PVアクセスランキング にほんブログ村 当サイトはAmazonアソシエイト等各種アフィリエイトプログラムに参加しています。
スポンサーリンク

横断禁止の標識がない道路なら、歩行者は横断可能ですよね?【質問いただきました】

blog
スポンサーリンク

先日の記事に関連して、

 

歩行者が横断歩道を渡ろうとしていたら、ロード乗りとして停止してますか?【アンケート結果】
ちょっと前に行っていた、信号がない横断歩道を歩行者が渡ろうとしていたときに停止していますか?というアンケートですが、 いろいろ忙しくて放置したまま次のアンケートにいってました。 ここで一旦結果発表です。 (adsbygoogle = win...

 

歩行者の横断についてコメントを頂きました。

>個人的には、横断歩道ではないところで横断したケースや、赤信号なのに横断したケースについては、歩行者側100%の過失であって欲しいと思うのですが、

 

これっておかしくないですか?
横断歩道があるところで、歩行者が赤無視して突っ込んでくるケースは別として、横断歩道ではない場所、かつ横断禁止の標識がないところで歩行者が横断して来るのは仕方ないことなのではないでしょうか?
横断禁止の標識がある場所なら管理人さんの理屈通りとも言えますけど、横断禁止の標識がないなら、歩行者は横断してはいけないと定められていないわけですし。

回答いたします。

歩行者の横断のルール

歩行者の横断については、道路交通法にて定められています。

(横断の方法)
第十二条 歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の附近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならない。
2 歩行者は、交差点において道路標識等により斜めに道路を横断することができることとされている場合を除き、斜めに道路を横断してはならない。
(横断の禁止の場所)
第十三条 歩行者は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。ただし、横断歩道によつて道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官等の手信号等に従つて道路を横断するときは、この限りでない。
2 歩行者は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては、道路を横断してはならない。
(歩行者用道路等の特例)
第十三条の二 歩行者用道路又はその構造上車両等が入ることができないこととなつている道路を通行する歩行者については、第十条から前条までの規定は、適用しない。

13条に、【歩行者は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない】とありますが、車両等には当然軽車両のロードバイクも当てはまります。


一般論として言いますと、車両等の直前で横断を開始するから衝突ないし接触するわけです。
なので横断歩道がなく、横断禁止の標識がない道路で、歩行者が横断を開始したことにより車道にいる自転車とぶつかった場合、直前横断もしくは車両側の前方不注視。
もしくは両方。
車両のだいぶ前で横断開始していれば、車両だって速度落とすとか停止するとかするでしょう。

 

ただし、道路交通法では歩行者に対して罰則はありません。

ただし、現実では

これは状況にもよるのですが、このように横断歩道ではない場所で歩行者が横断してきて、ロードバイクと衝突した場合、過失割合は歩行者:ロードバイク=35:65からスタートします。

自転車対歩行者の事故の過失割合
自転車対歩行者の事故の過失割合について解説しています。

 

修正要素は以下の通り。

幹線道路 歩行者に+10
横断禁止の規制 歩行者に+5~+10
直前直後横断 歩行者に+10
住宅街・商店街等 歩行者に-5
児童・高齢者 歩行者に-5
幼児・身体障害者 歩行者に-10
集団横断 歩行者に-10
自転車車の著しい過失 歩行者に-10
自転車車の重過失 歩行者に-20
歩車道の区別なし 歩行者に-5

車よりも低速で、かつ道路の一番左側を走行するロードバイクの場合、衝突するとしたら直前横断以外にないような気もするのですが。
どちらにせよ、歩行者のほうが過失割合は低いケースがほとんどです。
これは判例などで決まっていることですが、状況次第ではさらに修正がかかる可能性もありますし、修正しないケースもあるでしょう。

 

なお、直前横断の定義はこちら。

通常走行中の自動車の直前又は直後というのは、その自動車の制動距離(空走時間を含む)付近以内の距離をいうと解される。

 

執務資料道路交通法解説

判例解釈はこちら。

歩行者は、車両等の直前で道路を横断してはならないところ(道路交通法13条1項)、同規定にいう「直前」とは、当該車両等の速度との関連において客観的に危険を生ずるおそれがあると認められる範囲をいうものと解するのが相当である。

