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剛性が高いロードバイクは疲れる?脚に来る?剛性が高いほうが良く進むのに疲れるという理屈がわかりません【質問いただきました】

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ロードバイクの剛性について質問を受けましたので回答いたします。
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ロードバイクに乗り始めて半年の初心者です。
よく「剛性が高いロードバイクはロングライドでは疲れる」とか「脚に来やすい」という意見を聞きます。
これの理屈がよくわかりません。

剛性が高いロードバイクは、エネルギー的なロスが少なく、踏み込んだパワーが推進力にそのままつながり良く進むと思うんです。
良く進むほうがエネルギーロスするような剛性が低いロードバイクよりも疲れにくいんじゃないかと考えるほうが自然な気がします。

実際のところ、どうなのでしょうか?
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回答いたします。

剛性が高い=疲れる、という定説

これは良く聞くフレーズの一つですね。
確かに、剛性が高いバイクは疲れやすいとか、脚に来やすいから初心者には向かないなどと説明されたりします。

 

これについてですが、質問者さんの意見も一理あります。
要は剛性が高いバイク=ロスが少ない、剛性が低いバイク=ロスが多い、という観点に立てば、ロスが多いほうが無駄なエネルギーを使っていて疲れるという理屈も成り立ちます。

 

なのですが、これは経験的にロード乗りなら体感していることでして、実態は質問者さんの考えとは逆です。
特に初心者から中級者だと【剛性が高いバイク=ロングライドでへ疲れやすい、脚に来やすい】ということを経験的に知っています。

ロードバイクにおける疲労

ロードバイクに乗って走っているときに、人間にはどんな負担がかかり、どんな疲労を感じるかという話です。
これを一つ一つ見ていきましょう。

筋力的疲労

ロードバイクで使う筋肉というと、一番最初に思い浮かべるのはペダリングするときの筋力を思い浮かべるでしょう。
ペダリングは全身運動なのですが、わかりやすく言うならば足回りの疲労です。

高トルクでガシガシペダリングしていれば、そのうち【足が売り切れ状態】になるというのはわかると思いますが、そういうことです。

 

あと、忘れてはならない筋肉的な疲労というと、姿勢を保つために使っている筋力です。
ロードバイクの場合、前傾姿勢でハンドル、サドル、ペダルの3点で身体を支えています。
この際、腹筋背筋などの体幹の筋肉で身体を支えますし、ハンドルを持つ手も筋力を使っています。

 

筋力を使う、という表現を書くと、どうしても力こぶを作るような【大きくて強い力】をイメージしがちです。
あなたが仕事でデスクワークをしているときも、姿勢を維持するために筋肉を使っています。
それと同じで、筋肉を使って前傾姿勢を保っています。

振動による疲労

ロードバイクに乗っていると、路面からの振動を受けます。
これにより人間の身体にはダメージが蓄積するような形で疲労を感じます。

自転車ではなく自動車の例ですが、振動がどのように疲労と関わっているかの論文がありました。
http://www.tytlabs.com/japanese/review/rev334pdf/334_025taguchi.pdf#search=%27%E6%8C%AF%E5%8B%95+%E7%96%B2%E3%82%8C%27

 

振動を受け続けると疲れる、というのは皆さんが経験して知っていることと思いますが、走行中の自動車で寝ていても、起きたらドッと疲れていることがあると思います。
これには加速減速による身体の揺れによる疲労もあると思いますが、いわゆる走行振動でも疲労は感じるということでしょう。

気候的疲労

暑い、寒い、日差しが強い、雨、風が強いなどの気候的な要素も、疲労の原因となります。

剛性が高いバイクと低いバイクの疲労の違い

最初に書きましたが、ほとんどの人は経験的に【硬すぎるバイクは疲れる】ということを知っていると思います。
その上で、上で挙げた3つの疲労の要素から考えてみましょう。

 

まず、無視していい要素は最後に挙げた気候的疲労です。
これは同じ気象条件下で走る限りは、バイクの種類を問わず同じ負担が身体にかかります。

 

次に剛性の高い低いと、筋力的な問題を考えてみます。
これについてですが、まずは剛性の高いバイクと低いバイクではどのような違いがあるかを考えてみます。

アルミだろうとカーボンだろうと、静止状態で思いっきりペダルを踏みつけたときに、フレームのBB部分がたわみます。
BB付近の剛性が高いバイクほどたわみが少ないですし、BB付近の剛性が低いバイクほどたわみが大きいです。

これ、試してもらうとわかりますが、アルミフレームでも驚くほどたわみます。
もちろん、実走でこんなに踏み込むような力がかかっているとは思えないので、走行中にこれだけ動く(たわむ)とは限りません。

 

で、剛性が高いバイクはペダリング時に踏みつけている場所が【硬い】、剛性が低いバイクはペダリング時に踏みつけている場所が【柔らかい】と言えます。
硬いものを踏み続けるのと、柔らかいものを踏み続けるのではどっちが疲れるかという話です。

 

