噂の軽量ホイール、ALX473 EVOってどうなの?という疑問に答える。

夏ごろからやたらと質問を受けることなのですが、【ALEXRIMSのALX473 EVOってどう思いますか?】という質問が結構来ています。
正直なところですが、このホイールを使ったことはありません



私はこのALX473EVOについての質問メールに対しては、一貫して答えていることがあるのですが、私なりの考え方をホイールのスペックから見ていきます。

ALX 473 EVO

ちょっと前から一部では話題になっていたのが、ALX473です。
4万円台(税抜)ながら1400g台という軽量性がウリでしょうか。
それが進化してALX473EVOとなっています。

まずはスペックから見てみましょうか。

重量 1460g
リムハイト 30mm
リム幅 外幅22mm

内幅17.4mm(ワイドリム)

対応タイヤ クリンチャー、チューブレス
スポーク数 F20、R24(2:1)
スポークタイプ 首折れ(Jベンド)
対応 シマノ8-11s
価格(税抜) 47,000円

こんな感じです。
軽量アルミホイールとして有名なのはデュラエースC24ですが、c24のスペックはこんな感じです。
shimano-dura-ace-9100-c24-carbon-clincher-wheelset
R9100-C24

重量 F585g、R804g、1389g(ペア)
リムハイト 24mm
対応タイヤ クリンチャー
23cタイヤ
スポーク数 16/21
対応スピード シマノ8-11s

デュラエースC24は海外通販だと9万円弱が多いので、半分程度の値段でデュラエースほどではないものの軽いホイールという見方ができます。

ALX473EVOをスペックからひも解く

ここでC24との違いをピックアップしてみましょう。

C24 ALX473 EVO
リムハイト F21mm

R24mm

30mm
スポーク数 F16,R20 F20,R24
スポークタイプ ストレートスポーク Jベンドスポーク(首折れ)

重量以外の違いを挙げると、こんな感じとなります。
ちなみにですが、デュラエースC24のフロントリムは、385g程度と言われています。
これはアルミリムとしては驚異的な軽さです。
といっても、C24はアルミリムにカーボンラミネートを施して軽量化しているという事情もありますが。

ALX473EVOのリムは30mmハイトの上にフルアルミリムなので、当たり前ですがC24のリムよりも重いです。

ここで参考までに書きますと、カンパニョーロのゾンダのC15バージョンのフロントリム(25mmハイト)の重量は460g程度とされています。
C15バージョンのゾンダは総重量が1550gでした。

これらのリム重量を挙げたのは理由があるのですが、ALX473EVOは30mmハイトのフルアルミリム、なおかつワイドリムです。
どう考えても、リムはそれほど軽くできません。
私の勝手な予想ですが、軽く見積もっても450g、重く見積もれば500g弱という感じのはずです。

手組ホイール用のリムで、KINLIN XR-300という30mmハイトのアルミリムがあります。
このリムはナローリムですが、重量は460g程度です。
ワイドリムのほうが重くなるのが普通なので、ALX473EVOのリムはこれより重いだろうと普通に考えると思うわけです。
逆に、これより軽いならペラペラの耐久性・剛性ともに乏しいリムになりかねません。

ですが、このALX473EVOは総重量が1400g台と軽量に収まっているわけです。
この事実から見えてくることは、
・リム重量は決して軽くない可能性
・ハブやスポークなどがやたらと軽量な可能性

これについてはほぼ間違いないと思います。

次に見ていきたいポイントですが、ALX473は首折れスポーク(Jベンド)を使っています。
Jベンドスポークにはメリットとデメリットがあり、
<メリット>
・手組用の市販されているハブなら原則としてほぼすべてに対応している
・ハブが専用設計ではなく汎用パーツなので、安価
<デメリット>
・スポークの首の部分が折れやすい
・専用設計ではないため、ホイールとしての剛性は限定的(組み方にもよるが、完組ホイールよりも剛性が落ちる傾向)
・ストレートスポークの完組ホイールよりもスポーク数が多くなる(そうしないと剛性、耐久性ともに落ちる)

