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異音の追求方法を、読者様の実例とともに検証してみました。

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ロードバイクの異音について相談を受けていました。

 

読者様
読者様
ところでフレームについてですが、2日前に気が付いたのですが、残念ながらライド中に異音が出始めてしまいました。。。
BB付近なので有名なOSBBの異音なのかと焦りましたが、どうもペダリング周期と連動していなくて、かつペダリングしていない時にも音がでる状態です。
ただペダリングしているときのほうが聞こえる頻度はかなり高い(8:2くらいでペダリングの時に聞こえます)。
ペダル交換したり左クランク締め直したりいろいろやっています。こちらについて整理できたらまた質問させいただくかもしれません。

 

別件でのメールの際に、このような話がありまして。
異音問題はなかなか難しいのですが、その追求方法について。
先に書いてしまいますが、異音の大きさは結構ややこしい。
スピード上げると異音が小さくなる場合、単に風切り音で異音が聞こえづらいだけのこともあるからです。

異音問題の追及

異音問題についてですが、大きくは三つの確認をしていきます。

音の質

金属音なのか、プラスチック系の音なのかなど。
カチカチ、パキパキ、ギュイギュイ、異音はいろいろあると思いますが、音の性質で見抜くことは困難なんで、何となくの参考程度にしておいてほうがいいと思います。

 

音の性質、それがヒントになることもあるのですが、実態としてどっちなのかよく分からないこともあるし、フレームで共鳴して判別しづらいこともあるので。

ペダリングと同期するか

ペダリングしていても鳴るのか、ペダリング中だけになるのか、ペダリング中だけになるならクランクの位置(3時など)と関係性があるのか?などを見て行きます。

 

ペダリングしてない状態(下り坂を空転させて進んでいるなど)でも異音が発生するなら、クランクやBBはまず関係ありません。
動いてないので。

 

ペダリングしてない状態で進んでいるときに動いているのは、ホイールですね。
あとフレームのほうで言うとヘッド周りだとか、路面の凹凸に合わせてサドル・シートポスト付近は荷重が掛かっています

シッティング?ダンシング

シッティングだと異音がするけど、ダンシングだと異音が無くなる場合、疑うのはシートポスト、サドルです。
ダンシングになるとサドルやシートポストの負荷がほぼゼロになるわけですから。

 

逆にダンシングだと異音が強くなる場合、ペダル付近だったり、ヘッド周りを疑ってもいいかもしれません。

シッティングorダンシングは、かなり異音特定のヒントになることが多いです。

この方の場合

シッティング or ダンシングの話をしたところ、ダンシングだと異音が出なくなるとのことで、シートポストやサドル付近をチェック。

 

読者様
読者様
アドバイスを参考にさせていただき、すこしトラブルシュートしてみました。
結果としてはサドルとシートポストあたりが原因だっか可能性が高いです。あとスポークのスレ音の可能性も。

 

まだ雨がつづいてちゃんと乗れていないのですが、雨の合間に近所を数分程度乗りつつ確認する限りでは
ダンシングで音が出なかったのでひとまずシート付近と推定。

 

その後確認したところサドルヤグラ、シートポストクランプともすこしボルトが緩くなっていましたので増し締め。
これでも多少改善するくらいで異音が止まらなかったので、ヤグラボルトは清掃後グリース塗布(中古フレーム購入後これやらずに組んでいました)。
これでもまだ異音がやまず、シートポストを抜いて拭き掃除したうえでFiber Grip グリスを塗布。シートポストクランプも規定値で締め直し。

 

それと、スポークが接触交差の場合に、接触部で擦れて異音が出る場合があることをお伝えしたので、

 

読者様
読者様
部屋に持ち込むときになんとなくスポークをグイっと握ってみたら、特定の数か所から「パキ」と聞きなれた異音のような音が。。。
もしかしたらこちらが原因、あるいは原因の一つなのかもしれません。。。気になってスポークをにぎにぎしてみたらテンションにばらつきありそうな感じまでしていました。
管理人さんの例と同様かもしれませんが、注油でよいのかテンション調整したほうが良いのか悩んでいます。フレは出ていなので注油かなとも思いますし、いい機会なので
ホイールいじるのもよいかなとも考えています。

 

