【試乗インプレ】トレックのエモンダALRを試乗しました。軽量アルミフレームの実力はいかに?【2018年モデル】

トレックの軽量アルミフレームである、エモンダALRを試乗してきました。
トレックが出してきた軽量アルミフレームとして有名ですが、過去に某自転車屋で実物を見て、あまりの溶接痕処理の綺麗さにずっと興味を持っていました。

今回乗ったのはエモンダALR5になります。
105完成車です。



エモンダALR5

昨年某自転車屋でトレックのエモンダALRを見たときに、これは本当にアルミなのか??とかなり興味を持ったのがきっかけです。

最近のアルミフレームの中でも凝っているもの(=高めのモデル)については、特にトップチューブとヘッドチューブの溶接痕が全くないものもあります。
私が前に乗っていたビアンキのIMPULSOも、トップチューブとヘッドチューブのつなぎ目には溶接痕がありません。

ビアンキのIMPULSOの場合、一度溶接した後に再度金型に入れてハイドロフォーミングしているので、ここの溶接痕は全くありません。
ただし、それ以外のところは安いアルミフレームほどではないですが溶接痕はありました。

トレックのエモンダALRについては、あらゆる場所に溶接痕が見当たりません。

厳密に言うと、よーく見れば溶接痕はあります。
最初に某自転車屋で見たときに、キャノンデールのCAAD12やジャイアントのTCR SLRといった軽量アルミの代表格もあったので見たのですが、断トツで溶接痕処理が綺麗です。
順番で言うと、エモンダALR>CAAD12>TCR SLRの順です。

今回乗ったのはエモンダALR5。
105完成車です。
スペックはこちら。

フレーム アルミ

960g(サイズ47未塗装)

フォーク フルカーボン
コンポ 105(フル105)
ホイール Bontrager Tubeless Ready
定価 166,000円(税別)
重量 8.4キロ(サイズ56)

フレーム重量が、未塗装状態ながら960gと超軽量です。
恐らくですが、アルミフレームではここら辺が限界なのではないでしょうか?

完成車重量も8.4キロとアルミフレームとしてはまずまずのところに収まっているのが特徴です。

インプレのときは、何と比較するかも大切です。
比較対象は前に乗っていたビアンキのIMPULSO105(&キシリウムエリート)、LOOK765(&キシリウムエリート)になります。
キシエリのほうが完成車付属ホイールよりもだいぶ軽いので、それを差し引いて見ていきます。

エモンダALR5 インプレ

加速性

どうしても普段使っているホイールがキシリウムエリートなので、エモンダについているホイールは重く感じてしまいます。
なのでゼロスタートはちょっと重さを感じますが、それを考慮してもこのフレームは加速性が高いです。

試しに平地でダンシングしてみたのですが、BB周りの剛性は高いように感じます。
なので踏み込んだ時の反応性が高く、踏み込んだ分をしっかり加速してくれる印象です。
このあたりは良質なアルミフレームならではの感覚ですね。

振動吸収性


これが結構意外だったのですが、振動吸収性が結構いいです。
カーボンフレームに近いような感触で、フレーム全体でシナリを持って路面から来る振動をいなしているような感触。

軽量アルミというと、やたらと乗り心地が悪いフレームもありましたが、エモンダALRについては振動吸収性も悪くありません。

同じアルミのビアンキのIMPULSOよりも振動吸収性が高いように感じます。

ただし、細かい振動や中程度の凹凸はアルミフレームとしてはかなり振動吸収性が高いと感じましたが、ちょっと大きめの衝撃を受けると【やっぱアルミだな】と思うようなガツンとした衝撃が身体にかかります。
これの比較対象はLOOK765になりますが、765は振動吸収性はかなり高いフレームなので、これと比較するのは酷な気もしますが。
ただ、中程度の振動までならカーボンフレームと互角に戦えます。

ブレーキ


一昔前のトレックというと、アルミフレーム完成車や低価格帯のカーボン車にはボントレガー製のブレーキが採用される傾向が強かったのですが、安心の105が標準装備。
加速性が高いフレームにはいいブレーキはマストですね。