このALX473EVOというのは、完組ホイールというよりも手組ホイールです。
手組ホイールを一つのパッケージ化して販売しているだけという見方ができます。

またこのALX473EVOはリアホイールを2:1組にしています。
2:1組というのは、24本スポークのホイールならばフリー側を16本のスポーク、反フリー側を8本のスポークにしている状態です。

※フリー側=フリーボディがある側(つまりチェーンなどがある右側)

2:1組にする理由ですが、現在の11sホイールではフリーボディがかなり内側にめり込んでいるいるような形のため、左右でスポークテンションが異なります。
それを左右でのスポーク数を変えることでスポークテンションの左右差をなくすために2:1にしているのですが、首折れスポークは首の部分が折れやすいので、首折れスポークで2:1はやらないほうがいいという意見もあります。

反フリー側はたったの8本のスポークで支えており、それでいて首折れスポークなのは耐久性についてはちょっと疑問です。

ALX473EVOは買いなのか?

4万円台(といっても税込みなら5万円を超えますが)で買えるホイールとしては、1400g台と軽量に仕上がっていることは魅力的に見えるかもしれません。
しかしながら、私はALX473EVOも悪くはないだろうけど、もっとコスパがいいホイールはありますよと答えています。

理由ですが、以下の点です。
・首折れスポークの手組ホイールであり、同価格帯の完組ホイールよりも剛性が劣る可能性

・首部分が折れやすいJベンドスポークで、なおかつ2:1組をしているので、スポークが完組ホイールよりも折れやすい

・これで1300g台など軽量に仕上がっていれば登りなどでは有利かもしれないが、さほど軽くもない

これより安く、もっと軽いホイールは作成可能

5万出すなら、レーシング3、ゾンダ、キシリウムエリートなどほかの選択肢があり、これら完組ホイールのほうが性能面では上

Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット

重量 1596g(ペア)
リムハイト F25mm、R30mm
対応タイヤ クリンチャー
23cタイヤ ×(25C以上)
スポーク数 16/21
対応スピード シマノ8-11s


Fulcrum – Racing (レーシング) 3 クリンチャーホイールセット

重量 F670g,R885g

1555g(ペア)

リムハイト F25mm、R30mm
対応タイヤ クリンチャー
23cタイヤ
スポーク数 16/21
対応スピード シマノ8-11s

重量 F680g,R870g

ペア1550g

リムタイプ ISM 4D

(ワイドリム17㎜)

リム高 F24mm,R26mm
スポーク素材 スチール
スポーク数 F18、R20
付属タイヤ イクシオンプロ25c

(210g)

対応タイヤ クリンチャー

サイクリングエクスプレスでキシリウムエリートを見る

まずこのALX473EVOは税込みで5万ちょいです。
手組ホイールは熟練の組手が作ったホイールならかなり性能がいいのですが、ぶっちゃけて言うと4万ちょいで1300g台のホイールは作れます。

例えばTNIのリムで【AL22】というものがあります。

【TNI-AL22_700_20】TNI AL22 アルミリム(WO) 700c 20H
TNI
売り上げランキング: 71,697

このAL22はリム重量が380gくらいとかなりの軽量で、デュラエースC24のフロントリム重量と同じくらいです。
ALX473EVOはどう考えてもリム重量はそれほど軽くないはずです。
ワイドリム&30mmハイトのリムなので、軽くなるわけもありません。
軽量性を謳うなら、むしろワイドリムではなくナローリムにしたほうがよかったのでは?とも思います。

このAL22リムでホイールを作っていけば、F20、R24でも1300g台は作れますし、ALX473EVOよりも軽くなります。
しかもALX473EVOよりも安く収まりますので、軽いホイールに特化するなら手組ホイールに詳しい店にオーダーしたほうがいいわけです。
しかも手組ホイールなら、乗りての体重に合わせてスポーク数を変えるなどいろんな調整が効くというメリットがあり、ALX473EVOをあえて選ぶ理由があまりありません。

安くて軽量だという【コスパ】を重視するなら、上記リムとハブで作れば1300g台後半に出来ますし、値段も4万ちょいで行けるはず。
そうなるとALX473EVOは税込みだと5万をちょっと超えるくらいなわけで、また優位性はワイドリム&チューブレスであることくらいなので、どうでしょうかね?

