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2019年、ロードバイク業界の今後。ロードバイクは売れなくなる?

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読者様より今後のロードバイク業界についてメールいただきました。

来年の自転車界はどうなるのでしょうか。知り合いのショップの人は、ロードバイクが売れないと言ってます。これが本当なら、その原因のひとつは、大人が日常で使う良質な自転車が無いことだと思います。

これについてもう少し具体的に、どういう要素でロードバイクが売れないのかと質問させて頂きました。




お尋ねの件、良く行くショップの店主は次のように言ってます。

1. 値段が高過ぎる。
2. ひとりで乗れない(寂しい、つまらない)人が増えている
3. 業界がレースやアニメに頼り過ぎた反動

1.については、本体もウェア類もすべて。予算10万円では始められない。頑張って始めてもあとが続かない。結果、財力がある中年の趣味になってしまって若いユーザーが増えない状況、という事です。

2.について。僕はロードバイクの本質は孤独で単調な長時間運動だと思っているのですが、ロードバイクを買ったもののそれに耐えられない人が増えていて、いつの間にか止めている、という事の様です。そういう人がその友人に、面白くなかった、と言ったりすると始めようとする人も減るでしょう。

3.は、ツールなどの海外レースと弱ペダの事で、どちらも派手で人目を惹きますが、それで集めたファンの定着率は低いという事でしょうか。

これについて、私なりに考えていることを書こうと思います。
(決してこの方を否定するわけではありませんので、お間違えないよう)

正確なことはわかりませんが

正直なところ、ロードバイク界全体としてみた場合に、販売台数がどのように推移しているのか、全くわかりません。
近年は弱虫ペダル効果も手伝って、販売台数としては伸びていた傾向だと思うのですが、それが一段落している状態で、数年前と同じ水準くらいの販売台数で推移しているのではないかと思っています。

 

私がロードバイクに乗り始めた頃は、冬場になるとロード人口がガクンと減っていた印象ですが、ここ数日乗った印象では、結構いるんですね。
ロード人口自体は増えているんだと思ってみています。
ロード人口が増えているから販売台数が伸びるわけではなく、多くの人は数年間は同じロードバイクに乗るでしょうから、今は2年くらい前に比べると販売台数的には落ちてきているのではないでしょうか?

海外通販の脅威

日本国内のショップにとって最大の脅威というのは、やはり海外通販なのではないでしょうか?
アマゾンなども含みますが。

 

海外通販の場合、ホイールによっては40%以上値引きされています。
あるショップが書いていましたが、海外通販での値段というのは、時としてショップが仕入れる額よりも安いそうです。
これでは値段面では全く勝負になりませんよね。

 

そして、今どの分野においても、通販で買うというのは主流になりつつあります。
某運送会社がアマゾンの配送料を減らしてますが、やはりアマゾンなどの国内通販でタイヤやチューブ、工具などを買う人も多いでしょう。
ライトとかの小物類もそうですね。

 

欲しい商品を打ち込んでポチッとクリックすれば自宅まで配送してくれますし、アマゾンだと多くの商品が翌日には来ます。
それでいてショップよりも安いときたら、わざわざショップに買いに行くまでもないと考える人は多いでしょう。
ショップよりも品揃えが豊富ということも一因でしょう。



正直、ショップは増えすぎたんだと思ってます

ロードバイク専門店というのは、毎年のように増えています。
それに加え、メンテナンス専門店、つまりは新車販売は原則としてせず、メンテナンスだけをするという形態もあります。

 

私の印象ですが、増えたショップの数とロード人口の増加は必ずしもリンクしておらず、ショップ数がロード人口から見て多すぎるのではないかと思っています。
メーカーの直営店(コンセプトストア)も増えてきています。

 

これも正確な数字は知りませんが、やはりこの時代において、売り上げを落としているショップもあれば、売り上げを伸ばしているショップもあるそうです。
弱虫ペダルブームに乗っかって販売台数を増やしたものの、ブームが落ち着いてくると一気に下降線というショップもあるでしょう。
その一方、販売台数は横ばい、もしくはやや減くらいでも、売り上げとしては伸ばしているショップもあるようです。

