クイックリリース式のディスクブレーキ車をオススメしない、シンプルな理由。

ちょっと前の記事でも少し触れたのですが、

予算10万までのロードバイク選びについて質問を頂いていたのですが、ちょっと疑問に思うところがありまして。 この...

ディスクブレーキ車はだいぶ市民権を得て普及してきていますが、いまだにスルーアクスル規格ではなく、クイックリリース規格のディスクブレーキ車もあります。
クイックリリース式のディスクブレーキ車については、特別な事情が無い限り、お勧めしていません。

スルーアクスルとクイックリリース


クイックリリースとスルーアクスルは似たような構造ですが、全く違います。
リムブレーキ車は、原則として以下のような規格です。

<リムブレーキ>フロントリア
エンド幅100mm130mm
クイックシャフト径9mm10mm

ディスクブレーキ車の場合、登場初期はクリックリリース車が多かったのですが、クイックリリース規格は1年程度で終了し、現行の主流はスルーアクスルです。
登場初期のディスク車のクイック規格は

<ディスク・クイック>フロントリア
エンド幅100mm135mm
クイックシャフト径9mm10mm

これが現行のディスクブレーキ車の主流の規格はこうなります。

<ディスク・スルーアクスル>フロントリア
エンド幅100mm142mm
スルーアクスル径12mm12mm

これらはフレームの規格です。
フレームの規格が違うということはホイールの規格も違うというのが最大の問題です。

ディスクブレーキ車とホイールの互換性


ディスクブレーキ車が登場したての頃に登場したディスクブレーキ用ホイールを見てみます。
ディスクブレーキ車は当初、クイックリリースで始まったわけですが、1年程度でクイックは終了。
それ以降はスルーアクスルが主流です。
スルーアクスルの径もいろんな規格が登場して混乱しましたが、この2年くらいでほぼ統一された気がします。

ディスク車が出始めの頃に出たホイールで、カンパニョーロのゾンダDBがあります。
ゾンダDBですが、当初の規格の混乱をそのまま反映したかのようなラインアップになってまして、シマノ用だけでもこんな感じになります。

対応規格(F・R)ディスク固定方式
ゾンダDB スルー(センター)12mm・12mmスルーアクスルセンターロック
ゾンダDB 6穴 スルー12mm・12mmスルーアクスル6ボルト
ゾンダDB 6穴 クイック9mm・10mmクイック6ボルト
ゾンダDB センター クイック9mm・10mmクイックセンターロック

それぞれにシマノフリー、カンパフリーがあるので、メーカー側からしたら悲惨ですよね。

で、クイック規格のフレームには、ゾンダDBのクイックなら対応しますが、ゾンダDBのスルーアクスルのほうは対応しません。
スルーアクスル規格のフレームも同様。

ところが、比較的最近出てきたホイールだと、もうクイックリリースは見切ってます。
カンパニョーロのボーラワン35DISCとか、既にフロント100mm、リア142mmのスルーアクスル規格にしか対応していません。


Campagnolo – Bora One (ボーラワン) 35 ロードディスクホイールセット

シロッコDBだと、本国サイトではリアが135mm・142mmの両方対応のような表記になってますが、日本の代理店サイトではスルーアクスルとクイックリリースで別物のホイールとして表記されてます。


Campagnolo – Scirocco (シロッコ) DB BT12 ロードホイールセット (2019)

つい最近登場したフルクラムのレーシングゼロ DB CMPTZNは、対応がフロント12mm×100mm、リアが12mm×142mmだけとなってます。
レーシング3 DBについても同様です。


Fulcrum – Racing (レーシング) 3 ディスクブレーキホイールセット

マヴィックについては、(たぶん)全てのモデルがクイックとスルーアクスルの両方に対応するアダプターで対応しています。
シマノは完全にスルーアクスル規格に行ってしまい、旧モデルでクイックリリース用ディスクブレーキホイールも残ってますが、完売次第終了のようです。

大手メーカーの動向はこんなイメージ。

メーカー動向
シマノ最近のホイールは全てスルーアクスルのみ対応。旧製品でクイック用もあるが、完売次第終了の様子。
マヴィック(たぶん)全てのモデルでクイックとスルーアクスルに対応するアダプターで対応。
カンパ・フルクラム数年前のホイールだと、クイック用、スルーアクスル用と作りわけしていたが、ここ最近のホイールはスルーアクスル用のみの傾向が強い(ただし下位モデルだとクイック対応もあり)

フルクラムはレーシング7DBとかだと、クイック、スルーアクスル両方に対応を残しているようです。
レーシング4以下はクイックとスルーアクスル両方の対応だと本国サイトには書いてありますが、レーシング3以上だとスルーアクスル対応がメインの様子。

何が問題かというと

例えばクイックリリース規格のディスクブレーキ車を買ったときに、ホイールの選択肢が減ってしまうということです。
今のところマヴィックなら、全て対応すると思いますが、カンパニョーロのボーラが欲しいとか言い出すともう無理。

で、例えばクイックにしか対応しないホイールを買った場合には、今後スルーアクスルのフレームを買った場合に、ホイールを移植できない問題も生じます。
ゾンダDBとか、シマノ旧製品など。

