大注目ブランドのSACRAさんのHPを見ていたのですが、ワイヤーで組まれたホイールが登場!ということで、かつてSACRAが主張した【ワイヤーでもホイールは組めます!】という主張が裏付けされたかのようにお喜びの声をあげています。
ただ、これってワイヤーというのか??というのはやや疑問ですが。
Atomik x Berd Carbon Ultimate Wheelset
こちらのホイールのスポークですが、
Berd spokes are made from ultra-high molecular weight polyethylene, or UHMWPE.
超高分子量ポリエチレンで出来ているそうです。
このスポークですが、
・一本2.5gと超軽量
・スチールスポークより強度が12倍高い
・振動の減衰に優れている
スポークメーカーはBERDというメーカーのもので、アメリカのメーカーのようですね。
これってワイヤーというのか??ということには少々疑問があります。
ワイヤーの定義って、辞書によると金属製のものを指すようですし・・・
ワイヤーの意味
針金、電線、ケーブル、電信、電報、電話、針金細工、金網、(金網製の)わな、(楽器の)弦
まあ、金属製でなくてもワイヤーというのでしょうか?
どちらかというとロープに近いのかなという印象ですが。
BERDのHPを見ても、これがワイヤーだという表現はありません。
でも、これをSACRAさんがワイヤーだというなら、そもそもだいぶ前からあれがあると思うのですが。
スピナジーがいるんじゃね?
スピナジーのホイールというと、ザイロン繊維で作られたスポークを使うのが大きな特徴です。
こんなやつですね。
ロードホイールとしてはマイナーな部類かもしれません。
スピナジーのザイロン繊維スポークは個人的に思い出がありまして、そもそもの発端はなにでこれを知ったのか、思いだせません。
とりあえず、
くらいにしか思っていなかったのですが、ある時、これの実物を見せてもらったことがありまして。
もう4,5年くらい前でしょうか。
ロードバイクに乗っていて、コンビニで休憩していたところ、車椅子に乗る方が話しかけてきました。
それって空気入れるのって大変ですか?
最初はこんな感じで聞いてきたのですが、車椅子に乗っている方でしたので、車椅子に入れるという話だろうと思って、
車椅子に空気入れるのには、正直大変だと思いますよ。
どういう事情で車椅子に乗っていらっしゃるのか、全く分かりませんが、一般的には足に障害なり怪我があるのだろうと思われます。
人間、足の踏ん張りが利かないと、こういう手押しの空気入れって、意外と力が入らないもんです。
なのでそこまで考慮して、無理だと思いますよということをやんわりと伝えました。
で、そこから話が飛んで、
見てください!
このように言われてホイールを見たら、なんとスピナジーのザイロン繊維スポークのホイールだったんですね。
初めて実物見たので、テンションが上がりました。
で、それだけならそんなに記憶に残るもんでもなかったかもしれませんが、そこからさらに
こういう話をされて、障害をお持ちなのでいろいろ大変なんでしょうけど、そのホイールの必要性についてはどうにも理解しがたい面があったので、なんだかなぁ、と思ったので記憶に残っているという話です。
障害者スポーツをされているわけでもなさそうでしたし、スピナジーのホイールにすると乗り心地がよくなって体に負担が少ないのかもしれませんが。
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話が思いっきり逸れましたが、BERDの超高分子量ポリエチレンのスポークをワイヤーと表現するなら、ザイロン繊維で組まれたスピナジーが昔からあるわけで、いまさら何を喜んでいるんだ?というところに大きな疑問を感じました。
気になっていろいろ調べてみましたが、ワイヤーの定義って金属製だとしているものが多かったので、【ワイヤーで組める】と表現するなら、それこそ針金みたいなものだったり、ピアノ線みたいなものを想像するような気がするのですが・・・
もしくはロードバイクで言うところのシフトワイヤーみたいなものですよね。
超高分子量ポリエチレンとか、ザイロンとか
今回のように、BERDが超高分子量ポリエチレンのスポークを使うとか、スピナジーがザイロン繊維のスポークを使うのは、軽量性、耐久性などがスチールよりも優れているという自負があるからではないでしょうか?
