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そろそろ、ホイールを重量だけで見るのはやめませんか?

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ずいぶん前に、キシリウムエリートUSTについて書いた記事があります。
http://roadbike-navi.xyz/archives/5434

 

この記事などに関連して、マヴィックが安く買えるショップを知っているので知りたい方はメールにて、と書いているのですが、これに関連して思うことがありまして。



まず、ショップについて

安く買えるショップについて、記事中でショップ名を書かない理由ですが、これは単純に許可を得ていないからです。
ショップのHPでも値段は書かれていないので、なおさら書くわけにはいかないのかと。

 

メールで問い合わせ頂いた方にはいくつかの注意事項をお願いしています。
その中で【ショップに対してメールなどでの値段や在庫の問い合わせはやめてください】とお願いしています。
これの理由は単純に迷惑がかかるかもしれないからです。

 

ショップには時々私が行くので、知りたいことがありましたら私に聞いてください。
メールで問い合わせした、と返信してきた方もいたのですが、ショップ側に手間がかかるようなことは避けたいので、そういう事態が続くようですとこちらも回答しなくなる可能性がありますので。

ホイールの重量と値段

この話に関連してですが、そのショップは手組ホイールにも力を入れています。
そこで1300g台で〇万円台のホイールが掲載されています。

 

ショップを紹介した人の中で、これに目を奪われる人は結構多いです。
モノ自体はいいと思います。
技術的にも信頼できるショップなのですが、軽量の手組みホイールと言うのは、乗り手を選ぶ可能性もあります。

 

【重量1300g台で〇万円台】という重量と値段のバランスだけを見て欲しがる人も多いのですが、確かに軽量で安いならコスパがいいと思いますよね。
でも重量と値段のバランスだけで判断するのは、間違いです。


TNI(ティーエヌアイ) AL22 クリンチャーリム【ロード用】【自転車用】

 

軽量で安いアルミクリンチャーでよく使われるリムは、TNIのAL22です。
このリム、確かに軽量で重量はカタログ値で393gとなっていて、アルミリムとしては軽量です。
デュラエースのC24のフロントリムとほぼ変わらない重量だと考えていいです。
ゾンダはフロントリムで470g程度あったりしますので、かなり軽量なリムです。
キシリウムなんかはフロントリムで410g程度だったりするので、リムテープ不要なことを考えると、AL22に近い重量とも言えます。

 

ただしこのリム、リム内幅が13.3mmとかなり細いのです。
実は私、ほぼ同じリム幅のAL300を使った手組ホイールを使用していた時期があるので知ってますが、実際見ても結構細いです。
リム自体の精度はなかなかいいほうだと思いますが、数年前のナローリムでも15mm(C15)、最近のワイドリムだと17mm(C17)が基本で、カーボンホイールだとさらに広いC19やそれよりも広いリム幅のものはたくさんあります。

 

リム幅がかなり細いことや、手組みホイールなのでJベンドスポークであることを承知の上で買うのであればいいと思うのですが、重量と値段だけ見て細かいところまで考えない方が多いような気がしています。
ヒルクライム用として考えるならば、結構いい選択肢なんですが。

 

重量が軽いと言うのは、やはりインパクトとしては大きいです。
ですが重量だけがホイールの性能に関わるわけではありませんので、重量と値段だけ見て【コスパ最強】と考えるのはちょっと早計な気がしています。

 

重量が軽いホイール=走りも軽い、と言う単純な図式が成り立つわけでもありません。

 

ここで組んでもらった手組ホイール自体は、値段と性能のバランスいうならば全然アリだと思うのですが。

大手メーカーの完組がさほど軽くない理由

ゾンダにしてもレーシング3にしてもキシリウムエリートにしても、もしくは上位のシャマルなどにしても、重量を見ると驚くほど軽いわけではありません。
これにはいろいろな理由があるのですが、大きな要素としては【どんな人が乗っても耐えられる耐久性を求めて作っているから】に尽きます。

 

大手メーカーがホイールを開発するときは、購入者の体重が60キロの人もいれば、100キロの人もいることを想定して設計しています。
また体重100キロの人が段差超えなど荒っぽい乗り方をする可能性まで考慮に入れているでしょう。

 

カンパニョーロやフルクラムのホイールを見ると、制限体重が109キロに設定されていることが多いようです。
マヴィックの場合、【ホイールが長持ちするよう、自転車を含むホイールにかかる総重量を120キロ以内とすることを推奨】と書かれていることが多いため、制限体重としては同じくらいを想定しているのでしょう。

 

一方の手組ホイールの良さですが、体重50キロの人向けのホイール、体重100キロの人向けのホイールと、体重や乗り方などを考慮して作ることが可能です。
ここが手組ホイールの強みです。

 

