン内部までしっかりオイルが浸透していればそれでいいと思います。
その途中のプロセスは、人それぞれ好きなやり方でOK。
洗浄機でガシガシ洗っても、チェーンを切って洗っても、最終的に乗るときにどうなのかという話であって、やり方は人それぞれでいいと思います。

あと気を付けてほしいのですが、こういう話を書くと【オイルはたっぷりつければいい】と勘違いする人もいるかと思います。
オイルはたっぷりつけると、埃や砂などの汚れを引き寄せます。
その結果、砂による摩耗などが進む可能性もありますので、オイルは最小限に、それでいて内部までじっくり浸透させるのがポイントです。

私の場合、オイルを付けたら最低でも一日以上寝かせてから表面を拭きとって、それから乗ります。
乗る直前にオイルをつけても、表面にはオイルが乗りますが内部までは浸透しません。

洗浄で溶剤に漬け込んだら、オイルをつけるときもしっかりと【寝かせて熟成】させないとダメだということです。
話は変わりますが、一晩寝かせたカレーって旨いですよね。
一晩寝かせる間に熟成されていくのはチェーンも同じということです。

熟成させるのが面倒だという人の場合、新品チェーンはそのまま使い、普段のメンテナンスも表面を拭く程度に抑えたほうがいいかもしれません。




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