サイクリングロードは歩道?車道?どっちなの?

このようなご意見を頂きました。

荒サイは「埼玉県道155号さいたま武蔵丘陵森林公園自転車道線」だから車道。
歩行者優先ではなく、自転車が優先なのだ。

ちょっと話が長くなりそうだったので、記事で回答します。

サイクリングロードは車道?歩道?

確かに荒サイの正式名称は「埼玉県道155号さいたま武蔵丘陵森林公園自転車道線」。
境川も正式名称は神奈川県道451号藤沢大和自転車道線。

これは単なる行政名なので、道交法上でどう扱われるのかは関係ありません・・・

結論から書きます。

ほぼ全てのサイクリングロードは、道交法では【道路】。
車道と歩道(もしくは路側帯)の区別が無い道路です。

道交法では、道路、車道、歩道と別々で定義しています。

一 道路 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第二条第八項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。
二 歩道 歩行者の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された道路の部分をいう。
三 車道 車両の通行の用に供するため縁石線若しくは柵その他これに類する工作物又は道路標示によつて区画された道路の部分をいう。

道路法2条1項⇒道路法3条で規定されているのがこちら。

(道路の種類)
第三条 道路の種類は、左に掲げるものとする。
一 高速自動車国道
二 一般国道
三 都道府県道
四 市町村道

県道なので、まず道路になります。
そんでもって、車道と歩道の区別が無いのは明らかなので、道交法上は道路です。

道路の中で、区画線や構造物で車道と歩道を区切っていないのは明らかですね。

サイクリングロードって、基本はこの標識がついています。

この標識は3つの意味があります。

種類番号表示する意味備考
自転車及び歩行者専用325の3①道路法第四十八条の十四第二項に規定する自転車歩行者専用道路であること。サイクリングロード
②交通法第八条第一項の道路標識により、普通自転車以外の車両の通行を禁止すること。サイクリングロード・住宅街など
③交通法第六十三条の四第一項第一号の道路標識により、普通自転車が歩道を通行することができることとすること。自歩道

この標識が歩道にある場合は自歩道と呼ばれ、自転車は徐行義務があります。

(普通自転車の歩道通行
第六十三条の四 普通自転車は、次に掲げるときは、第十七条第一項の規定にかかわらず、歩道を通行することができる。ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
一 道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができることとされているとき。
二 当該普通自転車の運転者が、児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき。
三 前二号に掲げるもののほか、車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき。
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。

もしサイクリングロードが歩道だったら、自転車は常に徐行義務があることになってしまう。
もちろんそんなことはありません。

歩道ではなくサイクリングロードにあるときは自転車と歩行者のみが通行可能な【道路】になります。

・道交法⇒交通ルールの法律
・道路法⇒道路の作り方の法律

ということでサイクリングロードは道交法では【道路】です。
荒サイの下流域については【一般交通の用に供するその他の場所】になるので道路です。

【歩道のようなもの】と言われる理由

一般的にサイクリングロードについては、【歩道のようなもの】と言われます。
実際警察もそのような認識になっていることが多いです。

道交法では道路扱いなので、自転車と歩行者それぞれに義務が生じます。

自転車歩行者
根拠法18条10条1項
条文
1 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
2 車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。
歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。

つまりこういうこと。

自転車歩行者
通行位置左側端右側端(もしくは左側端)
安全義務歩行者の横を通るときは、側方距離を取るか、徐行する義務

歩行者も右側端通行義務があるんですが、これ自体に直接的な罰則が無く、警察から指示されても従わない場合のみ罰則がある(法15条)。
自転車は18条2項の規定で、歩行者との間に側方距離を取るか、徐行する義務があるけど、こちらは罰則がある。

こういう形なので、事実上は歩道に近い存在・・・になってしまうのが現状。

歩行者がサイクリングロードのど真ん中を歩いていても、警察からの指示が無い限り罰則もない。
ど真ん中を歩く歩行者に自転車が突っ込めば、18条2項の規定に反する。

なので事実上は歩道みたいなもんなんですね。

18条2項ではこのようになっています。

2 車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。

安全な距離というのは明確な規定はありませんが、よく自転車乗りの人って、車が自転車の側方を通るときは1.5mと言いますよね。
これは歩行者と自転車の関係でも同じようなもの。
さらに道交法での徐行というのは、速度でいうと10キロ未満と言われます。

これは境川の狭い場所ですが、これで道路幅ってどれくらいあるのかわかりません。
18条2項では側方間隔が規定されていませんが、車が追い越すときに1.5m空けろ!という人は、当然歩行者に対しても同じ。
1.5m空けることが難しい場合は、徐行(10キロ未満)と言われますが、道交法での定義はこうなっています。

二十 徐行 車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。

もし側方間隔が1.5m必要で、それが無理なときは10キロ未満に減速するというなら、サイクリングロードを走っているロードバイクなんてかなりの確率で違反になります。
私がCRを走るときは、歩行者が気が付くまでは側方通過しないようにしますが(後方待機)、実態としては歩行者のすぐ横をビュンビュン飛ばしていくロードバイクが多いですからねぇ・・・

例えばこれ、多摩サイの一部ですが、

かなり狭いところなので、歩行者がいるときは事実上、10キロ未満まで減速して通過する義務がある。
歩行者も右側端もしくは左側端通行して欲しいですが、何とも言い難い微妙な位置を歩いている歩行者もいますし。

たたまあ、前にも書いたこれ。

先日も書いた件です。 片側2車線道路で、左第1車線のど真ん中付近を走行しているので...

この位置を通っていて左側端だと言い張るような人は、サイクリングロードで歩行者に側端に寄れなんてとても言えませんね。

サイクリングロードは車道ではないです

サイクリングロードは車道でもなく、歩道でもなく、道路というのが正解。
ごく一部、自転車専用道になっているところがあるなら、そこは車道ですが。

結局のところ、ほぼ歩道みたいなもんになっているわけですし、歩行者がCRのど真ん中を歩いていても、自転車側には18条2項の規定で、安全間隔保持義務か徐行義務がある。

歩行者にも右側端通行義務はあるけど、事実上罰則もないようなもの。

サイクリングロードなんて、シティサイクルでヘロヘロ走る場所であって、ロードバイクがガンガン走る場所ではないですよ。
道路の名前で【自転車道線】だから道交法でも車道というのは間違いです。