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SACRAのホイールは、なぜ人気が出ないのか?

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元シマノの開発者というフレコミで、急に飛び出てきたブランドのSACRA。
主にホイールを売っているようですが、まず最初に注意書きしますが、最近のSACRAのホイールはなかなか面白そうだなと思うところは正直あります。



でも、イマイチ人気が出ていないように思ってます。
それにはワケがあると思ってまして。

主張に一貫性が・・・

SACRAというと、最初に出してきた4G-38-CLと4G-50-CLという、名前の通り38mmと50mmのカーボンクリンチャーを出してきました。

 

この当時、50mmのほうのスペックですが、
・リムが重い(実測値で513g)
・Jベンドスポーク
・接触式シールドベアリング

 

こういうスペックでした。
そしてこのホイールが出てしばらくした後に、このような本を出してきました。

本音のホイール論という著書です。
この著書の中で、SACRAさんは、
・アルミスポークは工学的に意味がない
・リムが重いことに、エネルギー的にはデメリットは無い
・重量よりも、空力や剛性が大切
・非接触式シールのベアリングはオススメしない
・スポークはJベンドで十分。ストレートスポークにすると対応するハブが高価になるから不利
・アルミリムは安く作れることしかメリットは無く、剛性もカーボンリムより劣るからカーボンリムを選ぶべき

 

このような主張を行っていました。
当時のSACRAホイールは、Jベンドスポークでしたし、リムが重かったですし、接触式シールドベアリングでした。

 

で、このような主張をしていたにもかかわらず、今のホイール、KYLE IGNITEはこちら。

SACRA KYLE5 IGNITE チューブレスレディ シマノ/スラム用 前後セット

 

リムが大幅に軽量化され、ストレートスポークになり、非接触式シールドベアリングのハブになっています。
リム重量は50g軽量化したそうです。

 

これ自体は、進化したのでいい方向に行っているということは間違い無さそうです。
ですが、だったら著書での主張は一体なんだったんだ?となるわけです。

 

重いリムはエネルギー的に不利ではないし、むしろ重いリムは剛性が高くて有利だという主張だったのが、あっさりとリムを50gも軽量化。
うーーーん、それならば、著書でそういう主張をしなければいいのに・・・と思ってしまうのですが。

 

Jベンドスポークでも問題ないし、非接触式シールはメンテナンス頻度が上がるからオススメしないという主張だったのが、ストレートスポーク化してハブは非接触式シールへ。

 

最近は、アルミリムのKYLEも発売しているようです。

 

こういった軽量化したり、カーボンスポークのホイールを作ったり、こういうのは非常に面白い試みです。
ですがせっかくのホイールが、ご自身の著書によって矛盾になっているわけです。
こういうところが【もったいないな】と思ってしまいますし、イマイチ人気が上がらない理由なのではないでしょうか?

 

ここ最近出しているSACRAのホイールは、使ったことは無いですがなかなか良さそうだなと思うところがあるので、このあたりが少し残念に思うわけです。

ブランドのアイデンティティ

ロードバイク関連のブランドには、強いアイデンティティを感じさせるものって結構あります。
例えば、フレームメーカーのTIMEは、RTM工法というものに強いアイデンティティがあると思ってます。
RTM工法というのはResin Transfer Molding(レジン・トランスファー・モールディング)というもので、自社で編み込んだカーボンを使い、成形型の内部に強化繊維などの芯材を設置し、そこにエポキシなどの樹脂を注入・浸透させたあとに硬化させる成形法です。

 

過去には、RTMではないフレームも出したことがあるのですが、どうもほとんど売れなかったようで、すぐにやめました。
これがタイムらしいフレームへのこだわりなんでしょう。

 


Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット

カンパニョーロのホイールというと、後輪の組み方がG3組になっているのが特徴です。
ニュートロンなど一部のホイールではG3組にはなっていませんが、G3自体を完全にやめることは今後もないでしょう。
カンパニョーロホイールのアイデンティティがG3ですから。

カンパニョーロがいきなり【G3?あれ、やっぱやめるわ】なんて言い出したら、魅力も半減どころの騒ぎではありませんよね。
ディスクブレーキ用の前輪にG3組を持ってきたのはちょっと驚きましたが・・・
前後G3でカッチョいい!!と思う人も多いそうです。
理屈的には、フロントのG3組はどうなのかと思ってしまいますが。

 

ホイールメーカーの老舗のROVALは、後輪の2:1組で有名ですね。
フルクラムもそうですが、これがアイデンティティといってもいいでしょう。
マヴィックのイソパルス組も1つのアイデンティティと言えるでしょう。

 

SACRAは新興ブランドということもあって、試行錯誤で製品をリリースしている印象がありますが、著書で言っていることと出してくる製品が一致しないから、一体何を信じたらいいのか、ユーザーが迷うのではないでしょうか?
ここが非常にもったいないと思ってます。
開発者のこだわりが、イマイチ見えてこない・・・

 

これがシマノの体質なのかもしれませんが・・・

 

実際のところ、カーボンスポークのIGNITEは使ってみたいなと思っているのですが、なかなかこういうものはインプレも無く、人柱覚悟じゃないと買えないですね。

 

過去のSACRAのホイール(現在は売ってないモデル)については、ウイグル・CRCで売っていたPRIMEブランドのカーボンリムと同じだったという噂がありますが、最近のホイールについては結構良さそうだなと思ってみてます。
この値段で買うかと聞かれると、正直なところ無難な方向でボーラとか買うでしょうけど、もう少し安くなったら選択肢に入れてもいいのかもしれません。

 

【SACRAは、もったいない】というのが私の本音です。
言う事とやることが一致しないと、なかなか信用されづらい気がします。




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