トラックの左横をすり抜けて死亡事故。果たして誰の責任なのか?

読者様より、トラックの左横をすり抜けて事故が起こったケースを教えてもらいました。




読者様
読者様
既にご存知かもしれませんが、Twitter上で自転車対自動車の交通事故に関するポスト

※下記にツイッターのリンク貼ります。

があり、個人的に疑問に思うところがあり、思わず連絡させていただきました。
リプ欄は例によって自転車へのヘイトと車に寄って立つコメントで溢れていますが…。

当該事故はロードバイクが36km/hで35km/hで走行する貨物車を追い抜く際に起こったとありますが、相対速度は0.28m/sでありほぼ並走状態です。ですが、並走状態に至るまで双方がどのような挙動をしたのか核心部分の記載がありません。

仮に自転車側の挙動に問題があったとして(そういった自転車の方は残念ながらよく見かけますが)、法的に明確な過失といえるのは車間距離保持義務違反くらいかと思います。それは自動車側にも発生します。
経緯はどうあれ過失による致死が発生しているわけで、このような事故に関して不起訴というのは、よくあることなのでしょうか?

自分が事故で死亡し相手の刑事責任が問われない可能性を考えると少し怖く思います。昨今の交通トラブルあれこれを見ると、やはり自転車にもドライブレコーダーを付けたくなりますね。

この件は全く知りませんでした。

状況のまとめ

事故の状況を簡単にまとめました。

大型貨物車が時速35キロで走行中、左脇をロードバイクが時速36キロで追い抜く際、大型貨物車の左前部にロードバイクが接触し横転(轢過なし)。
ロードバイクの運転者は事故直後意識があったものの、内臓破裂等により回復に至らず、事故の17日後に死亡。

大型貨物車のドライバーは、事故直後に逮捕されるも拘留されず釈放。
ドライバーは、ロードバイクが右にハンドルを切ったために起こった事故と主張し、自らに過失がないと主張。

検察の鑑定書では、【大型貨物車が左にハンドルを切ったことで起こった事故】との鑑定を提出。
ドライバー側は独自に鑑定書を提出し、裁判所は無罪を言い渡した。

このような経緯のようです。
まず、お亡くなりになったローディーにご冥福をお祈りいたします。

その上で、ツイッター上では間違った意見も出ています。

左側からのすり抜けの是非


道路交通法では、追越しについてこのように定めています。

(追越しの方法)
第二十八条 車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下この節において「前車」という。)の右側を通行しなければならない。

右側から追い越ししないといけないと定めています。
道路交通法上、追越しの定義はこうなります。

第二条
二十一 追越し 車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。

ポイントになるのは追越しというのは【進路を変えて】とあることです。
いわゆるすり抜けの場合、ロードバイクはまっすぐ進んでいるだけで達成されることが多く、追越しには当たらないんですね。
まっすぐ進んだままなら、進路を変えていませんから。
なので、追越しと分ける意味で、【追い抜き】などと言われることが多いです。
(ただし、道路交通法上は追い抜きとかすり抜けという用語はありません)

管理人
管理人
法律には無い用語なのですが、進路を変えずに左側からすり抜けることは追越しにはならないので、違反ではありません。

左側から抜いてますが、違反ではありません。

ちなみに、このすり抜けは違反です。

ヴァカなんじゃないかと疑うレベルですが・・・

管理人
管理人
違反の理由は、通行区分違反です。
一番左の車線を走らないといけないからですね。

ただ、多くのローディーが経験的に知っているように、左側からのすり抜けの場合、一定のリスクが伴います。
左折巻き込みの可能性が出ます。
交差点じゃなくても、コンビニとか飲食店に入ろうとした車が急に左折することはあり得ます。
車からすると、左後方は死角になるわけですから、危険ですよね。
大型車なら、左後方は完全な死角です。

交差点で左からすり抜けるのは、想像力が乏しいバカと言っていいでしょう。
ノーウインカーで曲がってくる車なんて、そこそこいます。
あと、道路交通法上は交差点での追い越しが違反になる場合もあるのですが、先ほども書いたように、追越しには該当しないという結果になります。