読者様
読者様
やはりスポークいじっていたら、走行中に聞こえた異音と似ている感じがしてきました。
交差部にグリス塗布を試みたのですが、少なくとも手で動かす限りでは音があまり改善しなく、wakosのメンテルブでやってもあまり効果ありませんでした。
そこでホイールを変えて明日走ってみてどうなるか確認してみます。

 

これ、接触交差のスポークが異音の原因なら、交差部にオイルを差せばその場で異音は消えるはず。
なので恐らく関係ないのでは?というお話をしました。
あと、これを伝えたことでむしろ混乱を招いたかもしれないのですが、一般的にダンシングのほうがホイールへの負荷も大きくなるので、ダンシングで異音が消える時点であまり関係ない話だったかもしれません。

 

あと、意外と忘れがちなのはバルブ。

バルブが走行振動で動いて、カタカタとリムと干渉して音が鳴ることも。
ヴィットリアなど細めのバルブだと起こりやすいかもしれません。
これを解消するには、バルブに薄くテープなどを巻いて、厚くすることですね。

結果としては

読者様
読者様
結論から言うと、フレーム側に深刻な問題はなさそう、というところまで確認できました。

 

今回は、スポークの鳴きかどうか見極めるためにホイールを交換して走りました。
交換して試したホイールはZonda (接触交差なし)で、これで走ったところ異音が全くしませんでした。

 

その前にシートポストの増し締めとサドルヤグラのボルトなど組付け部分のクリーニングとグリスアップもしているので、そちらが効いたのかもしれません。

 

この状態でもう一度ICANのホイールに戻して音が出るか確認して確定できると思います。
ICANのホイールのなじみをとるように横からリムを押し込んでみたのですが特にスポークなどから音も出ていないので、単純にシートポスト or
サドルからだったのかなと
推測していますが、いずれにしても次回の実走で確認してみます(ブレーキシューの交換が面倒です。。。)

 

このときはシートポストとサドルを弄りつつも、ホイールまで交換して走ったそうなのでどっちが主の原因なのかわかりませんでした。

 

読者様
読者様
異音の件、ホイールをもとに戻してみたところ、異音が戻ってきました。
ただし頻度も程度もぐっと少なくなり、今回の件で気にしていなかったらほとんど気づかなかったかも、という程度てず。

 

ホイールのスポーク交差部にはグリスを塗っていますので、スポークが原因であったのであればそれが効いたのかもしれません。
手でニギニギする分にはほとんど音の大きさは変わらなかったのですが、まあ乗車中のたわみとは違うでしょうから、
実際のたわみの範囲では効果が出たのかもしれません。

 

あるいはサドル or シートポストがまた緩み始めているだけかも。。。となかなか堂々巡りになりそうですね。

 

このあたりではホイールの問題を疑っていたようなのですが、これは私のミスというか。
ダンシングで異音が消えるなら、ホイールの問題は考えにくかったので、ちょっと間違った方向に誘導してしまったかも・・・と反省しつつ。

 

読者様
読者様
ちなみに異音については、サドルヤグラ増し締めしたら異音の頻度が激増しました。。。ので、この部分いじったら状況変わったので犯人はほぼこいつかと。
帰宅後トルク少し緩めて(規定値はサドル購入元のWiggleにて問い合わせ中ですが。。。)、管理人様ご提案のラスペネ吹いて様子見てみます。

 

で、また紆余曲折を経てサドルやシートポストのほうに行ったわけですが、ここで重要な報告が。
ヤグラを増し締めしたら、異音が激増。

 

ん??増し締めで激増ということは、かなり嫌な予感がします。

 

読者様
読者様
先日ようやく晴れのタイミングで実走できました。
前日の夜に、サドルレールとヤグラ側接触部にラスペネ多めに吹いておいて、翌朝実走しました。
最初は「改善したかも」と思いつつも、やはり異音のが聞こえてきました。
頻度はさらに減った気もするし、、、と思いつつ2時間ほど走り帰宅したところ、
Wiggleに問い合わせていたFizikのカーボンレールサドルのトルク値の回答がきていました。

 

読者様
読者様
Fizik – Aliante (アリアンテ) R1 Open サドルのトルクにつきまして、
メーカーのウェブサイト(https://www.fizik.com/uk_en/faq.html)を確認いたしました。

 

カーボンレールである場合、最大のトルクは18Nでございますが、
実際にはお使いのシートポストにより異なるとのことでございました。

 

読者様
読者様
上記が回答でした。
確かにメーカーウエブみても18Nと書いてありますので、

 

