情報精度。

よく、インターネット上の情報は精度が低く信用性が低いと言われます。
これについてはその通りで、間違いに気が付かずに正しいかのように書くようなバカもいるし、たいして調べもせずに間違ったことを平然と流すようなバカもいる時代。

ただまあ、インターネットだからとか、本だからとか、専門家だからとか、素人だからとか、そういう区切りをつけることにはなんら合理性を感じません。
本でも間違いなんて普通にあるし、専門家でも普通に間違いはある。

「ネットだから」という言い訳

有名な解説書でも普通に間違いは書いてあるので、どんな情報であっても疑ってかかるというのが正解
ネットの情報だから疑ってかかるみたいな限定的解釈をするならば、所詮はその程度の人間だということ。

見えている世界の違いというか、私の場合はどんなものでも疑ってかかります。

行政訴訟で経験したことですが、行政側はある著名で格式が高い専門書の一説を引用して、根拠としていました。
裁判では、その学説は全面的に否定されました。
そもそもその専門書に書いてあったのも「〇×と捉えることが不可能ではないように思える」という私見に過ぎないもの。

しかもその本をさらに読めば、「日本では一般的にそのようには解釈されていない」みたいな文言も続くわけで・・・

道交法解釈で定評があるのは、執務資料道路交通法解説という本です。
警察本部とかでもよく使っているっぽいのですが、私がこの本を無条件に信用するのかというと、全くそんなことはあり得ない。

時折怪しい表記もあるし、論理的な整合性が合わない表現になっている箇所もある。
なのでほかの専門書と比較したり、国会議事録や判例などもすべて検討して結論を導く。

こういうのってインターネットだから信用性がないのではなくて、どんなものでもレベルの差はあれど、無条件に信用するほうが間違い。
執務資料に書いてあるから常に正しいとも思いませんし、整合性が取れない表現があれば徹底的に調べる。

ネットだからとか、専門家だからとか、素人だからとか、凄ーくどうでもいいこと。
裁判官ですら間違うことは以前も示したと思いますが、全てを鵜呑みにするのではなく、間違いがあるという前提で全てを見る。

けど、問題追及能力とか読解力が乏しいと、「ネットだから」とかどうでもいいところに注目する。
それでは人間的な成長も望めない。

判例の意味と読み方

車両通行帯に関わる判例を見ていると、詳しいことは準備書面から検討しないとわかりませんが、片側3車線道路だからということで車両通行帯扱いしているんだろうなと思われる判例もあります。
もちろん民事での判例です。

何でこういうことが起こるのか?ということなんですが、民事訴訟は弁論主義、当事者主義なので、双方に争いがないことはそのまま事実になるからです。

ある判例を見ていて、被告(事故の加害者:車)と原告(被害者:自転車)の争いがありました。
自転車が第1車線の右寄りを走行していて、追越し時に後続車がひっかけたみたいなもの。

被告の主張としては、

いろんな人
いろんな人
歩道に自転車レーンがあるのだから、自転車はそこを走るべきだし、車道であれば左端を走るべきだから原告の過失は大きい。

こういう主張をしていたとします。
中身を読んでも何のこっちゃ?という感じですが、恐らく、歩道上にある【普通自転車通行部分】のことではないかと思われます。

原告の主張は

読者様
読者様
片側3車線の車両通行帯だから、第一通行帯の中であればどこでも問題ない(法20条1項)。

こういう反論をする。
ここからが問題です。

A:【その部分は破線(白線)のみであり、片側3車線ではあるが車両通行帯であることを示すものはない。従って原告は、法18条1項に基づき、車両通行帯が無いのだから左側端を通行する義務がある】

B:【車両通行帯であっても、キープレフトという道路上の普遍的な法則に則り、原告は左端を走るべきだったのであるから過失がある】

Aの主張をすると、車両通行帯かどうかの争いになる。
Bの主張をすると、その道路は車両通行帯であることを被告も認めているので、車両通行帯かどうかは争点にできなくなる。

裁判所が独自に調査することは出来ないので、当事者間で認めた部分は争点にできないんですね。
これが弁論主義。
一度【認める】と答弁したことについては、後から訂正できませんし。

弁護士が付いていても、反論を間違っているんだろうなと思うような判例ってそれなりにあるのが実情。

専門家だから正しいことを主張すると思う人って、本当にかわいそう。

判例を読むときって、当事者の主張と争点を明らかにして、裁判所がどう判断したかを読む。
こういう基本がわかっていない人って、どうでもいいところを【裁判所が認めた!!】などと騒ぐ。

これでも書いたのですが、

先日の記事に少し補足。 そもそも自転車が通る左側端って??というところが不明瞭ですが、一応判例があると言えばあ...

先日もちょっと書きましたが、 この中で取りあげたキープレフトの判例。 車同士の衝突事故ですが、左側端2m空け...

