ロードバイクに乗っているときに、異音に悩まされるという方は珍しくありません。
特にBB30などの圧入系のBBが登場して以来、異音トラブルは増えてきています。
理屈の上では、ロードバイクから起こる異音は、全ての接合部から起こり得ます。
パーツとパーツがつなぎ合わせてある場所では、何かしらの異音が発生する可能性はあるわけです。
異音が発生した場合、どうするのがいいのか、正しいチェックポイントをお伝えします。
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異音が発生したら・・・
異音が発生したときに、どうするのが効率よく発生個所を特定できるでしょうか?
正直なところでいうと、異音の特定はプロの自転車屋でも難しいです。
プロでもわからないときはわかりません。
一つ一つのパーツの締め具合などをチェックしていくという方法もありますが、そんなことをしていたらいつまで経っても原因が特定できません。
また、音の方向を元に原因を探すのも、正直あてになりません。
フレームによって音が共鳴するようになっていることもありますし、乗っているときには様々なノイズ(空気音、タイヤノイズ、周囲の音)などが入ってきてあまり参考にならないことが多いのです。
なので大切になってくるのは、どんなシチュエーションで異音が発生し、どんなシチュエーションでは異音が発生しないかを考えていくことが解決への近道です。
異音発生時のチェックポイント
いろんな方法がありますが、どこで異音が発生し、どうすると異音が発生しないかをチェックしていきます。
ペダルの回転
まずチェックしてほしいことですが、異音はペダルを回しているときに起こるのか、回していないときに起こるのかということです。
ペダルを回しているときに異音が発生したとして、例えば長い下り坂でペダルを止めて進んでいるときに、異音が発生するのかしないのかを確認します。
ペダルを止めていながらも進んでいる状態を考えてみましょう。
ペダルを止めている状態では、BB、ペダル、チェーンの回転は起こっていません。
ですがフレームには路面からの振動で揺れが生じていますし、車輪は回転していますのでハブは回っています。
逆にペダルを回しているときは、ペダル、BB、チェーンなどの駆動系、ハブなどが回転しています。
また、ペダルを踏むときはサドルへの圧が一時的に減りますが、ペダルを止めて進んでいるときはサドルへの圧が高まります。
なのでペダルを回しているときに異音があり、ペダルを止めて進んでいるときに異音が治まるとしたら、疑うのはBB、ペダル、チェーンなどの駆動系、サドルやシートポストなども疑うべき対象に入ってきます。
シッティングとダンシングでの違い
これはわかりやすい話なのですが、シッティングで乗っているときとダンシングで乗っているときの違いは、サドルへの圧がかかっているか、かかっていないかです。
例えばシッティングでペダルを回しているときには異音がするけど、ダンシングでペダルを回しているときには異音がしないとしたら、疑うべきポイントはサドルやシートポストになります。
シートポストの異音は結構多く、BB付近から音がしているように感じるケースが多いです。
ギアの選択による違い
どのギアにしても異音が発生するのか、特定のギアだけが異音がするのかも重要なチェックポイントです。
特定のギアでのみ異音がする場合、そのギアにしたときのフロントディレーラーとチェーンの干渉だったり、スプロケの不具合だったりなどが考えられます。
ただし、BBやペダルの異音などでは高トルクのときだけ異音が発生する場合もあり、そういう場合は重たいギアを踏んだ時だけ異音が発生することもあります。
なので特定のギアで異音が発生したとしても、それが必ずしも駆動系であるチェーンやフロントディレーラーなどに原因があるわけではないのです。
なので特定のギアで異音が発生する場合、その状態でバイクから降りて、メンテスタンド上でも回転させてみたりして考えることが必要です。
意外と多い、バルブの異音
ホイールからはチューブのバルブがニョキっと頭を出していますが、走行中にバルブが揺れてリムに当たり、【カタカタ】と音がする場合もあります。
これの場合、ダンシングなどでバイクを振ったときにのみ異音が発生することもありますし、常に異音が発生することもあります。
ヘッドパーツの緩み
これについては必ず確認して、緩みがあれば最初にきちんと締めておくことです。
やり方は簡単で、バイクの横に立ち、ブレーキレバーを握った状態でバイクを前後に揺すります。
この際にハンドルがグラグラする感触があれば、ヘッドの緩みがあるので直します。
このようにいろんな場面で異音が出るのか出ないのかをまず検証していきます。
これらの難しさというか、例えば【Aという検査をした結果、問題はここ】みたいに単純でもありません。
この検査をしたからこの可能性が高くなり、違う検査をした結果と合わせて考えるという感じになります。
金属フレームの場合、溶接部から異音がすることも
アルミフレームやクロモリフレームでは、各パイプを溶接して繋ぎ合わせています。
この溶接部では、パイプ同士が擦れるような異音が発生することもあります。
これはフレームが割れる前兆というわけではなく、ある程度はしょうがない現象です。
しかしフレームにクラックが入っていたりすると危険性があるので、フレームを拭くときなどにクラックなどがないか、確認することも必要です。
クイックが緩んでいないか?
たまにいるのですが、クイックが緩すぎて異音が鳴っている人もいます。
まとめ
上に書いたように、チェックすべき点は以下の通りです。
・ペダルを回しているときなのか?止めているときもなのか?
・シッティングだけなのか、ダンシングはどうなのか?
・特定のギアだけで異音が鳴るのか?すべてのギアで鳴るのか?
・ヘッドの緩みはあるか?
・クイックの緩みはあるか?
順番的には、まずはヘッドの緩みについては必ず確認し、クイックのゆるみについても確認します。
これらに異常があった場合は、緩みを直してもう一度乗ってみて異音がなくなるか確認します。
これで異音が変化していないならば、ペダルの回転との関係、シッティングとダンシングでの異音の違い、ギアの位置による異音の違いを確認し、最も可能性が高そうな場所を推測し、チェックしていきます。
例えばですが、ペダルを回していても止めていても異音が鳴る場合、BBやペダルの可能性はほぼなくなります。
ペダルを止めているときはペダルもBBも回転していませんので、動いていないからです。
それにも関わらずBBを分解してチェックするのは、時間の無駄になる可能性があります。
シッティングでもダンシングでも異音がするのに、シートポストを疑うのはナンセンスです。
ダンシングならサドルに圧がかかっていませんから、サドルやシートポストの緩みが異音の可能性は極めて低いでしょう。
すべてチェックしていくのは大変なので、可能性が高そうな場所から直していくことが肝心です。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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