逆走自転車が歩行者化した場合。

逆走自転車、いまだに多数いますよね。
マジでうっとおしい。

前にも書いたように、生活道路の場合は逆走自転車と衝突事故が起きても、過失割合は50:50がスタートです。

ロードバイクで走っていると、それなりに見かけるのは逆走してくるママチャリ。 逆走自転車の交わし方については、過去にもいくつか記事を書いてま...

これもう一つ落とし穴があって、逆走自転車が子供とか高齢者の場合、相手方にー10%となるので、なぜか順走している側のほうが過失割合が増える可能性もあります。
さすがに意味不明ですが・・・

当サイトでは逆走自転車が向かってきた場合、相手との距離がある場合には左に寄せて停止することをお勧めしています。

生活道路ではない場合でも、過失割合は10:90などになるケースがあるわけで、完全停止している分には過失割合は0になりますし。
なにより、停車している自転車に突っ込んでくるアホはほぼいない。
どんなキチガイさんでも自分が怪我をするリスクは避けるものですから・・・

ただしこれ、逆走自転車が停止後に、自転車から降りるとどうなるのか?という話。
歩道がある場合と無い場合で考えてみます。

それなりの接近距離(数m以内)でお互いが向き合っている状態を想定します。

自転車が歩行者になるとき

いきなり質問です。

いろんな人
いろんな人
自転車から完全に降りたら歩行者ですよね?

管理人
管理人
違います!

道交法上の規定はこうなります。

3 この法律の規定の適用については、次に掲げる者は、歩行者とする
一 身体障害者用の車椅子又は歩行補助車等を通行させている者
二 次条の大型自動二輪車又は普通自動二輪車、二輪の原動機付自転車、二輪又は三輪の自転車その他車体の大きさ及び構造が他の歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当する車両(これらの車両で側車付きのもの及び他の車両を牽けん引しているものを除く。)を押して歩いている者

自転車を押して歩いている人が歩行者。

何歩歩いたら歩行者なのか、1歩でも踏み出せば歩行者なのかについては規定はありません。

例えばの話。

ロードバイクに乗っていて、信号待ちで停車したときに、後輪に違和感を感じて降りて確認したとします。
この場合も数歩歩いているでしょうけど、一般的には歩行者扱いではなく車両の一時停止中とみなされるかと。
もし歩行者扱いされるとしたら、歩道がある道路なら通行区分違反になってしまいますし。

(通行区分)
第十条 歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。
2 歩行者は、歩道等と車道の区別のある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。
一 車道を横断するとき。
二 道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。

車道に居てはいけませんしね。

さてこれを踏まえた上で、歩道アリの状態と歩道無しの状態で考えてみます。

歩道がある場合

まず、歩道がある道路で考えます。
道路交通法上、歩道がある道路での路肩は車道になります。
車両通行帯が絡んでくると車道だけど走行不可になるケースが出てきますが、面倒なので省きます。

お互いに寄せて停止したとします。

お互いに車両ですので、赤自転車に逆走の違反が成立しています(法17条4項)。

この状態を法的に表すとこうなります。

順送自転車(青)逆走自転車(赤)
違反の有無ナシ逆走の違反(17条4項)
果たすべき義務安全運転義務(70条)により一時停止、もしくは大きく逸れるなど安全運転義務により一時停止、もしくは逆走の解除(順送に戻るか歩道に上がるなど)

逆走するような無法者が相手でも安全運転義務はあります。

(安全運転の義務)
第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

逆走自転車の人が降りたとしても、降りただけでは歩行者ではないので単なる一時停止状態。

この状態で逆走自転車が降りたとしても、順送自転車に対して進路を妨害している状態になっています。
なので何らかの方法で、進路妨害を解除する必要があります。

逆走自転車が取れる方法としては、こんなところでしょうか。

①歩道に上がる
②180度回転して順送方向に走り出す
③車道中央側に逸れて走る(逆走の継続。違反)
④車道中央側に逸れて歩き出す(通行区分違反)
⑤端に寄せて、順送自転車に声を掛けて先に行ってもらう