「アーレンキーで締めている分に事実上気にしなくてもよいか」

 

と勝手に解釈していました。。。(ポスト側云々の部分が頭から抜け落ちて。。。)

 

読者様
読者様
これを見て、トルクレンチで、まずは安全を見て12Nで締めてみよう、と徐々に締めていったところ添付の写真のように
ヤグラ側のレール受けの部品がつぶれてしまいました。。。

 

読者様
読者様
このレール受けが内部で剥離を起こしていて、それが原因であったとすると、以前ご報告した「増し締めしたら悪化」というの説明が付きます。
いずれにしてもこのタイプのヤグラ(シートポスト)はいろいろ扱いも自分には向いていなそうなので改めてシートポスト変えて最後の検証をしてみたいと思います。

 

ラスペネの話は、固定部が何らかの理由で擦れて異音になっている場合、ラスペネで潤滑させると異音が消える可能性がある、という話をしたため、使っています。
一般的にはその場合、固定が緩くて動いているか、固定部が破損していてうまく締まってないかなどの可能性も。

 

可能性としては、

 

・元々、ヤグラ部に内部亀裂があって異音になっていた
・増し締めしたた異音が激増したのは、亀裂がより広がったから??
・再チェックしたら、ヤグラが潰れた

 

なのでここの異常が、異音の原因だった可能性が高まります。
ダンシングだと異音がしなくなる、というのも、ダンシング=ケツを上げる⇒サドルに負荷がかからない、単純な図式ですね。

 

途中ホイールのスポーク部の接触交差の話をしたのは、完全に私のミスでした。
ダンシングでブリブリ振り回すほうが、接触交差にも負荷は大きいはずなので。

 

で、最終的な解決です。

 

読者様
読者様
異音の件、ひとまず「シートポストのレール受け」という推定原因で解決しました。

 

新しいシートポストが思ったより早く届いたので、昨晩取付、早速今朝実走してきました。
結果として異音はまったく発生せず、とても快適に走れました。

 

やはり例のレール受けの部分が音の発生源だったのではないかと思います。

 

読者様
読者様
もともと取付時にはかなり緩いトルクで締めていて、その時点から異音がありましたので、
購入時から内在していた問題だったと思います。
(その後一度増し締めで状況変化(改善)、さらに増し締めで悪化、ラスペネで変化なく追加増し締めでレール受け破壊、という流れでした)。

 

読者様
読者様
一応Specializedの名誉(?)のために一言付け加えますと、例のレール受け、先日の写真のような状態になってもまだまだ負荷を支えようと粘っています。
一部つぶれたままでもサドルに腰かけることも可能ですし、おそらく短時間であれば走れてしまうと思います。
もちろんその時点で気が付かなければそれほど長く持たずに破断するでしょうが、変形後即破断とならないような作りになっているのは感心しました。
中華品だとボキッと行くかもしれませんね。。。

 

ということで、異音は解消したそうです。

私のミスもありましたが

異音特定するときは、まず

 

・音の性質(正直、さほど信用性はない)
・シッティングorダンシングでの異音の変化(これは信用性が高い)
・ペダリングとの同期(これも信用性が高い)

 

このあたりをまず確認するのが基本です。
例えばですがペダリングでクランクが特定の位置に来たあたりで異音がする場合。
簡単なケースだと、クランクのマグネットと、センサーの干渉ということもありますし。

 

で、シッティングとダンシングでの違いを挙げていきましょう。

シッティング ダンシング
サドル・シートポスト付近 負荷がかかる 負荷はほぼゼロになる
ペダル 負荷がかかる 負荷がより強くかかる
ホイール 負荷がかかる より捻じれるように負荷がかかる
ヘッド周り 負荷がかかる より負荷がかかる可能性

ダンシングでは、サドルやシートポストへの負荷がほぼゼロになります。
【ほぼ】と付けたのは、サドル自体は横に振られるので、負荷がゼロになるわけではないけど、シッティングよりもはるかに負荷が下がる。

 

今回、スポークを握ると接触交差から異音が出るとのこともあって、それも原因と考えてしまったのが遠回りでした。
握って異音が出ても、走行中に強く握るような力が掛かるわけではないので、握って異音=異常とも言えない。

 

結局のところ、今回のケースでは

 

読者様
読者様
ダンシングだと異音が減る

 

