ウーバーイーツの契約、これってかなり恐ろしいもののような。

ちょっと前に、ウーバーの自転車によって起こされた事故について、被害者がウーバー本体に対して使用責任があると提訴した話がありました。

こんなニュースが入ってきました。 宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員の自転車に追突されて負傷したとして、大阪市の会社役員の女性(6...

私、ずっとウーバーの契約って、ウーバーと配達員の間での業務委託契約(請負契約)だと思っていたのですが、報道で、

同社は取材に対し、配達員は個人事業主で雇用関係になく、業務委託契約も結んでいないとした上で「個別の事案には答えられない」としている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/453ce90abd0b85149954dedeed0fdbb085747716

これってなんで??と思っていました。
そして驚きの報道があったのですが。

ウーバー配達員の契約相手は、お客さん

ウーバーイーツの規約を読んでみると、このような記載がある。

貴殿は、Uberがデリバリー等サービスを提供するものではなく、全ての当該デリバリー等サービスはUber又はその関連会社により雇用されていない独立した第三者の契約者により提供されることを了承することとします。

要は、飲食店の配送については、注文者とドライバーの間で契約されるもので、ウーバーイーツとしては、注文者と飲食店とを配送サービスでつなぐ「場の提供」をしただけですよ、ということになる。

この規約からすると、ドライバーを雇っているのは、ウーバーイーツではなく「注文した客」ということになる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/13238c549657e52cfaf358cea3f26bd9e7317bc9

つまり、ウーバー本社はあくまでも仲介業のような形であって、契約自体はお客さんと配達員の間での業務委託契約(恐らくは請負契約)になっているという話。
これ、結構マズイ話だと思うんですよね。

使用者責任が・・・

報道でも出ているように、この契約だと使用者責任は飲食物を注文したお客さんにも掛かってしまいます。

第715条

1、ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2、使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3、前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

民法715条の1項。
あくまでもお客さんと配達員の間での契約であるなら、【他人を使用する者】はお客さんになってしまう。
なので配達中に事故を起こしてしまった場合、お客さんに賠償責任が生じてしまう。

わかりやすく言うと、例えば佐藤さんがウーバー経由での配達をお願いしたとする。
ウーバー本社は、佐藤さんと配達員の間の契約を仲介するだけで、契約自体は佐藤さんが配達員に対し、配達してもらう契約になる。
契約自体は請負(民法632条)だと思いますが、もし佐藤さんの家に向かっているときに配達員が事故を起こしてしまうと、佐藤さんにも賠償責任が生じてしまいません??

第632条
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

訴訟で争われているのは、ウーバー本社の使用者責任ですが、関わってくるのはこちら。

第715条

2、使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

これにウーバー本社が該当するのか?という話のようなんですよ。

もちろんですが、現実的にお客さん(佐藤さん)が訴えられる可能性はきわめて低いというか、そもそも事故の被害者はどうやってお客さんを特定するんだ?という問題もありますし、現実的には難しいでしょうけど。
けど法律上は、配達員が起こした事故に対して、お客さんまで賠償責任を負う可能性があるということのようです。

契約自由の原則ですし、お客さん側も規約に同意するとしているはずですから、何ら法的には問題は無い。
現実的にお客さんが賠償責任を負うことはないでしょうけど、理論上では事故の被害者がお客さんに賠償を求めることも出来てしまう。

ウーバー本社はあくまでも仲介業、仲立人ということなんですかね。
仲立人はなかだちにんと呼びます。
なかだしにんでは無いのでご注意を。

消費者契約法は労働契約については適用除外がありますし、消費者契約法でどうこうというのも難しいのかもしれません。

どうなるんでしょう?

ウーバーのシステムって、ある意味では凄いなと思いました。
本社が一切の責任を負わないシステムと言いますか・・・
単なる仲介で、お客さんと配達員の間の契約を仲介するだけ、配達員への支払いを代行するだけ・・・ということなんですかね。

715条2項に

第715条

2、使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

ウーバーが監督者に該当するかどうかが争点ということでしょうか・・・

報道でも書いてあるとおり、注文者であるお客さんと配達員の間に指揮監督関係があったのかというところも微妙ですが、民法会社に従うと、下手すりゃお客さんが賠償責任を負わされる可能性もゼロではない、ということですね。
これったなかなか恐ろしい。
まあ、実態としてそれが認められる可能性は限りなく低い気がしますが。

訴訟の件ですが、そもそもは配達員がきちんと賠償すれば済む話なような気もするんですよね。
個人事業主って、責任は重いんですよ。
それを理解せずに個人事業主になっている人は多いのかと。
アルバイトではないんですよね。

普通、あらゆるケースを想定して自ら事業者向けの損害賠償保険に加入しますが、バイト感覚だとそうではないでしょうし・・・
個人事業主って、気軽に始めるもんじゃないんですよね。
私も個人事業主ですが、当然ですが顧客に対する賠償保険など加入している。
それを使ったことは当然無いにしても、最悪の事態は想定していないといけないわけで。

バイト感覚になってませんかね、ウーバーイーツの配達員。
むしろ、雇用契約によるアルバイトにしたほうが被害者が生まれたときにはいいんでしょうけど。




コメント

  1. 琵琶湖の東側住民 より:

    >>バイト感覚になってませんかね、ウーバーイーツの配達員。
    以前YouTubeで配達員の方が「一般の自転車だって違反してるのに、なんでウーバーイーツだけ叩かれるんだ」みたいな事を言ってたのを見て、あぁ、この方々はプロ意識は無いんだなと思いました。
    まぁ、人気(?)YouTuberのヒカリマンとか言う方も中々ぶっとんだこと言ってますし、そういう業界なんだなと思います。そしてそれを是とするウーバーイーツという会社も今のままでは良くないんでしょうね。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      プロ意識がある人は、相当限られてきそうな気がします。
      あの方、人気なんですね。
      私には魅力が分かりませんが・・・