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一方通行の不思議。年齢によっては合法!?

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前にもちょっと書いた件ですが、なぜこの道路は【自転車を除く】の標識が無い一方通行なのか?という話。

 

毎日遭遇する、一方通行路での逆走自転車。
毎日通る道なんですが、このような道路があります。 赤矢印は一方通行。 かなり簡略化して書いてますが、A点からB点までは歩くと7分程度掛かります。 道幅が狭く、しかもバス通りなので一方通行は当然のこととして。 【自転車を除く】の補助標識が無い...

 

元ネタはこちらです。

 

一方通行の標識に「自転車を除く」 表記なくていいの? 追う!マイ・カナガワ | カナロコ by 神奈川新聞
一方通行の標識に「自転車を除く」の表記がない場所が多いが、自転車が通れる道なら付けるべきだ─という疑問が、横浜市旭区に住む会社員男性(59)から「追う!マイ・カナガワ」取材班に寄せられた。男性が利用する相鉄線希望ケ丘駅(同区中希望が丘)周辺...

 

実はこのあたりは毎月行く用事があるので土地勘がありますが、行ったついでに現地視察をしてきました。

なぜ自転車を除くの標識が無いのか?

上の記事にもあるように、カナロコの編集部に読者さんが疑問としてぶつけて、編集部が調査したという内容です。
相鉄線の希望ヶ丘駅前は、とんでもないレベルの坂が多いのが特徴。

なぜ【自転車を除く】になっていないのか?という読者さんの疑問を追求した記事ですね。

 

ここ、迂回するとなると踏切を渡って県道40号に出て、また踏切を渡って戻るしか事実上はないです。
逆方向だと、ママチャリでは登れないような激坂ですし。

 

実際のところ、そこまで狭い道路というわけでもないんですよねここ。

車が右に寄りすぎている状態で、左側のスペースはかなり空いているのがわかるかと。
ただしもう少し先に進むと、もう少し狭くなります。

 

歩道には自転車通行可の標識が無いので、自転車は通行できません。

 

まあ実態として、道路幅の問題と、ここでやや見通しが悪くなるカーブがあること、この先でもうちょっと狭くなることなどが【自転車を除く】となっていない理由なんじゃないかなと思います。

両サイドに建物がある関係上、見通しは悪いですし。

年齢別という落とし穴

車道は一方通行規制が掛かっている、そして歩道には【自転車を除く】の標識が無い。
だから歩道を自転車が通行できないことになるわけですが、合法的に歩道を走れる方々もいるわけですよ。

(普通自転車の歩道通行)
第六十三条の四 普通自転車は、次に掲げるときは、第十七条第一項の規定にかかわらず、歩道を通行することができる。ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
一 道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができることとされているとき。
二 当該普通自転車の運転者が、児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき。
三 前二号に掲げるもののほか、車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき。
(普通自転車により歩道を通行することができる者)
第二十六条 法第六十三条の四第一項第二号の政令で定める者は、次に掲げるとおりとする。
一 児童及び幼児
二 七十歳以上の者
三 普通自転車により安全に車道を通行することに支障を生ずる程度の身体の障害として内閣府令で定めるものを有する者

つまり13歳未満と70歳以上は、このような状況下でも歩道を徐行して通行することが合法になってしまう。
一方通行規制は車道に掛かっているわけで、歩道には効力が及んでいませんし。

 

この一方通行道路の出口にはこのように道路標識があるわけですが、

管轄署に確認したところ、やはり一方通行規制は車道にしか掛かっていないため、歩道については適用外とのこと。

 

そうなると、13歳未満と70歳以上は、歩道を徐行して逆向きに通行できる。

13歳以上69歳未満は、迂回する。

車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき

迂回すればいいので【やむを得ない場合】にはなりませんし。

 

なんか変、ですよね。
13歳未満と70歳以上は、歩道を徐行する(+歩行者の邪魔をしない)なら合法。
それ以外の年齢層は違法ですので、迂回するしかありません。

 

サイクリストからすれば、自転車は車道を走るんだから当たり前だろと思うこと。
けど非サイクリストで移動手段程度にママチャリに乗る人たちからしたら、なんか変じゃね?と思っても不思議ではない。

 

もしもこの道路で警察が厳格に取り締まりを実施した場合、
ジジイは歩道を徐行しているなら、合法。
高校生が同じことをしたら、通行区分違反だとして取り締まり対象になる。

 

いろんな人
いろんな人
前にいるジジイはなんでお咎めナシなの??
おかしくね??

 

こういうのもある意味では法律が生んだ矛盾ですよね。

実際のところ、よほど悪質な行為ではない限り取り締まりするとは思いませんが、法解釈上はそのようになります。
悪質というのは、歩道上で時速35キロとかで爆走するとかそういうレベルの話。

多角的に見ると

カナロコで取り上げていた記事、ある意味では面白いなと思う部分があって、

 

一方通行の標識に「自転車を除く」 表記なくていいの? 追う!マイ・カナガワ | カナロコ by 神奈川新聞
一方通行の標識に「自転車を除く」の表記がない場所が多いが、自転車が通れる道なら付けるべきだ─という疑問が、横浜市旭区に住む会社員男性(59)から「追う!マイ・カナガワ」取材班に寄せられた。男性が利用する相鉄線希望ケ丘駅(同区中希望が丘)周辺...