 

金沢地裁 平成30年5月9日

直前横断について検討するに、原告は、被告車両が時速約45キロメートルで走行中、被告車両の停止距離約20.77mよりもかなり短い約15m手前で飛び出して横断を試みたものであって、客観的に危険発生のおそれが高いといえるから、道路交通法13条1項で禁じられている「車両等の直前」で横断したということができる。

 

松山地裁 平成17年6月16日

ちなみに、横断禁止の規制というのは、標識であったり、その他の要素を指すわけですが、これによる修正は5~10%しかかからないわけです。
なぜこのような過失割合になっているかというと、優者危険負担の原則があるからです。
要は交通弱者を保護するという考え方です。
大きな乗り物と小さな乗り物が事故を起こせば、小さな乗り物のほうが被害が大きくなるのが普通です。
あくまでも怪我したほうが被害者なので、被害者を保護するためにこのような優者危険負担の原則があります。

 

こちらに「歩行者横断禁止」の場合の判例を挙げておきました。

 

「歩行者横断禁止」と過失割合。
ついでなので、「歩行者横断禁止」にも関わらず横断して事故になった場合の、民事の過失割合を判例から。 過失割合には相場がありますが、具体的事情を込みに考えると相場通りになるわけではありません。 民事の過失割合には、道路交通法違反以外の要素も含...

 

やはり歩行者横断禁止規制自体は大要素としてはおらず、直前直後横断のほうを大要素にしています。
直前直後横断(車列間横断)については、歩行者過失100%にした最高裁判例があることに注意。
(必ず歩行者過失100%になるわけではない)

 

歩行者の車列間横断(直前横断)と過失。
ちょっと前に、「歩行者横断禁止」の道路で歩行者が横断し事故になった場合の過失割合をいくつか挙げましたが、 過失割合の幅はかなり広く、「歩行者横断禁止」自体が大要素と見ているわけでもありません。 逆に、「歩行者横断禁止」ではない道路において車...

 

ちなみにですが、前の記事でも書いた、横断歩道ではないところで高齢者が横断開始して、それを避けようとして、接触などなくロードバイクが単独落車したケースですが、

 

歩行者が横断歩道を渡ろうとしていたら、ロード乗りとして停止してますか?【アンケート結果】
ちょっと前に行っていた、信号がない横断歩道を歩行者が渡ろうとしていたときに停止していますか?というアンケートですが、 いろいろ忙しくて放置したまま次のアンケートにいってました。 ここで一旦結果発表です。 (adsbygoogle = win...

 

 

この場合、高齢者との接触がないため、高齢者は怪我していません。
ロードバイク側は落車転倒しているので怪我しているわけですが、怪我したほうが被害者という扱いになるわけですので、それが元で全額弁償なんだと思います。
要は高齢者が横断歩道ではないところで横断を開始し、それに驚いたロードバイクが、接触を回避するための緊急行動を取った結果、高齢者との接触は無く、単独で落車して怪我をしたという話になるわけです。
つまりこのケースでは、加害者は高齢者(歩行者)で、被害者はロードバイクになります。
これは非接触驚愕事故という奴ですね。
(人づてに聞いた話なので、どこまでが本当なのかはわかりませんが)

 

ちなみにですが、歩行者がいきなり横断しようとしてきて、自転車と衝突し、歩行者に怪我を負わせた場合、これは道路交通法ではなく刑法により自転車側の犯罪となるケースが多いです。

(過失傷害)
第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
(過失致死)
第二百十条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。
(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

いわゆる過失傷害罪ですね。

 

先ほどの高齢者がいきなり横断開始して、ロードバイクが単独落車したケースでは、高齢者(歩行者)は加害者といえますが、もし接触なり衝突なりして高齢者に怪我を負わせた場合には、高齢者は被害者になりロードバイク側は加害者になるわけです。

ちょっとケースは違いますが

これちょっと前に自分自身が体験したケースですが、夜に自宅までママチャリで帰ろうとして、車道を走ってました。
その車道には柵で仕切られた広い歩道があり、車道と歩道の間には植木のエリアまであります。
(ただし車道は狭いです)

 

イメージ的には、この画像のもっとミニチュア版みたいな道路です。
車道は片側一車線で狭く、植木と柵のエリアがあり、歩道は3m程度の幅。

ここをママチャリで走っていたら、前方に車道を歩く(自転車と進行方向が逆)50代と思わしき男性がいたので、危ないので停止しました。
ここ、車道側は片側一車線で狭いので、一旦停止して後方確認し、歩行者をパスしようとしたのですが、いきなりその男性が

歩行者優先だぞ!バカヤロー!!