変速


コンポはフル105なので変にクランクをケチったりなどもしていません。

個人的な印象ですが、昔のトレックってクランクとかブレーキとかケチっていたような印象があったのですが、フル105というのはいいですね。

登り

今回ですが、本来の私の適正サイズよりもだいぶ小さいサイズなので、ちょっと窮屈感がありました。
登りでダンシングしたときのリアの【かかり】がいいなと思いました。

ホイールが重いのでシッティングだとそこまで魅力的に感じなかったのですが、ホイール変えたらだいぶ化けそうです。

その他、気になった点

ワイヤー外装

ずっとエモンダALRってワイヤーがフレーム内蔵だと勘違いしていたのですが、ワイヤーはフレーム外装でした。

これについてですが、正直なところで言うならば、性能面重視なら外装のほうが有利です。
内装のほうが空力がいいんじゃないの??と思う人もいるかもしれませんが、ワイヤーが外装か内装かで乗ってわかるような違いは絶対にありません。
実験室レベルだと空力の違いは出るのかもしれませんが、これの違いを感じ取れる人はいないでしょう。

外装のほうが性能がいいと書いた理由ですが、まずはワイヤーの流れがシンプルで変に曲がるような場所も少ないので、実は変速などが内装よりも軽くできます。

あと、ワイヤーを変えるときに外装のほうが楽です。

ただしデメリットもありまして、フレームを拭きにくいとか、フレームに付いているワイヤー受けの部分に汚れがたかりやすくなったりします。

なので実際のところですが、性能面ではわずかな差しかないので、ここは見た目で気に入るかどうかだけで判断していいと思いますね。

他社の某アルミフレームで、ワイヤーがフレーム内蔵のモデルがあります。
そのアルミ完成車の謳い文句で、【ワイヤーが内蔵でメンテナンス性がよい!】みたいに書かれていました。
メンテナンス性はどう考えても外装のほうがいいです。
最近、大手メディアでもこういう素人騙しのようなことを書くのもあるので、正直どうかなと思ってしまいますが。

ホイール重い

今回、余計な先入観を入れないために、あえてホイール重量を調べずに試乗しました。
正直なところフレームがいいのに、ホイールはクソ重いです。

帰ってきてから調べましたが、F900g、R1120gのペア重量が2020gのようです。
まさに鉄下駄といっていいでしょう。

ただし、私が乗った感触ですが、勝手な予想ですが1800g程度のホイールだと思っていました。
この辺はフレームの良さがカバーしてくれたのかもしれません。

アルミ完成車でいいホイールが付いてくることなんてまずあり得ないのですが、実際のところどこのアルミ完成車でもホイール重量は似たようなもんです。
最近はシマノRS010がついてくる完成車が多いですが、RS010はペア重量1890gです。
ただ、くどいですが乗った印象ではシマノRS010よりもの軽いのかなと推測する感じでしたので、フレームがいいという認定です。

なので、エモンダALRについては、ホイールは絶対に変えたほうがいいです。
デフォルトのホイールでも、ロード初心者なら楽しめると思いますが、ホイール変えたら即レースでも行けるんじゃないかという期待感が強いです。
個人的にはキシリウムエリートあたりが合いそうな気がします。
あとはレーシング3とか。
ちょっと剛性高めのホイールのほうが合いそうな予感。

Mavic【マビック】Ksyrium Elite UST Clincher Tubeless Road Wheelset 2018

重量 F665g、R855g

ペア1520g

リムハイト F24mm、R26mm
リム幅 17c(ワイドリム)
スポーク数 F18,R20
スポーク素材 スチール
ハブ FTS-L スティール
タイヤ Yksion Pro UST

25c(260g)


Fulcrum – Racing (レーシング) 3 クリンチャーホイールセット

重量 F670g,R885g

1555g(ペア)

リムハイト F25mm、R30mm
対応タイヤ クリンチャー
23cタイヤ
スポーク数 16/21
対応スピード シマノ8-11s

レーシング3やキシリウムエリートあたりが最低ラインで、それ以上のホイールを狙うのがよいかと。
あえてゾンダと言わない理由ですが、ゾンダよりレーシング3やキシエリのほうが剛性は高いです。
エモンダALRのフレームを考えると、それなりに剛性感があるホイールのほうが活きるかなと思ったからです。