また、道路形状から左すり抜けすると狭くなっている場合もあるでしょうし、タクシーが急に停止してくる可能性もあります。

なので当サイトでは、左からのすり抜けは推奨していません。
完全にダメというつもりはないのですが、大型車の左側とか、正直怖すぎです。
一瞬でペシャンコになりかねませんし。

大型車と風圧

ロード乗りにはよく知られたことだと思いますが、すぐ横を大型トラックが通過する際、風圧でまずはトラック側に引き寄せられます。
そしてトラックが通過した後、逆に吹っ飛ぶ方向に押し出されます。

最近はディープリムを使う方も多いと思いますが、ディープリムほどこの傾向は顕著です。
横風に強いディープリムもありますが、あくまでも横風に強いというだけで、ゼロではありません。
ローハイトのホイールでも、至近距離で大型車が通り過ぎると、かなりの風圧を感じます。

SACRAの初代ホイールなんて

横風に全く煽られません!

などと書いてましたが、これは誇大広告です。
ローハイトでも、横風に対する影響はゼロにはなりません。
ゼロになるわけがないんです。
【全く煽られない】なんてバカな話はありません。

先ほど書いた、左すり抜けでの左折巻き込みのリスクや、風圧のことなど様々考えると、大型車の左横をすり抜けて走るのは、自殺行為に近いわけです。

今回の事故をどう読み取るか?

判決文があるわけではないので正確なことはわかりません。
またこれが地裁判決なのか、高裁判決なのかもハッキリしません。

ただ、その上で言いますと、やはり左側からのすり抜けには、一定のリスクを負います。
こういうケース、多くは車のほうが悪いという結果になり有罪になると思いますが、きちんとした鑑定で覆したようです。

これ、逆の立場でもありうるわけです。
ロード乗りの人が車を運転しているときに、まっすぐ走っていたのに左すり抜けのロードバイクが事故を起こすケースですね。
基本的には、上級国民以外だと現行犯逮捕されます。

管理人
管理人
上級国民以外は現行犯逮捕です。

ロード乗りの立場としては、やはり左側からのすり抜け走行はやめたほうがいいですね。
特に大型車の横は、危険すぎます。

今回の件、運送会社がドライバーですので、会社がきちんと弁護士立てて、鑑定人も選んで・・・と出来るでしょうけど、一般ドライバーはなかなかそこまで資金的にも出来ず、絶対に悪くないと思う事案でも有罪にされてしまう可能性もあるわけです。

なので両方の立場から、気を付けるというのは大切でしょうね。

ロード乗りの立場からすると、

管理人
管理人
左側のすり抜け走行、しないほうがいいですね。
特にこの事故では、ロードバイクが時速36キロ、大型貨物車が時速35キロとなっているわけで、大型車の後ろを大人しく走っているのが安全だったのではないでしょうか?

車のドライバーの立場としては、

管理人
管理人
左すり抜けのロードバイクが接近してきたら、正直逃げたいです。
ロードの動きも予想しづらいですが、ドラレコは必須かもしれません。

ちなみにメールいただいた方は車間距離違反について言及していますが、ロードバイクと大型車が同一線上にいないものと思われるので、車間距離違反にはならないのかと。
ロードバイクにもドラレコをしていたほうがいいというのは同意しますが、そもそも危険な走り方を避けるということが最も大切です。

この動画主、毎度のように幅寄せされたという動画を載せています。
その数もハンパナイ数です。

法律上、第一車線内なら、左端でなくても真ん中を走っても違法ではありません。
違法ではないのですが、危険を伴います。

こんなに真ん中寄りを走ったりするから、幅寄せされたとか言っているわけで、法律上許されていることと、安全に走ることが必ずしも一致しない例です。

こんな言い方したらあれですが、ロードバイク乗っていて死んだら、ご家族も悲しみます。
速い奴が偉い、みたいな風潮があるロードバイク界ですが、速い奴よりも安全な奴のほうが賞賛されるべきかなと思ってます。
お亡くなりになった方には、ご冥福をお祈りいたします。
その上でロードバイクに乗る人は、こういう事故から学ぶことって多いのではないでしょうか?

管理人
管理人
本当は、安全に走ることが当たり前なんですが。
当たり前のことを当たり前にするってことが、実は難しいのかもしれません。