体重109キロの人向けに作られた完組ホイールは、体重50キロの人にとっては過剰な強度、剛性になる場合もあります。
そういう人は強度を削ってでも軽量化しても耐え切れるはずです。
ですがメーカーは、リスクを恐れてそのようなホイールは作りません。

 

手組ホイールのメリットは乗り手にあわせて作ることもできると言う点です。
体重100キロの人向けに、スポーク数を多くして作ることもできますし、体重によりリムを変えることも可能なわけです。

そういえばAL22Wが登場

手組みホイールのリムでお馴染みのTNIですが、つい最近、AL22WというAL22をワイドリムにしたものが登場しています。

これがなかなか良さそうでして、リム内幅が19mm、リム外幅が24mm、重量が445gとなっています。
しかもオフセットリムまであります。

AL22 AL22W AL22W(オフセット)
重量 393g(±3%) 445g 445g
リム内幅 13.3mm 19mm 19mm
リム外幅 18.2mm 24mm 24mm
リムハイト 22mm 22mm 22mm
ホール数 20H/24H/28H/32H 20/24/28/32H 20/24/28/32H
対応タイヤ クリンチャー クリンチャー(チューブレスレディ) クリンチャー(チューブレスレディ)
値段(税別) 4200円 4600円 4700円

これを見てお分かりのように、AL22(非ワイドリム)については、軽さと細さが目立っていると思います。
ヒルクライム用などではこの軽さはメリットです。
リムが軽いと個人的には走っていて気持ちいいですが、最近のワイドリムのホイールと比べると、横方向への安定性は落ちます。

 

メリットもありデメリットもあるわけですので、そういうところまでしっかり見た上で、軽くて安いと思うならいいと思うのですが、単に軽いことだけを持ってコスパがいいと表現するのはちょっと違うのではないかと。

 

手組ホイールの良いところは、このように用途、目的、好みに応じてリムを選択できるという点です。
マヴィックのオープンプロという定番のリムもありますし、オープンプロにはUSTリム、つまりはチューブレス用のリムもあります。


(送料無料)【MAVIC】(マビック)OPEN PRO UST ロードチューブレスリム(自転車)(LJ3430100) 2006405460010


MAVIC(マヴィック) OPEN PRO C (オープンプロクリンチャー)[リム][ロード用]

軽量性重視でAL22のような超軽量アルミリムを選択するのでもいいでしょうし、乗り心地重視でチューブレスの手組みが欲しいなら、オープンプロUSTやAL22Wを使った手組みでもいいでしょうし。

 

最近はショップのほうでパッケージ化した手組ホイールを用意していることも多いですが(そもそも手組を扱わないショップのほうがおおいかもしれませんが)、手組の良さはリム、ハブ、スポークを選べるという点に尽きるわけです。

重量と走りは、関係あるときもあれば関係ないときもある

レースの現場ではゴキソのホイールが結構出ている気がしますが、


GOKISO (ゴキソ) GD2 クライマー クリンチャー シマノ用 ホイールセット 50mm 【自転車】【ロードバイク】

ゴキソはハブが著しく重いのが特徴です。
ですが回転性を上げるための工夫が施されているのも特徴で、ハブ内でサスペンションのような機能がついています。

 

重量だけ見るなら、ゴキソなんて選ぶ人はいません。
でも選ばれるには理由があるわけです。

 

重量は大切な要素です。
でも大切な要素のひとつに過ぎません。
重量だけで走りの特製が決まるわけもありません。

 

個人的にはリム重量は軽いほうが好みですが、重めのリムのほうが足に合うという人もいます。
軽すぎるリムだと、すっぽ抜ける感覚が嫌という人もいますよね。

 

初心者さんは特に、ホイール重量を気にしすぎだと思ってます。
例えるなら、レーシング3は1560gで85500円、その上位のレーシングゼロは1518gで137000円。
前に

たった42gの軽量化のために、51500円差はコスパが悪すぎる

と言っていた人がいましたが、これは正直悲しい見方です。
レーシング3とレーシングゼロの間には、巨大な性能差があります。
レーゼロはアルミスポークで加速力最強、レーシング3はステンレススポークなのでそこまで駆動剛性が高いわけでもありません。
ホイールの本質を見ないと、大切なことを見逃してしまいます。


Fulcrum – Racing Zero (レーシングゼロ) LG クリンチャーホイールセット
このように、重量だけを見てコスパがいい、コスパが悪いというのは、大切なことを見逃す可能性が高いと思ってます。
レーシング3とゾンダの関係性でもそうですが、たった36gの差で、ウイグル価格だと1万円も差があるから、レーシング3はコスパが悪いと見たら間違いです。
同じランクのホイールですが、ゾンダはG3組、レーシング3は2:1組でスポークパターンが違うので、乗り味も違います。
G3も2:1組の一種ですが。

 

重量だけでうんぬんするのは、もうやめにしませんか?




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