歩行者が車道を歩くと通行区分違反(10条2項)ですが、

この場合、根本的なところでいうと、逆走自転車が順送自転車に対して進路を妨害している状態。
ちなみに判例上、停車状態でも逆向きだと違反です。

逆走して停止し、降りても止まった状態で動かないようなら二つの可能性があります。

①117条2の2の11のイ(妨害運転罪、逆走の継続による妨害意思)
②76条4の2(禁止行為)

(禁止行為)
第七十六条
4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。二 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること

①なら車両として見ていることになり、②であれば歩行者として見ていることになりますが、②であれば自動車以外の二輪車なら解釈次第では成立する余地はありそう。
自転車から降りたとしてもそれは一時停止状態なので、恐らく①の妨害運転になりうるのかと思います。
妨害意思がないことを示すには、順送自転車への進路妨害を解除しないといけませんね。

進路妨害状態を解除しないといけないわけですが、解除する方法はいくつかあるわけで、その中で違法に車道を歩くという選択肢を行使した人に進路を譲る義務はありません。
当たり前ですが、お互いに停止した状態から進行を再開すれば衝突しますので、衝突をしないようにする義務があります。
それが一時停止。

車道を歩くことが違反なので、順送側が進路を空けてあげる必要はないのは明らか。
そもそも、順送側の進行を妨害しているのは誰なんだ?ということ。

この場合、順送側の自転車については、求められている義務は安全運転義務(70条)だけなので、左端に寄せて停止しているならそれで十分義務は果たしていることになります。

順送側からすれば、逆走という危険な手段を用いて、先に停止している目の前に停止され、進行妨害されている状態。
法的には逆走車が取れる手段は、歩行者として歩道に上がるか、180度回転して順送方向に走り出すかどっちかしか出来ません。
それに対し、さらに逆走方向に、かつ歩くという違反をしようとする無法者なので、何をしてくるかすら不安。
なので左端に寄せて停止している分には、逆走自転車が歩き出したとしても、最もリスキーな方法を選択した逆走車の責任ですし。

違う事例で検討してみます。
何らかの理由で停車している車があったとして、なぜか車道を歩いて来たバカがいたとします。

停車している車が歩行者のために車道を空ける義務なんて無いですし。
そのまま停止を続けるなら、それ以上のことは歩行者の自己責任。

もう一つ違う事例。
なぜか車道の中央寄りを、自転車を押しながら歩いている人がいたとします。

この場合、とりあえず徐行して様子を見て、衝突や接触しないことを確認したらまた普通に走り出すと思います。

徐行していつでも停止できる体制にすることが、安全運転義務(70条)を果たしたと取れます。
歩行者はなるべく歩道より、車両は歩行者よりも中央寄りなんて考え方をすると、こうなってしまいますが。

そんな義務はないので、衝突をしないようにする義務だけが課されている。
車の場合だと、対向車の状況をみながら反対車線に飛び出して交わすか、一時停止して謎の歩行者が通り過ぎるのを待つかになります。

路側帯の場合

次に歩道がないけど路側帯がある道路の場合。

路側帯であっても、自転車の逆走は違反です。

(軽車両の路側帯通行)
第十七条の二 軽車両は、前条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
2 前項の場合において、軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない

まあそもそも、ロードバイクで路側帯を走る人がいるとも思えませんが。

もちろん車道の逆走も違反です。

お互いに路側帯にいたのか、お互いに車道にいたのかについてはどちらも結果は同じなので分けずに考えます。

まず、路側帯がある道路での駐停車については、左端から0.75m空けた上で駐停車するというルールがあります。
このルールの目的は、駐停車するときには左端の歩行者の通行分を空けておくことにあります。

(停車又は駐車の方法)
第四十七条 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
3 車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
(路側帯が設けられている場所における停車及び駐車)
第十四条の六 法第四十七条第三項の政令で定めるものは、歩行者の通行の用に供する路側帯で、幅員が〇・七五メートル以下のものとする。
2 車両は、路側帯に入つて停車し、又は駐車するときは、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める方法によらなければならない。
一 歩行者の通行の用に供する路側帯に入つて停車し、又は駐車する場合 当該路側帯を区画している道路標示と平行になり、かつ、当該車両の左側に歩行者の通行の用に供するため〇・七五メートルの余地をとること。この場合において、当該路側帯に当該車両の全部が入つた場合においてもその左側に〇・七五メートルをこえる余地をとることができるときは、当該道路標示に沿うこと。
二 歩行者の通行の用に供しない路側帯に入つて停車し、又は駐車する場合 当該路側帯の左側端に沿うこと。

