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5600のブレーキ(BR-5600)を4700ティアグラのSTIで使うのはダメ??【質問いただきました】

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先日、アルテグラ(6800)のブレーキキャリパーが60%引きという記事を書きましたが、その中でSTIとブレーキキャリパーの互換性について簡単に触れました。

その中で、古い世代のSTIで6800ブレーキを組み合わせるのは互換性なし、ということを書きましたが、その逆で新しい世代のSTIで古いブレーキキャリパーはどうなのかという質問をいただきました。
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BR-5600(2世代前の105)をST-4700(最新型のティアグラ)で引こうと思うのですが、これは不可能なのでしょうか?
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回答いたします。

シマノブレーキのワイヤー比

シマノはあるタイミングから、STIとブレーキキャリパーのワイヤー比を変えてきています。

ワイヤー比を変える前までを旧型、変えた後を新型と定義した場合、以下のようになります。
・デュラエース   7800までが旧型、7900以降が新型(7900、9000、R9100)
・アルテグラ    6600までが旧型、6700以降が新型(6700、6800、R8000)
・105      5600までが旧型、5700以降が新型(5700、5800)
・ティアグラ    4500までが旧型、4600以降が新型(4600、4700)
・ソラ       3400までが旧型、3500以降が新型(3500、R3000)
・クラリス     2300までが旧型、2400以降が新型(2400、R2000)

クラリスについては、2400になって初めてクラリスという名前になりました。
2300までは名前は【2300】でしたね。

 

で、ここからが問題なわけです。

旧型STIと新型ブレーキキャリパーを組み合わせると、制動力が本来の125%となってしまい、レバーをちょっと引いただけで簡単にホイールロックする恐れがあるため、シマノは禁止にしています。
この組み合わせは【互換性なし】ということです。

とは言え、ネット上ではこの組み合わせにしている人もいます。
正直どうかと思いますが・・・

 

次に新型STIで旧型ブレーキキャリパーを組み合わせると、制動力が本来の75%になってしまいます。
これをシマノ的には【オススメはしないけど、禁止ではない】としています。

ブレーキは効きすぎるほうが危険、という考え方の下に、シマノはこういう表記にしているわけです。

BR-5600とST-4700の場合

この場合、新型STIと旧型ブレーキキャリパーの組み合わせということになりますので、シマノ的には【オススメはしないけど、禁止ではないよ】ということになります。
なので使ってダメというワケではありません。

 

なんですが、この組み合わせはブレーキが本当に効かなくなります。
下ハンドルからガッツリ握りこんでも、本来得られる制動力の75%しか発揮できないため、オススメはできないです。
特にヒルクライムする人ならば、下り坂で困ると思います。

 

フルブレーキするようなことってほとんどないと思いますが、要は減速したい場所でうまく減速できない可能性があり、ダウンヒルでのコーナーリングでは相当怖い思いをすると思います。
なのでこれはやめたほうがいいですね。

 

ついでに書くと、5600(105)も4700(ティアグラ)も同じ【ロード10速】です。
ですが、これをミックスさせる場合は互換性に注意です。

 

まず4700ティアグラのSTI(ST-4700)では、5600のフロントディレーラーは動かせません。
5600時代はSTIから出るワイヤーが触角タイプで、5700以降で非触角タイプ(ワイヤーがバーテープ内を通る)に変わりました。
5700時代のティアグラは4600系です。

 

ティアグラは4600⇒4700に進化する段階で、互換性のほとんどを失いました。
具体的にはフロントディレーラーがロングアーム化したことです。

そのため、ST-4700では5600のフロントディレーラーは動かせませんし、その逆で5600のSTIで4700のフロントディレーラーは動かせません。

 

次に4700はクランクとチェーンの関係性が変わり、MTB用チェーンを使用することとなっています。
そのため、旧10速(デュラエース~4600ティアグラ)とはクランクの設計が変わっているので、4700クランクを使うなら4700のチェーン、それ以外の10速クランク(例えばデュラエース7900とか、ティアグラ4600とか)を使う場合はチェーンをロード用旧10速(現存モデルだとCS-6700、アルテグラ)にしないと使えません。

 

同じ10速でも、4700ティアグラはややこしいのです。
現実的に、流用できるのはスプロケくらいしかありません。

5600などの古いコンポを使っている人は、互換性の問題からパーツ破損時の入手性が悪くなっているのは確かです。
なので壊れていないならとりあえず使えますが、いづれはコンポ一式交換を検討する日が来るでしょう。


Shimano – Ultegra (アルテグラ) 6800 ブレーキキャリパー


6800アルテグラのフルセットをサイクリングエクスプレスで見る




コメント

  1. やまびー より:

    4700と5700(7900など旧10速も含みます)ではリアメカの互換性もありません。スプロケットを11速対応フリーで使う際、5700は1.85+1mmスペーサーを入れるのに対し、4700は1.85mmのみとなることからわかるようスプロケット幅も異なります。

