先日のブレーキの件で、補足させていただきます。炎上はしませんでしたが、長文読んでいただきありがとうございました。

先日書いた記事ですが、

この記事は炎上するためにあります。

かなりの数のメールやコメントなどを頂きました。
タイトルが過激であったというご指摘もありましたが、こちらとしては私が非難されることも覚悟していましたので、あのようなタイトルにさせていただきましたが、若干反省しています。



今のところ、私に否定的なコメントやメールについてはほぼありませんでした。
どっちが正しいとかそういう決着をつけたかったわけでもないので、そこについてはどっちでもいいのですが、多数のコメントやメールありがとうございました。

それと同時に、やや誤解を生む表現がありましたので、補足させていただきます。

ブレーキの互換性

カンパニョーロ社がリア側をあえてシングルピボットにしていたのはそういう魂胆があっての事で、シマノのブレーキキャリパーをあえてカンパに換装していた人間が多かったのも、ロードバイクのブレーキ学を熟知していたからであろう。

この表現について、誤解を生む可能性があるので、補足説明させていただきます。
この前段で、このような説明をされています。

ブレーキキャリパー本体というのは、「構造」で判断すべきだ。

自身が最も信頼している方式は、現代では意外だろうが「リムブレーキ方式」だ。

その中で前輪は「デュアルピボット方式」を間違いなく取る。

左右のブレーキアーチの作動軸(ボルト)が、独立している方式。

このおかげでテコの原理が得やすいので、ブレーキレバーの引きが軽くなる。

平地や普通の走りでは、停止能力の向上以外は一見何も目立たない性能のように見えるが、峠の最速を目指したダウンヒルではよくわかる。

デュアルピボットの特性であるアームのロング化は、剛性まで上げる事が出来るので、レバーを握った際の手に伝わる感覚も鋭くなるので、ブレーキ性能の良さを感じやすいのも1つ。

つまり、少ない握力で大きな制動力を得るのには適している。

投資でお金を稼ぐ事を熟知している人間にわかりやすく言うならば、「レバレッジの利用と同じ原理」だ。

慣性の法則上、前輪には制動力を最大限まで持っていける配慮をすべきだ。

停止と急減速コントロールを司るのは前輪のみである。

一方の後輪側であるが、荷重が掛かりにくい事もあり、タイヤがロックしやすい。

この点で言えば、シングルピボットブレーキが理想である。

デュアルピボットブレーキは、左右のブレーキアーチの作動軸が独立しているのに対し、左右のブレーキアーチとブレーキ本体がまとめて一本のボルトで固定されている。

制動力は格段と下がるものの、前輪ほどの強力な制動力を保持すると「後輪のタイヤ側がロックしやすく、苦しくなる」。

つまり、リア側はコントロールに特化せざるをえない。

勿論フル停止に使う事もあるが、フルで停止するなら前輪と後輪を両方使って止まるのが基本だ。

フロント側とリア側のブレーキは、止まる・減速という目的は一緒であるが、役割は根本的に違うということ。

後輪側ブレーキは、前輪ブレーキの補助役として使うが、反面「奥の手」を使う際には後輪ブレーキでしか出来ない事だってある(のちに後述)。

おさらいとこの方の主張のまとめですが、
・シマノのブレーキは、前後デュアルピボット

・カンパのブレーキは、フロントはデュアルピボット、リアはシングルピボット

・リアはコントロールメインで、かつデュアルピボットだと強すぎてタイヤロックする可能性があるので、フロントはデュアルピボット、リアはシングルピボットが理想的

・シマノからブレーキキャリパーだけカンパニョーロにしている人間が多かった

全体の記述などから推測するに、この方はロード歴がかなり長いのではないかと思ってます。
正直なところ、ブレーキだけカンパニョーロの人が多かったのかについては、私にはよくわかりません。
一応、昔から乗っているという人に聞いては見たのですが、【そういう人もいたかもしれないけど、多かったとは思わない】というご意見を頂きましたが、意見を聞いた方も業界全体を把握しているわけではないそうですので、真相は謎です。

で、私が知る限りですが、シマノとカンパではブレーキのワイヤー比が違うと思っていたので、シマノSTIでカンパニョーロのブレーキを正常に動かすことは出来ないと思ってました。
ただし、変速と違って、ブレーキはワイヤーを引っ張るだけの構造です。
変速の場合、ワンクリックごとにワイヤーが動く量が決まってしまい、シマノSTIとカンパディレーラーだとワイヤー比が合わないので正常に変速しないのはわかると思うのですが、ブレーキの場合変速と違って無段階なので、全く使えないということはないはずです。

