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メーカーが適正身長を書いていないロードバイクは、どうやってサイズ選びするのか?

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ロードバイクのサイズ選びについて質問を頂きました。

しかし調べてもどうしてもわからないのがフレームサイズです。確かLOOKなどはメーカーが推奨身長を公表していませんよね?
こういう場合、ショップがある程度の目安を示してくれていますが、店によって違う場合があります。同じSサイズでも~170と書いてあったり、175前後と書いてあったり、という具合です。
こういう場合は実際にまたがってみるしかないと思いますが、そもそもロードバイク経験がなければ実際にまたがったところでサイズが合っているかどうかが判断できません。
こういう場合は何を基準に判断すればいいのか、目安のようなものがあれば教えてください。例えば、〇〇してみた場合、より〇〇な方、とかそういうのがあれば助かります。
もちろん店員に聞くのが一番なのはわかっていますが、上に書いたとおり、ショップごとを考え方が違うので、過信もできないなと思いまして。。。
初心者質問で申し訳ないのですが、よろしくお願いします。




回答いたします。

サイズ選びはトップチューブ長で

どのメーカーでも、サイトを開くとジオメトリが書かれています。
このジオメトリを見ながら、主にトップチューブ長(ホリゾンタル換算)から適応身長を見ていくのが一般的です。

 

あくまでも目安ですが、こんな感じになります。

150cm 155cm 160cm 165cm 170cm 175cm 180cm 185cm 190cm
490mm
500mm
510mm
520mm
530mm
540mm
550mm
560mm
570mm

これはあくまでも目安なので、実際にはほかの要素によってはこの印が入っていないものを選ぶケースもなくはないのですが、初心者であればこの印が付いているあたりで選ぶのが無難でしょう。

 

プロ選手や上級者などで、あえて1サイズ小さいとか2サイズ小さいものを選ぶ場合もありますが、初心者はまずはドンピシャから選ぶことをオススメします。

メーカーサイトの適応身長は

メーカーサイトの適応身長ですが、あくまでも目安です。
ジャイアントは4サイズしかないので、一つのサイズで適応身長の範囲を15センチ設定していますが、あれを鵜呑みにすると間違いも起こすケースがあります。

 

例えばジャイアントのコンテンドSLを見ていきます。
サイズ展開は4サイズあり、メーカー発表の適応身長はそれぞれ15センチの幅があります。
これを先ほどの表と組み合わせてみていきます。

トップチューブ長 メーカー発表適応身長 当サイト基準の適応身長
XS 510mm 155~170cm 160±5cm
530mm 165~175cm 170±5cm
545mm 170~185cm 177.5±5cm
ML 560mm 180~190cm 185±5cm

見ていて思ったのですが、メーカー発表ではすべてのサイズで15センチの幅があるわけではなく、サイズによって適応幅が違うようです。

 

ただし、初心者が乗るにはサイズXSで身長170センチでは明らかにサイズが小さいです。
若干無理があるような気がします。




私が乗っているLOOK765だと、まずメーカー発表値がありません。
当サイト基準で見ていくとこんな感じです。

トップチューブ長 適応身長?
XS 507.0mm 158.5±5cm
523.9mm 167±5cm
551.7mm 181±5cm
569.1mm 189±5cm
XL 586.4mm

この表は間違いです。詳しくは後述します。

 

私は身長が179センチ強なのですが、結構迷いました。
Mだとややデカいかなとなりますし、Sは明確に小さい。
なぜかSとMの間が結構飛んでいるんですね。

 

で、上で書いた【当サイト基準の適応身長】ですが、実は間違いです。
というのも、ホリゾンタル換算のトップチューブ長というのは、シートチューブの角度に依存してしまうからです。

 

大きいフレームサイズほど、シートチューブの角度が減る(=寝る)ことになります。
シートチューブが寝てしまうと、勝手に見かけ上のホリゾンタルトップチューブ長が長くなってしまいます。

 

ここでリーチという概念が登場します。

リーチというのは、BBからヘッドチューブまでの長さを表しています。
765のジオメトリを確認してみると

トップチューブ長 シート角 リーチ
XS 507.0mm 74 355.0mm
523.9mm 74 365.0mm
551.7mm 73 375.0mm
569.1mm 73 385.0mm
XL 586.4mm 73 395.0mm

ここで重要なのは、サドル位置を決めるとき、ペダルの位置に対してサドルの前後位置を合わせます。
そのため、シート角が寝ているフレームならサドルを前に出すわけです。

 

なのでBB~サドルまでの距離というのは、どのサイズのフレームを選んだとしても、同じ人が乗る限りはここの長さは変わりません。

 

ホリゾンタル換算のトップチューブ長さだと、シート角が寝ていると数字上は大きくなってします。
ですがBB~サドルまでの距離は考慮する必要がないとも見ることができるので、リーチを見るという方法があるわけです。

 

サイズSではトップチューブ523.9mm、サイズMでは551.7mmとかなりの差がありますが、リーチで見ると実は1センチしか変わりません。
そのため、ハンドルまでの距離はSとMでは1センチの差しかないと見れるわけです。

 

そこまで考慮した場合、一概にサイズから適応身長がどれくらいとはなかなか言いづらくなってきます。
某ショップのホームページに書かれている数字を挙げるとこうなります。

トップチューブ長 当サイト基準適応身長
XS 507.0mm 155~166センチ
523.9mm 167~174センチ
551.7mm 175~178センチ
569.1mm 179~184センチ
XL 586.4mm 185~

