【ロードバイク本音のホイール論】を読んで感じたこと。シマノの元ホイール開発者が執筆。

最近、いろんな意味で話題になっている、【ロードバイク本音のホイール論】を買って読んでみました。
この本は雑誌などのインプレライダーとしてよく見かける吉本さんと、シマノの元ホイール開発者という田中さんの共同執筆です。



今回は、いろんな意味で目玉となっている、シマノの元ホイール開発者の主張を主に見ていきます。

本音のホイール論を読んで思ったこと

まずこれを読む前に、この作者と某自転車屋で論争が起きていたことは知っています。
それをなるべく頭の中から排除して中立的に読もうと思っていましたが、やはり論争をみてしまうとなかなか難しいものです。

思ったことですが、この作者さんは物理学とか材料工学とか専門的に勉強されてきたんでしょうし、そういう分野から専門的に物事を分析してくれているのかと思っていましたが、私の感じ方では科学的なソースの提示があまりなく、ちょっと根拠に欠ける部分も見られました。
もちろんですが、ド素人の私よりも作者のほうがはるかに物理学などに詳しいというのは承知の上です。
私も元々は理系の大学を出ていますので、どうせならもう少し根拠を提示していただけたほうが読みやすかったです。

まあ本の構成からすると、理系の人を対象にした専門書ではないので、あえてソースを出さずに書いたほうが一般の人には読みやすいと考えたのかもしれませんが。

ここでも以前に書いたことがありますが、力学の基本的なことはしっかり説明されているのは良かったと思います。
剛性と強度の違いを分かっていない人も多いので。

ちょっと気になったのですが、【物理学的にはほとんど意味がないけど、フィーリングは変わる】みたいな表現があったことです。
ロードに乗る上で、フィーリングって大切ですよね?
フィーリングが変わるという時点で効果ありなんじゃないのでしょうか?
そしてそのフィーリングの違いは、物理学的なわずかな違いからもたらされているのでは??

印象的には、わかりやすく書かれていることが大半ではありますが、【本当にそうか??】と疑問に思うこともありました。
アルミスポークのレーシングゼロやキシリウムプロなどは、明らかにスチールスポークのホイールよりも硬さがありますし、走ってみて剛性が高いのは誰でもわかるくらいなんじゃないかと思います。
なので書いてあることを全て鵜呑みにするのは危険であり、ロードバイク初心者がこれを鵜吞みにしてホイール選びするのは、あまりお勧めしないという感じでしょうか。
ここで書かれていることの捉え方次第では、あなたにとってベストなホイールを選べずに失敗する可能性も秘めています。

どんな本やネットの情報でもそうですが、全てを信じ切るというのは危険な行為だと思っています。
多種多様な意見を見たり聞いたりし、その上で機会があれば試してみて実感する。
その上で、あなたにベストなホイールは何なのかを考えるのが大切でしょう。

リムは軽さなのか?剛性なのか?空力なのか?

私の考えでは一つのことにこだわりすぎるのは間違いの元、という感じがします。
例えばですが、リムは軽ければ軽いほどいいという【軽量性重視論】。
リムは剛性が高ければ重量はどうでもいいという【剛性重視論】。
リムは空力が大切だという【空力重視論】。

一つのことに固執しすぎると、結果としてベストなホイールには出会えない気がします。

リムが軽すぎると【すっぽ抜ける】感じがして進まないという人もいます。
また高速域ではリムが重いほうが慣性力で良く進むという意見も聞きます。

その一方で、リムが軽いほうが加速性が良いと感じる人も多いと思います。

最近思うのですが、これらってすべて正しい意見であると思うんです。
ただし、万人に当てはまるような正しさではありません。
要は使う人の脚力や常用速度次第で変わってくると思います。
プラス、合う合わないというフィーリングも大切です。

というのも、空力って感じるのは時速40キロを超えたあたりからだと思います。
ここでいう【感じる】というのは、あくまでも体感できるという意味です。
これについては、雑誌などのホイールインプレなどでも、多くのインプレライダーが述べていることだと思います。

時速30キロ程度で走っている人には空力ってよくわからない要素だと思います。
実験上のデータでは、時速30キロ程度でも空力の差は数字として出ていますが、これについては正直感じ取れるかというとかなり困難です。

剛性については難しいところですが、自転車は所詮は人力で動かすものですから、ホイールやリムに求められる剛性は人それぞれ違います。
リムの剛性を強化しても、人によってはそれが剛性過多になる場合もあるでしょう。
必要量以上の剛性があるリムなら、その人にとっては軽量化してリムの剛性を落としたほうがよく走るホイールになるかもしれません。

一方の剛性不足については、人によっては重量を増してでも剛性を強化したほうがよっぽど走るホイールになる可能性もあるわけです。

私が感じる傾向ですが、
・時速40キロ以上で巡航できる人⇒リムの剛性が高く、リムが重いほうがよく走るホイールになる可能性が高い
・時速30キロ台で巡航している人⇒リムの剛性はそこそこで、それでいて軽いリムのほうがよく走るホイールになる可能性が高い
・時速20キロ台で巡航している人⇒リムは剛性よりも軽量性を重視したほうがよく走るホイールになる可能性が高い

ここでは、あくまでも一般的な体重の人を想定して書いています。
これが例えば体重100キロの人なら、リムの剛性が高いほうがメリットが大きいでしょうし、例えば体重50キロ程度で、なおかつ20キロ台でノンビリ巡航している人なら、リムには最低限の剛性があればよく軽量性を重視したほうがメリットが大きいと思います。

私の場合、レースには出ずにロングライド主体ですが、好きなホイールは【剛性がやや高めで、なおかつリムが軽いもの】です。
剛性が低いホイールとか、リムが重いホイールは好きではありません。
常用速度も30~35キロ程度なので、エアロ性能も求めていません。

なので私みたいな人にとっては、リムハイトが高めでなおかつリムが重いホイールは何らメリットがなく、ローハイトリムで軽量だけど剛性がしっかりあるホイールが適しているわけです。

この本のターゲットはどこにあるのか?

私の考え方では、リムやホイールに求められる剛性は人それぞれだと思っています。
作者の考え方が当てはまるような人って、どちらかというとホビーライダーよりもレーサーのほうかもしれません。
初心者で空力うんぬんの速度で走れる人って少ないでしょうし、ロードバイクに乗る人の多くは、レーサーではなくホビーライダーです。

なのでロードバイクに乗るすべての人が、鵜吞みにしないほうがいいように感じます。
特に初心者は注意して読んだほうがいいかもしれません。

私がホイールを勧めるときは、リムが軽くて剛性が高いホイールを勧めることが多いです。
リムが重くて剛性が高いホイールはあまり勧めません。

数字的なものを追いかけていろいろ見ていくのも一つの手法だと思いますが、最終的なところはフィーリングです。
数字上優れていても、それがあなたに合うかどうかは別問題です。
個人的な印象としては、カンパニョーロのボーラウルトラ35クリンチャーとか、フルクラムのレーシングゼロカーボンあたりを買ったほうがはるかに幸せになれそうな気がします。
まあ、値段はだいぶ違いますが。
もしくは、キシリウムとかレーシングゼロなどのアルミスポークのホイールのほうがよっぽど良さそうに感じます。
アルミスポークは意味がないと書かれていましたが、あれもプラシーボだと言うのでしょうか??


Campagnolo – Bora Ultra (ボーラウルトラ) 35 クリンチャーロードホイールセット

ぶっちゃけて言うならば、手組ホイールで有名な某自転車屋さんのブログを隅から隅まで読むほうが勉強になる気がします。
タダだし。



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