一般論としてですが、いわゆるシマニョーロ(シマノとカンパの夢のコラボレート)をする人の場合、どこをカンパにするかというとレバーだと思います。
シマノとは違う握りやすさがあるからです。

カンパのレバーとカンパのブレーキキャリパーを組み合わせるのはもちろん問題ないのですが、シマノSTIとカンパのブレーキキャリパーで正常に作動するのかというと、これはちょっとわかりません。

もう1つ言うと、シマノのブレーキキャリパーって、ブレーキアーチを開放するクイックレバーがついてますよね。
ここです。

ロードバイクをひっくり返している画像なのでわかりづらいと思いますが、パンクしたりしてホイールを外すとき、ブレーキアーチを広げてホイール外しますよね。
ブレーキアーチを広げるレバーがあることは、シマノユーザーなら皆さんご存知でしょう。

カンパニョーロのブレーキキャリパーって、このアーチを広げるレバーが、ブレーキキャリパーについてないんですよ・・・

どうやってパンクしたときにホイール外すの??となると思いますが、カンパの場合、この解除はレバー側にスイッチがあります。
なのでシマノSTIとカンパニョーロのブレーキキャリパーを組み合わせた場合って、どこにもアーチを開放する仕掛けがなくなるんですね。

なので劇的にホイールの脱着が面倒になるだけなんですが、本当にブレーキキャリパーだけカンパの人が多かったのかについては、やや疑問があります。

そういう事情もあり、ブレーキだけカンパは当然ですが全くオススメしていません。
あの内容だけ妄信すると、リアブレーキだけカンパニョーロにしたいと思う人が出てくる可能性があったので、そこは否定させていただきます。

ブレーキの役割について

鈴鹿の逆バンクコーナーや峠のダウンヒルだってしないければならない以上どころか、自転車レースで「停止」なんてする必要が無いからだ。

つまり、何のためのブレーキかと言われれば、いや・・・この表現ではわかりにくいので更にわかりやすく言うと、何故小型のキャリパーブレーキなのかというと、そもそもが勝つ為に「停止」なんて必要無いからだ。

ということは、コーナーでの減速等のスピードをコントロールする性能のほうが圧倒的に求められる。

ヒルクライム王者の証である山岳賞を獲得する為には、登りだけでなく峠のダウンヒル能力(カーブの多い下り道を最速で走る能力)も要求される。

つまり、最低限度のスピード減速コントロールを優先して設計されるのがあたりまえなのだ。

勿論、ロードバイクのフレームの設計も、ロングライドを想定されていようがいまいが、ブレーキについては競技思考の設計なのは変わりない。

というよりも、ロードバイクという設計である以上は、「停止」がどうたら言っても止まれないものは止まれないのだ。

要約すると、
・ブレーキは止まることを想定して作ってはおらず、スピードコントロールのためだけに作られている

こういうことだと思います。

これについてですが、確かに昔はそうだったと思うのですが、現行のモデルについては必ずしもそうではないと思ってます。
わかりやすい例で言うと、ディスクブレーキです。

シマノのロード用ディスクブレーキって、開発当初は制動力自体は特に優れたものではなかったのです。
あくまでもスピードコントロールメインで設計され、そのためにオフロード用のディスクブレーキよりもはるかに制動力を落として設計されてました。

それが確かR9100以降だと思うのですが、ガツンと効くように設計が変わっています。
これは某動画で飯倉さんも言ってましたが、以前のロード用ディスクブレーキは柔らかいホースを使うことで制動力の立ち上がりを抑えていたのが、モデルチェンジした際に硬いホースになり、シマノの説明会でも【ガツンと効いたほうがいいでしょ】みたいに言われたという動画がありました。

最近のキャリパーブレーキでも、以前のものよりも明確に制動力は上がってます。
私が前に使っていた、5700系105のキャリパーと、5800系105のキャリパーでも、だいぶ違いを感じます。
5800にした当初、ブレーキの制動力がガツンと来すぎる感じがして、正直慣れなくて困ってました。
今は慣れましたけど。

これって勘違いされやすいのですが、メーカーって必ずしもプロを相手に開発しているわけではありません。
利益を生むのは、一般ユーザーのほうです。
プロはその広告塔と言ってしまうと失礼かもしれませんが、実態としてそういう側面は大きいわけです。

プロの意見を聞きながら、あくまでも一般ユーザーに売れそうな商品を開発しているのがメーカーですので、止まることを想定せずに設計しているのかと言うと、少なくとも現段階については疑問です。

ブレーキの軽量化は効果的?