ショップの収益構造

自転車屋の収益構造ですが、大きく分けると3つだと考えています。

 

1、新車販売(フレーム組を含む)
2、新車を買った人の、グレードアップ目的や消耗品などのパーツ販売
3、作業工賃

 

この3つが基本線でしょう。

 

全くの素人さんがロードバイクを買った場合、【1】の新車販売でショップに利益が出ます。
その素人さんが初心者としてパーツのグレードアップをしたくて、何かパーツを買えばショップに利益が出ます。
初心者さんが何かの作業を頼めば、作業工賃としてショップに利益が出ます。

 

初心者さんが中級者になってきたときに、フレーム組み替えや新車購入をすれば、また利益が出ます。

 

これの繰り返し構造です。

 

ところが、新車を売った後に、その人がパーツ類は海外通販やアマゾンで買えば、【2】の収益は望めません。
また新車を買ったショップに何らかの不信感を持っているとか、何かしらの問題があれば、メンテナンスや調整は他のショップに行く人もいるでしょう。
そういう人は、二度と最初のショップで新車を買わない可能性も高くなります。

 

そうなれば【3】の作業工賃は入ってこなくなりますし、その後買い替える時の収益も望めなくなっていきます。

販売台数が減ってきても収益を伸ばしているショップというのは、メンテナンスや調整依頼などで作業工賃で利益を挙げていたり、パーツ販売で利益を上げることで、全体としての収益を伸ばしているわけです。
いわば【最初に来たお客さんの心をしっかりキャッチしているショップ】とも言えますね。
このショップに任せたいと思う信頼感があるという見方もできます。

 

私も自転車とは関係ない店舗を経営していますが、お客さんの転勤などで大口のお客さんを失うこともあります。
なので心を掴んでいても売り上げは減ってしまうこともありますが、しっかりやっているショップだとそれ以上に紹介などでお客さんが増えていくので、収益全体としてみると上昇傾向だったりもします。

 

私も自分のお客さんでロードバイクが欲しいという人やクロスバイクが欲しいという人には、私がよく行くショップを紹介しています。
結構な数のお客さんを紹介してきましたが、皆さんかなり満足されたという話ばかりなので、こっちも安心して紹介できるんですね。

問題があるショップは淘汰されていくと思っています

先ほども書いたように、ショップの数というのは、ロード人口から見て増えすぎているんだと見ています。
その結果今後どういう現象が起きるかというと、ダメショップは淘汰されていくだろうと思っています。

 

ネットでいろいろ見て行くと、問題が多いショップというのはあります。
例えば
・お客さんがロードバイクの不調について作業を依頼したが、全然直らないけど工賃は毎回取られる
・壊れてもないパーツを【寿命でした】とか【壊れてます】と偽って交換する
・お客さんがパーツを指定して交換依頼したのに、それよりも安いグレードのものを取り付けして、高いほうのパーツ代を取る(特に見えない部分、ベアリングなど)
・在庫処分のためなのか、サイズが合わないものでも【ピッタリですよ】と偽って売る
・やたらとお客さんを見下した態度を取る店員

 

こんなショップは全体の1%にも満たないと信じたいところですが、こういう情報は結構出ています。
しかも発信源が同業者だったりしますが・・・

 

前にどこかのショップが、【アマゾンで買う人が多い】ことにツイッターかなんかで文句を書いたらしいのですが、それに対して見事に炎上。
ショップで売れないのはお前の接客態度が悪いからだろ!という声が殺到した事件もありました。

 

当サイトに寄せられる相談でも、それほど多くはありませんが、たまにそういう話は聞きます。
私自身もロードバイク一台目を視察しているときに、【このショップには二度と行かない】と思うような態度を取るショップもありました。

自転車屋の場合、新車を売ったらおしまいではありません。
そこからメンテナンスやグレードアップなどによる収益も大切なのですが、お客さんの心が離れていくような出来事があれば、お客さんも違うショップを検討するでしょう。

