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アルミスポークは意味がない?という意見について考えること。

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最近、某所にて【アルミスポークは工学的に意味がない】という意見が出され、それに対して疑問を持つ方も多いような印象を受けます。
アルミスポークのホイールというと、有名どころではフルクラムのレーシングゼロ、カンパニョーロのシャマル、マヴィックのキシリウムプロなどがありますが、これらのホイールを使ったことがある人ならば【明らかに硬い】という印象を受けると思います。



そこで【アルミスポークは工学的に意味がない】という意見について、考えてみます。

アルミスポークのホイール

先ほども書きましたが、アルミスポークのホイールというと、フルクラムのレーシングゼロ、カンパニョーロのシャマル、マヴィックのキシリウムプロあたりが有名どころです。
フルクラムとカンパニョーロは兄弟会社なのですが、レーシングゼロとシャマルはほぼ同じグレードのホイールと見ることができます。
個人的な感覚になりますが、ホイールとしての【硬さ】はレーシングゼロ、キシリウムプロ、シャマルかなと思います。
レーシングゼロとシャマルのホイールとしての硬さの違いは、主にスポークの組み方によるのではないかと考えています。
レーシングゼロは2:1、シャマルはG3という違いがあるわけです。

アルミスポークの【ウリ】ですが、スチールスポークと比べて変形量が少ない、つまりは剛性が高いということです。
ホイールを構成する要素としてリムとスポーク、ハブがあるわけですが、完全剛体ではないので乗り手の体重や路面からの衝撃などで変形を繰り返しがら進みます。
スポークはその変形を受け止めるような形になるわけですが、剛性が高いスポークならば変形しづらいということです。

一方の弱点として、アルミスポークはスチールスポークよりも金属疲労による劣化が大きいということでしょうか。
プロのライダーだと【かかりが悪くなった】ことを実感できるようですが、一般のライダーがそれを体感できるかは微妙です。
ほとんどの人はわからないでしょうし、もし分かるとしても、例えば長期間使ったホイールから新品のホイールに乗り換えたときくらいかと。

キシリウムエリートsとキシリウムSLSの乗り比べ

過去に某ショップにて、【マヴィックホイールの試乗キャンペーン】をしていたことがありました。
これは有料だったのですが、数千円払うだけでホイールを一日使ってもいいというサービスで、キシリウムエリートSとキシリウムSLSを乗り比べたことがあります。

キシリウムSLSというのは、現行モデルだとキシリウムプロSLです。
キシリウムエリートSはワイドリム化する前のモデルです。

この二つのホイールですが、リム自体は全く同じものとされています。
違いはハブとスポークで、キシリウムエリートSがスチールスポーク、キシリウムSLSがジクラルスポーク(つまりはアルミ)という違いがありました。
スポーク本数はどちらも同じです。

要はこの二つを乗り比べることで、スチールスポークとアルミスポークの違いを体感できると思い試乗したのですが、アルミスポークのSLSは加速感が明らかに良く、剛性が高いのがわかります。
キシリウムエリートSも決して柔らかめのホイールではありませんが、やはりSLSの硬さには勝てない感じがしました。

ただし、私の主な目的のロングライドではSLSの硬さが長距離乗ったときの後半に気になってしまったので、キシリウムエリートを買ったという経緯があります。

純粋に、と書くと語弊があるかもしれませんが、リムが同じでスポークが違うホイールを乗り比べると、明確な違いが感じ取れました。
これは私の知人も同じ意見でした。

そしてネット上でも【レーシングゼロは硬い】などとアルミスポークの硬さや加速性の良さを書いている人が多く、アルミスポークの効果は多くの人が認めていることだと感じます。

サイクリングエクスプレスでキシリウムエリートを見る

アルミスポークは意味がない、という斬新な意見に対し

そういう中で【アルミスポークは工学的に意味がない】というのはある意味斬新な意見に感じます。
もしかしたら、私や私の知人、ネット上で書いている人たちは【アルミスポーク=硬い】という部分を妄信的に信じすぎていて、硬く感じていたのは幻想だったのかと。
プラシーボ効果で惑わせれていただけなのかと。

なんですが、アルミスポークに効果がないというのはちょっと理論的には乱暴すぎる気がします。
私も試乗する前から【アルミスポーク=硬い】という先入観がありましたが、私の場合は【自分の想像よりも硬い】という印象でしたし、アルミスポークとスチールスポークの違いは誰でもわかるくらい顕著なんじゃないかと感じたくらいです。

なので幻想やプラシーボではないと考えます。

シマノの元ホイール開発者さんが発信している情報ですし、どのような考えから【アルミスポークは工学的に意味がない】という結論に至ったのか詳しく知りたいところなので、販売されたばかりのこの方の本を買ってみました。
明後日に到着予定なので、読んでみてこの方がどういう考え方なのか確認したいと思います。

ロードバイク本音のホイール論
吉本 司 田中 良忠
洋泉社
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コメント

  1. あるふぁ より:

    クランクに加えた力が同じならアルミスポークでも鉄のスポークでも同じにしか進まないって事じゃ無いですか、乗り手がどう感じるかは工学的には関係ないでしょうね

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      >クランクに加えた力が同じならアルミスポークでも鉄のスポークでも同じにしか進まないって事じゃ無いですか

      これは違うと思いますよ。
      ホイールを一回転させるために使う力は、ホイールによって違いますよね。
      極端な例でいうと鉄下駄ホイールと軽量ホイールを一回転させるのに必要な、クランクに加える力は違います。
      剛性でもパワーロスが生じますし、ホイールを一回転させるために必要な力はホイールにより違います。
      なので同じ力をクランクに加えた場合、ホイールによって進む距離は違いますよ。

      もし前提条件が【クランクを一回転させた場合に、アルミスポークでも鉄スポークでも同じしか進まない】というならわかりますが。

      剛性の違いがもたらす【乗り手がどう感じるか】は、工学的には説明が付くことだと思いますが。

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