PVアクセスランキング にほんブログ村
スポンサーリンク

事実と推測の違いを理解しないと意味を取り違える。

blog
スポンサーリンク

サイクルスポーツ2021年9月号に、輪行袋の特集があります。
フレックスコクーンの紹介として以下のように書いてありました。

 

前輪を外すだけで収納できる輪行袋の代名詞がコクーン。従来のコクーンはサドルを覆わないデザインだったため(外せば袋に入る)、「それでは鉄道輪行は許されるのか」と物議を醸したこともあったが、最新版である本モデルでは、タイオガ得意の伸縮性がある生地を上部に配することで、サドルを外すことなくすっぽり覆えるようになった。ただし、後輪を外さないので荷姿が異様に大きいのは言うまでもない。歩行時の取りまわしも悪く、列車内で置き場所を見つけにくい。やはり鉄道輪行で使うのはお勧めできない輪行袋だと個人的には思うが、預け荷物となる航空機では後輪を外さないために安心感があり、利用する価値はあるだろう。

 

株式会社八重洲出版、サイクルスポーツ2021年9月号、p62、

何とも言えない書き方しているなと思いまして。

うまく濁している感が

上記記載内容では、鉄道輪行ではお勧めできないとしています。
それと同時に、3辺の和が250センチ以内に収まるかどうかの評価は一切していない

 

規則に抵触するかどうかの判断を一切していないわけです。

 

こういうのって大人の対応だなと思います。

 

飛行機輪行は詳しくないですが、こういうタイプのものって、一部鉄道会社では問題ないというところもあります。
またフェリー会社とかでも問題視しないところもある。

 

全ての鉄道輪行でアウトになるわけではないので、ルールに適合するかどうかの判断を一切せずに、【お勧めできない】という表記で留めている。

 

これ、2つ理由があると思ってます。
1つはメーカーの文言の問題と、もう1つは全ての鉄道会社の規則を把握していないからなのかなと。
メーカーサイトでどのように書いてあるかというと、こうです。

輪行をおこなう際は、交通各社(鉄道、航空機など)の規定をお確かめのうえ、自転車の大きさを規定内に収めた状態で収納し、運用方法を守って安全な輪行を心がけてください

 

https://tiogajpn.com/images/manual/carryingbag/FlexCocoon_Manual.pdf

メーカーサイトで説明されている通りに袋詰めした場合に、鉄道会社の規則内に収まるかどうかの判断を一切していない。
その上で、利用者の責任において規約に従うように注意喚起している。

 

ただまあ実態として、ロードバイクであれば、シートポストを抜くこともなく3辺250センチ以内に収まることはほぼ不可能でしょう。
抜いてもほぼ無理なんですが。

 

サイスポの表現って、結局のところ規則内に収まるかどうかの判断を一切せず、お勧めしないという言葉で濁しているとも取れる。

 

ある種、大人の対応なんでしょうね。

事実と推測

ルールに反するか否かについては一切触れていないわけですが、こういう表現って誤解を生むこともあるかもしれません。
【お勧めしない】とあるけど【違反だ】とは一切書いていない。
ということは規則に反せず使えるはずだ!みたいな書いてもいない解釈をしてしまう人が出てくるリスク。

 

文章の読解力の問題になってきますが、3辺250センチ以内という規則に対し、この製品が規則内に収まるか否かの論評を一切していない。
なので規則内に収まるかどうかは、評価してないし不明。

 

ここまでが事実ですね。

 

けど誤解してしまう人だと、違反だと書いていないから問題ないという曲解に陥る危険性もある。
そこがリスクファクターになるかと。

 

メーカーサイトでもあるように、規則内に収まるかどうかは利用者の責任にしているわけです。
これは前後輪外すタイプであっても同じ。

 

書いてあることだけが事実および論評で、それ以上は推測に過ぎないということですね。

 

これ、裁判関係だと結構あります。
私も昨年まで裁判してましたが、判決文って主文、事件の概要、双方の主張、事実認定、当裁判所の判断みたいな構成になってます。
私もいろいろと主張しましたが、私なりに一番大切だと思う点については判決文に一切出てきません。
つまり裁判所は、それについては適法とも違法とも判断をしなかったということになります。

 

判決文って主文が大切ですが、それ以上に大切なのが中身。
どこを事実認定して、どこを裁判所が判断したかが大切。
けど判決文の読み方を分かっていない人だと、主文から推測を加えた事実認定しちゃうんですよ。
主文というのは、勝った・負けたの表示だけ。
裁判所が判断しなかったということが事実なのに、謎の推測が含まれてしまうだけでなく、推測が裁判所の認定であるかのような錯覚に陥る。

