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ロードバイクにおける剛性、強度、耐久性の違いって??

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ロードバイクに乗る上で、よく出てくる単語に【剛性】というものがあります。
剛性が高いフレームとか、剛性が低いホイールとか。



剛性について理解されていない人もいるようなので、ここで解説します。

いきなりですが質問です

以下に書いていることは、合っていることでしょうか?

1、剛性が高いフレームは、強度も高い

2、剛性が高いフレームは、耐久性も高い

3、強度が高いフレームは、耐久性も高い

さて、答えはわかりますか??

剛性、強度、耐久性の違い

まずは剛性という単語からです。
剛性というのは、【物体の変形しにくさ】を意味します。

強度というのは、【物体の壊れにくさ(破断しにくさ)】を意味します。

こう書くとチンプンカンプンな人もいると思いますので、例を挙げていきます。
例えば、輪ゴムと割りばしを用意します。

輪ゴムと割りばしで、剛性が高いのはどっちですか?

輪ゴムと割りばしで、強度が高いのはどっちですか?

まずは剛性から見ていきましょう。

輪ゴムにわずかな力を加えると、伸びて変形します。

当たり前ですが、力を抜くと輪ゴムは元通りの姿に戻ります。


次に割りばしに対して、輪ゴムを変形させて程度の力を加えてみますと、ビクともしません。
わずかにしなるかしならないか程度です。

剛性というのは【物体の変形しにくさ】と書きましたが、同じ力を加えると輪ゴムは容易に変形し、割りばしはほぼ変形しません。
つまり、割りばしのほうが剛性が高く、輪ゴムのほうが剛性が低いと言えます。

次に強度です。
輪ゴムは強く引っ張っても、変形はしますがなかなか壊れそうにありません。
割りばしは両手でちょっと力を加えると、真っ二つに折れました。

つまり、同じ程度の力を加えたときに、輪ゴムは変形するが壊れない、割りばしは変形する前に壊れると言えます。
なので割りばしのほうが強度は低いが、輪ゴムのほうが強度は高いと言えます。

まとめると

輪ゴム 割りばし
剛性 低い 高い
強度 高い 低い

剛性と強度は何ら関係ないということがわかります。

次に耐久性です。
耐久性を定義すると、【物体に外部から化学的、物理的が加わった場合、どれだけ長く抵抗できるか】となります。
ロードバイクのフレームを考えると、乗って振動や衝撃が加わることや気温などは物理的刺激といえますし、酸化、金属疲労などは化学的刺激といえます。

これらが加わったときにどれだけ長持ちするかの指標が耐久性ですから、必ずしも強度とは一致しません。

なので最初に挙げた質問を見ていくと
1、剛性が高いフレームは、強度も高い
⇒関係ありません
2、剛性が高いフレームは、耐久性も高い
⇒関係ありません
3、強度が高いフレームは、耐久性も高い
⇒必ずしも一致しません

こんな答えになります。

クロモリはシナリがあり、アルミは剛性が高いという幻想

よく言われることですが、【クロモリフレームは独特のバネ感があってシナリがある、アルミフレームは剛性が高くシナリがほとんどない】などと言われます。
これは果たして真実でしょうか?

まずはアルミから。
アルミフレームと言いますが、厳密にはアルミ合金フレームです。
アルミニウム100%ではなく、アルミにほかの金属を混ぜて強度を増しているのがアルミ合金です。

例えばですが、ジュースやビールが入っているアルミ缶って、ペコペコ凹みませんか?
あれと同じアルミ合金でロードバイクのフレームを作ったら、ものすごく剛性が低いのは容易に想像できると思います。
アルミ合金には1000番台のアルミ、2000番台のアルミなど、何をどう混ぜるかにより4桁の数字で表されます。
缶ジュースのアルミは3000番台、ロードバイクのアルミフレームは6000番台が多く、最近は7000番台のアルミフレームもあります。
6000系アルミよりも7000系アルミのほうが、硬さは上です。(つまりは剛性が高い)

