アルミホイール?カーボンホイール?それぞれのメリットとデメリットを解説!どっちを選ぶべきか?

最近来たメールの中で、カーボンホイールとアルミホイールで迷っているという話がありました。
カーボンホイールとアルミホイールでは、どちらにもメリットとデメリットがあります。
これを理解せずに【カッコいいから】という一点のみで買うと、後から後悔しかねません。

そこでアルミホイールとカーボンホイールの、メリットとデメリットを解説します。

※ここではどちらもクリンチャーで比較します。



アルミホイール??カーボンホイール??


Fulcrum – Racing Zero (レーシングゼロ) カーボンクリンチャーホイールセット

この【アルミホイール】とか【カーボンホイール】という表現はちょっと紛らわしい気がしますが、より正確に書くならば【アルミリム】と【カーボンリム】です。

どちらでもスポーク自体はスチールステンレスであることが一般的ですが、より上位のホイールだとアルミスポークを使っていたり、カーボンスポークを使っているものもあります。

アルミホイールとかカーボンホイールと言う場合、要はリム素材の違いがあります。
ここで考えていきたいことですが、リムというのはロードバイクの中でどういう役割なのでしょうか。

リムの役割

アルミリムでもカーボンリムでも、どちらでも共通する事項は以下の点です。

・タイヤを保持する機能が付いている
⇒クリンチャーの場合、チューブを入れてタイヤを嵌めます。
なのでタイヤを保持できるようなフックがついています。

当たり前ですが、フックが破損すればタイヤがズルっと脱げて脱輪しますね。
走行中に脱輪したら・・・恐らくは爆死するでしょう。

・ロードバイクの走行に合わせてゴロゴロ転がる
⇒ペダリングのパワーがチェーンを介してリアホイールを動かすわけですが、リムはホイールの外周部にあるので中心部であるハブを軸にしながらリムがゴロゴロ転がる形になります。

この際、慣性モーメントという力を受けるので、リムの軽量化はほかの部分の軽量化よりも2倍程度の威力を持つと言われています。

リムが軽いと漕ぎ出しが軽くなるのを実感できますし、リムが重いと慣性力でより長く回ろうとします。

・ブレーキに関わる
⇒一般的なロードバイクなら、ブレーキシューでリムを挟み込んでホイールの回転を止めようとすることでブレーキがかかります。
この際、重要なこととしてはリムとブレーキシューの間には強烈な摩擦力が発生しますから、摩擦熱が生じます。

リムの役割はこんなところです。

アルミリムのメリットとデメリット

アルミリムと一括りにまとめるのもいかがなものかという意見もあるかもしれませんが、一般論として書きます。

メリット

価格

カーボンリムよりも安く作れるため、アルミホイールはカーボンホイールよりも安くなる傾向があります。
リム単体で見ると、アルミリムのほうが圧倒的に安く作れます。
ですがカーボンホイールでもかなり安いのも最近はあります。

ホイールとして見た場合にはハブやスポークなども関わるため、必ずしもアルミホイールが安いとは限りません。

熱に強い

腕も説明した通り、リムにはブレーキシューによって摩擦熱が発生します。
アルミは熱を帯びても放熱性が高いので、リムに損傷が起こりにくいというのが特徴です。

デメリット

重量

同じリムハイト比で見た場合、アルミリムのほうがカーボンリムよりも重くなります。
そのため、アルミのディープリムというものは基本的には存在しません。
実用に耐えられないくらい重くなってしまうからです。

とはいえ、アルミリムでもリムに様々な技術を使って軽量化しているものもあります。
代表的なところでいうと、マヴィックのキシリウムはリムに切削加工することで、余分な贅肉を落としています。

これは私のキシリウムエリートSですが、スポークとスポークの間を削っているためにシルバーになっています。
(最近のモデルでは、削った部分も塗装されていますが)

シマノのデュラエースC24は、薄めのアルミリムにカーボンラミネートを施して軽量化しているので、フロントリム重量は385g程度しかありません。
この場合は厳密にいうとアルミリムとは言えないかもしれませんが・・・
キシリウムエリートSの場合、フロントリム重量は410g程度とこれも軽量です。

ところが同じくらいのリムハイトでカーボンリムを作った場合、重量は300g台前半とかになったりします。

カーボンリムのメリットとデメリット

メリット


上で書いたことの続きになりますが、同じリムハイト比で考えた場合、リム重量は圧倒的に軽くなります。
カーボンリムでは50mmハイトとか普通にありますが、アルミリムで50mmハイトにした場合、恐ろしく重いホイールにしかなりません。
なのでアルミリムの場合、せいぜい35mmハイトくらいまでです。
(例、カンパニョーロのシロッコなど)

