先日のビアンキ事故の話について、少し追記しようと思います。

先日、ビアンキ事故の件について動画を引用して説明しました。

ビアンキ事故の動画を見つけたので、是非皆さんにも知ってほしいと思ってまして。

この事故、10年以上スポーツサイクルに乗っている人には、それなりに有名な話だと思いますし、当時は様々な意見が自転車関係者の中でも飛び交っていました。
ただ、前回私が書いた記事では、そのあたりについては大幅に端折ってます。

というのも、記事で伝えたいのは、メンテナンスで防げる事故もあるのでは?ということがメインだからです。

当時の批判

この事故の当時、いろんな意見が飛び交ってました。
その中で私が感じたのは、自転車に詳しくない素人の人は、メーカーの設計責任がおかしいと感じ、自転車乗りの人は、むしろ被害者のメンテ不足を問題視していたような風潮が強かったように感じます。

被害者の方は、デローザのロードバイクに乗っているような方で、メーカーから【〇年ごとに定期検査しろ】という通達が無かったとしても、自転車乗りなら普通にメンテするでしょ?という論調ですね。

で、前回記事でも書いた、プロショップの方が実際に事故車を検分した話、探してやっと見つかりました。

http://openadrawer.blog122.fc2.com/blog-entry-58.html

http://openadrawer.blog122.fc2.com/blog-entry-66.html

しかし報道ではこの話はなくなり、判決でもそもそも分離できる構造なのが欠陥みたいな話になっていたと思います。
(この事故は一審では原告勝訴、二審では和解になっています)

検分した方によると、仮にスプリングコイルが破断しても、50mm程度前輪を持ち上げないとサスが抜けることは無いのでは?ということと、そもそも事故の前から破断していたのでは?ということですね。
このあたり、真相についてはわかりません。
裁判ではいわゆる前輪に異物が絡まってロックして起こるジャックナイフ現象は、否定されています(目撃者の情報より)。

ただ、私が言いたいことですが、このあたりの経緯自体は裁判でもさほど重視されていない気がしますし、そこを掘り返してもしょうがない気がしています。

複雑な構造

事故が起きたビアンキのクロスバイクですが、そもそも存在自体が複雑な経緯で出来ているということもあります。

まず、事故車のビアンキのクロスバイクですが、そもそもビアンキが設計したものではありません。
サイクルヨーロッパジャパンが、日本のアキボウにライセンスを与えて、アキボウが設計開発した自転車です。
アキボウがサスペンションとして台湾のRSTを選定し、台湾穂高が自転車の組み立てを行ったという経緯です。

先に書きますが、この事故以降、どうもビアンキの自転車のうち下位モデルは、ライセンス商品だという謎の風潮が高まったのですが、これはちょっと違います。
ビアンキのグローバルページに無い車種については、ライセンス商品です。
現行モデルではクロスバイクのROMAが該当します。
ロードバイクについては、設計自体は全てビアンキ本国です。

で、報道を見てもらえば分かると思いますが、サイクルヨーロッパジャパンは輸入元としての責任に言及してますが、アキボウはサイクルヨーロッパジャパンの責任だとし、RSTはうちの製品は安全だとし、組み立てた台湾穂高は言われたとおり組みたてただけみたいに、誰が責任を負うのか微妙な発言があったことです。
このあたりがビアンキへの不信感につながったのではないかと思ってます。

サス付きクロスは買うなという風潮

この事故以降ですが、サスペンション付きのクロスバイクは買わないほうがいい、というのがある種の定説になってます。
事故以降、同じ構造、つまりスプリングコイルが破断したらすっぽ抜ける構造のサスペンションフォークは、恐らく存在しないだろうと思います。

しかし、安価なサスペンションフォークは、いつかは壊れるというのが定説ですし、事故車についていたRST製のサスペンションフォークについても、そもそも分解整備できる構造ではないわけで。

しかし、サスを動かしてみれば、異常には気が付く可能性はあったのではないかということもあります。

言いたいことですが

当たり前ですが、今更ビアンキを糾弾したいわけではありません。
そもそも私が最初に買ったロードバイクはビアンキですが、この事故のことを知ってから買っています。

で、言いたいことは、注意深くメンテナンスすれば、この手の異常に気が付けた可能性もあるわけです。
被害者の方がどこまでメンテしていたのかは知りません。
しかし、サスが分離したら大怪我することは確実なので、チェックとメンテは必須です。

自転車の異常ですが、最初は異音から始まることもあります。
異音に気が付く、原因を探る、という流れが大切です。
だから、小さな異音に気が付けなくなる、走行中に音楽を聴く行為自体は大嫌いです。
音楽聴いてロードバイク等に乗ることは、周囲の音が聞こえているとそういう人たちはいいますが、大事な何かを見逃します。

また、普段とは自転車の挙動がおかしくないかのチェックも大切です。
ちょっとの異常が大きな怪我につながる、だからテキトーにして乗っている人を見ると、怖くてしょうがないです。

どこかのユーチューバーが、破断しているクロスバイクのアルミフレームに、補修用のアルミシートを巻いて何とかするみたいな動画を上げてました。
こういう人は、安全意識が欠落してます。
自転車を知っている人からすれば、破断しているアルミフレームにあんなシートを巻いたくらいでは怖くて乗れないでしょうし、乗らないでしょう。
お金貰っても乗りません。

どうもユーチューバーって、楽しければ何でもアリ的なノリなので好きになれませんが、皆さんが乗るスポーツサイクルも、正しく使えば楽しい乗り物だし、間違って使えば命に関わる乗り物です。
ちなみに、正しくメンテナンスされているであろう、プロが乗るロードバイクでも、こんな事故は起きます。

走行中にフォークのコラムが折れてしまい、ハンドルが宙ぶらりんになって制御不能です。
見事に一回転してますが、これ、カーボンコラムではなくアルミコラムだそうです。
これを未然に防げるのかはわかりません。
まあ、一般人では走らないようなパリルーベだから起こった事故かもしれませんが、一般人がこれと同じことが公道で起こったら、死にますよね。

唯一、これを起こりにくくするとしたら、適切なコラムカットと、適切なトルク管理でしょうか。
たまにフォークコラムをこんな感じにしたまま乗っている人がいますが、

フォークコラムをカットする理由は、そのほうが折れにくくなるからです。
こんな感じだと、中のプレッシャーアンカーと、外のステムの位置がズレるので、ちょっと問題です。

防げる事故は未然に防げる。
メンテナンスする理由は、速く走りたいからということもありますが、それ以上に安全に走りたいからではないでしょうか?
言いたいことはそれだけです。

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