ALR4とALR5の違い


ALR4はティアグラ、ALR5は105というのが大きな違いなのですが、実はフォークが違うそうです。
ALR4ではアルミコラムのカーボンフォーク、ALR5ではフルカーボンフォークだそうです。

実際にトレックのサイトを見ると、こう書いてありますね。

ALR4 ALR5
Émonda carbon, E2 tapered steerer Émonda carbon, carbon E2 steerer

これだけ見るとよーく見ないと違いに気がつかないのですが、確かに微妙に違いますね。

ちなみにアルミコラムとカーボンコラムで性能差があるかどうかですが、カーボンコラムのほうが軽いです。
たぶん150g~200gくらいは軽くなります。

乗ってみて何か違いが分かるかというと、正直なところわかりません。
というより、夜中にこっそりフルカーボンフォークからアルミコラムのカーボンフォークに変えられていても、気がつかないという自信はあります。

ただ、軽いほうが正義ということはロードバイクの世界では常識的なことなので、単にコンポの違いだけではないということも重要なことです。

※2018年モデルのALR4(ティアグラ)のページを見ると、【Émonda carbon, E2 steerer】と書いてあるのでもしかしたらフルカーボンかもしれません。

ただ、私は4についてはアルミコラムと説明を受けました。

軽量アルミの中では大本命かも

変な安いカーボン車を買うくらいなら、良くできたアルミフレームのほうがよっぽど速いというのはもはや常識的なことですが、まさにエモンダALRが【良くできたアルミフレーム】と言っていいでしょう。

総重量で言うと、ジャイアントのTCR SLR2(105完成車)が7.9キロだったり、コーダブルームのFARNA SL2(105完成車)が7.8キロだったりするので、完成車重量で8.4キロのエモンダALR5は重そうに見えるかもしれませんが、フレーム重量で言うとこの三つ(&キャノンでールのCAAD12も)はほぼ同じ重量です。
トレックに乗りたい人や、軽量アルミながら総合力が秀でているフレームが欲しい人にはいい選択肢かなと思いますね。

TCR SLRとかCAAD12もかなりいいフレームなので、このあたりのモデルで迷ったら最後は見た目で決めていいと思いますが。
ほぼ変わらない値段でTCR SLRの7キロ台というのも反則的な重量なのですし。

まだコーダブルームは試乗していませんが、個人的にはTCR SLR、CAAD12、エモンダALRの中ではエモンダが加速性と振動吸収性のバランスが一番よいと感じました。
TCR SLRとCAAD12に比べると、振動吸収性がちょっとだけいいような印象で、加速性についてはこのあたりは互角かなと。
残るはコーダブルームの試乗ですね。


Khodaa Bloom(コーダブルーム) 2018年モデル FARNA SL2-105 SHIMANO 105 (ファーナSL2 105)[アルミフレーム][ロードバイク・ロードレーサー]

総括

エモンダALRは、まさにハイエンドアルミフレームと言っていいでしょう。
フレームが軽量なのでパーツを変えていけば6キロ台も見えてきますし、アルミフレームながら振動吸収性も悪くない部類なので、ロングライドでも十分使えます。

個人的な印象ですが、10万円台という括りで速さ重視なら、エモンダALRは最高なのではないでしょうか?
ロングライドも100キロくらいなら全然こなせます。
アルミフレームの中では振動吸収性もいいほうです。

帰り道にいつも乗っているLOOK765で帰ったわけですが、エモンダALRに乗った後に765に乗ってみると765はペダリングに合わせてBB周りがそれなりに動く印象がします。
個人的には最近は765みたいにBB周りの剛性が高すぎないほうが好みだし快適なんですが、エモンダALRのような良質なアルミフレーム完成車がこの価格で買えるというのは大きなメリットでしょう。

ただし、ホイールは絶対に変えたほうがいいと思います。
どこのメーカーのアルミ完成車でも、いいホイールが付いてくることなんてほぼあり得ないのですが、せっかくのいいフレームの良さをさらに引き出すなら、もうちょい軽量なホイールを付けてあげたほうがよりバランスが良くなりそうです。

近年のアルミフレームはなかなかハイレベルなものが多いのですが、エモンダALRはそのハイレベルなアルミフレームの一つと言っていいでしょう。




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