自転車ライトの【点滅だけ】は必ずしも違反ではありません。ただし、必ずしも推奨はしません。

長らくですが、自転車のライトの【点滅】は違反であるとされていますが、実は点滅は違反ではないことをご存知でしょうか?
これ、知らない人のほうが多いのではないかと思いますし、道交法では【点灯】を義務付けているから、点滅は違反だ!ということが一般的だと思います。

点滅が違反ではないことについては、正確な日時はわかりませんが、ここ10年程度の間で警察庁が公式見解として出しています。

点滅は必ずしも違反ではない

道路交通法によると、自転車ライトについてはこのように規定されています。

(車両等の灯火)
第五十二条 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

これに対して、より具体的には、各都道府県の道路交通法施行細則にて定められています。

例えば神奈川県の例。

(軽車両の灯火)
第6条 政令第18条第1項第5号に規定する軽車両(牛馬を除く。以下この条において同じ。)がつけなければならない公安委員会が定める灯火は、前照灯及び尾灯とする。
2 自転車が、道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号。以下「府令」という。)第9条の4の基準に適合する反射器材を備えているときは、前項の規定にかかわらず、尾灯をつけることを要しない。
3 自転車以外の軽車両が、前項の基準に準じた反射器材を当該軽車両の後部の両側に備えているときは、第1項の規定にかかわらず、尾灯をつけることを要しない。
(前照灯の灯火の基準)
第7条 前条第1項の前照灯の灯火は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 白色又は淡黄色であること。
(2) 夜間において前方5メートルの距離にある交通上の障害物を確認できる光度を有すること。
(3) 発電装置のものにあつては、照射方向が下向きで、かつ、その主光軸の地面における照射点が前方5メートルをこえてはならないこと。
(尾灯の灯火等の基準)
第8条 第6条第1項の尾灯の灯火は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 赤色であること。
(2) 夜間において後方100メートルの距離から点灯を容易に確認できる光度を有するものであること。

神奈川県ではフロントライトは5m先を照らすことが出来るものとしてますが、多くの都道府県では10mに設定しています。
リアライトについては、私がざっと調べた範囲では、後方100mから視認できるものになっています。

これに対して、点灯とか点滅とか一切書かれていません。
これに対して警視庁および東京都は、以下のように示しています。

点滅式ライトの自転車が高速走行している件に対する御意見について、都の取組を御説明します。
まず、道路交通法第52条第1項では、自転車を含む車両等は、夜間、道路にあるときは、同法施行令第18条で定めるところにより、前照灯をつけなければならない旨が規定されています。
さらに、同法及び同法施行令を受けて、東京都道路交通規則第9条第1項第1号では、夜間10メートル先を照らすことができる明るさと、白色もしくは淡黄色の前照灯でなければいけない旨を規定しています。
したがって、夜間、自転車を走行する際には、点滅・点灯を問わず10メートル先を照らすことができる明るさと、白色もしくは淡黄色の前照灯をつけて走行しなければならず、御意見のあった点滅式ライトについて、この基準を満たしていれば違法ではありません。

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/10/30/10_06.html

このたびは、警視庁に対する御意見をいただき、ありがとうございます。
夜間における自転車の点滅式ライトでの走行について、警視庁の取組を御説明します。
点滅式ライトの使用自体は道路交通法等に違反するものではありませんので、同ライトの使用のみをもって取り締まることはできません。
なお、同ライトの角度や使用法等によっては、他の車両の運転者等をげん惑させるおそれがありますので、事故防止のため、引き続き、現場における指導を徹底して参ります。
今後とも、警視庁の活動に御理解と御協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
(警視庁)

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/10/30/10_06.html

これはあくまでも警視庁管内(東京都のみ)での運用です。

草加市が警察庁に質問した回答としては、こちらになります。
警察庁なので、全ての都道府県の警察を束ねる組織です。
(警視庁と警察庁は似ているけど違う)

前回回答のとおり、軽車両の灯火については、道路交通法施行令第18 条の規定に基づき、地域の実情に応じて、自転車の
運転者が前方を十分に視認できるよう、各都道府県公安委員会が定めることとされている。なお、道路交通法上、「灯火」には点滅も含まれ得る。

各都道府県公安委員会が軽車両の灯火に関して定めた規定に該当するかどうかは、それぞれの都道府県公安委員会が判断すべきことであり、当庁が判断すべきものではなく、ガイドライン等を発出することは妥当ではない。具体的な事項については、前回回答のとおり埼玉県公安委員会に相談されたい。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kouzou2/jyoukyou/2007/10/pdf2/vote/npa.pdf

警察庁の見解としては、

道路交通法上、「灯火」には点滅も含まれ得る。

この微妙な言い回しなんですが、警察庁としては点滅が違反といえるだけの根拠はないようです。

点滅は必ずしも違反ではない

多くの都道府県では、前方10mを照らす照度と、後方100mから視認できる照度を備えていて、ライトの色が各都道府県が定める基準を満たしているなら、点滅なら違反だとはしていないようです。

で、点滅ライトがどうなのかについて、私個人としての見解を。

ずいぶん昔にロードバイクで通勤していた頃は、フロントはダブルライト体制で、一本は点灯、一本は点滅にしていました。
照度が高いほうを点灯にして、やや落ちるほうを点滅に。

リアは同じく、点灯と点滅で運用していました。

安いライトについては、恐らくですが根本的に、前方照度10mという基準を満たしていないものもあると思います。
そういうのについては、点灯だろうと点滅だろうと違反です。

点灯と点滅は、意味合いが違うと思うのですが、

・点灯 ⇒ 自転車の前方視野を確保するため
・点滅 ⇒ 自転車の被視認性を高めるため(存在アピール)

