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カーボンホイールだと振動吸収性(乗り心地)がよくなる?やっぱ乗り心地はカーボン?

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カーボンホイールの振動吸収性(乗り心地)について質問を頂きました。

後、もう一つお聞きしたい事があるのですが、カーボンホイールとアルミホイールだと乗り心地の違いの様なものはあるのでしょうか?(カーボンシートポストにしたら乗り心地が変わったと言うのはよく耳にしますが)

これについては前から書こうと思っていたのですが、回答いたします。



カーボンと乗り心地


よく言われることですが、

カーボンは振動吸収性が上がる

カーボンフレームは振動吸収性がいい

こういうのってよく言われますよね。
カーボン=振動吸収性が上がる、というのはいろんなサイトで見かける表現です。

 

今回はホイールという話ですが、先に結論から言いますと、アルミリムとカーボンリムの違い【だけ】で、振動吸収性が変わるのかという質問であれば、関係ありません。
これのついて書こうと思います。

ホイールの振動吸収性

ホイールの構成部品を見ると、ハブが中心にあって、リムが外周にあり、スポークでハブとリムを結んでいる構造です。

 

ホイールは実走では、接地面がたわむことが知られています。
なので走っているとき、接地面(下側)のスポークは緩みます。
緩む⇒張る⇒緩む、を繰り返してホイールは転がっています。

 

車輪という見方をした場合、振動吸収性のほとんどはタイヤです。
これについては異論がある人はいないでしょう。
自転車パーツの中で唯一のゴム製品で、しかも中に空気が入っていることでエアクッションのように働きます。

 

タイヤの空気圧を下げると、振動吸収性が大きく上がることは、皆さん体験して知っていることでしょう。
逆に無駄に空気圧を上げ過ぎると、恐ろしく振動吸収性が悪くなります。

 

さて、タイヤ抜きでホイールの振動吸収性を考えてみましょう。
ホイールの振動吸収性は、主に以下の二点から成り立ちます。

 

1、ホイール自体の縦方向のたわみ

 

先ほども書いたように、ホイールは走行中に、接地面は大きくたわみます。
そのため、走行中の下側のスポークテンションは緩みます。
この縦方向のたわみ自体が、振動吸収性、乗り心地に影響するわけです。

 

2、リムやスポークの素材としての振動減弱性

 

リムやスポークは、素材として振動を減弱して振動を伝えないように働きます。

 

一般的にカーボンが乗り心地がいいといわれる理由ですが、フレームであればフレーム自体のシナリ(たわみ)と、フレーム素材としての振動減弱性が挙げられます。

 

よく勘違いしている人が多いのですが、素材としてみた場合、カーボンとアルミ合金では、カーボンのほうが剛性は高いのです。
ただし、同じ重量で比較した場合という注釈が付きます。

 

同じフレームを作るにしても、カーボンのほうが軽量に仕上げることが出来るわけですので、単純な比較は難しいところですが、一般的にカーボンという素材は、アルミよりも剛性も強度も上です。

カーボンホイール=乗り心地向上ではない理由

例えばシートポストとかハンドルの場合、一本の棒な上に、ホイールのように回転したりするわけでもないので評価しやすいのですが、ホイールの場合、ちょっとワケが違います。

 

アルミリムのホイールでも、アルミリムのスペック次第では剛性が低いリムもあれば、剛性が高いリムもあります。
一般的に同じリムハイトで重量が重いアルミリムほど、リム自体の剛性は高いですよね。
重量が重いということは、それだけ厚みを持たせて作っているわけですから、シナリが少ないわけです。
これはカーボンリムでも同様です。

 

これは先ほど書いた、素材としての振動減弱に関わります。
同じアルミリムでも、厚みがあるリムのほうが剛性は高く振動を減弱しにくいというのは理解できるかと。

 

次にホイールとして評価した場合、スポーク数、スポークの組み方によっても、たわみ方は違うわけです。
また、リムハイトが高くなるということは、スポークが短くなるともいえます。
ホイールのたわみは主にスポークの変形ですので、スポークが短くなれば変形量が小さくなるわけです。

 

リムハイトが高いホイールって、縦方向にゴツゴツ来るものもあります。
これはスポークが短くなったために、たわみ量が減るからなんですね。

 

アルミリムの場合、リムハイトが高いといってもせいぜい35mmくらいまででしょう。
例えばカンパニョーロのシロッコのようなホイールです。
これ以上のリムハイトをアルミで作れば、かなり重いのは間違いありませんので、そんなもんを作ろうとするメーカーも皆無です。

 

ホイール自体のたわみというのは、リムの問題よりもスポークの問題のほうが大きいわけです。
ディープリムでスポークが短くなれば、スポークの変形量は減るためにたわみも小さくなる。
またスポークの組み方次第でも、ホイールの縦方向への変形量は変わる。
スポーク数次第でも変わる。

 

一方、リム素材による振動吸収性というのは、恐らくと言うか、ホイール全体からしたら微々たる話でしょう。
あくまでもホイールの振動吸収性の多くは、ホイールのたわみ自体からきます。

