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手組ホイールのパッケージ化が流行りなんですかね?

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近年、様々なホイールがいろんなメーカーから販売されていますが、最近増えてきていることとして【手組ホイールのパッケージ化】による完組風のホイールが増えてきているような気がします。
これ自体、決して悪いことだとは思いませんし、手組ホイールの良さは値段が安いということもあるので、ユーザーから見てもいいことも多々あります。



ですが、中には本当に大丈夫なのか?と思うようなホイールもあるので、ちょっと書いてみたいと思います。

完組ホイールと手組ホイール

完組ホイールを定義するならば、こうなると思います。

ホイールメーカーがリム、ハブ、スポークなどをすべて自社設計し、剛性や重量のバランスを最適化しているホイール

 

例を挙げるなら例えばカンパニョーロのゾンダC17。

Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット

重量 1596g(ペア)
リムハイト F25mm、R30mm
対応タイヤ クリンチャー
23cタイヤ ×(25C以上)
スポーク数 16/21
対応スピード シマノ8-11s

カンパニョーロによりリム、ハブ、スポークが設計されています。
製造自体は、例えばスポーク製造は他社に任せるなどしているのかもしれませんし、そのあたりのことは知りませんが、どちらにせよ設計自体はカンパニョーロが行っています。

 

これは大手のホイールメーカー、カンパニョーロ、フルクラム、マヴィック、シマノなどのホイールは全て当てはまると考えていいでしょう。

 

次に手組ホイールです。
手組ホイールを定義するならば、こうなると思います。

市販品のリム、ハブ、スポークを使って、限られた中で剛性や重量のバランスを最適化したホイール

原則として、手組ホイールのリムやハブ、スポークは普通に市販されているものが使われることがほとんどです。
例えばですが、有名どころでいうとFFWDのホイールは、市販されていて誰でも手に入るリムを使い、DTなどのハブを合わせて最適化しているものです。

Fast Forward – F4R フルカーボンクリンチャー 240s ホイールセット (ブラック)

リム カーボン
ハブ DT SWISS 240s
スポーク SAPIM CX-RAY
タイヤタイプ クリンチャー
リムハイト 45mm
リム外幅 22.4㎜
重量 1485g(ペア)
対応 シマノ8-11s
23cタイヤ
付属品 ホイールバッグ、クイックリリース、バルブエクステンション、リムテープ、ブレーキシュー

そのため、やろうと思えばリムやハブを買ってきて自分で同じものを作ることも可能です。

 

完組の場合、原則としてストレートスポークを使います。

手組の場合、首折れスポーク(Jベンド)を使うのが普通です。

ストレートスポークを使うには、ストレートスポークに対応したハブが必要になります。
こちらがストレートスポーク対応のハブで、

首折れスポーク対応のハブはこんな感じです。

ハブ側にスポークがくっつくところが違うので、首折れスポーク用のハブにストレートスポークをつけることは不可能です。
市販されている手組用のハブは、ほとんどが首折れスポーク用です。
ストレートスポーク用の手組用ハブもなくはないのですが、ストレートスポーク用のハブの場合、スポークの方向がハブ側によって決まってしまうため、スポークの組み方が制限されます。

 

なので完組ホイールではハブも自社設計してスポークの組み方を自社で決めることができます。
手組ホイールの場合は、それができません。
なのでどうしても手組ホイールの場合は完組に敵わない部分が出てきます。

 

ちなみにですが、シマノの最廉価ホイールのRS010は首折れスポークでした。

このホイール、実質前後で1万ちょっとで買えることが多いですが、どこでコストダウンしているかというとハブの設計開発のコストを下げているからでしょう。
このホイールがストレートスポークになった場合、売値はもっと高くなるでしょう。

シマノ ホイール WH-RS010-PCB 前後セット 11S対応
SHIMANO(シマノ)
売り上げランキング: 4,601

手組ホイールのパッケージ化

ここ最近、いろんなところで手組ホイールをパッケージ化したものが売られています。
代表的なのはいわゆる中華カーボンホイールですね。
中華カーボンリムを市販品のハブで組み、ありきたりなスポークでまとめあげて完成しているホイールです。

こういうホイールが安い理由ですが、要は自社設計している要素がないため、設計開発に関わるコストを大幅になくすことができるという点です。
大手メーカーは設計段階で試行錯誤しながらリムの形状だとかハブの寸法などをあれこれ考えてホイールを製造しますので、その分のコストがかかります。
ソフトを使ってあれこれ考えて、試作品を作ってはテストして・・・と様々なことを繰り返すので時間もお金もかかります。

 