カーボンリムの場合はリムハイトを高くしても軽量に作れるというのが最大のメリットです。

デメリット

価格

カーボンリムの場合、製造原価がどうしてもアルミリムよりも高くなります。
そのため、ホイール単体としても値段が高くなりがちです。

中華カーボンホイールなどだと5万円程度から買えたりしますが、中華カーボンホイールが安い理由はいくつかあって、
・大手メーカーのように開発設計費を抑えている
・大手メーカーのような大規模な走行性能試験などをしていない
・ハブやスポークが市販品の安物

こういった理由から安くなっているのが現状です。
同じ50mmハイトでも、カンパニョーロのボーラウルトラ50クリンチャーは30万弱とかしますが、アマゾンでも買えるICANのホイールなら5万円ちょっとというところでしょう。

放熱性

カーボンリムはブレーキ時の熱を放熱するのが苦手で、リムに熱を溜め込む性質があります。
カーボンリムは熱に弱いため、これによりリムが破損することがあります。

特にカーボンクリンチャーの場合、リムが破損するとタイヤを保持しているビートフックが破損してタイヤを保持できなくなる可能性もあり、万が一の際は脱輪する危険性があります。

カーボンホイールのほうが乗り心地がいい??

カーボンというと振動吸収性がいいというイメージから、カーボンホイールだと振動吸収性が上がると思っている人もいるようですが、これについてはあまり関係ありません。
リムがカーボンでも金属のスポークによってテンションがかかっているので、リム自体のシナリはそこまで大きくなりません。
これがフレームとの違いです。

振動吸収性がいいアルミホイールもありますし、振動吸収性が悪いカーボンホイールもあります。
一般論としては、スポークが短いホイールほど振動吸収性が悪くなる傾向があります。
スポークが短いというのは、ディープリムの話ですね。

アルミホイールとカーボンホイール、どっちがいい??

これについてですが、どういう用途でロードバイクを使うか次第でしょう。

カーボンホイールですが、一番の難点はブレーキ熱に弱いということです。
そのため、下り坂でブレーキを当て効きさせながら下るような人が使い続けると、リム破損が起こりやすくなります。

最近だと【うちのホイールは耐熱性抜群なんです!!だからアルミリム用シューでも行けます!!】みたいに書いているブランドもありますが、そういうブランドのカーボンホイールで、ブレーキシューのほうが熱に耐えきれなくて溶けた事例を見たことがあります。
リムが無事でも、シューが溶けたら危ないですよね・・・

なので根本的なライディングスキルがない人には、カーボンリムは向きません。
もちろん、壊したらすぐに買い換えられるような資金力があるなら別ですが。

普段使いするなら、カーボンホイールよりも耐久性が高いアルミホイールのほうが無難でしょう。

さてここからが本題です。
最近は高いアルミホイールもあれば、やたらと安いカーボンホイールもあります。
例を挙げるならば、高いアルミホイールはフルクラムのレーシングゼロナイトとかにしてみましょうか。
値段的には15万ちょいとかそんな感じです。


Fulcrum – Racing Zero Nite (レーシングゼロナイト) C17 クリンチャー

重量 1506g(ペア)
リムハイト F27mm,R30mm
対応タイヤ クリンチャー
23cタイヤ x(25c以上)
スポーク数 16/21
スポーク素材 アルミ
ハブ USB(セラミックベアリング)
対応スピード シマノ8-11s

安いカーボンホイールとして、同じくらいのリムハイトのPRIME RP-28を挙げてみましょう。

Prime – RP-28 カーボンクリンチャーロードホイールセット

リム T700 UD カーボン
ハブ CNC 加工済み 7075 アロイハブボディ RO10
スポーク数 F20(ラジアル)

R24(2クロス)

スポークタイプ ストレートプル
タイヤタイプ クリンチャー

チューブレス

リムハイト 28mm
リム幅 内幅16.5㎜

外幅25㎜

重量 1372g(ペア)
対応 シマノ8-11s
23cタイヤ x(25c以上)
付属品 クイックリリース、チューブレスバルブ、リムテープ、ブレーキシュー、替えスポーク、10sスペーサー

この二つを比べた場合に、重量と値段はPRIME RP-28が圧勝です。
レーシングゼロナイトよりも100g以上軽く、かおなつ実売ベースでもPRIMEのほうが5万程度は安いはずです。

