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4700ティアグラのスプロケと、旧10速スプロケ(5700、6700、7900)は幅が違う??

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先日書いた5600ブレーキと4700STIの組み合わせの記事にコメント頂いた内容で、【4700スプロケは旧10速(5700など)とはスプロケ幅が違う】という書き込みを頂きました。
これについてですが、見方によってはそうも見えますが、本質的には変わりません。

また幅が違うと捉えないほうがいいと思っています。



これについて何がどうなっているのか、解説します。

4700スプロケは旧10速スプロケと幅が違う??

旧10速というと、デュラエース7900、アルテグラ6700、105の5700、ティアグラ4600があります。
このうちティアグラ4600はひとまず置いといて、79~57までを旧10速として説明します。

 

よくネット上で見かける記事で、【11速対応ホイールに旧10速スプロケを入れる場合、1.85mmスペーサーと1mmスペーサーの2枚が必要】というものがあります。
これはその通りです。

 

で、4700ティアグラのスプロケを11速対応ホイールに入れる場合、1.85mmスペーサー一枚のみで十分です。
これにより【4700ティアグラのスプロケは、旧10速スプロケとスプロケ幅が変わった】と誤解している人がいますが、これは正しい理解とは言えません。

旧10速スプロケをホイールに入れる際の1.85mmスペーサーと1mmスペーサーの意味ですが、まずはこれを説明します。

1.85mmスペーサーは、これはホイール側に付属するスペーサーです。
この1.85mmスペーサーは、8s、9s、10sのスプロケを入れるときに使うものです。
逆に11速スプロケを使う場合は、このスペーサーを入れずにスプロケを入れます。

新品の11速ホイールを買うと、このスペーサーは必ず付属してきます。
ただし11速完成車を買った場合には、スペーサーが付いてくることはありません。

 

次に1mmスペーサーについてです。
この1mmスペーサーはスプロケの付属物です。
なので例えば6700アルテグラ(10速)の新品スプロケを買うと、このスペーサーが付いてきます。

これが何を意味しているかというと、79デュラ、67アルテ、57の105の3つについては、1mmスペーサー+スプロケ本体を合わせて【一つのスプロケ】という見方をします。

 

4700ティアグラの話に戻ります。
4700ティアグラのスプロケを11速ホイールに入れる際には、スペーサーは1.85mmスペーサー一枚と書きました。
この1.85mmスペーサーはホイールの付属物です。
スプロケ側の1mmスペーサーがないため、【4700ティアグラのスプロケ幅は、旧10速とは違う】と勘違いする人がいるのですが、これについては全く同じです。

4700スプロケの幅  = 1mmスペーサー+旧10速スプロケの幅

このような図式が成り立ちます。

なので本質的には全く同じものであり、ギアピッチ(ギア板間の距離)なども全く同じです。
これは見方を変えるならば、旧10速スプロケは1mm分を分離できる構造になっていて、47ティアグラのスプロケはこの1mm分を分離できない構造(つまりは完全に接着されている)ということになります。

 

ここで論より証拠。
2017-2018_Compatibility_v027_jp

 

4700ティアグラの互換性について見ればわかるように、ST-4700(ティアグラのSTI)に対するスプロケではCS-6700(アルテグラ)、CS-5700(105)、CS-4600(46ティアグラ)、CS-HG500-10(47ティアグラ)が列挙されています。

【旧10速スプロケは1mmスペーサーが必要だから、47ティアグラとスプロケ幅が違う】という表現は確かにスプロケ本体(スペーサーを除く)で考えるとその通りです。
ですがそういう見方をすると、あたかもギアピッチなどが変わって互換性がないような勘違いを起こします。

新品の6700スプロケなどを買うと1mmスペーサーが付属してくるのを見ればわかる通り、この1mmスペーサーはスプロケの付属物であり、旧10速スプロケは1mmスペーサーがないと成り立たないような構造をしていると考えたほうがスッキリします。




じゃあ旧ティアグラである4600のスプロケはどうなのかというと、これは47ティアグラのスプロケ(CS-HG500-10)と同じ構造です。
なので46ティアグラのスプロケを11速ホイールに入れる場合は、1.85mmスペーサーのみが必要です。

46ティアグラのスプロケを買っても、1mmスペーサーは付いてきません。

なぜに1mmスペーサーがあるのか?