駐停車の定義はこちら。

十八 駐車 車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。
十九 停車 車両等が停止することで駐車以外のものをいう。

車両には自転車も含まれるので、厳格に法を適用すればこのルールに従って停車する必要があるとも言えるのですが、こういう細かいところについては免許制ではない事情を汲んで、自転車は実務上、適用除外されていることが多いです。
あと、このケースでは逆走自転車と衝突を避けるための危険回避行動なので、ほかに危険性が無いなら路側帯の左端まで寄せて停止していても問題はありません。
これが許される根拠は安全運転義務(70条)です。

危険回避行動の実例。
前方から暴走族が逆走してきたときに、危険回避でフル左端まで寄せることは問題ないですし。
下手に0.75m空けた結果爆死したんじゃ意味が無い。

実務上の話では、路側帯は0.75m以下のケースが多いので、そうなるとそもそも路側帯停車が出来ないとも取れるのですが。

先に左に寄せて停止していれば、逆走自転車はそのまま逆走していくことがほとんど。
もちろん車道の逆走で違反です。

ところがたまたま同じタイミングで路側帯に入ってしまうと、お見合い状態で停止する可能性もある。

赤自転車は、車道逆走に続いて路側帯逆走の違反となります。

こういう至近距離でのお見合い状態から、逆走自転車が降りたとします。
降りただけでは単なる一時停止なので、お互いに一時停止をしている最中で、かつ逆走自転車が順送自転車の進行妨害をしていることになる。

なので妨害している側が妨害状態を解除しないといけないわけです。
この場合出来ることとしてはこんなところかと。

①180度回転して順送方向に走り出す
②降りて車道寄りを歩いて通過する
③端に寄せて、順送自転車に声を掛けて先に行ってもらう
④車道を逆走して突破する(違反)

で、路側帯って、道交法上では【歩行者の通行の用に供し(2条3の4)】なので基本は歩行者のための場所。
実際、17条の2では歩行者優先であることが示されています。

(軽車両の路側帯通行)
第十七条の二 軽車両は、前条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き道路の左側部分に設けられた路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる
2 前項の場合において、軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。

逆走自転車が接近して停止後、自転車から降りて歩行者のふるまいを始めた。

さっきまでは逆走で進行妨害していたのに、歩行者になったからお前が進行妨害しているぞ!という謎理論が成り立つかというと、当然成り立つわけがありません。

そもそも、順送自転車がなんで左端に寄せて停止しなければならなかったのか?という話。

逆走という違反行為に対して、安全運転義務(70条)を果たすために仕方なく左に寄せて停止している。
そんでもって逆走自転車が目の前で停止して進行妨害しているわけで、進行妨害を解除する義務があるのは逆走側。

ただし路側帯逆走は妨害運転罪の要素には入っていませんし、罰則もありません。

その結果、降りて歩くという選択肢を行使したとしても、それは進行妨害を解除する手段だと考えることが出来るわけで。
歩き出したから歩行者になり、自転車が歩行者の邪魔をしてはいけないという理屈が成り立つわけではありません。

ただし、それなりに距離がある状態で逆走車が停止して降りて歩き出した場合は微妙。
15mとか20mとかそれなりの距離があるなら、歩行者として優先する必要が出てくると思います。
それ以下の距離だと、距離が近い分相手の動き次第では衝突するリスクがあるため、左端に寄せて停止しているなら何らかの違反になる可能性はないかと。
動いているなら別。

さっきまで妨害活動をしていた逆走自転車が、目の前で停止して降りた瞬間に

読者様
読者様
俺様は今から歩行者だ!
そこの自転車、俺の進路を妨害する気か!
ここは天下の路側帯だぞ!!