    どちらかというとSITの1速あたりの引き量は11速と等しいので、互換性があるとは言えませんがSIT11速のスプロケット4700の組み合わせで使えないのこともありません。旧デュラのホイールを使用したいため私は6800と4700の組み合わせで問題なく?使用しております。5700のSITでも試してみましたが、こちらはどれだけ調整しても話になりません。

    因みにチェーンはKMCの11速グレード、フロントクランク、ディレーラーとも6800です。

    個人的な感想も含まれており個人差はあると思いますが、間違い、反証等があればご教授いただければと思いますし、当方が正しければ記事を訂正していただきたいと存じます。

    乱文失礼いたしました。

    • roadbikenavi より:

      コメントいただきありがとうございます。

      まずリアメカの互換性については、やまぴー様が言う通りです。
      4700ではワイヤーの引き量が変更され、11s仕様の動きになっているので、5700STIで4700リアメカはうまく動きません。

      【流用できるのはスプロケくらいしかない】とい書いた通りです。

      次にスプロケ幅の件ですが、これは完全に間違っています。
      5700スプロケで1.85+1mmスペーサー、4700スプロケでは1.85mmのみという件は、その通りです。
      ではティアグラの前モデル4600のスプロケがどうだったのかというと、1.85mm一枚です。

      4600スプロケと5700(&67、79)スプロケが完全互換だったのはお分かりかと思います。
      同じ10sスプロケなのに、79デュラ~57の105のスプロケと、4600スプロケで構造がなぜ違うかということを考えればわかるのですが、要は4600スプロケは1mm分のスペーサーを分離できずに最初からスプロケ側に合体していると考えればよいのです。

      なぜこんな作り分けをしているかというと、過去に78かなんかのホイールで、シマノは【10速専用ホイール】というのがありました。
      10速対応ホイールではなく、【10速専用ホイール】です。
      これは9sでも8sでも使えず、10sスプロケしか付かないというシロモノです。

      なんでこれが存在していたかというと、シマノがデュラエースを9s⇒10sにモデルチェンジしたときに、9sデュラのユーザーが78ホイールを使えないように(要は新型デュラに買い替えろという意味)していただけで、それを達成するために差別化として10sスプロケから1mm分のスペーサーを分離できるようにしていました。
      78ホイールに10sデュラのスプロケを入れるときには、1mm分のスペーサーを抜いて使えという意味です。
      そうすれば9sスプロケよりもスプロケ幅が狭くなるため、78ホイールには9sや8sスプロケが付けられないという仕様でした。

      46ティアグラはこの1mm分のスペーサーが分離できない形状にしているだけで、57も46もスプロケ幅は同じです。

      そして47ティアグラですが、46ティアグラと設計自体は同じであって、ギアピッチは79、67、57、46と全く同じです。

      冒頭でも書きましたが、47では旧10速とリアディレーラーのワイヤー比を変えているので、57レバーで47リアメカを動かそうとすると、うまくいきません。
      11速以降、リアメカのワイヤー比が変更になっています。
      そのため、旧10速のSTI+10sスプロケ+11速リアメカでは正しく動きません。

      ですがスプロケ自体は旧10速と47は完全互換です。
      ちなみに47ティアグラのリアメカは、11速でも使えるようになっています。

      6800環境で4700スプロケットを使っているとのことですが、これについては本来は全く互換性がありません。
      なんですが、リアメカの可動範囲をハイローボルトできちんと制限して調整すれば、チャラつきは出ますが何とか使えなくはないレベルまで持っていけないこともありません。

      エドコのスプロケで、10sフリーに付ける11sスプロケという商品があるのはご存知でしょうか?
      シマノが10s⇒11s代替フリーボディを出さないので、エドコが救済策として【10sフリーにつける11sスプロケ】という商品を出しています。

      10sフリーボディと11sフリーボディでは、1.85mmの差がありますよね?
      スペーサー分の差です。
      なので11sスプロケが10sスプロケよりも1.85mm幅が広いわけですが、エドコの【10sフリー用の11sスプロケ】は、要は10sフリーの幅に11枚のギア板を作ったというだけの商品です。
      なので変速性能は劣悪です。
      劣悪ですが、使えなくはないんです。
      本来はリアメカの移動幅もあっていないはずなんですが、使えなくはないんです。

      やまぴー様がやっていることはこれと同じで、【本来は合っていないリアメカの移動幅だけど、とりあえず使うことはできる】ということになります。

      最後にまとめますが、
      ・スプロケ幅は、旧10速も4700ティアグラも同じです。
      【旧10速のスプロケ本体+1mmスペーサー】=【4700のスプロケ】です。

      ・リアメカの互換性は、旧10速と4700ティアグラではありません。

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