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FULCRUMのディスクブレーキ用アルミホイールについて、少し解説してみる。

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フルクラムのホイールについて質問を頂きました。

 

読者様
読者様
ホイールをグレードアップしたくていろいろ見ているところなのですが。
フルクラムのディスク用アルミホイール、違いがよくわかりません(汗)
分かりやすく解説してもらえませんか?

 

これ、気持ちはよくわかります。
フルクラムの場合、ホイールの種類が増え過ぎて、正直意味不明な状態になっていますw

フルクラムの基本

まずはフルクラムの歴史から。

 

フルクラムはカンパニョーロの別会社です。
様々な事情によりわざわざ別会社にしているわけですが、ディスクブレーキのロードバイクが登場する以前は、リアホイールのスポークパターンに特徴がありました。

 

・カンパニョーロ


カンパニョーロのZONDA DB。

 

G3組といって、3本のスポークを1つの塊のように配置する。

 

・フルクラム


フルクラムのレーシング3DB。

 

2:1パターンといって、フリー側:反フリー側=2:1にスポークを配置する。
これにより左右のバランスがよくなり、駆動剛性も上がる。

 

※フリー側=フリーボディがある側=チェーンがある右側

※G3組も2:1パターンの一種ですが。

 

で、リムブレーキ時代のフルクラムのホイールは、以下のものがありました。

ホイール名 ベアリング リアスポークパターン スポーク素材
レーシングゼロ コンペ カップ&コーン(CULT) 2:1 アルミ
レーシングゼロ カップ&コーン(USB) 2:1 アルミ
レーシング1(廃盤) カップ&コーン 2:1 アルミ
超えられない壁(アルミスポーク)
レーシング3 カップ&コーン 2:1 スチール
越えられない壁(スポークパターンとベアリング)
レーシング5 シールドベアリング 2クロス スチール
レーシング7 シールドベアリング 2クロス スチール

フルクラムの場合、末尾の数字が小さいほど上位ホイール。
フルクラムらしい、リア2:1スポークパターンを採用しているのがレーシング3以上。
ホイールの駆動剛性を上げるため、アルミスポークを採用しているのがレーシング1以上。
レーシング1はずいぶん昔に廃盤になってますが。

 

フルクラムのベアリング形式は、主に以下の4つ。

ベアリング形式
カップ&コーン(CULT) 最上位のセラミックベアリング、ノーマルの9倍回転がよく、USBの6倍回転がよい
カップ&コーン(USB) ミドルグレードのセラミックベアリング
カップ&コーン 鉄球
シールドベアリング 鉄球

CULTは明らかに回転が軽いのが特徴。
カップ&コーンではいろいろ調整出来るのが特徴なんですが、シールドベアリングは特に調整出来る要素がありません。

 

元々カンパニョーロと同じ会社なので、両社の間ではほぼ同じスペックのホイールが存在してます。

 

フルクラム カンパニョーロ
レーシングゼロ シャマルウルトラ
レーシング1 ユーラス
レーシング3 ゾンダ
レーシングクアトロ シロッコ
以下略

ディスクブレーキ用のホイールが出来たことに伴い、リムブレーキ用では存在しなかったレーシング4とか6とかも登場。
もう、意味が分からん状態になってます。

 

簡単に言うと、
・上位ほどベアリングが良くなる
・下位ホイールではシールドベアリングになる
・レーゼロは伝統的にアルミスポークを使い剛性を上げている
・下位ホイールだと、フルクラムらしい2:1パターンになっていない

 

こんなイメージです。
単に重量だけ見ると、正直意味が分からないと思います。

フルクラムのディスクブレーキ用ホイール

なのでフルクラムのホイールを見るときは、

 

・スポーク素材による剛性の違い
・ベアリング形式の違い
・スポークパターンと本数の違い
・リムハイト

 

この4点を主に見ていく必要があります。
単に重量だけみて比較すると、ホント意味が分からなくなります。

 

以下、ディスクブレーキ用ホイールなのでDBを省きます。

ホイール名 重量 リムハイト ベアリング リム幅 スポーク素材 スポーク本数 スポークパターン
ゼロCMPTZN 1570g 30mm CULT 19 アルミ F/R21本 2:1
ゼロ 1590g USB
1660g 28mm カップ&コーン 19 スチール
1690g 35mm シールド 17 F/R24本
1610g 26mm 17
1690g 26mm 17 スチール首折れ
1740g 22mm 19

このようになります。
つまり、
・レーゼロDBはアルミスポークで最上位、CMPTZNと無印の違いはハブのベアリング
・レーシング3DB以上はカップ&コーンのベアリング
・レーシング3DB以上はフロント・リアともにスポーク数が21本、それ以下はスポーク数が増える
・レーシング4DBはちょっと特殊で、35mmのセミエアロホイール
・レーシング3以上はリム幅19mm、それ以下は17mm(レーシング7を除く)
・レーシング6DB以下は首折れスポーク(Jベンド)

 

※レーシング7は基本的に完成車付属用みたいなもん

レーシング3DBと5DBの違い


Fulcrum – Racing (レーシング) 3 ディスクブレーキホイールセット

 

