自転車道について、ご意見いただきました。

先日取り上げた、自転車道で自転車同士が正面衝突したというニュースですが、

自転車道で自転車同士が正面衝突事故!という報道を見て思うこと。

ご意見いただきました。
ただし、ご意見の内容なんですが、他人のツイッターでの書き込みをみて【どう思うか?】という話だったので、そのツイッターの中身だけ紹介します。

・事故が起こった自転車道の問題は、狭いこと、曲がっていること
・車だって対面通行で危険性がないのだから、自転車道だって対面で成立する
・なので自転車道の拡大と、おかしな曲がっている場所を直したほうがよい

このようなご意見?のようなんですが、そもそも日本の自転車道の目的からするとそうではないと思います。

自転車道の構造

映像で出ている自転車道の交差点の場所を模式図にするとこんなイメージでしょうか。

自転車道と、歩道、車道は分離されてます。
この自転車道ですが、道路交通法上の自転車道で、さらに言うと、国土交通省の定めるA種の自転車道になります。

自転車道にはA種とB種があり、B種は屋外レクレーション目的で作られる自転車道、A種はB種以外の自転車道です。

で、国土交通省は、自転車道の設計速度をこのように定めています。

設計速度
基本設計速度 道路事情により設計速度を下げる場合の下限
A種 15キロ 10キロ
B種 30キロ 10キロ

基本的に、一般道に作られる自転車道って、設計速度15キロを想定して作るわけです。
道路の事情や地形などで十分な幅を確保できない場合は、設計速度10キロまで落としていいという構造。

要は15キロで走る分には安全だよ、という作りなんですね。

で、事故現場、特に交差点あたりを見てもらうとわかるのですが、

交差点を直進しようにも、柵みたいなのがあって真っ直ぐ交差点に入れないわけです。
なぜこうなっているのかですが、映像見てもわかるように、歩行者が交差点を渡ろうとするには、

自転車道に入っていかないと歩行者は交差点にいけませんね。
なのでこの交差点付近で、自転車が速度を落としてもらえるようにするために、自転車道から交差点直進がまっすぐいけないように柵があるとか、あえてこういう構造なんだと思いますが。(単に車が入ってこないようにという意味合いが強いでしょうが)

もし自転車道から交差点侵入の柵がなく、まっすぐ渡れる構造なら、減速もせずに交差点に侵入する自転車続出でしょう。
間違っても標識で【一時停止】なんて書いても、自転車ユーザーが守らないだろうというのは容易に予想がつくわけで。
だから力づくで減速するように、こういう構造なんだと思いますよ。
あえて曲がり角では自転車道の見通しがいいとはいえませんし。
普通の感覚なら怖いので減速するでしょうという、行政側の見通しなんですが、実態として危険な自転車もいます。

で、何が言いたいのかという話なんですが、日本の自転車道整備って、どちらかというと【対歩行者】の事故抑制、事故防止が主な目的です。
まずは歩行者と自転車のエリアを分離しましょう、分離したら、自転車は15キロくらいで徐行する道を作りましょう。
これが国の考え方。

決して、自転車が走りやすいための道を整備する事業ではないんですね。
自転車が走りやすい環境というのは、自転車道の中ではB種、レクレーション目的の自転車道になります。

今回の事故現場は、繁華街と言っていいだろう場所ですし、行政側の意図としては、徐行して走る自転車を増やしたくて、歩行者との事故を防止したいわけで、その結果できるとしたら

・歩行者と自転車の分離
・時速15キロですれ違って安全な幅(=そんなに広くなくて良い)

で、これが例えば、自転車道が広くなれば、より飛ばす自転車が増えるだけというのは誰でもわかることなので、あえてこういう構造なんだと思いますよ。

海外の自転車レーンとか見ると、重きは自転車の走りやすさに重点が置かれている気がします。
日本の自転車道整備は、B種自転車道については自転車の走りやすさ重視でしょうけど、A種については自転車の走りやすさではなく歩行者の安全性重視の設計です。
だから、根本的な意味を理解してないと、自転車道を拡大すべきとかそういう方向性になるわけです。