中華カーボンホイールは設計や開発をする必要がないので、人件費や開発コストを思いっきり下げることができるということです。
手組ホイールの良さは、乗りての使い方や体重などに合わせて、オーダーメイドして作れるということです。
体重が重いからスポーク数は32本で・・・とか、体重が軽いからスポーク数は20本で・・・とか、太めのスポークを使って耐久性重視にしたいなど様々な変化を購入者の都合ですることができるというのが特徴です。

 

中華カーボンホイールというのは、こういう手組ホイールの【いろいろ選べる選択肢】を排除してパッケージ化して売っているということになります。
パッケージ化すればひたすら同じものを作ればいいので、これもコストダウンになりますね。
いろんなものを作ろうとすると、20Hのリムと32Hのリムを仕入れて・・・など在庫も無駄に抱えたりコストもかかるわけです。
同じ材料を仕入れているほうが、コストは安いわけで。

 

最近自転車屋でもショップオリジナルのホイールを作っているところもありますよね。

手組ホイールの弱点

手組ホイールは原則として首折れスポークと書きました。

手組最大の弱点ですが、この首になっている部分が折れやすいんですね。

 

普通に大手メーカー(カンパ、フルクラム、マヴィック、シマノなど)のホイールを使っていてスポークが折れたという人はほとんどいないと思います。
折れたとしてもリアディレーラーを巻き込んでなどのイレギュラーなケースが多いかと。

 

手組ホイールで使う首折れスポークは、折れやすいです。
私も32本スポークの手組ホイールを使っていたことがありますが、1年半で2回折れました。
それなりに走行距離が長かった頃とは言え、頻度としては高めです。

ただし走行性能はなかなか良かったのも印象的です。

 

手組ホイールをパッケージ化して売っているホイールを見ていくと、かなり軽量に仕上がっているものとかもあります。
そういうホイールがどうなのかと質問を受けることがあるのですが、限られた状況ではよく走るホイールだと感じます。
ただし、耐久性では完組にはかなわないですし、剛性もやや落ちる傾向にあります。

 

例えばなんですが、最近やたらと質問を受ける【ALEXRIMS ALX473】。
アルミリム(30mmハイト)で重量は1400g。
お値段は5万円以下ということで気になっている人も多いようで、私のところにも質問メールはそれなりに来ます。

 

実際使ったことがないのですが、たぶんこのホイールは多くの一般人ライダーにはかなりよく走るホイールになると思います。
軽量なのでヒルクライムなどでは有利ですし。
ですが私は全くオススメしていません。

 

このホイール、首折れスポークを使っています。
ここまではよくある【手組ホイールのパッケージ化】なんで特に珍しいことでもないのですが、問題はリアホイールのスポークパターンです。

 

2:1を採用しています。

 

2:1スポークパターンというのは、フリー側と反フリー側のスポークの数の比率を2:1にしているということです。

フリー側というのは、フリーボディがある側です(画像だと手前左)。
反フリー側というのは、フリーボディが無い側(画像だと奥右)。

 

なんで2:1にするかというと、左右のスポークテンションを同じくらいにするためです。
どうしてもリムとハブの位置関係の都合上、フリー側と反フリー側でのスポークテンションが変わってしまうので、2:1とすることでスポークテンションを左右同じくらいに仕上げましょうという考え方です。

 

アレックス ALX473はリア24本なので、フリー側16本、反フリー側8本のスポークで支えていることになります。
ただでさえ【首】が折れやすい首折れスポークで、反フリー側8本はさすがに・・・となるため、スポークが折れやすそうなので私はオススメしていません。

 

ALX473は進化して【ALX473 EVO】となったようで、ハブが自社設計!と謳っているのでどんなもんか画像を見ると、結局は首折れスポークです。
なので耐久性にはちょっと【?】が残るのでオススメはしていません。

 

もちろんですが、買ってきて一発目の走行で即座に折れるような脆さがあるわけではないですが、体重が重いライダーとかたぶん厳しいと思います。

 

私はマヴィックのキシリウムエリートをもう5年近く使っていますが、スポークが折れたことはありません。
というより完組ホイールを使っていてイレギュラーな事態以外でスポーク折れを経験したことがある人は少ないでしょう。

 

手組ホイールの首折れスポークは、どうしてもスポークが折れやすいです。
もちろん実際に折れるかどうかは人次第、運次第ではありますが。
そういうリスクも承知の上で、ホイールを選んだほうがいいんじゃないかと思っています。

 

そう考えると、同じような価格で買えるゾンダとかレーシング3とかは、総合バランスでいうとこういうホイールよりも耐久性は上でしょう。

Fulcrum – Racing (レーシング) 3 クリンチャーホイールセット

重量 F670g,R885g

1555g(ペア)

リムハイト F25mm、R30mm
対応タイヤ クリンチャー
23cタイヤ
スポーク数 16/21
対応スピード シマノ8-11s

※ただし手組のスポークは専用品ではないので簡単に手に入るので、即座に修理可能というメリットもありますが。




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