サドルの前後位置の決め方。サドル後退幅は重視されにくいポイントですが、低身長女子にも気にして欲しいところです。

ポジション決めの中でも、最初に決めるべきポイントと言っても過言ではないのが、サドルの前後位置です。
サドルの前後位置と高さが決まらない限り、何も決まらないと言っても過言ではないのがサドルの前後位置です。

サドルの前後位置は、どうやって決めるものなのか、見ていきます。

サドル前後位置の決め方

サドルの前後位置の決め方ですが、一般的な方法についてです。

まずペダルを地面と水平位置に置きます。
前に来ているペダルに足を乗せ、サドルのいつも座る位置に着座。

膝のお皿の【裏側】からペダル軸まで線を引き、それが垂線になるような位置にサドルを合わせるのが一般的かと。

※お皿の裏側って難しいところですが、膝裏ではなく、お皿(膝蓋骨)という薄い骨の裏と言う意味です。

ペダルが地面と水平な3時の位置は、ペダリングでいうと、最もパワーが発揮される位置付近です。
この位置で効果的に力を発揮するのと、膝などを故障しづらい位置がこのような場所と言えます。

これはショートクランク理論でも少し説明しましたが、

ロードバイクとショートクランク理論。

引用:https://www.welovecycling.com/wide/2016/05/06/kind-muscles-used-pedal-stroke/

ペダリングを図式化すると、こういうイメージです。

時間股関節膝関節
A11時~2時くらい屈曲伸展
B2時~5時くらい伸展伸展
C5時~7時くらい伸展屈曲
D7時~11時くらい屈曲屈曲

ここでいう、屈曲とか伸展というのは、関節位置というよりも関節が動く方向を意味します。
股関節が伸展位から屈曲方向に動くことを、ここでは【屈曲】位置づけています。

ペダリングの3時の位置は、股関節を伸展方向に持っていくと同時に、膝関節を伸展方向に持っていきます。
図を見てもらえば分かるように、3時の位置はハムストリングスをかなり使います。

もしサドルが適正よりも前に行っていると、こうですよね。

ペダル位置は同じままサドルだけ前に行くと、ペダルが3時の位置で、膝の屈曲が深くなりますよね。
こうなれば、上死点でも股関節の屈曲と膝関節の屈曲がより窮屈になりうる可能性も出てきます。
それを補正するためにサドル高さを上げることにもなるのですが、3時の位置で十分なパワーを発揮できない可能性が出てくるのが一番の問題ともいえます。

※膝のお皿の裏側からペダル軸までの垂線というのは、多くの人にはそこがベストと言われますが、もしかしたら前気味、後ろ気味のほうが効率的に感じる人もいるかもしれません。

ここの、クランク軸からサドルの先端までの距離を、サドル後退幅と言いますが、

プロ選手の場合、ここは50mm以上ないとレースに出ることが出来ません。
前乗り過ぎても危険ですし、プロレースではこういう規定なわけです。

シートポストの形状

シートポストの形状は、真っ直ぐなタイプもあれば(左)、このように右のように後ろにオフセットしているものもあります。

こちらはやや後方にオフセットしているものです。

オフセットしているものだと、構造的に前に出せる量は、真っ直ぐタイプよりも減ります。

前にも書いたことですが、

【続】カーボンシートポストは振動吸収性が向上する?実際に向上した方からコメントいただきました。

カーボンシートポストを導入すると振動吸収性が向上する、と言う意見もあれば、全然変わらなかったという意見もよく聞きます。
一つの見解としてですが、オフセットしているカーボンシートポストのほうが、オフセット部が真っ直ぐ形状よりもシナリやすいのは間違いないと思うので、そういう効果が大きいのではないかと思ったりします。
前の記事では、サドルの固定部の形状でも違うのではないかという話でした。

カーボンカーボンと言うと、なぜか【振動吸収性が上がる】と思われがちなんですが、シートポストに関して言うと、全然変わらん!という人も結構多い気がします。
たぶんですが、オフセットゼロの真っ直ぐタイプのアルミシートポストから、オフセットありのカーボンシートポストに変えるのが、一番振動吸収性という意味では体感できる可能性があるのではないかと思ってますが、感覚的なものなので何ともいえません。

クランク長でもサドル後退幅は変わる

理想的なサドル後退幅は、このようにして決めるため、

クランクを短いものに変えた場合には、サドル後退幅も変化します。

基準となるペダルの位置が、後ろに移動すると言えるので、当たり前の原理です。
ただし実際のところで言うと、クランク長が短くなった場合、サドル高も上がるのが普通です。

