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実態として車両通行帯がある場所の話。

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何度かシリーズ(?)で書いている、車両通行帯の話。

 

自転車のキープレフトの解釈と判例。
先日の記事に少し補足。 そもそも自転車が通る左側端って??というところが不明瞭ですが、一応判例があると言えばあります。 ただし解説書だけを見たり、判例解釈を誤ったり、一文だけを取り上げてしまうと誤った解釈に陥るので、複数の資料等を元に検討し...

 

正しい車両通行帯の考え方と、自転車乗りは違反なのかについて検討。
先日も書いた件です。 片側2車線道路で、左第1車線のど真ん中付近を走行しているのですが、これが違反になるのかどうかについて検討します。 事実確認・法確認から 調べたところ、この道路は府道13号京都守口線の守口市内のようです。 ・片側2車線道...

 

実態としてですが、一般道では車両通行帯になっている道路は、交差点付近以外はほぼ無いと思っていいです。
交差点以外だと、確実に車両通行帯と言えるのはコレです。

確実に車両通行帯と言える場所

まずは普通自転車専用通行帯。

この標識があるのと、多くの場合青色のペイントが施されています。
ペイントのみで道路標識が無いものは車両通行帯ではありません。

 

神奈川県警は、普通自転車専用通行帯のリストを公表しています。

 

404 - ファイルまたはディレクトリが見つかりません。

 

これについては、きちんと公安委員会が決定した専用通行帯だということは確認済み。

自転車ナビライン・ナビマークは自転車通行帯ではないのでご注意を。

 

次に、バス専用通行帯とか、大型車専用通行帯など。

これも必ず道後標識があります。
バス専用となっている場合、多くは時間帯指定がある車両通行帯なので、時間次第では車両通行帯ではなくなることにも注意。
このケースでも、自転車は第一通行帯しか走れないです。

 

あと期間限定の話でいうと、オリンピックの通行帯。

 

オリンピック関係車両通行帯は、自転車は関係ないと思ってよい。
このご時世にオリンピックやるんかい!と突っ込みたくなりますが、しょうがない。 さて都内にはオリンピック関係者用の車両通行帯が出来ています。 2種類あります。 ・大会関係車両等専用通行帯 ・大会関係車両等優先通行帯 これらについては、ロードバ...

 

車両通行帯になっているのは基本これらのパターンのみと考えても差し支えないレベルです。
交通の方法に関する教則(道交法108条の28)で、このように書いてあります。

(2) 自転車は、車道や自転車道を通るときは、その中央(中央線があるときは、その中央線)から左の部分を、その左端に沿つて通行しなければなりません。ただし、標識(付表3(1)32、32の2、33、33の2)や標示(付表3(2)14、14の2、15)によつて通行区分が示されているときは、それに従わなければなりません。しかし、道路工事などでやむを得ない場合は別です。

 

交通の方法に関する教則

左端の除外になっている道路標識と道路標示をピックアップしました。

種類 番号 表示する意味
車両通行区分

32 車の通行区分の指定
特定の種類の車両の通行区分

32の2 標示板に表示された車の通行区分の指定
専用通行帯

33 標示板に表示された車の専用の通行帯の指定
普通自転車専用通行帯

33の2 普通自転車の専用の通行帯の指定
種類 番号 意味
車両通行区分

14 車の種類別の通行区分の指定
特定の種類の車両の通行区分

14の2 特定の種類の車の通行区分の指定
専用通行帯

15 特定の車の専用通行帯の指定

これの意味って、結局のところ一般道には車両通行帯なんてほぼ無いという実態を意味しているものと思われます。
複数車線道路だから車両通行帯とみなすことに何ら法的な根拠もありませんし。

 

警察庁の交通規制基準によると、車両通行帯の留意事項には以下のように書いてあります。

1,車線境界線が設置されている道路であっても、車両通行帯を設定するに当たっては、公安委員会の意思決定を得ること

2,次のいずれかの道路に該当する場合は、必ず、車両通行帯の意思決定を得ること。
(1) 車両通行区分、特定の種類の車両の通行区分、牽引自動車の高速自動車国道通行区分、専用通行帯、路線バス等優先通行帯又は牽引自動車の自動車専用道路第一通行帯通行指定区間の規制を実施している道路の区間

(2) 進行方向別通行区分又は原付の右折方法(小回り)の規制を実施している交差点、及び片側3車線以上の交通整理の行われている交差点の手前

(3) 進路変更禁止の規制を実施している道路の区間

3 車両通行帯を設定すると、車両の通行方法(法20条)、原付の右折方法(法34条)及び交差点における優先関係(法36条)等についての規定が適用されることを考慮すること。

 

https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20210304.pdf

(1)については、上で挙げた道路標識・道路標示の場所のこと(交通の方法に関する教則)。
(2)ですが、まずは指定方向通行区分の標識がある場所。

原付の二段階右折禁止の標識も見えますが、これがあるということは車両通行帯であるという証拠にもなります。
あと、片側3車線以上の交差点も原則として車両通行帯。

 

(3)は、イエローラインで車線変更禁止になっている場所。
実質的には交差点の手前がほとんどだとは思いますが。

 

結局のところ、こういうところしか車両通行帯ではないことがほとんどなので、だから警察も自転車は左側端っていうだけなんですね。

 

実態としてまとめます。
<車両通行帯になる場所>
・交差点手前の、指定通行区分がある場所(左折マーク等)⇒イエローラインで車線変更禁止になっていることがほぼ条件と考えていい。
・自転車レーン(普通自転車専用通行帯)
・バスや大型車の専用通行帯