その昔、アルミフレームが登場したとき、【アルミフレームは柔らかくてダメだ】という声もありました。
本来はアルミというのは柔らかい金属なのです。
ロードバイクのアルミフレームは、パイプを大口径化することで剛性を確保しています

なので【アルミフレームは硬くて振動吸収しない】などと言われますが、意図的に硬くするように大口径化したりしているだけです。

事実、クロモリフレームって、アルミフレームよりも細いパイプですよね?
クロモリはあの細さで十分な剛性を出せているからあの細さであって、あれを大口径化したらものすごく剛性が高いクロモリフレームになるはずです。
そもそも、クロモリフレームを大口径化したら、死ぬほど重いのは容易に想像つきますが。

なので重量と剛性のバランスを考えて、クロモリはあの細いパイプだからシナリが出ますし、アルミはパイプを細くしたら剛性がグダグダになるため太くした結果、シナリが少ないと考えるほうがベターでしょう。

近年はアルミフレームの加工技術が大幅に上がってきて、自由度が高いフレーム設計が可能になってきました。
例えば私が持っているアルミフレームのシートステーを見ると、わずかにベンド形状(曲げ加工)されています。

真っすぐよりも、曲がっているほうが路面からの振動を逃がすようになります。
こうすることでリアにかかる振動吸収性を高めるように、フレームとしての剛性をコントロールして自由度が高い設計が可能になっています。
CAAD12とかも、シートステーの形状が凝っているように感じますし、最近のアルミフレームでそこそこのグレードのものは何かしらフレーム形状に工夫が施されています。

ちなみにカーボンのほうが、金属フレームよりもより自由度が高い設計が可能なので、意図的に【BB周りは剛性を強化し、リアのシートステーは剛性を下げる】ような作りがアルミよりもしやすいのです。
アルミでも最近のフレームは、フロント周り、BB周り、リア三角の剛性をうまくコントロールしているフレームが増えていますが、カーボンのほうがそれはしやすいのも事実です。

必ずしもアルミ=剛性が高いとは限らない

このように剛性はある程度コントロールしながらフレーム設計するので、アルミフレームが必ずしもカーボンフレームよりも剛性が高いわけでもありません。
カーボンフレームでもガチガチな剛性が高いフレームは存在します。

一般論としては、カーボンフレームの場合、高いフレームほど剛性が高いものが多く、安いフレームは剛性が低いものが多いです。
高いカーボンフレームって、やたら軽いですよね?
軽く、剛性を高く作るにはそれなりのコストがかかるわけです。
ところがです。
高くて剛性が高いカーボンフレームでも、強度が高くないフレームも存在します
落車一発でシートステーが破断するような軽量フレームもあるわけで、剛性と強度は一致しないことが明らかです。

耐久性について

これが一番難しいところですが、カーボン、アルミ、クロモリと標準的なフレームがあった場合、耐久性自体はカーボンが最も良く、次にクロモリ、最後にアルミとなります。
ここでいう耐久性というのは、落車などの強い衝撃は受けずに、一般的な乗り方で運用した場合、初期性能がどれだけ維持できるかという話です。

金属系フレームの場合、サビや金属疲労で劣化します。
クロモリはサビが出やすいですが、アルミよりも金属疲労の影響は少ないです。
逆にアルミはサビは出にくいものの、金属疲労で劣化します。

そういう化学的刺激に対してはカーボンは強いのです。
カーボンは紫外線で劣化するという現象はありますが、それでも耐久性で見たらカーボン、クロモリ、アルミの順です。

アルミは金属疲労、つまりは振動や加重、気温によって劣化していきます。
アルミフレームが金属疲労を起こすと、乗っている感じでは剛性が低くなったような感じ、つまりは踏み込んでもどこか逃げていくような印象になります。
ところが、こういう変化はある日突然起こるのではなく、日々わずかに起こります。
なので頻繁に乗っていると全く分かりません。
たまたまほかのアルミ新車に乗ったときに、【すげー、良く進む!】と感じる可能性はありますが。

あと、クロモリフレームは補修できるものの、アルミフレームやカーボンフレームは補修が困難という点もあります。

剛性と強度と耐久性。
似たような意味で使いがちですが、意味は全く別のものです。




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