シングルピボットは時代遅れな感が多いかもしれないが、決定的なメリットは隠れたところに存在する。

それは、「軽量化」が可能な事。

デュアルピボット方式は2つの固定ボルトが必要になる分、構造も複雑になる。

これは「部品点数」が増す事で、重たくなる。

一方のシングルピボットは左右のアームを1本で固定するので部品点数は少なくなる。

この軽量化が、「ある絶大な効果」を生み出す。

というのも、リア側のブレーキはシートチューブとシートポスト付近に固定される。

つまり車体の「上部」に固定される。

軽量化で最も軽い走りを実現出来る箇所は、ホイールの外周部の軽量化とタイヤ。

そしてシートピラー(シートポスト)とサドルの軽量化。

車体の上部を軽量化すると、自転車は立ち漕ぎした際に「車体を振りやすい(振る為のスタミナ消費削減)」が出来る。

シングルピボットブレーキは、車体上部でシートチューブ上部後ろに取り付けられるので、ここの軽量化は車体下部よりもっともっと効果が高い。

カンパのリア側シングルピボットブレーキシステムは、そこまで計算されて作られていた。

うーん、そこまで大きな差の重量差ですかね??
これについて、体感できるほどだとは正直思いません。

現行モデルはデュアルピボット

あともう1つ重要なことを書くと、現行のカンパニョーロのブレーキって、全部デュアルピボットだったはずです。
前後ともに。

正直なところカンパニョーロはさほど詳しくないのですが、メーカーサイトで現行モデルをチェックしましたが、とりあえず全て前後ともにデュアルピボットと書いてあります。

前回の記事へのコメントやメールの中には、【カンパニョーロのブレーキのこだわりがわかったので、そういう記事もあってもよいとおもう】という趣旨のご意見も頂いてます。
確かに、そういう記事も有用だと思うのですが、難しい点として、ロードバイク用の機材って毎年のように進化していくので、【カンパニョーロのブレーキ】とメーカーで一括りにしてしまうと、世代によって違うので、当てはまらないものも出てくるんですね。

カンパニョーロの本国HPのスーレコのブレーキの説明には、このような記載があります。

The only specification offered on the rear brake as well, it guarantees more powerful braking compared to a mono pivot brake especially when the pads are positioned near the braking surface

訳すると、【同様に後部ブレーキに提供される唯一の仕様は、それが特にパッドが制動面の近くに置かれるとき、それはモノピボットブレーキと比較してより強力な制動を保証する】となるのですが、このおかしな日本語はグーグルさんに任せたからです。
モノピボットというのはシングルピボットのことですが、シングルピボットよりも強力なリアブレーキだという意味と受け取っていいでしょう(つまりはシングルピボットではない。見りゃわかりますが)。

調べると年代によっては、リアブレーキはデュアルピボットとシングルピボットを選べた(?)という記事もあったのですが、現行モデルを本国HPで見る限り、そのような記載は見つかりませんでした。

「テクトロブレーキ」と品番も書かずにメーカーだけで一括りで書くのは間違いだという主張だったのに、カンパニョーロのブレーキは世代も考えずに【カンパニョーロのブレーキ】でまとめるのはアリなんですかね??
どうも説得力がない気がするのですが。

前回の記事について、コメントされた内容が勉強になったというご意見もあったのは事実です。
私もカンパニョーロはさほど詳しくないので、今回はいろいろ調べてみたのですが、コメントされた内容は現行モデルのカンパニョーロには当てはまりません。

なのでこの件はいろいろと紛らわしいところがありましたが、書いてあることを鵜呑みにせず、自分で調べる姿勢が大切ですね。




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コメント

  1. ee より:

    カンパブレーキについて再補足させていただきますと、
    スーパーSLR以前はブレーキのレバー比も同じだったはずです。
    今となっては記憶もあいまいですが。。。
    そしてカンパブレーキを使用する場合、シマノのブレーキライン中につける
    クイックリリースレバーを付けることで、ブレーキの開放を行います。
    ということで実用上問題ない仕様にはできます。

    実際にブレーキだけカンパという人が多いかは私にもわかりませんが・・・

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      なるほど、クイックリリースレバーをつければ確かに解決できますね。
      以前はレバー比も同じだったというのも見つけてはいるのですが、どうも信憑性に欠ける情報が多かったのと、今更古いモデルを手に入れて使う人も少ないでしょうから、あくまでも現行も出るの話で書かせていただきました。

      多い・少ないというのは、あまりにも抽象的な表現なので、ここの判断は難しいところです・・・