ということでホイールの選択肢が狭くなるという点だけが問題で、それがクイックリリース規格のディスクブレーキ車をオススメしない唯一の理由です。

剛性が・・・とかはまた別問題で、規格が変わるということは今後困る可能性を秘めているので、オススメしづらいわけです。

先日上げた、FUJIのFEATHER CX+についても、前後クイックリリース規格というのが最大のオススメしない理由です。

今後ホイールをグレードアップする予定がない人にはいいかもしれませんが、10万くらいのスポーツサイクルを買う人の中には、今後スポーツサイクルに嵌ることまで想定してない人もいて、車体購入時にはホイールを買い換えることなんて全く頭にない人もいます。
買って乗ってみたら結構面白くて、ホイール変えると走りが変わると聞いて、じゃあホイール買うか!となったときに困る可能性があるのがクイックリリース規格のディスクブレーキ車ということです。

クイックリリース規格のディスクブレーキ車は、今はほとんどありません。
有名どころでいうと、キャノンデールのシナプスディスクのアルミフレームのほうについては、フロントがスルーアクスルで、リアがクイックリリースという規格になってます。
(カーボンフレームのシナプスは前後スルーアクスル)

前後で規格が違うほうがむしろ厄介かもしれません。
マヴィックのようにアダプターでクイックとスルーアクスルに対応するホイールならいいですが、シマノホイールにグレードアップしようとすると、フロントホイールは新製品のスルーアクスル対応から選んで、リアホイールは旧製品のクイック規格から選んで・・・とちょっと面倒です。

これらのリスクを承知なら

ここまで、クイックとスルーアクスルの性能差については一切触れてないわけですが、性能がどうとかよりも、規格が違うほうが大問題です。
ただ、ホイールのグレードアップで困るということを承知であれば、欲しいなら購入することがダメだとは思いません。

今現在では、マヴィックについてはクイックもスルーアクスルもアダプターで対応になってますが、恐らくメーカー側のホンネからいうと、アダプター対応は今後は無くしたいはず。
スルーアクスルのリアエンド幅142mmを前提にホイールを作ったほうが、フランジ幅の設計などで横剛性を上げることもできるでしょうし。

なのでマヴィックもいつまでアダプター対応なのかはやや不明です。
シマノについては毎度毎度、見切りの早さには定評があるので、速攻でクイック規格のホイールは見捨てる方向にしているようです。
旧製品(クイック規格)は在庫限りで買えるようですが、そもそもクイック規格のディスクブレーキ用ホイールを求める非と自体が少ないと思われるので、言い方は悪いですがメーカー在庫はしばらく残ると思われますが・・・

新しい規格が登場した頃って実は要注意で、しばらく様子を見たほうがいい場合は多々あります。
いったい何がスタンダードの規格になるのか、それを見極めて様子見も大切。

クイック規格のディスク車でも、例えば50%オフとか大型割引なら、ホイールの互換性については目をつぶって検討の余地は出ます。
それ以外なら、なるべくスルーアクスル規格で選んでおいたほうが無難です。

どうも私、反ディスクブレーキ派だと勘違いされているのですが、当初ディスクブレーキ車をオススメしていなかった最大の理由は、規格が乱立して何になるかが不透明過ぎたから。
これについてはもう解決しています。
スルーアクスルで天下統一。

ついでディスク車をオススメしていなかった理由は、本当にディスクブレーキ車が主流になるのか不透明だったから、です。
シマノは売れないパーツについては見切るのも早いので、万が一ディスクブレーキがはやらなかった場合は、見捨てられる危険性があったから。
これについても既に解決しています。
今更ディスクブレーキのロードがなくなる可能性はゼロです。

性能については、リムブレーキなのかディスクブレーキなのかは好みの問題ですし、新城幸也選手も晴れてればリムブレーキのほうが・・・と言ってましたし。

メリダに乗る新城幸也選手が、どのような観点から乗るバイクを選んでいるか、解説しています。 新城幸也選手って凄くいい人なんだろう...

晴れててもディスクブレーキのほうがいいという選手もいるので、このあたりはもう好みの問題かと・・・

あと前回の記事でも書いたように、FUJIのFEATHER CX+はロードバイクではなくてグラベルロードです。
なぜ10万円以下のオススメロードの筆頭なのか理解しがたいところもありますが、ディスクブレーキ車を購入する前は、クイックなのかスルーアクスルなのかもきちんと確認したほうがいいでしょう。




コメント

  1. るうべ より:

    クイックのリアの軸径は10mmのはずですよ。

  2. TRINX-TOTEM野郎 より:

    解説読ませていただきました、まさにこれで困ってます・・・
    メリダのスクルトゥーラDisc200が前アクスル後ろクイックリリースでした。
    同じホイールでクイックとアクスルの物があればいいのですが・・ほぼないんですよね
    こりゃフレーム捨てかな。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      これ、年式はいつのものでしょうか?
      あと2020年までのマヴィックホイールは、アダプターでクイックとスルーアクスル両方対応するものがほとんどです。
      カンパ・フルクラムの一部のホイールもアダプタ対応できるはず(ごく一部だったと思いますが)。
      シマノホイールは全てアウトです。