 

これら以外は、左側端しか走れないと思っていたほうがいい。

とはいっても

既に車両通行帯神話は終了していますが、先日の件。
当初の主張では、車両通行帯だから第一通行帯の中ならどこでもOK⇒後続車の追越しで危険な目に遭うのを避けるために、ブロックするように第一通行帯の真ん中を走ってます!みたいな話だったと思います。

 

車両通行帯ではないので、全部理論は崩壊してます。

 

ブロックするようにしているという時点で左側端ではないことを表明しているのと同じですしね。
けど18条1項には罰則がありませんので、そういう人がいても警察は注意しかできない。

 

なのであのツイッターの人が法律に則って正当化するなら、本来はこうなんですよ。

 

いろんな人
いろんな人
18条1項には罰則が無いので、独自の左側端の位置を決めて走ってます。
好き放題やっても罰則は無いですし。

 

こう主張するなら、ウワーとは思いますが、罰則が無いので注意指導しかできない。

 

罰則が無いから好き勝手やってますが正解なんじゃないですかね。

 

ちなみにですが、トレックが推奨しているように、危険な追越しを避けるためにはデイライトという方法もあります。

左側端を通行していても、後続車に注意喚起できる方法もありますしね。

 

法解釈を捻じ曲げてみたりとか、
判例の持つ意味を理解してないとか、
批判するだけで何ら根拠を示さないとか、
独自理論だとか言いながらも、自分のほうが独自理論だということに気が付いていないとか、
いろんな動画を見て車の違反だとか騒ぎつつも、的外れもいいところだったりとか、
いろんな自己正当化の方法はあるのですが、

 

道路上で車と自転車間で対立構造を構築して、誰に何の得があるんでしょうね。

 

読者様の中にはタイ在住の方がいるのですが、何度も紹介しているように、タイには恐らく世界最大規模と思わしき自転車専用コースがあります。

 

一周23.5キロとかだったと思いますが、速い人レーンとそれ以外の人レーンで区分されている、なかなか本格的なコースです。

 

これだけ立派な自転車専用コースがあるので、コース内では事故とかも少ないのかと思いきや、どうもそういうわけでもないっぽい。
いろんな人が走るようになると、事故も増えているとか。

 

読者様はここまで車で行って、コースを走ってまた車で帰宅するそうですが、一般道は危険っぽい。

 

けど自転車専用コースがあっても、使う人次第では危険になるということなんでしょうね。
ダメな奴が集まれば、コースは素晴らしくても危険になる。
節度を持った人が使えば、秩序が保たれやすい。

 

一般道でも、同じなんでしょうね。

 

どんだけ素晴らしい自転車道を作っても、使う人がダメなら結局は同じなのかもしれません。

 




コメント

  1. evo より:

    一連のTwitterを見て、こちらに辿り着きました。
    質問がありますので、お答えいただけたらと思います。

    自転車は、車両通行帯のある道路では、第一車線を走る。
    自転車は、車両通行帯のない道路では、道路の左側端に寄って走る。
    これは問題ないのですが、
    自転車は、車両通行帯かわからない道路の場合、どうしたら良いのでしょうか。

    車両通行帯かわからない複数車線の道路で、自転車は道交法の18条と20条の両方を守れません。罰則のある20条違反は避けたいので、車線通行帯とみなして第一車線を走るのは、合理的な考えかと思います。

    これを崩す為には、車両通行帯には必ず通行区分標識でもあれば良いのですが、道交法からはその様な記載は発見出来ません。
    8/5のブログに自転車の走行箇所を示した道路標識と道路標示がまとめられていますが、「車両通行帯の場合」という文はかかれておらず、車両通行帯の場合は未記載だと判断出来ます。
    私も車両通行帯かわからない時に車両通行帯とみなすのはおかしいと考える派ですが、第三者立場から冷静に見た時、彼らの筋は通っている気がします。

    彼らの主張を崩す為にも、是非車両通行帯かわからない時の自転車の走行方法の解説をお願いします。

    なおこのコメント、CAPTCHA文字が出ていない時の方が多く、表示されたひらがな4字を入力しても違うと出るので、改良をのぞみます。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      まず8月5日の記事というのはこれのことだと思います。

      https://roadbike-navi.xyz/archives/24022/

      車両通行帯の場合が未記載という意味では無く、【そもそも車両通行帯は一般道では交差点付近のみ】と考えて欲しいという意味です。
      実態としての話ですが、一般道で全線が車両通行帯になっていること自体が【あり得ない】。
      これはいろんな警察関係者から聞いた話ですが、一般道で車両通行帯になっているとしたら、

      ・交差点付近の指定通行区分がある場所(左折や右折などのマーク)
      ・自転車通行帯
      ・バス等の通行帯

      これでほぼ100%に近いレベルで、カバーしています。
      車両通行帯という存在自体がそもそもほとんどないので、だからこそ交通の方法に関する教則でも【左端】と書いてあると思えばそれで十分です。

      これ、本来はどこが車両通行帯なのか、地図でまとめることも考えていました。
      しかし交差点付近のみ、しかも全ての交差点ではないという事情等を考えると、現実的でもありません。

      なので車両通行帯というのは、そもそもほとんど存在しないものと考えるべきというのが上の記事です。

      なおキャプチャの件は何度か書いているのですが、時間当たりの閲覧者様が多いと、どうしてもキャッシュファイルに接続されるため、キャプチャが表示されません。
      これ自体を改善すると、サイト閲覧速度が劇的に遅くなるので、難しいです。
      御用の際はメールをお願いしています。

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