と絡んできたわけです。
はぁ?と思ったのですが、こちらとしては【だから一旦停止しているわけでしょ?そもそも、歩道がすぐ横にあるのに、なんで車道歩いているの??】と聞いたわけです。

 

その男性は

歩行者優先も知らないのか?横断中だ!

というのですが、横断中ではありません。
車道を、車の進行方向とは逆に歩いているわけです。

 

なので【いやいや、横断ってあっちからこっちに渡ることですよ。】と言ったら

道路交通法も知らないのか!俺はマスコミの人間だぞ!お前なんてひねり潰してやるぞ!

というので、こちらも【これ以上何か話したいなら、一旦歩道に上がりましょ。話すことないなら、酔っ払いの相手するの好きじゃないんで、帰りますよ】と伝えたら、

何が酔っ払いだ!お前なんてひねり潰すぞ!

相手にするだけ無駄なので後はスルーして帰りました。

 

で、歩行者も道路交通法ではルールがあります。

(通行区分)
第十条 歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。
2 歩行者は、歩道等と車道の区別のある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。
一 車道を横断するとき。
二 道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。
3 前項の規定により歩道を通行する歩行者は、第六十三条の四第二項に規定する普通自転車通行指定部分があるときは、当該普通自転車通行指定部分をできるだけ避けて通行するように努めなければならない。

ですが、歩行者がこれに違反しても罰則はありません。
万が一この状態で自転車とぶつかった場合は、過失割合は25:75です。

自転車対歩行者の事故の過失割合
自転車対歩行者の事故の過失割合について解説しています。

 

で、何が言いたいのかというと、このケースではぶつかってもいませんし、危ないのでこちらは一旦停止していますが、こんなケースでもぶつかれば自転車のほうが過失が大きいわけです。
過失と道路交通法の規定はさほど関係ないわけで、自転車を運転する以上は注意善管義務を負うということですね。

 

でも、歩行者は、普通に歩道歩いていれば安全性が確保されるわけですし、危険を犯してまで車道を歩く意味もわかりません。
安全な歩道があるのにも関わらず、リスク承知で車道を歩く理由がわかりません。
そういうのって、一般的な道徳、倫理観からすると、歩行者の自業自得なんじゃないの?と思ってしまうわけですが、結局は優者危険負担の原則があるわけです。

ちなみに余談ですが、そこそこ広い歩道があるなら、ママチャリなんだし歩道走れば?車道狭いんでしょ?と思う人もいるかもしれませんので、追記しますが、トラブルに遭った場所はたまたま歩道が確保されているのですが、ちょっと先とちょっと手前だと歩道自体がありません。
この道路は元々、バスのすれ違いすら困難な道幅しかなかったものを、道路拡張事業で次々と用地買収かなんかをしていって、用地が確保された場所だけ歩道が出来ているという経緯があります。
なので、ほとんどのママチャリは、車道を走らざるを得ません。

特に高齢者ですが、横断歩道まで行くのが面倒という理由から、横断歩道ではないところで横断しようとする人は結構います。
個人的には、足腰が弱っている人ほど、安全な横断歩道を利用すべきだと思うのですが。

 

私の職場の前は片側2車線のそこそこ交通量が多いところですが、横断歩道が遠いためか、いきなり横断する人はかなりいます。
ちなみにそのすぐ上には歩道橋がありますが、老若男女問わず、恐らくですが一日100人くらいは横断していると思います。

 

その結果、血だらけになっている方を見たこともありますし、そもそも警察が張り込みしていて、横断しようとしている人がいたらスピーカーで注意していることもよく見ます。

 