もしワイヤー(=金属製)で組んでも、別に軽くもならないでしょうし、それならスチール製のスポークでよくね??となるだけかと。
いわゆるワイヤー、つまり一般的に想像するような細いものでホイールが組めるかというと、形を整えることはできるでしょうけど、ワイヤーの本数を著しく増やすとか、ワイヤーを激太のワイヤーロープ的なものにすれば使えるレベルにはなるかもしれませんが、一般的なスチールスポークと比較して何らメリットがないでしょうし。
もの珍しいホイールが出来上がるくらいのインパクトしかなく、実用上では
となりそうな予感が・・・
まあ、超高分子量ポリエチレン~作られたワイヤーロープというものもあるようなので、これも広い意味ではワイヤーと言えるのかもしれません。
一般的な意味合いでのワイヤーというと、針金レベルの細い金属性のものだと思いますが・・・
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
産業界での使い分けとしては、
ワイヤー=単線
ケーブル、ロープ=撚り線「細い単線を何本も撚り合わせたもの)
となってますね。
ケーブルとロープの違いは、いろいろ調べてみたものの明確に定義されていないようですが、一般的な使い分けでは、
ケーブル=金属製
ロープ=綿、麻、ナイロンなど
というのが多い印象です。
なので、自転車の部品で言えば、シフトorブレーキ系統をより正確に表すとすれば
インナーケーブル+アウターチューブ
となりますね(昔は紐式、ロープ引きなどと呼んでましたが)
なので記事中のスポークについては「ワイヤー」とは呼ばないかと思います。
また、油圧ディスクブレーキが普及してきたので、あの場合はブレーキホース(もしくはチューブ)となります。
ついでながら、チューブとパイプの使い分けについても調べてみたんですが、これは分かりませんでした。
私としては
チューブ=樹脂製でかなり柔軟.太さはせいぜい直径数ミリ程度まで
パイプ=細めのものは樹脂製もあり、ある程度の柔軟性もあるが、基本的に金属製で柔軟性はない
と使い分けてるのでクロモリでフレーム組むのをチュービングと呼ぶのは“個人的には“違和感持ってます。
コメントありがとうございます。
なるほど、ワイヤー=単線、というのはイメージが湧きやすかったです。
一般的なイメージのワイヤーって、いわゆる針金みたいなのをイメージすると思うので、超高分子量ポリエチレン製というのがどうもワイヤーと言うこと自体に違和感がありました。
ただワイヤーという定義を考えると、そもそも一般的なステンレススポークもワイヤーの一種なんじゃないかと思うところもあります。
柔軟性があるかないかの違いくらいなのかなと。
おー、確かに「単線で、力を伝達する役割を果たす。しかも金属製(一部カーボンも有り)」ということだとスポークもワイヤーの一種と捉えることができますね!
コメントありがとうございます。
ですよね!
ワイヤーでもホイールは組めるって、昔からそうジャンの一言で終了なのかもしれません笑
ワイヤーもロープもチューブもパイプも、みんな勝手に「そう思っているだけ」ですよ。
”疑問に思う”という人にどうしてそう思うの?と聞いてもあやふやな回答しか出てこないのがまさしくそういうことです。
それはさておき、ゾンダがベスト‼‼と思い込んでいるのも同様なことだと思いますよ。
ゾンダはいいぞぉ~☆←何がいいのか定義することすらできないくせに、ただただこれはいい!交換するには価格も性能もちょうどいい!とか言ってくる人いますけど、そんなのったなに?って話です。
ゾンダはいいぞといっておけば自転車ツウだと思い込んでいる人多いですな。
コメントありがとうございます。
ちょっとコメントの趣旨がよくわからなかったのですが、私は完成車付属のホイールからグレードアップするなら、最低ラインがゾンダという話は何度か書いてます。