伝え方と伝わり方。ハイビーム問題。

こういう記事が出てました。

https://kuruma-news.jp/post/335524

近年、車についてハイビームをやたらと推奨する内容の記事を見かけます。
これ、ちょっと伝わり方というか、書き方が違うと思っているところがありまして。

ハイビーム推奨?

ただし、ハイビームはほかの車両などを眩惑させる恐れが増すため、対向車とすれ違う場合などにロービームを使用します。

そのため、交通量の多い都市部や市街地などでは、基本的にロービームで走行するケースがほとんどです。

しかし、最近では積極的にハイビームを活用するよう推奨する動きが出ています。

警察庁の「平成29年上半期における交通死亡事故の特徴」では、ハイビームを活用したことによる事故抑止効果を公表しており、半数以上がハイビームの場合に衝突を回避出来た可能性があったようです。

https://kuruma-news.jp/post/335524

この書き方だと、恐らく意味を取り違える人がそこそこいると思うんですね。
【積極的にハイビームを活用するよう推奨】というところが。

法的なところでいうと、原則はハイビーム、ほかの車の直後や対向車がいるときはロービームです。

(車両等の灯火)
第五十二条 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。

どこにも原則はハイビームとは書いていないですが、政令⇒車両の保安基準で車の場合は前方100mを照らすことが出来ることが求められていることは以前にも書いた話。
前方100mとなるとハイビームしか不可能なので、ハイビームが原則となります。

で、

積極的にハイビームを活用するよう推奨する動きが出ています。

https://kuruma-news.jp/post/335524

これ、対向車とかほかの車両の直後のことを除外しての話になるわけです。
それが伝わらないというか、意味を混同して【常にハイビーム推奨】と勘違いする人って出てきそうな予感しかしなくて。

警察庁の資料によると、推奨しているのは

自動車運転者に対しては、前照灯について早めの点灯や対向車・先行車がいない状況における上向き点灯(ハイビーム)の使用の励行

https://www.npa.go.jp/toukei/koutuu48/H29_kamihannki_setumei.pdf

あくまでも【対向車・先行車がいない状況】でのハイビーム推奨。
この前提が伝わってないような気がする。

ロードバイクの場合

これは前にも書いたのですが、

先日書いたデイライトの記事について ご意見を頂きました。 添付のサイトを見てください。 夜...

車でハイビームが推奨されているからといって、ロードバイク(自転車)には当てはまっていません。
この理由は記事でも書いていますが、車の場合標準で求められる前方視野が100m先。
自転車の場合、都道府県によって差がありますが、5mもしくは10m。

車でハイビームが原則なのは、100m先まで照らせる能力が求められているから。
自転車の場合、5mか10m先を照らせる照度が求められているだけなので、ハイビームが原則ではありません。

しかも埼玉県など一部自治体では、【自転車ライトは下向き】と条文に書いてあるわけですし。

埼玉県道路交通法施行細則
(軽車両の灯火)
第7条 令第18条第1項第5号に規定する軽車両(牛馬を除く。以下この条において同じ。)の灯火は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 前照灯 白色又は淡黄色で、夜間前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度を有するものであり、進行方向を正射し、その主光軸は下向きであること
青森県道路交通規則
(軽車両の道路にある場合の灯火)
第十条 令第十八条第一項第五号の規定により軽車両(牛馬を除く。以下この条において同じ。)がつけなければならない灯火は、次の各号に掲げるものとする。ただし、反射器材を備え付けている場合は、第二号に掲げる灯火をつけることを要しない。
一 灯火の色が白色又は淡黄色で、夜間前方十メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる性能を有する前照灯(前方十メートル以上照射できる前照灯火にあっては、主光軸の地面における照射点が前方十五メートルを超えないもの)

青森県については、主光軸は地面前方15mを超えることを禁止しているわけなので、下向きにしかできない。

で、引用記事に戻ります。

JAFがおこなったハイビームに関するアンケートでは、「眩しい」と答えたユーザーが96%と回答しています。

また、「とくに眩しい」とおもったシチュエーションについてのアンケートでは、もっとも多かったのが「運転中の対向車のヘッドライト」で「運転中の後続車のヘッドライト」、「交差点で停止中の対向車のヘッドライト」と続いています。

https://kuruma-news.jp/post/335524

そもそも、これが違反なんですよね。

他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、(中略)灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。

眩しいと感じさせる時点で違反の恐れが普通に高いわけですし。

警察庁が推奨しているのも、あくまで【対向車・先行車がいない状況】でのハイビーム。
どんな状況でもハイビームを推奨しているかのように、誤解する人が出てくる恐れがある。