ちょっとこの数字は疑わしい気がします。
サイズMだと3センチしか適応身長の幅がありませんし、トップチューブ長586mmもあるのに185センチ以上というのもどうにも・・・

 

私自身、身長179センチでサイズMに乗っていますが、以前乗っていたビアンキよりもわずかですがハンドルが遠いような感覚はあります。
正確には測っていないのでわかりません。
ただしそのビアンキと比べた場合、リーチはビアンキのほうが短いです。
ただしこのリーチという概念は比較的新しいものなので、メーカーによっては記載がありません。
ジャイアントもリーチの記載はありません。

 

またリーチだけ追いかけても間違いを起こしかねないので注意が必要です。
例えばリドレーにフェニックスという名器、いや名車がありますが、

XXS XS
トップチューブ長 498mm 505mm
シート角 75 74
リーチ 379mm 374mm

XXSとXSでは当然XSのほうが大きいのですが、リーチで見ると逆転しています。
これはシート角の違いにより、ホリゾンタルトップチューブ長が変わるからですね。
あくまでもホリゾンタルトップチューブ長というのは、仮想的な数字なので。

 

ただこれだけを以って、XSのほうがハンドルが遠いとも言えません。
スタックハイトという概念があり、これはBBからヘッドチューブ上端までの高さです。

リドレーのフェニックスでいうと、スタックハイトまで見ていくとこうなります。

XXS XS
トップチューブ長 498mm 505mm
シート角 75 74
リーチ 379mm 374mm
スタックハイト 507mm 527mm
ヘッドチューブ長 107mm 127mm

XSのほうがヘッドチューブ長が長いので、理屈的にはハンドル位置が高くなります。
ただこれも正確な理解とは言えなくて、実際にハンドル位置や高さは、コラムスペーサーやステム長、ハンドルのリーチなど様々な要素で左右されます。
XXSとXSで比べた場合、XXSのほうがよりハンドルが低く前傾を強めることができるでしょう。

 

ここでお気づきだと思いますが、SとかMとか、そういうサイズ表記は各社バラバラです。
業界で統一された基準があるわけではないので、【この身長ならどこのメーカーを選んでもSサイズ】ということはありません。
A社だとXSが最適で、B社だとSが最適とかそういうことは普通にあります。

ショップによって適応身長に幅がある理由

例えば私が乗っているLOOK765でも、様々なショップのサイトを見る限り、適応身長はバラバラです。
これはショップごとに考え方の違いがあるためでしょう。

 

あるショップの表だと、私の身長だとLOOK765はLサイズが推奨になっていますが、Lはデカすぎます。

 

で、サイズ展開が少ないメーカーは、必然的にメーカーの適応身長の推奨値の幅が増えます。
また通販サイトも、適応身長の幅が増える傾向にあるように感じています。
そのほうが売れやすいのでしょうし。

 

で、私なりの考え方ですが、1サイズで吸収できる適応身長って、せいぜい10センチ程度だと思っています。
ここで勘違いしてほしくないのですが、明らかに合っていないサイズでも、乗ること自体は可能です。
それが長距離になった場合には苦痛に感じやすいかどうか、身体を壊さないかの目安がそれくらいという意味です。

 

身体の柔軟性や手足の長さでも変わってくるので、こういうものはあくまでも目安に過ぎません。

ステムで合わせるのは適応身長内で

結構質問が来るのですが、例えば身長175センチの人が、ジャイアントのコンテンドSLのXSに乗れますか?みたいな相談を受けることがあります。
もう一度先ほどの表を見てみましょう。

トップチューブ長 メーカー発表適応身長 当サイト基準の適応身長
XS 510mm 155~170cm 160±5cm
530mm 165~175cm 170±5cm
545mm 170~185cm 177.5±5cm
ML 560mm 180~190cm 185±5cm

身長175センチでXSなので、メーカー推奨値からは完全に外れています。
こういう相談をしてくる方の多くは、メルカリやヤフオク等の中古車が安いからという理由です。

 

身長175センチだと、適正となるのはMもしくはSなのかなという印象です。
身長175センチだと、適正値になるのが目安としてトップチューブ長540mmくらいです。

 

XSだとトップチューブ長が510mmなので、こういう相談を受けることがあります。

ステムを3センチ伸ばせば、トップチューブ長が540mmと同じになりませんか?

確かに、サドルとハンドルの距離だけでいうと、似たようなところに来る可能性はあります(全く同じにはなりません)。
全く同じにならないのは、ヘッドチューブ長が違うのでハンドルの高さが違うということから前傾姿勢が強まるということや、あくまでもホリゾンタルトップチューブ長は仮想の値なので、実際とはズレが生じます。
こういう選び方は、初心者の一台目のサイズ選びとしてはオススメしません。

 

フレームサイズが大きくなると、ホイールベース(前後の車輪の距離)も大きくなります。
ステムで合わせようとすると、すごくバランスが悪くて乗りづらいくなります。

 

一般的に、ステムを長くすればハンドリングがマッタリする傾向があり、短くするとハンドリングがクイックになります。
また、ハンドル位置と前輪の位置関係も変わりますので、ステムを長くすれば前輪に対して前のめりみたいになりますし、短くすればその逆です。

 

サドルーハンドル間の距離が似たような感じになったとしても、乗り味は結構違うのです。

 

そういうことを分かった上で、あえて1サイズ小さいフレームを選ぶ人もいますが、これは初心者の選び方ではありません。
どうしてもサイズ選びに悩むなら、ショップに一任したほうが確実でしょう。
まあ、在庫処分目的で適正ではないサイズを売りつけようとするショップもあるとかないとか聞きますが・・・




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