一応、警察庁の見解としては、基準さえ満たしたライトなら、点滅だからといって違反だとは言えないという立場のようです。
しかし、夜間に走行するのに、点滅では確実な前方視野を確保することは出来ないので、ダブルライトで点灯と点滅を使うのはいいと思うのですが、シングルライトなら点灯だけのほうがいいかと思ってます。

リアライトについては、点滅のほうが被視認性が向上するので、追突や無理な追い越しを避ける効果はあると思います。
前に書いた、トンネル内での被視認性についての話もそうなんですが、

ロードバイクに乗っていて、一番嫌だな、と思うコースは何かというと、私の中ではダントツでトンネルです。 そりゃ、20mくらいで終わるようなト...
先日のトンネル内でロードバイクは恐怖だと言う記事に対して、メールを頂きました。 というお話です。 どういうこ...

こちらのトンネル内での事故についてなんですが、

見たところ、自転車の方はヘルメットに赤色ライトを【点滅】で使っているようです。

トンネル内って、側壁に赤色灯が付いているケースがあって、高めの位置で点灯だと、自転車だと気づきにくいようです。
なのでもっと下の位置に点滅でつけて、地面に赤の色を反射させるくらいじゃないと、自転車だと認識してくれない可能性があります。

赤色のリアライトのほかに、青ライトを使っているという人もいます。

フロントに白、リアに赤の基準を満たしたライトを付けているなら、このように青のライトを使うことは違反ではないそうです。
警察からはあまりオススメしないと言われてしまいましたが(自転車だと認識してもらえなくなる可能性)、個人的には被視認性向上という観点では普通にアリだと思うのですが。

ちなみにですが、警察庁が

道路交通法上、「灯火」には点滅も含まれ得る。

このようにやや曖昧にしている理由ですが、恐らく、点滅で違反を取り、不服だということで法廷まで持ち込まれた場合、判決としてはどっちにも転びうるからではないでしょうか?
道交法では【灯火をつけなければならない】となっているだけで、灯火をつけるの中に、点滅が含まれるのかどうかについては、どっちにも捉えうる話ですので・・・
そうすると、警察としても違反を取ることで違う問題が生じかねないので、現実的には違反を取ることはないだろうと思われます。
(もしかしたら注意を受ける可能性はありますが)

で、警察組織の大本である警察庁は

道路交通法上、「灯火」には点滅も含まれ得る。

とやや曖昧にしており、東京都については、明確に違反ではないとしています。
東京都以外の都府県でどのように扱われているのかは、各都府県の公安委員会だったり、道路交通法施行細則で決まっているのですが、私の調べによると各都道府県の道路交通法施行細則に【点滅は違反】と明記しているところはないようです。

で、その上でなんですが、ロード乗りとしては、ライトって【法律で決まっているから付けるもの】だけではないですよね。
夜間走行する人ならわかると思いますが、しょぼいライトでは、怖くて夜間にロードバイクなんて走れません。
キャットアイのVOLTシリーズなんてかなりの照度を持っていますが、安全にロードバイクを走る上では、無いと怖いから付けているわけです。

キャットアイのVOLT1700なんて、定価は26000円(税別)もしますが、それでも買う人は買います。
VOLT800でも16000円もしますが、求める人がいるからこのような高額なライトが売れています。

なので、個人的なオススメとしては、フロントはダブルで、一本は強力なものを点灯、もう一つは補助灯として点滅。
リアは点灯一個と点滅一個、もしくは点滅のみ一個とかがいいのではないかと。
(あくまでも夜間走行する人の話ですが)

キャットアイのフロントライトのスペックです。

これじゃ見えないw
リンクにしておいたので、必要に応じて拡大してもらえば。

点滅が必ずしも違反とは限らないのですが、かといって点滅だけでは前方視野の確保が難しいので、【乗る上で必要な光量と、被視認性を高めるために必要なモノ】を考えれば、答えは出るのかと。

あと、フロントライトを水平にしている人がいますが、当たり前ですが斜め下方向ですよ。
ハイビーム喰らえば、対向車がどう思うかはわかるでしょうし。
点滅フロントライトについては、それよりもさらに下方向のほうがいいのではないかと思ってます。

※都道府県で点滅に関する解釈が異なる可能性もあるので、正確にはお住まいの都道府県の警察に確認してください。




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コメント

  1. 高はし より:

    高はしです。
    目からウロコです。法令上、具体的に挙げられていないので、点滅と区別するのだと解釈してました。
    「含まれ得る」て表現とか、もともとの質問の立ち位置とか、興味深いことだらけではありますが。
    個人的には、まぶしいのは勘弁してほしいな、というとこでしょうか。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      警察庁が一定の指針を出しているのはいいことだと思います。
      ただ点滅だからOKではなくて、ライトの存在意義を考えて、適切に点灯と点滅を組み合わせて使うべき話かと思ってます。

  2. 高島博則 より:

    最近 自転車のライトについて 興味を深めていましたので 大変参考になりました 昼間に前照灯を点滅するのは、どうなのかとか 夜間は、これを見て 点灯必須 点滅 視認性向上のため補助的に 使う かなあ と思いました 尾灯も 強力なものを点灯 補助として 点滅が、いいかなあと 特に 自分では、自転車の認識を 車からみると 点滅も いいかなあと思ってます、霧の中とか考えると 点灯点滅併用が、いいのかなあと

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      ライトの目的はいろいろあると思うのですが、前方視野の確保なら当然点灯モードが好ましいです。
      被視認性を高めるのであれば点滅が好ましい。

      要は前後ともダブルライト体制で、点灯と点滅を使うのが一番なのかもしれません。