このスペックだけを見たらPRIMEでいいか・・・となりそうですが、私ならヒルクライムでもロングライドでも、レーシングゼロナイトを選びます。
これについては明確な理由があり、ホイールの剛性はどう考えてもレーシングゼロナイトのほうが上です。
どうしても中華カーボン系はハブがイマイチだったりしますので、ホイールとしての性能はやはりレーシングゼロナイトの圧勝となります。

レーゼロはアルミスポークを使っているのと、駆動剛性がいいような組み方をしています。
中華カーボンだとどうしてもありきたりな材料で限られた範囲で組まれているだけなので、剛性は必ずしも最適とは限りません。

なのでカーボンホイールだから、常にアルミホイールよりも劣るとは限りません。
どのアルミホイールとどのカーボンホイールを比べるか次第です。

ところがセミディープとかディープリムになってくると、話は変わってきます。
まず、セミディープと言われる35~40mmハイトの場合、アルミホイールではそこまでいいものがありません。
強いて最上級のセミディープアルミホイールと言うと、シマノのR9100-C40でしょうか。

Shimano – Dura Ace (デュラエース) R9100 C40 カーボンクリンチャーホイールセット

重量 F674g、R834g

ペア1508g

スポーク数 F16、R21
23cタイヤ
リム高 35mm
リム素材 アルミ(カーボンラミネート)

ちなみにC40はややこしいですが、リムハイトは35mmです。

重量的にもそこまで軽くもないので、これならボーラワン35クリンチャー買ったほうがいいでしょうし。
デュラC40を買ったほうがいいとしたら、ブレーキ熱の心配がないという一点です。

Campagnolo – Bora One (ボーラワン) 35 クリンチャーホイールセット (2018)

重量 F600g、R805g

1406g(ペア)

リムハイト 35mm
対応タイヤ クリンチャー
23cタイヤ X(25c以上)
スポーク数 16/21
ハブ USB
対応スピード シマノ8-11s

ところが、アルミ35mmハイトがシロッコだとしたら、シロッコ買うなら中華カーボンでもいいかなという選択肢になっていきます。


Campagnolo – Scirocco (シロッコ) C17 ロードホイールセット

重量 1654g
リムハイト 35mm
リム幅 C17(ワイドリム)
23cタイヤ X(25c以上)
対応 シマノ8-11s


Prime – RP-38 カーボンクリンチャーロードホイールセット

リム T700 UD カーボン
ハブ CNC 加工済み 7075 アロイハブボディ RO10
スポーク数 F20(ラジアル)

R24(2クロス)

スポークタイプ ストレートプル
タイヤタイプ クリンチャー

チューブレス

リムハイト 38mm
リム幅 内幅16.5㎜

外幅25㎜

重量 1360g(ペア)
対応 シマノ8-11s
23cタイヤ x(25c以上)
付属品 クイックリリース、バルブエクステンション、チューブレスバルブ、リムテープ、ブレーキシュー、替えスポーク、10sスペーサー

シロッコとRP-38の比較では、シロッコが勝てるのは価格とブレーキ熱の心配がない点だけです。
シロッコは練習用としては悪くない選択肢ですし、普段使いするならアルミリムなのでいいと思いますが、走行性能を考えたらカーボンリムに勝つのは難しくなってきます。

まあ、価格差が結構あるので当たり前なんですが。

フレームも含めて、一般論としてはアルミよりもカーボンのほうが上位だと考えがちです。
これについては、製造原価という面では、確実にアルミよりもカーボンのほうが上位と言えます。

ホイールとして見た場合、私の感想では上位のアルミホイールといわゆる中華カーボンホイールを比べた場合、上位のアルミホイールのほうが性能的には上であると思っています。
ただし、大手メーカーのカーボンホイールの場合は話は変わってきます。

ホイールの比較というと、どうしてもリム素材と重量だけで見てしまいがちですが、実際の走行性能はそれだけでは決まらないということも覚えておいたほうがいいでしょう。

またホイールの【性能】というのは、使う場面により変わります。
通勤通学で使うなら、耐久性重視でアルミホイールのほうがいいというのは皆さんわかると思います。
耐久性というのも立派な性能です。

また、見た目での満足感というのも立派な性能です。
他人がどう思っても、カッコいいと思うならそれでいいのです。

適材適所と満足感、アルミホイールがいいのかカーボンホイールがいいのか、それはあなた次第です。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする