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【動いていたから】と過失がつくわけではない話。

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交通事故に遭った時に、加害者側の保険屋から示談交渉があるかと思います。
明らかに相手が悪いような案件でも、

 

いろんな人
いろんな人
過失割合は80:20。
あなたも動いていた以上は過失があります

 

こういう話が出てくることは正直多いです。
動いていたから過失?というのは、厳密に言うと間違いなのですが・・・

例えば

例えば、十字路で双方の信号が青。
対向右折車と直進ロードバイクが衝突した場合、基本的な過失割合は

直進ロードバイク : 対向右折車 = 10 : 90

基本はこうなります。
なぜ直進ロードバイク側にも過失がつくのかというと、この条文があるからです。

36条4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない

交差点に進入する際には状況に応じて【できる限り安全な速度と方法で進行】としているので、直進車にも一定の安全確保の義務があります。
なので事故った以上は、民事責任上はここに触れるので、0:100とはならないわけです。

 

次に、同一進行方向のロードバイクと車の場合。
普通に後ろから車が突っ込んできた場合、原則としては0:100で後続車の過失になります。
これは理由としては単純で、先行車は進路変更などをしていない限り、後ろの状況を確認する義務を負っていないから。
車間距離の保持は、後続車にだけ求められています。

(車間距離の保持)
第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

ところがこういうのも、相手の保険屋から

 

いろんな人
いろんな人
動いていたので80:20ですね

 

平然とこういう交渉をしてくる保険屋はいます。
交渉事なので、この交渉自体は何ら問題ありませんが、間違ってもこれで承諾してしまうと覆すことは無理になってしまいます。

 

動いていたから、というセリフ。
これはあんまり関係ないこともあって、要は法的にどのような危険回避義務があったのか?という話になってくるもの。

 

実はずいぶん前に、後ろから車に突っ込まれたことがあるのですが、そのときも保険屋は

 

いろんな人
いろんな人
動いていたので過失がゼロにはなりませんので、10:90が相当です。

 

こんなことを平然と言ってきます。
こういうのも交渉は簡単です。

 

管理人
管理人
こちらに付けた過失の10%分、こちらの運転が道交法何条に触れているとお考えなのかハッキリさせてください。
こちらとしては危険回避義務は後続車にしかないと思いますので、明確な回答が無いようでしたら示談しません。

 

こんな感じで伝えて、10分後くらいですかね。
0:100になったのは。

 

動いていたから過失が生じるのではなくて、動いている状況では道交法の何かには抵触する可能性があるよね?ということ。
なのでこちらのロードバイクの運転に対して、

 

・その事故を回避する義務が法的にあるのか?
・その事故を防げるのか?

 

後ろから突っ込んできただけなら、先行車には回避する手段もなければ回避する義務もない。
追い付かれた車両の義務ガーなどと言ってくる可能性もありますが、それは自転車には当てはまりませんと平然と告げることが大切。

 

追いつかれた車両の義務として進路を譲ることは、ロードバイクには関係ないという話。
先日の記事について、 一部法解釈に間違いがありました。 前回の記事で私が書いたことは、 車両通行帯ある道路(複数車線がある)では、追いつかれた車両の義務として左に寄って譲る必要はない 車両通行帯がない道路(片側一車線)では、ロードバイクは後...

 

弁護士さんに頼んでもいいんですが、道交法を知っていれば自力で交渉できます。
ちなみに被害者側に保険会社が入っている場合、非弁行為になるので0:100交渉は出来ません。

 

対向右折車との衝突についても、

36条4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない

出来る限り安全な速度と方法を求めているので、十分減速していたとか、デイライトで注意喚起していたとかなら、義務を果たしていたんだと主張することも可能かもしれません。
判例ガーなどといってきても、こっちが法的に要求される安全な速度と方法を実践していたと主張することも不可能ではないような気もします。

 

まあ、裁判になるとクソ面倒なので、ある程度のところで飲み込むことも交渉術としては必要なんですが。
裁判、自力でやるとホント面倒です。

 

あんまり詳しいことは書けないのですが、知り合いでママチャリに乗って歩道⇒横断歩道を渡っていたときに、左折巻き込みを喰らった人を知っています。
相手の主張は驚くべきもので、

自転車は自転車横断帯を通行しないといけないにもかかわらず、通行帯横の横断歩道部分にいたから過失がある

これで裁判になった人を知ってます。
まあ、普通に勝ったらしいですが・・・

知っておいたほうがいい

まあ、ド素人さんがネット上で間違ったことを平然と書いていたりするのでややこしいですが、道交法は勉強しておくとそれなりに役に立つ可能性はあります。
まあ、その勉強よりも、事故に遭わないためにどうしたらいいかを考えるほうが先決だと思いますが。

 

同一車線内では追い抜きは成立せずに、追越しになるなどというのも見かけます。
まあ、そんなことは全く無く妄言の世界になってしまうわけで、間違ったことを平然と書くのはいかがなものかと思うときもありますが。

 

強いて言うなら、逆走自転車との衝突については、法律以外の要素(実態)も勘案されているのでややこしい。

 

逆走自転車と衝突事故を起こした場合、過失割合は0:100にはなりません。
ロードバイクで走っていると、それなりに見かけるのは逆走してくるママチャリ。 逆走自転車の交わし方については、過去にもいくつか記事を書いてます。 車 対 車の事故で、対向車がセンターラインを超えて逆走状態で突っ込んできた場合、基本的には過失割...

 

生活道路では50:50、幹線道路では10:90という判例もあります。
幹線道路で、逆走自転車相手でも10:90になるのは、逆走自転車相手でも危険回避義務があるからといえます。

(安全運転の義務)
第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

逆走自転車が迫っているという【状況】に対して、ブレーキなどを確実に操作して危険を回避する義務があるので・・・

 

ただこれも状況次第というか、どうやっても回避不可能な状況だったと立証できるなら、義務を果たしたと主張できる可能性はありますし、左端に寄せて停止していたなら、義務を果たしたと言えます。

被害者になったときに、過失があるとか保険屋に言われる可能性が当然ありますが、

 

管理人
管理人
その状況でこちらに課せられている危険回避義務は、道交法何条に基づくものですか?

 

このように伝えて、より具体化していくことが大切。
動いていたから危険回避義務があるというわけでもなくて、法に基づく危険回避義務がその状況にあるのかを明確にしていくことが必要です。

 

交差点での場合は上で挙げたように、注意義務が課されています。
対向右折車が突っ込んできたときの【動いていたから】の根拠は、36条の4になると思います。

36条4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない

保険屋に質問して、【動いていたから】の根拠が70条であれば、

(安全運転の義務)
第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

どのような事故予見性があり、どのような回避方法があったと思うのかを質問する。
その上で、こちらが果たした内容を説明するとか、そもそもそんな事故を予見することは不可能だと思うならそれを伝える。

 

動いていたから、というセリフは何となく使われていることもあるので、具体的に突っ込んでいけば何とかなるケースは多いと思うのですが。
けど道交法を理解してないと、なかなかこういうツッコミは出来ないので、結局は勉強するしかないですね。




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