国道16号相模原の自転車道も、

この通り、ママチャリでもクネクネして走りづらいわけですが、ここは元々は車道の側道でしたので、まっすぐ作ろうと思えば作れます。
わざとクネクネさせたりポールを作ることで、速度抑制効果を狙ってるのであって、自転車が走りやすいかどうかなんて特に考えてないと思いますよ。
恐らく国道16号相模原の自転車道は、曲がっているところは設計速度10キロを想定しているんだと思います。

国の考えとして、自転車道整備は歩行者の安全確保がメインであるわけなので、そもそも自転車道を広げて自転車が走りやすくするべきだ!という考えは、気持ちはわかるのですが行政の狙いとは真逆です。
A種自転車道の道幅を拡大すれば、今現在でもカオス状態の自転車道を飛ばして走る人が増えるだけなので、それが実現することはありえないです。

事故現場を通ったという方からもコメントいただきました。

読者様
読者様
こんにちは、いつも楽しく拝読しております。
この事故、瞬間は見てませんが警官がロードバイクを検査用のプレートに載せてアレコレ測定している横を通りました。
この道路、毎朝通勤で使ってますがカオスです。付近に留学生問題で有名になった某福祉大学もあり海外の学生や通勤中の自転車も結構な速度で走り、逆走なんか当たり前、信号無視、路肩走行、歩道も我が物顔で走ってます。
先日も黄色で横断歩道を渡ろうとしたサラリーマンチャリダーが車にハネられたのを目撃しました。自転車はそのまま走り去りましたが。
一年に一度ほど警官が取り締まってますが、まぁ無法地帯ですね。
私は名古屋市内をロードで走りたいと思いません。

狭く作れば、構造的に速度抑制になりますが、現状でもカオスのようですね。
これを拡大した場合、車と同じようにきちんと左側通行で秩序よくなるのか、というと、もし広げて秩序良くなると考えているならファンタジーではないでしょうか?
より逆走しやすくなり、よりスピード出しやすくなり、何もいいことないです。

車が車道で秩序よく対面通行できている理由は、例えば秩序無視して逆走すれば、死ぬ危険性が増します。
自転車でも正面衝突すれば死ぬ可能性はありますが、車同士のほうが大きな事故になりそうだということは想像付くかと。
あと、免許点数の問題だったりで、逆走すれば不利益しかないことを誰もがわかっているからしないだけではないでしょうか?

自転車道の中で逆走(右寄り通行)しても、咎める人もいないでしょうし。

問題の本質を見極める

自転車道(A種)の整備が進んでいるのは、歩道を爆走する自転車が多いので、歩行者との事故が多いという現状から、歩行者と自転車を分離しようということがスタートです。
自転車が走りやすいような構造を作るべき、という観点ではありません。

で、国土交通省の資料でも明らかなように、A種自転車道は設計速度15キロ以下、つまり速度を抑えたいんですね。
自転車道にして歩行者と分離したといっても、交差点などではどうしても構造上、自転車道に歩行者が入ってくるわけで、

自転車の速度を抑えた自転車道を作りたいと言うのが行政的な考え。

なので自転車道を拡大したら、もっと酷いことになりかねないので、いくら陳情しても無駄でしょう。
なぜ自転車道が作られたかの経緯を理解してないと、話が噛み合わないわけで。

で、こういうところは自転車道ではなくて、自転車専用通行帯のほうが事故は起こりにくいと思うのですが、

これも逆走してくる奴がいるとか、路上駐車している車がいて走りづらいとか。
日本の自転車のほとんどはママチャリなので、あくまでもママチャリ基準での政策になるのと、政策自体は自転車の走りやすさ重視ではなく、歩行者の安全重視。

だからこそ、結局は自制して徐行する、左側通行を守るしかないんですね。
こんなのも、逆走が多いなら警察が集中取締りすれば解決しそうなもんですが、自転車道内ので逆走は反則取れないのでしょうか??