 

それと似たようなもので、サイスポの記事ですが3辺250センチ以内という規則に合致するか否かの判断を一切していないわけですね。

 

こういうのも曲解されてしまうと、大手雑誌が宣伝しているから問題ないはずとか(単なる予測で根拠が無い)、お勧めと書いているけど違反とは書いていないとか(違反ではないとも書かれていないので事実無根)、書いてもいない内容を推測する
全ての鉄道会社の規則まで把握しているわけではないし、鉄道輪行で違反かどうかの判断を一切せずに、お勧めしないという言葉で濁している。
あんまり好きではない表現ですが、大人の対応なのかもしれません。

 

こういうのに対して万が一、読者さんから規則に反するとクレームが来ても、

 

いろんな人
いろんな人
測ったことが無いので不知。

 

いくらでも言い分は成り立つ。

 

ちなみに昨年、二つの計測方法を提示してどっちが正しいのか?と各社に質問しています。

 

前輪のみ外す輪行袋の、正しい3辺の計測方法について、主要鉄道会社に確認しました。
前に、現役の駅員さん数名に、前輪のみ外すタイプの輪行袋について、どこを3辺として計測するか確認してますが、今回、主要鉄道会社の本部に、正確な計測方法について聞いてきました。 その結果について。 ※撮影の都合上、サドル・シートポストは抜かずに...

 

規則を厳密に解釈した場合、シートポストを抜いても規則内に収まる可能性はほぼ無いと思いますが、実態として全ての鉄道会社の規則までは把握していませんし、計測することは無いのでなるべく小さくしてくれればそれでいい的な回答のところもありました。
また事実上、使っている人の全てが注意されるわけでもない。

 

曖昧な立ち位置にいることは間違いないところですが、きちんと読めない人が勝手な推測をもってしまう恐れもあるのかなと感じました。
何ら論評していないことまで、想像を膨らませてしまう人も多いですし。

 

推測って根拠にならないですからねぇ・・・

 

前に本当にビックリしたのですが、【いづれ壊れると思う】と書いたら、【すぐ壊れるとは何事だ!】みたいな謎の反論されたことがあります。
いづれとすぐを混同する人がいるとはさすがに想像していませんでしたが、さすがにこのレベルになると想定することは難しい。
書いていないことを根拠に反論されても、的外れにしかならないですから。

 

けどこれを読んで、誤解を与える表現は気をつけようと今まで以上に感じました。
そもそも論ですが、どの輪行袋であっても、ほとんどの鉄道会社が採用していると思われる【3辺250センチ以内】に収まる保証は一切していない。
メーカーはそんなもん保証していないんです。
これが事実。
規則内に収めるのは、利用者の責任に委ねているのが全ての輪行袋なわけですし。

こういうのも一見すると規則内に収まらなそうな気がしても、実際に計測すると問題ないケースも。
ハンドルを切らない分、ハンドル固定の方法はやや特殊になりますが、これはこれで需要があるのかも。

 

ハンドルまっすぐ、バンドを使わないサンワの輪行袋。
先日の記事について読者様からご意見を頂きました。 おはようございます。最近でないですけどSANWAというPCサプライの会社がホイール外して側面ポケットに収納車体はひっくり返して置くだけという輪行袋を販売しています。(ステマちゃいます) これ...

 

ちなみにですが横に大きくなる輪行袋最大の弱点には触れてありますね。
置き場所が見つかりにくいと。
新幹線や特急だと、横に大きくなるタイプは置き場所が無いケースもあるので、結局のところ縦型があらゆる面でベストなんですが、低身長の人だと地面に擦るリスクもあるのでややこしい。

 

文章を読んだ時に、勝手な想像を膨らませて、一言も書いていないことを認定する人ってそれなりにいる気がします。
大手メディアが書いていることなら素人の論評よりも価値があるもの・信憑性が高いものと勝手な推測を加えてみたり。
大手メディアの編集部なんて、客観的事実の間違いと誤字脱字のチェックとかをするわけですが、ルール内に収まるかどうかを一切論評していない以上、そこに対する検閲も何もない。
書いてあることだけを素直に読み、事実認定と意見論評を分けて考えないと大きな間違いをするリスクが高まると思ってます。

 

 




コメント

タイトルとURLをコピーしました