よりわかりやすく言うならば、ビジネスシューズで10キロ歩くと疲れますが、ジョギングシューズなどソールが柔らかいもので10キロ歩くと、ビジネスシューズよりはマシだと思います。
東日本大震災の時、帰宅困難になったサラリーマンが求めたのは、スニーカーでした。
革靴で長距離を歩いて帰るのはつらいですよね。

ペダリングというのは円運動です。
円運動の中で、下に踏み続けるという連続動作が長い時間含まれますので、踏みつける【土台】が硬すぎると疲労をより感じる可能性があるわけです。

効率的なペダリングをしている人は、円の接線方向にペダリングの力を加えます。

ペダルが一番下の下死点にあるときには、下方向に踏みつけても何も起こりません。
無駄なパワーを発揮しているだけで、バイク自体は前には進みません。

効率的なペダリングは円運動なわけですが、プロ選手でも完全な円運動は不可能です。
一般人レベルではよりペダリングが雑ですので、やはり無駄な下方向への圧力はかかります。

そういうときに、踏みつける場所が硬すぎるかどうかで、疲労度が変わるということです。



次に、振動による疲労を考えてみます。
剛性の高いバイクほど振動が強く、剛性が低いバイクほど振動が緩やかです。
ここでは【剛性】というザックリしすぎた使い方をしていますが、実際にはそこまで単純でもありません。

高いフレームの場合、駆動剛性を高めながらも振動吸収性の確保をしているものもあります。
駆動剛性を高めるためにBB付近はボリュームを持たせながらも、リアのステイでシナリを出しているなど。

なので剛性が高い=振動吸収性が悪いとは一概に言えないのですが、一般論として剛性が高いということはフレームのシナリが少なく、振動吸収性は悪いということになり、身体に対する疲労は増えると言っていいでしょう。

剛性が高いバイクほど疲れる?脚に来る?の結論

これについてですが、そもそも考えなければならない要素としては、【剛性は人それぞれ感じ方や必要量は異なる】ということです。
体重にもよりますし、体力や柔軟性にもよります。
だから誰が乗っても【剛性が高すぎるバイク】というのは存在しません。

ですが乗り手にとって剛性が【高すぎる】バイクでロングライドをした場合、適正な剛性量のバイクよりも使う筋力や身体に受ける振動は増大する可能性があり、結果として疲れるとか脚に来るという可能性はあります。

 

じゃあどのくらいが適正な剛性量なのかというと、これも答えがありません。
強いて答えがあるとすれば、【乗ってみて気持ち良く走れているならば、それが適正】と言えるかもしれません。

 

この辺りは本当に難しく、Aさんが【剛性高いね】というバイクを、Bさんが【ちょうどいいね】と言い、Cさんが【剛性低くね?】という可能性もあるわけです。
絶対的に剛性が高いというバイクが存在するわけでもなく、あくまでも相対評価の世界です。

 

ですから世間一般で言われる【剛性が高いバイク】というものに乗ったとして、その人にとってその剛性が【高すぎる】ならば疲れやすい可能性があります。
その人にとって【適度な剛性】と感じるならば、疲労うんぬんよりも【良く進むバイク、ロスが少なくていいね】となるかもしれません。

 

よく様々なインプレで【剛性が高い】とか【剛性が低い】などと表現されていますが、それはあくまでもインプレライダーの主観です。
その剛性の評価が、あなたにも当てはまるわけではありません。

 

なので質問者さんがいう【剛性が高いほうがロスが少なくて・・・】という部分についてですが、それはその人にとって剛性がちょうどいいというほうが合っている気がします。
剛性が高すぎた場合は、最初のうちは良くても、長距離になると疲労として出やすい気がします。

これについてですが、正直なところ正解はありません。
乗ってみて気持ちいいなら、それが正解です。

 

近年のフレームは、全般的に高剛性になってきている気がします。
ちょっと前にメールで質問を受けたことですが、その方はキャノンデールのCAAD OPTIMOが硬すぎてビックリしたと書いてありました。
世間の評価ではそこまで剛性が高いとは言われていない気がしますが、その方にとっては硬すぎるという表現だったわけで、結局は剛性の高い低いというのは【乗り手の基準で決まるもの】です。

剛性って難しい概念ですね。

ちなみにですが、振動吸収については、ある程度はパーツの見直しで変えることはできます。
例えば、ハンドルの振動が気になるならば、バーテープとかグローブとかである程度はコントロールできます。

Lizard Skins(リザードスキンズ) DSP 2.5 バーテープ ブラック DSP 2.5
Lizard Skins(リザードスキンズ) (2012-02-20)

タイヤでもある程度は変わります。
そもそもですが、フレームの振動吸収性よりもタイヤの振動吸収性のほうが大要素ですから。

ホイールを手組にして、スポーク数を多めにするだけでも結構変わります。

剛性が不足しているなと感じた場合、剛性の高いホイールに変えるくらいしか方法はありません。

いろいろ書きましたが、あくまでも私の私見です。
どう感じるかは乗り手次第です。




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