フリーパワーというクランクは、ロードバイクに向くのか?

前にもちょっと書いているのですが、

あるところで専売されている、自由力という棒的回転装置があります。 自転車であれば、必ず二本ついているのが某的回転装置。 左右の棒を足で動...

フリーパワーというクランク、それなりに気になる人っているようで、何件か質問が来ていました。
先に結論から言いますと、私にとってはロードバイクには全く向かないクランクだと断言します。

その理由などを。

そもそもフリーパワーをロードバイクに搭載できる条件

まずそもそもですが、フリーパワーはフロント変速が使えません。
なのでフロントシングル仕様になってもいいというのであれば、FDを外せば原則としては使えるようです。

フロント変速は捨てるというのが大前提です。

次の問題点。
対応するBBがスクエアテーパータイプのみとなっているので、ちょっとややこしい。

ロードバイクの場合、安い完成車だとこのタイプもあると言えばありますが、フレーム側の規格がJISとかITAであれば単純にBBを交換して何とかなる。
それ以外だと・・・アダプターを使って何とか出来る場合もあるでしょうし、何ともならない場合もあるでしょうし。
BB386とかPF86って、スクエアテーパーBBを入れるためのアダプターなんて存在するとは思いませんが、このあたりは詳しくないので探せばどこかに存在するかもしれないし、基本は無理だと思っていたほうがいいかも。

フレーム側のBB規格が、JISかITA以外だと諦めたほうがいい。

フリーパワーのサイトを見る限りですが、ロードで使えそうなものは以下の3つ。

FG1 M36PPFG1 M42PPFG1 M48PP
歯数36T42T48T
クランク長127/140/152/165152/165/170152/165/170
重量約950g(160mm)約1080g(170mm)約1160g(170mm)
対応外装ギア(外装6段から9段
値段(税込)11,00012,10013,200

ソラとクラリス以外の人は、終了です。

6s~9sしか対応していない。

なのでそもそも、取り付け出来そうなロードバイクはかなり限定されていることになります。

ロードバイクに付けても基本は無意味かと

このクランクの原理ですが、踏む力で内部にあるシリコーンを圧縮し、下死点や上死点などのデッドセクションで圧縮されたシリコーンが開放されて、それが推進力に繋がるという原理です。

以前この自転車に試乗した時に、フリーパワーなるクランクが付いていたのですが、

初動の踏み込んだ瞬間、後輪の挙動がワンテンポ遅れるようなイメージでした。
そこから一定の速度で等速運動する分にはいいのですが、加速する際はまた遅れる感じになる。

漕ぎだしが軽いみたいなウリになっているのですが、私の感想としてはむしろ逆で、漕ぎ出しはむしろ重い。
一定の速度でクランクを回す分にはまあ悪くはない。

漕ぎ出しが重いので、登坂はむしろ不利だと思うんですね。
平坦で低速で乗るのであればフリーパワーでも悪くはないかもしれませんが、スポーティーな走りとは対極の方向に行くと思うので、ロードバイクで使うのはデメリットのほうが大きいと思います。

そもそもですが、ロードバイクの場合って、サドル高をしっかり上げています。

上死点で詰まるような感触自体がママチャリよりも少ないので、上死点がママチャリほどデッドセクションにもなっていない。
しかもペダリングは、踏むよりも回す傾向。
雑に踏みまくるペダリングであればもしかしたらフリーパワーはいいかもしれませんが、回すペダリングの人には正直メリットよりもデメリットが大きいと思います。

私が試乗した時も、雑に踏む感じと、普段通り回す感じの両方を試していますが、私の感触だとどっちもどっちで大差なし。
とは言え、回すペダリングに慣れていない人であれば、もしかしたらいいのかもしれません。
そういう意味では、ビンディングペダルとも相性は良くないと思います。
回すよりも雑に踏む人向け。
とは言っても、スプリントみたいな状態にも向かない。

シマノのクランクなんてわかりやすいところですが、グレードが上がれば上がるほどクランク自体の剛性は上がります。
デュラ~105までは中空クランク構造で剛性を上げているし、グレードが上がるほど剛性は高い。
フリーパワーはその対極みたいな感じなので、スポーツサイクルとの相性は正直ナシの方向かと。

夢のクランク・・・ではない

強いてフリーパワーを使ったほうがいいかなと思うロードバイクの乗り方があるとしたら、低速で平坦のみを乗る人なんじゃないかと思います。
フロントがシングルになる上に、マックスで9速までしか対応していない時点でロードバイクには全く向かないクランクですが、初動がやや苦手なので、登りだと普通のクランクのほうがロードバイクにはいいです。

ママチャリにはママチャリに必要な性能があって、ロードにはロードに必要な性能がある。
普通にロードバイクに乗る人には、フリーパワーは全く向きません。
へにょへにょした剛性が低いクランクに感じちゃうと思います。

けどママチャリ分野では、一部の人は絶賛している(?)ようなので、このクランクは恐らく乗り手を選ぶものかと。
私にとっては、登坂との相性は最悪だと思いますし、試乗した時のスタッフさんも全く同意見で、電動アシストのような登坂力をイメージしているならお門違い。
けど一部の人は登りでいいというので、ペダリングの癖やリズム次第では合う人は合うし、会わない人にはサッパリなのかもしれません。

ちなみにこれ、単体販売していないので専門店で取り付け依頼するしかありません。
ロードバイクのクランクだと、硬いほうがほとんどの人にとってはメリットがあると思います。