ロードバイクに乗る上で、いきなりこんなところで横断されて、結果的に事故を起こした場合、一般的な倫理観から見て、【横断禁止の場所で横断するほうが悪い】とか【横断開始すべきではないタイミングで横断するほうが悪い】と思うのですが、法的にはあくまでも優者危険負担の原則があり、怪我人が被害者という扱いになりますので、罪なり過失なりはロードバイク側が負うケースが多々あります。

 

先日の記事で取り上げたニュースですが、
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190403-00010001-nishinpc-soci

 

このケースでは歩行者が赤信号無視で横断開始したところに、バイクが突っ込んで事故というケースです。
このケースでは、歩行者には重過失傷害容疑で書類送検、バイクは自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で書類送検です。

 

このケースで歩行者が重過失傷害に問われるのは異例ということですが、バイクの運転手が頭部に一ヶ月の怪我を負っているということが1つのポイントです。
バイクの運転手に怪我がなければ、傷害にはなりませんので。

 

いきなり飛び出てくるのは勘弁して欲しいと思う人がほとんどだと思いますが、最初に質問で頂いた、

かつ横断禁止の標識がないところで歩行者が横断して来るのは仕方ないことなのではないでしょうか?
横断禁止の標識がある場所なら管理人さんの理屈通りとも言えますけど、横断禁止の標識がないなら、歩行者は横断してはいけないと定められていないわけですし

これは横断禁止の標識が無くても、直前直後の横断であれば道路交通法上は違反です。
ただし、標識があろうとなかろうと、そういう歩行者と事故を起こした場合には、過失割合の修正が多少入る程度で、結局は自転車側のほうが過失が大きくなるシステムになっています。

 

これが何度も書いた、優者危険負担の原則ですね。

 

なのでロードバイクが注意して走らないといけないという点は変わりません。
歩道で何となくおかしな動きをしている歩行者がいたら、警戒してスピードを落としてすぐに止まれるようにするしかありません。

 

前回の記事で、

個人的には、横断歩道ではないところで横断したケースや、赤信号なのに横断したケースについては、歩行者側100%の過失であって欲しいと思うのですが、

と書いた理由は、優者危険負担の原則を考慮しなければ、どっちが悪いのか明白だから、という意味です。
横断歩道ではないところでいきなり横断開始とか、赤信号無視で横断開始とか、歩行者側も危険を伴っていることは重々承知でやっているわけですので。
赤信号で渡ろうとしたり、横断歩道ではないところで横断しようとすればリスクが高くなることは、小学生でも知っている事実です。
危険なことはわかっていても、【今なら行けるんじゃね?】とか【車が止まってくれるべきだ】などと考える人がいるから、事故を起こして泣きを見る車両等がいるのではないでしょうか?
そういう事態まで想定して、歩道にも目を配りながら走行しないと行けないのがロードバイクなど車両に課せられた義務なんですが、物理的にどう注意していても、ロードバイク側から見ると防ぐことが困難な事案は存在します。


子供の頃、親から【いきなり道路に飛びだしちゃダメ!】とか【渡るときは横断歩道で、信号が青になったら渡るんだよ】と教わっていると思うのですが。
車にしてもロードバイクにしても、歩行者が飛び出してきていきなり停止することは難しいです。

 

ですが結局は優者危険負担の原則がありますし、怪我したほうが被害者ですので、過失はロードバイク側が大きくなるようになってます。
近年、車ではドラレコをつけている方が増えていますが、主な理由はあおり運転されたときの証拠でしょう。
次に、このように何らかの事故を起こしてしまった場合の証拠としての役目です。
証拠がある、無いでは、何かあったときに罪の重さまで変わってしまう危険性がありますので。

 

ロードバイクでも、最近はドラレコ的なものをつけている人もいますが、まだまだ一般的ではないのかもしれません。

 

【俺流バイク自慢】後方視野はアクションカムで確認!ロードバイクの安全性を重視したスペックに。
今回で第6回目を迎える俺流バイク自慢ですが、今回応募いただいたのはメリダのスクルトゥーラ700ディスクです。 今回は、ロードバイクのフレームやホイールは、大変失礼ながらどうでもいい(←マジで失礼)というか、完成車そのまんまのド・ノーマル仕様...

 


コメント

タイトルとURLをコピーしました