 

それゆえに、カーボンリムだから振動吸収性、乗り心地が上がるというのは、暴論です。
リムハイト次第、スポーク数次第、スポークの組み方次第、などなどリム素材よりも影響力が大きいものがあるので、【カーボンリムだから】という1括りでまとめて考えること自体が間違いだと思うわけです。

 

全く同じ設計で、リムハイト35mmと50mmの二つのホイールがあったとしたら、振動吸収性は35mmのほうがいいでしょう。
単純にリムハイトが下がる=スポークが長くなる⇒たわみが大きくなるからです。


Fulcrum – SPEED 55C C17 カーボンロードホイールセット

同じリムハイトでも、乗り心地は結構違う


Campagnolo – Bora Ultra (ボーラウルトラ) 35 クリンチャーホイールセット (2018)

 

このようにスポークの組み方や、それこそスポークの太さにも関係しているわけですが、同じ50mmのカーボンホイールがあったとしても、振動吸収性は同じではありません。

 

前にROVALのCLXを使っている方からインプレ頂いてますが、
http://roadbike-navi.xyz/archives/5568

 

この方はゾンダからROVAL CLX32&50に変えています(フロント32、リア50)。
ゾンダに比べると肩がこると言っていた事がありましたが、アルミだから振動吸収性が悪いわけでもなく、カーボンだから振動吸収性がいいというほど、単純な問題でもないんですね。

 

こういうまとめ方も良くないのですが、いわゆる中華カーボンホイールってありますよね。
アマゾンで売っているICANってありますが、ICAN50mmにしたらゾンダよりも振動吸収性がかなり良くなったと言っている人がいました。

 

その方はそう感じているのでしょうからそれ自体は否定しませんが、一般的にはローハイトアルミよりもディープカーボンのほうが、スポークの長さが減るために、振動吸収性は落ちます。
しかし、中華カーボンの場合、スポークの組み方やスポークテンションのこともあり、なぜか振動吸収性がいいものもあります。
その代わり、駆動剛性も低く、加速性に欠けるホイールもあるのですが。

 

SACRAさんが出していた旧ホイール、縦に異常に硬いわりには駆動剛性が低いというものもありました。
何が言いたいのかというと、同じリムを使っていても、スポークパターンの違いでも振動吸収性は変わりますし、スポーク数次第でも変わります。
なので【カーボンリムだから振動吸収性がいい】とまとめること自体が間違いで、一つ一つのホイールごとに、カーボンだからとかアルミだからという話ではなく、ホイールとして評価してあげないと意味がないのです。

 

ROVAL CLX32&50については私もお貸ししていただいて、確か60キロとかの距離を走ったのですが、
http://roadbike-navi.xyz/archives/6150

 

普段使っているキシリウムエリートに比べて振動吸収性が著しくいいとか悪いとか、そういう印象は全く持ちませんでした。
まあ、このときは、普段は23c使っているのに、25cタイヤで試乗したということもあり、タイヤ由来だろうと思う振動吸収性の違いはありましたが。

 

ここでハッキリさせておきたいのですが、例えばシートポストであっても、カーボンだから常に振動吸収性が上がるとか、そんなに単純な話でもありません。
振動吸収性がいいカーボンシートポストもあれば、振動吸収性がそれほどよくないカーボンシートポストもあります。
http://roadbike-navi.xyz/archives/7258

 

【続】カーボンシートポストは振動吸収性が向上する?実際に向上した方からコメントいただきました。
先日、カーボンシートポストは振動吸収性が向上するのか?ということで記事を書きましたが、 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 読者様より、実際にカーボン化したことで振動吸収性が...

 

このようにカーボンだから、という質問は結構多いのですが、正直なところで言うと、その商品次第です。
カーボンだから、という評価をするのではなく、その商品として見てあげないとわかりません。

 

これはフレームでも同じです。
ハイエンドのカーボンフレームって、異常に硬いものとかありますよね。
カーボンだからどうこう、ではなくて、その商品としてみないとわからないのです。

 

SACRAさんのホイールで、振動吸収層をリムに織り交ぜたものがありますが、正直なところどこまで体感できるものなのかはかなり疑問です。
ホイールとしてみた場合、リム素材よりもその他の要素のほうが乗り心地に影響を及ぼしているのではないかと思うところです。

 

ライトウェイトのホイールなんて、リムもスポークもカーボンだったりしますが、乗り心地がいいかと聞かれるとむしろ逆でしょう。
なのでカーボンホイールといっても、硬くて振動吸収性が悪いものもあれば、乗り心地がいいものもあります。
ボーラはディープリムでも乗り心地がいい部類ですが、同じようなリムハイトのフルクラム スピード55cはまた乗り味が違います。
カーボンリムだから必ず乗り心地が良くなるというわけでもないので、あくまでもそのホイール次第です。
これはアルミリムホイールでも同じで、デュラエースC24は乗り心地がいい部類のホイールですが、フルクラムのレーシングゼロはかなり硬いホイールだったりするわけです。


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