レーシング3DBとレーシング5DBを比較すると、なぜか下位モデルのレーシング5DBのほうが軽量になってます。
主な違いをピックアップしてみます。

レーシング3DB レーシング5DB
リムハイト 28mm 26mm
リム幅 19mm 17mm
スポーク数 21本 24本
ベアリング カップ&コーン シールド

一般論として上位ホイールのほうがリムが軽いことが多いのですが、リムハイトも2mm差があり、リム幅も違うのでどっちが軽いリムなのかはわかりません。
3のリムは切削加工が入っているので、3のほうがリムは軽そうな気もしないでもないですが・・・

 

スポーク数が少ないほうが当然軽い上に、空力も良くなる。

左がレーシング3DB、右がレーシング5DB。

 

ハブも、カップ&コーンのほうが重量的には重くなることが多いので、このあたりの差が効いているのか??

 

このあたりが重量差になっているのか??というところなんですが、基本的には3のほうが上位です。
価格差も3が86000円、5が46000円となってますが、重量でみると5のほうがお買い得に見えます。
性能で言うとやはり3が上に来るかと。

 

こういうところも、分かりづらい点なんですよね。
どうしても重量差と価格で見てしまう傾向があると思うので・・・

 

1gいくら?みたいな見方をしてしまうと、当然レーシング5DBのほうが優れているように見えます。
ホイールの価値は重量だけでは決まらないという一例かもしれません。

 

3のほうがリム幅も広いので、グラベルロードなど太目のタイヤを履かせるなら3のほうが良さそう。

 

あと、クイックリリース化出来るかについては、こちらをどうぞ。

 

カンパ・フルクラムのディスクブレーキホイール、クイックリリース対応アダプターについて。
先日の記事についてですが、 読者様からの貴重な資料を提供いただきました。 あの中で、フロントがスルーアクスル、リアがクイックリリースのフレームについては、マヴィックなら間違いない(ただし2021年モデルは不明)と書いたのですが、実は一部です...

 


Fulcrum – Racing (レーシング) 5 ロードディスクホイールセット

レーシングゼロDB CMPTZNとレーゼロDBの違い


Fulcrum – Racing Zero(レーシングゼロ) CMPTZN DB (コンペティツィオーネ) ロードホイールセット

 

ここの差は簡単です。
ベアリングが違うだけ。

 

CMPTZNではフルクラム最上位のCULTベアリングを採用。
無印のレーゼロでは、USBベアリング。

 

どっちもセラミックベアリングなんですが、CULTのほうが回転は軽く、USBの6倍回転が軽いということになってます。
CMPTZNが163000円、無印レーゼロが13万なので(ともに税別)、3万3千円の差はベアリングの差ということになります。

レーシング4DBについて


Fulcrum – Racing (レーシング) 4 ロードディスクホイールセット

 

このラインアップの中でやや特殊なのが、レーシング4DB。
リムハイトが35mmあるのでセミディープリムという扱いになります。

 

リムブレーキ版で言うところの、レーシングクアトロ(フルクラム)、シロッコ(カンパニョーロ)に相当するようなイメージでいいかと。

 

正直なところ、アルミリムの35mmだとかなりリムが重いはずなので、セミディープを狙うなら、ディスクブレーキ車だとカーボンリムに行った方が間違いないところです。
リムブレーキの場合、初心者がカーボンリムを使うとブレーキ熱の問題とかテクニックを要求されますが、ディスクブレーキでは関係ないです。

 

まあ、セミディープ35mmが52000円という、絶妙に微妙なラインなので悩ましいところかもしれません。
凄く安いというわけでもなく、高いというほどでもない。

 

狙い目はレーシング3DB以上

リムブレーキ版ホイールでも、【最低でもゾンダ以上】という格言があります。
ゾンダ自体素晴らしいホイールとは言いませんが、完成車付属ホイールからの交換なら、ゾンダ以上にしておいたほうが違いが分かりやすい。

 

ゾンダと同じランクなのがレーシング3。
ディスクブレーキ版でも、完成車付属ホイールから乗り換えなら、レーシング3DB以上がいいかと。

 

レーシング4DBはセミディープなので、平坦向けです。
恐らく、リムは結構重いはず。

 

ちなみにですが、レーシング600DBというホイールもありますが、これはレーシング6DBと同じもので、完成車付属用です。
ビアンキだとレーシング618DBなどとなっていて、ビアンキ用にチェレステのマークが入っていることも。

 

フルクラムはホイールの数が増えすぎて、正直相当わかりづらいです。
単に重量だけを見ると本質を見失うので、スペックをよーく比較することが大切。

 




コメント

  1. ここり より:

    ちょうどグラベルのタイヤを変えるかで悩んでいたので参考になりました
    MAVICかフルクラムかどちらにするかも思案中なのですが、個人でメンテするならMAVICのほうがやりやすいでしょうか?
    フルクラムはレーシング3 MAVICはキシリウムエリートを考えています

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      ディスクですよね?
      どっちもあんまり変わらないような気がします。
      キシリウムはディスクとリムでメンテ方法が変わるので・・・

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