そんなバカな話は通用しない。
逆走の違反により妨害しているのは誰なんですか?というところと、妨害している側が何とかすべき話。

そうじゃないと妨害行動の継続になってしまいますし。

逆走自転車とかなり距離がある状態でお互いに停止して、逆走自転車が押して歩きだした場合。

それなりに距離がある状況で相手が歩き出したなら、それは歩行者として扱われる。
逆走という違反行為を解除して、悔い改めて(?)歩き出したと受け取れるので、普通に車道に復帰して走り出せばいい。

この場合だと、順送側がそのまま停止状態を続ける必要性が無いですし。
降りて歩き出したことを確認しているので、衝突の危険性もほぼないでしょう。

【降りたら歩行者】という言葉。
降りたら歩行者なのではなくて、あくまでも押して歩いている人が歩行者という定義。
ここを勘違いすると、意味不明になると思ってます。

例えばのケース。

私がよく通勤で通る道路、原付の歩道ワープがメッチャ多いです。

停止線で停車して、降りたら歩行者扱いなので速やかに歩道に上がり、歩道を通過して、また車道に戻って走行する。
けど【降りたら歩行者扱い】というのは、こういう目的のためにあるルールではないことは明らか。
法の抜け道みたいなものですが、これにより事故が起きれば70条に抵触する恐れが高まります。

理論上、こうなっていれば違反とは言い切れませんよね。
・停止線できちんと停止する
・原付から降りる
・歩道に向かって押して走る
・歩道を通過する
・車道に降りて、跨って走行開始する

もし歩道に上がったときに、歩行者と衝突したとします。
この場合、純粋に歩行者 対 歩行者の事故なのか?という問題が生じる。
降りて押していれば歩行者扱いという規定は、こういうワープ目的のためではないことだけは明らか。

ただしこの歩道ワープをする原付の場合、一時停止線より前で原付から飛び降りて、その勢いのまま押して走って歩道を通過する人がすごく多い。
これも一時停止線より前に飛び降りたから歩行者化しているのか?という話。

これ、ほぼ毎日見かけます。
減速して停止することなく原付から飛び降りて、【自称・歩行者化】を果たし、歩道を通過して左折する。
これを歩行者とみなせるなら、歩行者だから速やかに歩道に上がる義務があるよね、ということでお咎め無しになってしまう。
歩行者なら車道の停止線に従う必要性もないし。

けど実態としてやっているのは、信号無視して左折したいというだけのことです。
これをもし何らかの違反で取り締まるとするとかなり難しいですが、押して歩けば歩行者ですよという規定の本来の使い方ではないことだけは明らか。
歩道に上がるところなどで事故を起こせば、安全運転義務違反(70条)が適用になるかと思います。

逆走自転車と順送自転車が端に寄せて停止して、逆走自転車が降りて歩行者化したとしても、逆走してきて危険だという事実には変わりない。
しかも順送自転車と直前になるまで停止しなかったということは、停止していても危険な状態は継続しているとも取れる。
何もなくパスするまでは危険性が皆無とは言い切れないので、歩行者化したからといって左端を空けて譲る義務があるとは言えないわけです。

こういうのってニッポン語で【しょうがない】が近いのかも。
警察にも聞いたのですが、強いて言うなら向き合って停車したなら、お互いに自転車から降りて歩いてパスしたほうがより安全だよねとのこと。

ちなみに歩道を自転車で通行する場合は、自転車は車道寄りを通行する義務がありますが、

(普通自転車の歩道通行)
第六十三条の四
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。

路側帯通行の場合はこの規定がありません。

(軽車両の路側帯通行)
第十七条の二
2 前項の場合において、軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。

歩道がない道路の場合、歩行者は右側端通行が求められているので、自然と歩行者が側端、自転車は車道寄りになるという解釈は厳しいと思います。

(通行区分)
第十条 歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。

10条には罰則規定が無いので訓示規定に留まることと、一般的には強者たる車両側に義務を課すわけで。
なので路側帯を通行する自転車には、歩行者の妨害にならないような速度と方法以外は求められていないと言えます。

執務資料道路交通法解説などを読むと、【歩道の状況に応じた安全な方法】については歩行者が路側帯からはみ出て車道に行くようなことは違反とみなされるだろう、みたいな解説になってます。
必ず車道寄りが自転車じゃなきゃいけないというルールではないので、これでも構いません。

このように歩行者が車道に出ることになるのは本来はダメなんですが、

そもそも逆走自転車が違反行為で妨害してきた前提があるので、歩行者だから保護しろ!という部分に当てはめることが間違い。
違反行為・妨害行為を解除するために相手が勝手に車道に出て渡りだしただけですから、左側端を譲ってあげる必要までは課されていないと解釈出来ます。
さっきまで妨害していたのに、降りたから譲れ!なんてバカバカしい運用はされていないということですね。

厳密な法解釈は必要か?