 

自転車屋も、最終的には人なんだと思ってます。
髪を切るときに、いつも決まった美容師さんに頼んでいるという人も多いと思いますが、そういうのってその美容院にお客さんが付いているのではなく、その美容師さんにお客さんが付いているんだと思ってます。
ロードバイクも一緒で、ショップに頼る人というのは、そのメカニックを信頼していて、ショップのお客さんというよりもそのメカニックのお客さんになっていることも多いと思います。

 

ワ〇ズロードのような大型店がネットの評判がイマイチなのは、こういうところも原因だと思うんですね。
あれだけの規模になると、何か作業を依頼したくても、どのメカニックが担当するのかわからない。
なのでメカニックにお客さんが付きづらい構造なんじゃないかと思うわけです。
なのでなおさら気軽に相談できる関係にはなりづらいのではないかと。
その結果、他のショップにメンテナンスを依頼する人もいるのではないでしょうか?



シマノの海外通販禁止はある意味英断なのですが

シマノは今年から、ウイグルなどの海外通販では日本への発送が禁止されました。
なので今後、安くシマノパーツを買う手段というのは限られてきます。

 

日本国内でも、ジャイアント、トレック、キャノンデール、スペシャライズドなど、通販禁止にしているブランドは多々あります。
これらの理由はまたちょっと違うところにもあって、例えばですが国内の通販で安く買って、まともにクイックリリースの使い方も知らずに乗って、走行中にクイックが緩んだなどの事故もあるからです(特にクロスバイク)。
ショップ購入ならある程度は対面で教えることができます。

ジャイアントの定番クロスバイク、エスケープR3は2019モデルからクイックのほかにナット止めも付属するようになりましたが、正直なところクイックリリースの使い方も知らない人が、走行中にホイールが外れたという事故はあるようです。
使い方を知らない奴が悪いと言えばその通りですが、訴訟になると【メーカーが危険性を教えてくれなかった!説明書でも不十分!】などと騒がれて面倒だからでしょう。

 

通販禁止のブランドの場合、このようなメンテナンス上の問題もそうですが、安く流通されるとブランドイメージが壊れるとか、ショップを守りたいという意向もあるのだろうと思います。

どこで買うかは人それぞれですし、人間の心理として安く買えたほうが嬉しいのは当たり前です。
私自身、タイヤなどはアマゾンで買うことも多いです。
これは安く買えるからというよりは、引っ越ししてショップから離れてしまったために、大きなものを運搬するのが面倒だからという事情もありますが。
チューブについてはショップで買うことが多い気がします。
ケミカル類も。

 

先ほど、今後ショップの中には淘汰されていくところも出て来るでしょうと書きましたが、この時代に売り上げを伸ばしているショップもあるようですし、最終的に違うのは誠実さ、技術力、信頼性なんじゃないかと思うわけです。
そういうショップが安ければさらにいいのですが。

私が自分がよく行くショップを人に紹介する理由ですが、まず安いことが挙げられます。
新車でも基本的に10%引きですし、モノによっては30%位値引きされてます。
ですがこれで店員さんの人間性が劣悪なら、安いというだけでは紹介しないと思います。
安心して紹介できるだけの技術力もありますし、変なことはしないという信頼感もあるから紹介するわけです。

 

実際のところ、私の仕事上のお客さんでも、ロードバイクを持っているけどもう何年も乗っていないという人もいます。
こういう人がどれだけいるのかはわかりませんが、どんなスポーツでも参入する人がいれば離れる人もいるわけですので、それが原因でショップの売り上げが下がるのかと聞かれると、正直なところ疑問符がつきます。
ロードバイクって結構高いので、誰でも気軽に買えるものでもありませんが、欲しくてお金貯めている人もいます。

