RESPOチタンスプレーを使ったときの、MAVICラチェット音。それと、クランクの供回りを。

読者様からご要望頂いていた内容です。
MAVICの二つ爪のラチェットに、RESPOのチタンスプレーを使った場合のラチェット音がどれくらいなのか?ということと、マヴィックにおけるクランクの供回りがよくわからんということだったので、一応動画撮りました。

音はどこまで拾えているのかわかりませんが・・・

RESPOチタンオイル使ったときのラチェット音

最初に。
ラチェットにオイルを使うのは、たぶんマヴィックだけです。
しかもマヴィックのFTS-Lタイプのラチェットのみで、インスタントドライブ360とか、他社ハブは基本的にグリスです。

グリスを使うハブにオイル使うと大変なことになるので、禁止です。

で、何度か書いていることですが、マヴィックのFTS-Lハブでは、メーカー指定はマヴィック純正オイルです。
ここをあえてRESPOチタンスプレーにしているのですが、理由はこちらをどうぞ。

走行中にチェーン落ちした、驚きの理由。

マヴィック純正オイルだと、メンテ直後はラチェット音がほぼ無音になります。
RESPOのチタンスプレーを使うと、カラカラ鳴ります。
それがどれくらいなのか?という話ですが、こちらです。

マヴィック純正オイルを使った場合、基本的にはほぼ無音になります。
純正オイルの場合、オイル切れの症状が出てくるとラチェット音が大きくなってくるので、それがオイルアップするタイミングです。
おおよそ、1000キロに一回くらい推奨されています。
フリーボディのメンテナンスは、慣れれば5分で終わるくらいのものです。

ラチェット音に関わる部分のオイルアップは、フリーボディ内部のギザギザになっているところと、

(筒の内側です)

ラチェットの爪です。

クランクの供回り

クランクの供回りがよく分からないということでしたので。

まず正常な状態から。

スタンド上でクランクを正方向に回せば、当たり前ですが後輪がグルグル回ります。
で、クランクから手を離したときに、クランクはすぐに回転が止まりますが、後輪は回っている。

これが正常です。

供回りというのは、クランクから手を離した後も、クランクがゆっくりと回転を続ける状態です。

供回りがなぜ起こるかですが、ロードバイクのハブはフリーがあるので、ピストバイクと違ってクランクの回転と後輪の回転が必ずしも一致しません。
マヴィックのフリーボディでは、ここの白い樹脂部分にもオイルをつけることが必要とされています。

マヴィックのフリーボディ(FTS-Lタイプ)は、この白い樹脂部分と、ハブ側にある黒いゴムシールが接触している構造です。
ゴムシールを少し浮かせてみました。

取ってしまうとこんなパーツです。

フリーボディの白い部分と、ハブの奥に嵌っている黒いゴムシールが接触している構造なんですが、ここにオイルが十分あって潤滑してないと、ハブの回転にフリーボディが釣られて回転してしまうので、フリー機構にならないんですね。

例えば長く下り坂で、ペダリングを止めて進んでいるような状態のときに、ここにオイルが足りない場合。
後輪は回転していますが、ペダリングをしていないのでフリーボディは回転していません。
しかしオイルが足りないために、ハブの回転に釣られてフリーボディが回転しだすわけです。

そうすると、チェーンが正方向に動いていくわけですが、ペダリングを足で止めているので、チェーンが弛んでいきます。
その結果、チェーン落ちするとか、チェーンがFDに絡まってFDを破壊するとか、重篤なメカトラブルになる可能性があります。

こちらでも書きましたが、

走行中にチェーン落ちした、驚きの理由。

このとき、長く下り坂をペダリングを止めて進んでいて、下りから平坦になろうとしたタイミングで、確かリアをシフト操作してペダリング開始したところ、いきなり【バキ】っと凄い音がして、フロントもリアもチェーン落ち。
ビックリして停車して確認したところ、FDはとんでもない方向に曲がってました。
クランクロックしていたので、かなり怖かったです・・・

なので、スタンド上でクランクをグルグル回して、手を離した後にクランクがグルグル回っているようなら、おかしいです。
マヴィックなら即座にオイルアップすべき状態ですし、他社のホイールでも一度見てもらったほうがいい状態です。

オイルは何でもいいわけではない

供回りのところで書きましたが、オイルを白い樹脂部分と黒ゴムシールにつける関係上、ゴムや樹脂に攻撃性があるオイルは全て不可です。
チェーンオイルはほぼ無理だと思っていいでしょう。
なのでマヴィック純正オイルか、RESPOのチタンスプレーかになると思います。

RESPOを勧める理由は、こっちのほうが粘度が低いので、供回りが起きにくいことです。
ただしラチェット音は大きくなるので、これが嫌な人は純正オイルのほうがいいかもしれません。

どちらにせよ、供回りが起きている状態で外を走ると、とんでもないメカトラブルに巻き込まれかねないので、乗る前にクランクをグルグル回してみて確認することは大切です。

単に後輪だけ前方向に回して、クランクが動かないかを見てもいいでしょうし。

FTS-Lとインスタントドライブ

マヴィックのハブ方式には、二つ爪タイプ(FTS-L)と、インスタントドライブ360があります。
インスタントドライブ360は、DTでいうところのスターラチェットです。

まず、ディスクブレーキ用ホイールは全てインスタントドライブ360になっているので、その場合はオイルではなくグリスです。
リムブレーキ用ホイールも、上位グレードはほぼインスタントドライブ360になっているかと思います。

ホイール名フリーボディホイール名フリーボディ
コメットロードFTS-LキシリウムプロUSTID360
コメットプロカーボンSL USTID360キシリウムエリートUSTFTS-L
コスミックアルチメイトID360キシリウムUSTFTS-L
コスミックプロカーボンSL USTID360アクシウムエリートUSTFTS-L
コスミックプロカーボン USTFTS-LアクシウムUSTFTS-L
コスミックエリートUSTFTS-Lディスクブレーキ用全てID360
キシリウムプロカーボンSL USTID360
R-SYS SLRFTS-L
キシリウムプロエグザリットFTS-L

UST(チューブレス)登場以前のホイールは、だいたいFTS-Lです。

ラチェット音が大きいほうがいい??

ラチェット音が大きいのと小さいの、どっちがいいの?みたいな質問も時々来ますが、これは好みの問題なんで、いい悪いではありません。
カンパニョーロとフルクラムは、ラチェット音は大きめです。
ただし、新品時はグリスが結構入っているので、思っているよりも静かだとガッカリする人もいるようです。

シマノは静か目なんですが、シマノについてはフリーボディの分解を認めていないので、グリスが抜けてラチェット音が大きくなったときには、弄りようがありません。

マヴィックは、インスタントドライブ360については、グリスアップ直後はかなり静音になるらしいですが、すぐに爆音化していきます。
FTS-Lは、純正オイルを使うとかなり静音です。

最廉価のアクシウムディスクもインスタントドライブ360なんで、すぐに爆音化していきます。
高いホイールのほうがラチェット音が大きいというわけではないです。