※画像左下にあるのが、1.85mmスペーサーと1mmスペーサーの2枚です。これは5700スプロケ。

 

なんで1mm分を分離できる構造(旧10速)と、分離できない構造(46&47ティアグラ)が存在するのかという話です。

これの原因ですが、過去に7800デュラエースに【10速専用ホイール】というものがありました。
このホイールは、8sも9sも付けられません。
付けられるのは10速スプロケのみです。

 

ここで勘のいい人ならわかると思いますが、8sも9sも10sもスプロケ幅は同じです。
ここでいう10sのスプロケ幅というのは【1mm分のスペーサーを足した状態】を指します。

なので10sスプロケが入れば、普通は8sも9sも入ります。
ですが10sスプロケしか入らない構造です。

 

ここで先ほどの1mmスペーサーの話に戻りますが、この【10速専用ホイール】に10sスプロケを入れる場合、【1mmスペーサーを抜いて入れる】というのが正解です。
そうすれば8sや9sよりもスプロケ幅が短くなるため、10s専用ホイールというのが成り立っています。




なぜ10s専用ホイールが存在していたかというと、元々デュラエースは7700まで9速コンポでした。
7800になって10速化したわけですが、要はシマノの戦略として【最新型の7800ホイールを使いたければ、コンポは10速にグレードアップしてね】というコンポの買い替えを促したわけです。
なので当時の最新型である7800ホイールを使いたい人は、コンポも7800にしないと使えないという状況を作り出しました。

 

ですがこの10速専用ホイールは非常に評判が悪く、7900デュラのホイールでは【10速専用】は廃止になり【8~10s対応ホイール】に戻ったわけです。

 

そのときの名残で、7900デュラ、6700アルテ、5700の105のスプロケは1mm分を分離できる構造になっているだけです。

 

ティアグラ4600も10速ですが、これが登場した頃にはすでに【10速専用ホイール】もほとんどありませんでしたし、1mm分を分離できる構造にする必要性もありませんでした。
なので分離できずに合体している状態にしているのが4600ティアグラのスプロケです。

 

4700が登場した頃には、すでに【10速専用ホイール】自体が流通していませんので、1mm分を分離できる構造にする必要性もなく、4600ティアグラを踏襲して1㎜分を分離できない構造のスプロケになっていると思われます。

旧10速も4700スプロケも、本質的には全く同じものです。
分離できるかどうかの違いだけです(細部の仕上げについては違いますが、ギアピッチなどは全く同じという意味)。

4700リアディレーラーと旧10速

前回記事で面倒だったのでちょっと省いて書いたのですが、4700リアディレーラーは旧10速STIと組み合わせても正しく動きません。
これは11速コンポ以降、ワイヤー比が変更になっているためで、4700ティアグラも11速コンポに準じたワイヤー比となっているため、例えば5700のSTIで4700のリアディレーラーを組み合わせてもうまく動かないようになっています。
その逆もうまくいきません。
4700のSTIに5700のリアディレーラーを入れても、正しく動作しません。

 

その代わり、11速のSTIと4700リアディレーラーを組み合わせた場合は、一応使えます。
ただしシマノの互換性情報ではNGとなっています。
なのでこれについては自己責任でとしか言えません。

シマノの近年のモデルは、わかりづらい

近年のシマノは、正直なところわかりづらいことが多いです。
4700ティアグラについても誤解している人が多く、旧10速とスプロケ幅が変わったという質問をよく受けます。

ですが、上に書いたように本質的には何ら変わりません。
シマノの互換性情報でも、旧10速のスプロケと4700ティアグラのスプロケは完全互換です。

今年のシマノはさらに意味が分かりづらく、例えばWH-R9100-C40のクリンチャーホイールの問題が挙げられます。
前作の9000系のホイールはC35だったので【リムハイトが5mm上がった】と勘違いしている人がいますが、リムハイトは変わっていません。
同じ35㎜ハイトです。

メーカーサイトではR9100-C40のリム幅がC17と書いてあるのでワイドリム化したと思っている人もいるようですが、シマノに確認したところ対応タイヤ幅は【23~28】と明言されました。

シマノが言うには、9000-c35とR9100-C40ではリムの製造工程が変わったが、ほぼ同じものと言っていました。
超分かりづらいですが、9000-C35とR1900-C40は全く同じホイールと見ていいでしょう。
変わったのはネーミングくらいです。
ちなみに9000-C50とR9100-C60も同じです。

Shimano – Dura Ace (デュラエース) R9100 C40 カーボンクリンチャーホイールセット

重量 F674g、R834g

ペア1508g

スポーク数 F16、R21
23cタイヤ
リム高 35mm
リム素材 アルミ(カーボンラミネート)

 

7900⇒9000にデュラエースがなって11速化したときに、シマノは頑なに10速ホイールを11速させませんでした。
11速コンポを使いたいなら、ホイールごと買い替えてという方針です。

 

他のほとんどのホイールメーカーは11速代替フリーボディなどを出すことで解決してきましたが、シマノだけは頑なにそれを出していません。
R9100ホイールも、実質的に9000系と同じであることもあまり公表されていない気がしますが、進化したと思って買い替える人がいたら気の毒だなと思っちゃいます。
シマノの買い替え戦略はどうにも好きにはなれませんが、よくよく互換表を見たり、いろいろ調べていないとシマノ製品については間違った解釈をしがちになります。
なので自己防衛のためにも、互換表のチェックとか情報収集は必須なわけです。

 

このような戦略のシマノが好きになれなくても、実質的にコンポと言えばシマノですし(カンパは高い!!)、ユーザーはそれに従うしかないんですけどね。




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