また、いちいち手組ホイールのオーダーがめんどくさいから完成形のホイールが欲しいならば、レーシング3、ゾンダ、キシリウムエリートなどを買っておいたほうが登り以外では優秀です。
レーシング3とゾンダは海外通販だと4万ちょい、キシリウムエリートは5万ちょいで買えるわけで、そっちを買うほうが総合性能ははるかに上でしょう。

重量だけに惑わされない

乗ったことがないのにいろいろ書くのは良くないかもしれませんが、このALX473EVOについてですが、完成車付属ホイールの鉄下駄よりははるかにいいと思います。
ただし実質5万出してホイールを買うなら、必ずしもベストな選択肢とも言えない気がします。

重量1500gのホイールが二つあって、一つは【リムが軽くてハブが重い】、もう一つは【リムが重くてハブが軽い】。
これのどっちがいいホイールかというと、前者です。
何をもっていいホイールと言うかは別として、同じ1500gという重量でも中身が違うと全く別の性能になります。

このALX473EVOはそれほどリムが軽くないだろうと予測がつくので、それならば首折れスポークのデメリットがあるしほかの選択肢のほうがいいんじゃない?となるわけです。

恐らくですが、レーシング3やゾンダなどと比べたときに、ALX473EVOの優位性は登坂くらいです。
人によっては登りでもレーシング3やゾンダのほうが速い場合もありますが、強いてメリットを挙げるならば総重量が軽いという一点です。
それ以外の場面ではレーシング3やゾンダなどに比べてしまうと落ちる気がします。

またどうしても5万くらいで軽量なホイールが欲しいならば、手組ホイールをオーダーすればALX473EVOよりも軽いホイールは作れます。
上で挙げたAL22とTNIのエボリューションライトハブあたりで組んでいけば、1300g後半から1400g前半で、しかもALX473EVOよりも安く収まるはずです。
スポークにもよりますが、DTコンペを使ってF20,R24でだいたいですが1380gくらいに収まるとか。
お値段も4万ちょいで行けるはずです(ショップにより異なりますが)。

もちろんですが、乗ってみたら違う感想を抱くかもしれません。
なんですがホイールのスペック上から見ていくと、これを買うのも悪くはないですがほかに良い選択肢も多々あるかと思います。

ただし上でも書きましたが、完成車付属の鉄下駄ホイールよりは明確に走りが良くなると思います。
私はそれを認めた上で、あえて違うホイールのほうがいいんじゃないかという意見です。

このALX473EVOについてはかなりの方が興味を持っているようで、かなりのメールが来ました。
乗ったこともないホイールをアレコレ言うのもおかしいところですが、最近こういうホイールが流行りなのか、低価格で軽量性を謳うホイールが増えてきています。
そういうホイールを単に重量だけで見ていくといい買い物ができなくなると思っているので、ホイールを細かく見ていきました。

あと、もしどうしても【ワイドリム&チューブレス】が欲しいなら、マヴィックが今期出してきた新作のチューブレスホイール、キシリウムエリートUSTとかのほうがいいかと思います。
海外通販を使えば、恐らくは5万程度で買えるでしょうし。
それでいてマヴィックが誇るリムの製造技術の高さなどから、ALX473EVOを買うよりもはるかに良さそうな気がします。

MAVICの新型チューブレスホイール、キシリウムエリートUSTやキシリウムプロUSTは12月中旬頃に入荷予定との情報が!

キシリウムエリートUSTのスペックはこちら。

重量 F665g、R855g

ペア1520g

リムハイト F24mm、R26mm
スポーク素材 スチールステンレス
スポーク本数 F18,R20
対応タイヤ チューブレス、クリンチャー
23cタイヤ X(25c以上)
タイヤ イクシオン プロ UST

260g




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