ただ一つ、重大な問題点というか、今業界が抱えているものがあるとすると、リムブレーキなのかディスクブレーキなのかという規格の問題はあると思います。
今後ディスクブレーキ車全盛になるのなら、今リムブレーキ用のいいホイールを買うのはちょっとな・・・などと考える人もいると思ってまして、実際そういう相談も来ます。

 

スペシャライズドなんてほぼ全ての車種がディスクブレーキのみになってしまいましたが、他社がこれを追従するかというと、たぶん2020モデルでは追従しないでしょう。
しかし、ディスクブレーキ車が増えていくことは間違いなと思います。

 

私の予想では今後10年以上はリムブレーキ車とディスクブレーキ車が混在すると思っていますが、1つのポイントになるとしたら、次のデュラエースがどうなるか次第だと思ってます。
2020年はティアグラがモデルチェンジする年ですが、2021年はデュラエースのモデルチェンジだろうと予想されます。

ついに105がモデルチェンジ!R7000シリーズになったぞ!
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シマノの過去の例では、一年おきにデュラ⇒アルテ⇒105⇒ティアグラ⇒デュラときます。
次のデュラエースがディスクブレーキ用のみとかバグったことをすれば、アルテグラや105もその流れで来ることになってしまいますので、フレームメーカーも追従するしかないでしょう。
シマノは威信をかけてディスクブレーキ推しですが、さすがに次のデュラエースがディスクブレーキコンポのみというのはないだろうと予想しています。
恐らくは12速化と、無線コンポあたりが目玉じゃないかと思うのですが。

 

盛大に話は逸れますが、私がディスクブレーキ車についてはもう少し様子を見たほうがいいと思っている理由としては、いくつか理由があります。
・ディスクブレーキ用のいいホイールがあまりなく、重いものが多い
⇒構造的にどうしてもディスクブレーキ用ホイールはスポークを減らせないとか、リムの軽量化もしづらいという事情がありますが、今後何らかの進歩で軽くなっていく可能性もあれば、軽くできない可能性もあります。

そんなにディスクブレーキが嫌いなんですか?【質問いただきました】
昨日の記事とアンケートについて、質問いただきました。 この記事を読むと、あなたがいかにディスクブレーキを嫌っているかわかります。 いいものはいいで認めたらいかがですか? アンケートの内容も、ディスクブレーキを否定したいニュアンスに感じます。...

・ディスク用のデュラ(コンポ)でも不調が多いというあるショップの記事があり、何度かモデルチェンジすれば改善していくでしょうけど、まだ様子見のほうが良さそうということ。

 

・リムブレーキ車が淘汰されていくとは現時点で考えづらく、今後の状況次第なので様子見のほうが良さそう。

 

これらは今現在、リムブレーキ車に乗っている人の話です。
これからロードバイクを始めるという人にとっては、正直どっちを買ってもいいと思ってます。
規格や互換性の問題は、今リムブレーキ車に乗る人の問題ですので。

 

こういった事情から、二台目以降のロードバイクを買うことを様子見している人もいるかもしれません。

 

2019年のロードバイク界ですが、強いて注目のポイントししては、7月頃に各社が発表する2020年モデルがどのようになってくるかというところくらいでしょうか。
あと、4700ティアグラがモデルチェンジしますが、互換性がどうなるかなど。
4700ティアグラは旧10速と何ら互換性がない仕様で来ましたが、次のティアグラが4700と互換性がない方向で来るのか、ある程度互換性を持たせてくるのか、11速化して来るのかどうかなどでしょうか?

新型ティアグラを予想してみる。R4000?R6000?登場は2019年予定。
シマノコンポのモデルチェンジには法則性があり、基本的には一年おきにデュラ⇒アルテグラ・・・となっていきます。 今年(2018年)は105が5800系⇒R7000系になったわけですので、来年はティアグラがモデルチェンジするのは確実です。 そん...

 

だんだんと本題から逸れて行きましたが、2019年のロードバイク界ってこんな感じなのではないでしょうか?
淘汰されていくショップもあるでしょうし、この時代でもきっちり売上伸ばしてくるショップもあるでしょう。

 




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