 

全ての人間が免許を持っているわけではないので、そもそも一方通行規制に自転車が含まれていることを知らない人も普通にいるんですよ。
警察がこういうところを積極的に取り締まりしない理由は、免許制ではないことから全ての人が道交法を熟知しているとは言えないという実情も含めての話なんですよね。

 

なのでカナロコの記事、一通規制に自転車も含まれることを知らない人にとっては、新たな発見になる。

 

実際、取材中にこういう意見も出ている。

同センターそばで大学1年の女子学生(19)に声を掛けると、「自転車も対象とは知らなかった。

 

一方通行の標識に「自転車を除く」 表記なくていいの? 追う!マイ・カナガワ | カナロコ by 神奈川新聞
一方通行の標識に「自転車を除く」の表記がない場所が多いが、自転車が通れる道なら付けるべきだ─という疑問が、横浜市旭区に住む会社員男性(59)から「追う!マイ・カナガワ」取材班に寄せられた。男性が利用する相鉄線希望ケ丘駅(同区中希望が丘)周辺...

免許持っている人でも知らないケースもあるので、そういう人たちに対する正しいルールの啓蒙にもなっている。

 

当サイトでは対象がサイクリストなわけで、もっと小難しい法解釈を取り上げることが多いですが、こういうライトな法解釈の記事ってある意味では有効だと思う。
小学生相手に微分積分とか語っても意味が無くて、まずは算数レベルから入るわけですよ。
それと同じで、道交法解釈もライトなレベルもあれば、ディープなレベルもある。
信号を守りましょう!と小学生に教えるわけですが、小学生相手に追いつかれた車両の義務の法解釈とか語りだしてもしょうがない。

 

カナロコの記事、【なんで自転車を除くの標識が無いの??】という読者さんの疑問に対して、編集部がその理由を追跡しているわけですが、こういうライトなところから道交法を学べるチャンスだと思うんですね。
サイクリストが読んだら、なんて初歩的な・・・と思うでしょうけど。

 

ライトな部分しか突っ込んでいないので物足りなさはありますが、上でも書いたように、年齢によっては歩道を逆向きに走ることが合法になり、そのほかの年齢だと違反になる。
これが本当に正しいことなのか?と聞かれると、余計混乱を生んでいるだけだと思うんですよ。

 

無知な高校生とかだと、

読者様
読者様
なんであのババアはお咎めナシなんだよ!

 

こういう不満につながる。

 

ニッポンの自転車への施策は、そもそも50年前に大失敗しているのが現状。
昭和45年に自転車の歩道通行が解禁され、警察も【自転車は歩道に】という流れを作りました。
この背景は国会議事録にかなり出ていますが、当時は車の交通量が増大して、自転車と車の事故が多かったそうです。
そもそも歩道自体もまだまだ少なかったので歩道建設を急いで、かつ自転車をなるべく歩道に行くように仕向けた。

 

けど今度は自転車と歩行者の事故が増えたから、やっぱ車道に行くようにと警察が言い出したのが平成20年。

 

法改正 背景
S35 道交法成立、自転車は車道のみ
S45 自転車の歩道通行解禁 車の交通量増加と事故の多発
自転車は歩道へという謎ムードが広がり定着。警察も【自転車は歩道のほうが安全だ!】などと謎の指導を始める
S53 自転車横断帯の新設 歩道通行が当たり前のような施策
H20 改正道交法により自転車の歩道通行要件を改訂(13歳未満、70歳以上、標識の有無など) 歩道での自転車事故の多発
歩道での事故が多いので、【やっぱ原則として自転車は車道なんだよ!】と警察庁が広報し出す
H23 警察庁が【多くの普通自転車の歩道通行が念頭に置かれている普通自転車通行指定部分の指定がある場合を除き、自歩可の交通規制が実施されている歩道をつなぐ自転車横断帯は撤去すること。 】という指針を発表。
H24 自転車ナビマークの出現(警視庁)
H25 自転車の路側帯通行は左側に限定(路側帯の逆走禁止)
H28 国土交通省が「自転車ネットワーク計画策定の早期進展」と「安全な自転車通行空間の早期確保」に向けた提言を発表

けど昭和45年頃の国会議事録を見ると、歩道と一緒に自転車道も作ろうみたいな話はかなり出ています。
この時にもうちょっと考えていれば、今みたいな混乱はなかったのかもしれませんね。

 

カナロコの記事のような些細な疑問って結構大切だと思ってまして、わかっていない人への啓蒙に繋がる。
ただこういう記事も、真意を読み取れない人はそこそこいるらしい(ヤフコメ)。

 

カナロコでは13歳未満と70歳以上の話までは突っ込んでいませんが、このような道路ではある年齢層だけ歩道を通行できるけど、それ以外の年齢層は迂回しないといけない。
歩道を拡張することは困難だと思いますし、自転車を車道に行かせたい今の警察の意向とは矛盾するので、道路構造や標識が変更される可能性はかなり薄い。
実際、この道路での事故記録は無いそうですが、一定条件だけ歩道を走れるようにしているため、こういう意味不明な事態が発生するということです。

 

自転車を車両として認識させたい意向もありながら、例外規定があるために矛盾が生じるということですね。

ちなみに希望ヶ丘駅前の一方通行なんですが、管轄署の交通総務課によると、13歳以上69歳未満でも歩道を徐行して走ってもらって構わないと言ってました。
あんまりこれは書かないほうがいいのかもしれませんが、徐行しているなら文句付けないようです。
法解釈と実際の運用が必ずしも同じではないわけです。

 




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