一般的には、下死点でサドル高を合わせるわけで、クランク長が5mm短くなれば、下死点も5mm上がりますので、当たり前の理屈です。

それと同時に、シートチューブって後ろに傾いているので、サドル高を上げた場合には、勝手にサドルも後退します。
なので実際のところ、クランク長を変えたからといって、サドルの前後位置を弄る必要が有る場合もあれば、そのままで行ける可能性も出てきます。
このあたりは実際に跨ってみてペダリング確認して決めるところでしょう。

もちろん、クランク長を長くした場合には、この逆です。
あまり普段使っているクランクよりも長いクランクを試すということは少ない気がしますが。

フレームサイズのごまかしとしてはオススメしない

これは低身長女子のフレーム選びでも書いたことですが、

身長156センチの女性が選ぶべき、ロードバイクのサイズ感。身長が低い場合、サイズ選びではややシビアになります。

どうしても低身長の女性の場合、その車種の最も小さいフレームサイズを選んでも、ハンドルが遠く感じるケースはあります。
そのようなときに、もし本来の適正よりもサドル後退幅が大きい(サドルが後ろ過ぎる)ときには、サドルを前に出して適正化すれば、ハンドルが少し近づきます。

その一方、もし現状でサドル後退幅はバッチリの状態なのに、ハンドルが遠いからといって無理にサドルを前に出せば、

膝などを壊す原因にも繋がる可能性を秘めています。

なのでここのサドル後退幅については、適正が出ているなら、あまり変に弄らないほうが無難です。

前に書いた、低身長女子のロードバイク選びについてですが、

身長156センチの女性が選ぶべき、ロードバイクのサイズ感。身長が低い場合、サイズ選びではややシビアになります。

低身長女子に最適!650cという車輪が小さいロードバイクもある。サイズ選びに困ったら650cをお勧め?

実際に奥様が650cに乗っているという方、数名からコメントやメールいただいてますが、700cよりもはるかに乗りやすいことは間違いないようです。
700cだと、記事でも書いたようにパーツ交換する箇所が多くて金が結構掛かるとか、調整できる範囲が少なく、どこかに無理があるような調整にしかならないという意見もありました。
ここを合わせれば、こっちが合わなくなるみたいなイメージのようです。

ただし、650cの問題点は、選べるフレームもホイールも少なすぎることですね。
というより、選べる余地がほぼありません、フレームについては。

メールなど頂いた方の話をみても、変にサドルを適正以上に前に出すとか、ステムをかなり短くするとか、そういう変更を伴うなら危険なので650cのほうが絶対にいいよ!という話でした。
このあたり、ホント難しいところでして、車種もデザインをほぼ選べない650c、いろんな車種の選択肢はあっても乗りづらい700c。

ここの考え方は難しいところです。
ただし、適正よりも大幅にサドルを前に出さないと乗れないなら、正直そのフレームは向いていないと言えます。
フレーム買い替えって現実的ではなかったりしますし、ここら辺は

いろんな人
いろんな人
我慢してでも乗れるようにしたい!

と言う人もいるので、難しいところです。
変にサドルを前に出し過ぎた結果、身体痛めたら意味ないですし・・・

いろんな人
いろんな人
やらなきゃ意味ないよ

私は身長180センチあるので、フレームサイズが合わなくて困った経験というのは、試乗車以外ではありません。
試乗車ってなぜか小さいサイズが多いので、やたらハンドルが近過ぎてつらいことはありますが・・・

最近はヤフオクやメルカリなどで、初心者さんがいきなり中古車を買うケースもあるようです。
時々質問されるのですが

いろんな人
いろんな人
身長から見ると2サイズ大きいらしいんですが、サドルを前に出してステムを短くすれば乗れますよと言われました。

出品者にサイズで質問すると、こういう答えが返ってくるケースもあるようです。
そりゃ、跨るだけなら出来るでしょうし、私だって跨るだけなら、幼児用の三輪車でも乗れます。
【安全に、身体に負担がなくペダリングできるか】=【乗れる】であるべきで、そういう返信は単に早く売り飛ばして現金化したいから買ってもらいたいだけの話です。

フレームサイズを間違うと、その後もパーツ交換で大変です。
ピナレロなんて、他者に比べて倍近い数のフレームサイズがあったりしますが、ある意味では良心的なんですよね。
ブランド料上乗せされているから高いんだよ!と一言で片付けるのは、ホント勿体無い。

ピナレロが高い理由は、本当に【ブランド料】なのか?

たくさんのフレームサイズを作れば、その分開発費もそうですし、カーボンの金型も必要になるわけで、どうしてもコストアップしちゃいますからね・・・