この時点で素直にサドルやシートポスト付近でよかったわけです。
この方のバイクは中古で買ったものだったこともあって、元々サドル受けの固定が緩く、かつその内部にもしかしたら亀裂があったのかもしれません。
それが増し締めで増大したとか。

 

異音の原因追求時のポイントで、ペダリングと同期するか?というチェック項目もあります。

ペダリング中 ペダリング停止
BB 負荷がかかる 負荷はかからない
クランク 動く 動かない
ハブ 動く 動く
ペダル 動く 動かない
サドル・シートポスト 負荷がペダリングに同期してかかる(ペダリング停止中よりも負荷が小さい可能性) 路面の凹凸もあるので負荷はかかる
リアスポーク かかる かかる
チェーン・プーリー 動く 動かない

ペダリングを止めて進むと異音が無くなるなら、ペダリング停止中に動かなくなるものをピックアップしていけばいい。

 

ペダリングしているときは、荷重がハンドル・サドル・ペダルの三点支持。
ペダリングを止めると、ペダルに向かう圧が減る分、サドルへの負荷が大きくなることもあります。
よく、低いギアでばかり乗っている人が【ケツが痛い】というのは、そういう理由です。

 

今回はちょっと私のミスリードもありましたが、異音が発生したときのチェックポイントしては

・音の性質
・ペダリングと異音が同期するか
・シッティングorダンシングでの異音の変化

これを確認するのが大切。
音の性質と、音の方向についてはあまり信憑性がない情報でして、BB付近から異音がする気がしても、実際はヘッド周りと言う可能性もあります。
フレームで共鳴しているのか、風切り音でわかりづらいのかは知りませんが。

 

あとビンディングペダルの場合、片足ペダリングでの異音の変化を見る方法もあります。
これはペダルが異音の原因だと疑われるけど、代わりのペダルがないケースで有効。
代わりのペダルを持っているなら、違うペダルに交換して異音の変化をみれば一発解決します。

 

あと、今回もちょっとした失敗があったようなので注記。
トルクレンチで指定トルクまで締めるのは、実は必ずしも正しくはありません。
5N/mという指定トルクがパーツに書いてあったら、それがマックスで耐え切れるトルクなので、それ以下のトルクで、動かない程度に緩くと言うのが基本。

 

【続】トルクレンチとロードバイクについて。規定トルク値とはいったいなんぞ?
先日書いたトルクレンチの記事に関係してですが、 コメントを頂きました。 というお話です。 規定トルクの表記 自転車パーツには規定トルクがありますが、シマノのパーツだと、マニュアル見ると書いてありますよね。 STIの取り付けは6~8N・mみた...

 

こういうところも実は要注意です。

 

異音特定については、サドルなんかよりもはるかに沼に嵌る率が高いような気もします。
こういうのも、何となく音の方向からBBだと決め付けがちになる人は多いです。
特に、BB30など異音系BB(と言ったら失礼か)の使用者さんは。

 

音の方向と音の性質については正直あまり当てにならないので、動作解析するのがベスト。
ペダリングと同期するか、シッティングとダンシングで変化するかが特に重要。

 

今回の件、相談いただいてからかなりの日にちが経ちましたが、何とか特定されてよかったです。

 

コメント

  1. 高はし より:

    高はしです。
     異音はいつの時代になっても、なくなりそうにないですね。さらに、パーツやフレーム素材とかの変遷に伴って、原因のトレンドも変わってゆきそうです。人手でやるぶんには、KI法とかKT法とかの基本に立ち返るのだとは思いますが…。
     誰か、トラブルシュートのチャットボットとか立ち上げてくれないかなぁ。AIまでは要らなくて、ルールベースでも足りそうな気がしますし。(チャットボットの公開モジュール/テンプレとか、あるのかもしれないですが。)質問/解決事例が都度追加されるなら、すぐに「育って」くれると思うのです。

    カーボンの内部剥離が疑われるなんて、ペダルのベアリングがカップ&コーンの頃とは全く違った観点が必要なのですね。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      この件は比較的レアケースなんじゃないかと思います。
      また中古で購入しているということもあって、ショップのチェックも入っていないというところもマイナスに働いたかもしれません。

      あとなかなか難しいなと思ったことですが、メールでのやり取りですと、実物が見えない以上どうしても推測の要素が強い回答になります。
      ベテランのショップ店員さんとかなら、一瞬で解決したかもしれませんし・・・

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