この手の問題についてですが、根本的なところとしては逆走自転車と衝突しないためにはどうすべきか?がメインなので、逆走自転車が降りて歩行者として振舞ったらどうなるか?についてはまあまあどうでもいい話。
違反行為に対して、お互いに衝突を避けることが主の目的なので、降りたから歩行者とかどっちが弱者とかの前に、衝突を避けて交わすことが大切になる。
けどあえてこれを書いたのは、読者様とちょっとしたやり取りがあって、それは変だよねという話だったから。

基本概念としては、逆走という違反行為、危険行為をしている人が、降りた瞬間歩行者として交通弱者になるというほど簡単な話ではないです。
逆走という危険行為から逃れるために仕方なく左端に寄せて停止したわけで、もし目の前でお互いに停止状態に陥ったとしても、そもそもその状態に陥った原因はなんなのか?を考えれば、妨害行動を解除するだけの行為だと理解できる。
都合よく自転車の立場と歩行者の立場を切り替えてという時点で、本来の法の趣旨から逸脱してますし。

いろんな選択肢がある中で、相手が危険性が高い行動を自ら選択したという事実も忘れてはいけないのですが、たぶん法の条文を読まないと理解不能だと思います。

法解釈

道路交通法ってまあまあ意味不明なところも多く、法学者の間でも見解が割れるケースはあります。
あとは好き勝手に自分に都合がいいように法解釈する人もいる。

自転車横断帯なんてその一例だと思うのですが、県警本部とかに聞くと通行義務があると言います。
けど現場レベルだと、むしろ危険だし車道を走っているなら自転車横断帯にこだわらなくていいと言ったりします。

結構前に読者様から指摘いただいていた件があります。 上記リンクにあるようにそういった横断帯は交差点...

これ、法解釈としては通行義務はあるのが正解
現場の警官レベルだと、車道を通行しているときは無理に自転車横断帯を通らなくてもいいといいますが、

その根拠はこれですよ。

(交差点における自転車の通行方法)
第六十三条の七 自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、第十七条第四項、第三十四条第一項及び第三項並びに第三十五条の二の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。
2 普通自転車は、交差点又はその手前の直近において、当該交差点への進入の禁止を表示する道路標示があるときは、当該道路標示を越えて当該交差点に入つてはならない。
(自転車の通行方法の指示)
第六十三条の八 警察官等は、第六十三条の六若しくは前条第一項の規定に違反して通行している自転車の運転者に対し、これらの規定に定める通行方法により当該自転車を通行させ、又は同条第二項の規定に違反して通行している普通自転車の運転者に対し、当該普通自転車を歩道により通行させるべきことを指示することができる。
(罰則 第百二十一条第一項第四号)

63条の7には直接的な罰則が無く、警察官から自転車横断帯を通るように指示されたのに従わなかった場合のみ罰則があります(63条の8)
現場の警察官は、車道を走る自転車にこんな指示をすることはないから、

指示しなければ罰則もないというだけの話。
これをフル意訳すると、

車道を走る自転車の場合は、自転車横断帯を無理に通行しなくてもよい

こうなるだけの話。
けど法解釈だと、通行義務があることになってしまいます。

こういうのって自転車横断帯がいつ・なぜ出来たのかを考えると分かりやすい。
昭和45年に自転車の歩道通行が解禁されて、警察も歩道に行くように促した。
自転車横断帯は昭和53年に法改正で誕生してますが、要は歩道に追いやった自転車が横断歩道上で好き勝手されると危険だから出来たもの。
法律上は、交差点通過時には自転車横断帯の通行義務があることになってしまうけど、車道を走っているヤツラにイチイチ注意指導なんてしない。

けど、法律は何が何でも守るべきと考える人であれば、当然車道走行時も自転車横断帯を通行する義務はあるので、その通りにしないと矛盾する。

道交法は法解釈と実運用がズレる面もあるし、一つの条文に捉われると全体像を見失う。
ややこしいですね。