なので自転車道を広げるべき、というのは、そもそもの狙いから逆行するものにしかならないので、それが実現することはないでしょう。
自転車道を広くしたり、曲がり部分をなくせば、単に自転車の高速化が進むだけなので、むしろ事故は多発しかねない。
わざとクネクネさせたり、狭いことには意味があるわけです。

どうせ【徐行せよ】なんて立て看板置いても、誰も守らんでしょ。
だから強制的に速度を落とさせるような構造にしたほうがまだマシなんですが、それでもバカな奴はスピード上げてみたり、逆走状態になるわけで。

一方通行の自転車道を作っても、ママチャリなんて余裕で逆走するでしょうし。
あくまでもママチャリの速度を抑えさせるためにあるのがA種自転車道。

で、物事の本質という店から言えば、元々は歩道を爆走する自転車が好き放題やっている現状があり、かといって【自転車は原則車道!】といってもさほど成果を上げることもできず、車道を自転車が走っていれば今度は車のドライバーが邪魔だと声を上げ、さらに逆走するママチャリが出てきたりなどもうメチャクチャなことが原因です。
だから行政も、速度を抑えるような自転車道を作りたがるわけであって、ある意味では自転車に乗る人の一部の無法者が招いた政策です。

自転車に免許制を!というのはどう考えても不可能ですし、何を言ってもママチャリの歩道爆走を止める手段がないから、狭い自転車道で設計速度は15キロ以下にして・・・と速度抑制を考えるのは当然の報い。
ただし、きちんとしているロードバイクからしたら、正直なところこんな自転車道を作られたせいで車道を走れなくなり、迷惑と言えば迷惑です。
かといって、道公法上の区分から、スポーツサイクルとママチャリヲ分けて定義することも難しいですし(どちらも普通自転車)、ドロップハンドルのママチャリがあったらどっちなんだ?となったりして定義できないので、妥協の産物なんですよ。
こういう自転車道は。

そこまで考えて自転車道を広くすべき!なのかは疑問ですが、広くすれば何が起こるかは容易に想像が付くので、ないでしょう。

いっそのこと、自転車道の10m間隔くらいに警察官を配置して、拳銃構えていれば、誰も違反しないような気がしますが、さすがに違う問題が生じるのと、警察もそんな暇ではないわけで。
だからこそ【自制】しかないんですね。

ずいぶん前にある道路で、100mくらい信号のところで信号待ちがあったのですが、いつもは左からすり抜けていく原付が、なぜかある一点で7,8台くらい、すり抜けせずに止まって待っていたのをみたことがあるのですが、なんでかというと、そこに警察官がいたんですね。
別にすり抜け自体違反でもないのですが、なぜかみなさん警戒してましたよw
いるというだけでも多少の抑止力はあるんですが、いなくなればまた同じこと。

ママチャリをどうやってまともにさせるか、そっちのほうが本質的な問題な気がします。
歩道を爆走する自転車がなく、法律どおりに歩行者がいたら一時停止したり徐行していれば、こんなクソ政策の自転車道が作られることもなかったかもしれません。

※、今回の事故は、ママチャリが右側走行したのが原因となっています。

自転車道での自転車道視の正面衝突事故、原因は電動アシストママチャリの【右側通行】。




コメント

  1. リターン組 より:

    普段、車を運転している時でも逆走ママチャリを目にすることは日常茶飯事。
    おそらく多くの人は逆走しているという認識すら持ってないでしょうね。

    交通ルールを無視しているという人ではなく、根本的なルールを知らないというケースがほとんどだと思います。

    免許が無い乗り物なのでルールを徹底させることは難しいと思いますが、学校教育の中に取り入れる必要性や、各都道府県の警察が自転車や日常に付帯する交通ルールを周知徹底する何かしらの手段があればいいとは思います。現実的に何があるかと言われると思いつかないですが。

    なんにしても逆走に限らず、ママチャリは無法となっている感覚は、自転車乗りに限らず多くの国民が感じているとは思いますね。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      ママチャリの逆走は、逆走が違反だと知らない人もいるでしょうし、その程度で捕まらないと思っている人もいるでしょうし。
      自由に歩ける歩行者の延長上くらいにしか思ってないのかもしれませんが、何かしら対策しないとこのような事故は増えるだろうと予想します。