前に読者様からもメールを頂いているのですが。

https://www.news24.jp/articles/2016/09/28/07342231.html

添付のサイトを見てください。
夜間でもハイビームにしたほうがお互いに認識しやすいと思いますし、実際ハイビームの方が事故を防げる確率が高いです。
眩しいと感じさせるくらいじゃないとこちらの存在には気づいて貰えないこともしばしばです。
たかが眩しいくらいです。失明させるわけでもないでしょう。
眩しくさせなければこちらが被害を被る、またはこちらに気付かずに飛び出してきた歩行者に加害させる可能性だってあるのですよ。

一度、交差点で危険な右折をしてきた車に聞いたことがあるのですが、彼は「見えていなかった。」と言っていました。やはりこちらが存在を示すしかないのだなと。それからデイライトを付けるようになりましたし、ハイビームにすることにしました。
それからはこういったヒヤリハットは少なくなった気がします。

眩しいと感じさせる対象が、歩行者なのか、対向車なのかで全く話が変わるのですが、対向車相手ならそもそも違反。
歩行者相手でも、眩しいと感じさせる必要があるのかは疑問に思ってます。

というのも、車は時速50キロとか60キロで夜間でも走ってますが、ロードバイクはそんなに出ない。
相手を眩しいと思わせなくても、速度を抑えて注意して走っているならそれで十分なんじゃないのかと・・・

自転車ライトの場合、点滅モードという車にはないモードもある。
フロントライト二灯体制で、点灯と点滅でも十分被視認性は確保できると思うんですね。

そりゃ、ショボイライトで夜に乗れば、全然気が付いてもらえない可能性はあります。
けど最近、ロードバイク乗りってライトにこだわっていいライトを使う人が増えているような気がするというか。
LEDだとそもそも眩しいという問題もあるし。

これ、オーライトのALLTY2000という最大2000ルーメンという化け物ライトですが、

相当明るいです。
こんなもんをハイビームにしたら、前方にいる歩行者も視野が全部飛ぶと思うんですね。
いわゆるホワイトアウトに近いような状態になりかねない。

オーライトさんから、さらに明るいライトを頂きました。 ここまでRN1500、RN400、RN120と三つも頂いてますが、さらな...

こっちはオーライトのRN1500を水平やや下くらいの向きにして、正面から撮ってます。

画像なのでやや強調されている面もあるのですが、正面から見て

管理人
管理人
無いな

と思ったので、実運用ではもっと下げて使ってます。

結構下向きにしてますが、これで自分から見た前方視野もバッチリですし、正面から見ても眩しいというほどでもない。

私は全くもって不知のブランドだったのですが、オーライトというライトメーカーがあります。 2007年に中国で創始されたメーカーのよう...

こっちは曇り空のデイライト、ライトはRN400。

やや下向きでも、これで十分。

オーライトさんから頂いたライトのインプレの続きです。 こちらもフロントライトですが、以前のRN...

なんか、【原則はハイビーム説】がやや間違った方向で捉えている人が、そこそこいるんじゃないかと思うんです。
自転車ライトの場合、ハイ・ローの切り替えがそもそもできない。
照度の変更はスイッチ操作で出来るでしょうけど、それも乗りながら頻繁に切り替えるのは全く現実的ではない。
自転車の場合、頻繁にハンドルから手を離す操作は危険性もありますし。

そうなると、ロードバイクではやや下向きライトが鉄則。
対向車とか歩行者に眩しい思いをさせてまで自分が目立たないといけないのかというと、ちょっと意味合いが違うような気がします。
眩しいと感じさせるのではなく、気が付いてもらえるけど眩しいとまでは感じさせないことが条件だと思いますし、事故の予防という観点では速度を抑え気味にするとか、ほかに出来ることはあるような気がします。

ちなみになんですが、オーライトさんから頂いたライト、RN1500とRN400、リアライトのRN120は毎回使っているのですが、ALLTY2000についてはほぼ使っていません。
日帰りライドで、まだこれを必要とする場面が無いというのが本音。

バッテリー容量が一番大きいので、照度を抑えて使うならALLTY2000でもいいというか、バッテリー切れの心配が無いと言えるのですが、その分デカイこともあるので、まだ活躍はしていません。

明るいのは正義・・・なのかもしれませんが、対向車に眩しいと思わせるのは違反。
歩行者に眩しいと思わせるのも、個人的にはちょっと違うかなと最近は思ってます。

現実的に、法律をすべて満たしてロードバイクのライトを使うなら、下向き以外はあり得ないと思うのですが(夜間)


オーライト RN400

オーライト RN1500