静岡地裁浜松支部の判例を元に、

読者様
読者様
軽車両の通行分は2m認められている!

こういう謎解釈に陥る人がいますが、こういう具体的な数字って特に意味はありません。
【その道路で】【お互いの車両幅と】【お互いの速度や後続車の状況を検討し】【その事故で違反と言えるのか?】を判示している数字に過ぎない。
だからほかの判例でも示したように、左側端1.5m空けて通行していたオートバイにキープレフト違反を認めた判例もあるし、左側端2m空けて通行していた自転車に18条1項のキープレフト違反があると判示しているものもあります。

2m認められている!と謎メールを送ってきた方がいましたが、正直なところその程度の知識と解釈力では話にならない。
議論が成立する以前のレベル。

意味があるのはこれくらいですよと示しましたが、

各種車両の交通頻繁な箇所では、最高速度時速30キロメートルの原動機付自転車は、本条の立法趣旨を尊重し、軽車両同様できるだけ第一車線上の道路左側端を通行して事故の発生を未然に防止すべきである。

昭和48年1月19日 福岡地裁小倉支部

罰則がないし具体性が乏しい規定なので、左側端の範囲も明らかではない。
だから、判例上で意味がある表現って、こういう法解釈に関わる場所だけ。

第一車線と書いてあるように、複数車線道路の話になりますが、複数車線道路でも自転車はできるだけ左側端に寄って通行すべきだとしている。

前に38条の判例ガーと言っていた人もいますが、

先日このような記事を書いたのですが、 記事でも書いたように、横断歩道=歩行者のためのもの、自転車横断帯=自転車...

判決文を読めばわかると思いますが、この判例って争点がそもそも38条が成立するか否かではなくて、歩道上の自転車が横断する予兆があると言えるのか?になっています。
ザルだという割には判決文の読み方もわからないのかとガッカリしました。

どこが争点で、どこが当事者間で認めているのかを見ないと意味が分からなくなる。
まあ、原告の主張を判例だとして取り上げるレベルの人は、もっと話になりません。

最近、判例の読み方と意味を全く理解してない人が多いのかなと思うことが多いのですが。 ちょっと前にツイッターで動画を挙げていた人。 ...

おかしな主張する人ってホント多い

最近特に思うのですが、【自分は知っている人っぽい感じ】を演出することには長けているけど、中身すっからかんの人って意外と多いなと思いました。

弁護士が主張していれば正しいこと、と勘違いする人もいるのですが、そもそも弁護士って、法廷で必ず勝つわけでもないし、自分の主張が全面的に否定されることもある。
【主張自体失当】という用語もあるように、バカなんじゃないかと思うような無意味な主張を繰り返す人もいる。

私も相手方弁護士から、主張自体失当だ!と散々書かれましたが、何のことは無い全面勝利。
そんな人たちが語ることって、普通に疑わしきものだとしか思いませんし。

弁護士は、素人さんよりは多少まともな主張をしそうだなという予想は出来ても、予想の域を超えるとも言えない。
昔、弁護士が何人か揃って法律相談するテレビ番組もあったと思いますが、あれでも意見は割れる。

肩書で判断するとか、なんら合理性がない。
肩書崇拝主義だというなら別ですが。

けど一番厄介なのは、調べることもせずにデマを平然と流すような人。
調べると言っても、ちょろっとネットで検索した程度では話にならなくて、専門書を複数読んで、判例や国会議事録から検討しないと理解できないようなものもある。

教習所で習ったとか、経験が豊富だとか、どうでもいいところを重視する人もいるみたいですが、何ら根拠にもならないどうでもいいところよりも主張自体がまともかどうかだけで判断しないといけない。
専門家ですら間違うのは歴史が証明していること。

自分を何者かであるかのように錯覚しちゃう人っているんですが、自分は何者でもない、という立ち位置に置くことで、調べようという意欲が起こる。
知っている人ではなくて、知らない人なので徹底的に調べる。

前に市販されているものであれば問題なく使えるはずとか意味不明な主張をしているのを見たことがありますが、それを否定するものは多々ある。
ロクに調べもしないから、長文書くことはSEO目的だとか、完全な間違いを元に批判するような残念な人もいる。

主張自体がまともなのか、失当なのか。
それだけで判断する癖付けをしないと、真実にたどり着くことは出来ないままなんだろうな。

見えている世界、知っている世界が狭すぎるために、他人を勝手に違法認定するような人もいますし、いろんな意味でかわいそう。
嘘を書いてもバレないだろうと思うような人もいて、裁判なんてしてもいないのにしたことにしてみたり、弁護士が動いているかのように書いてみたり。
見りゃわかるんだよね。

リスク管理

そういえばまた最近、記事にコメントできない話をよく頂くのですが、これについてはご勘弁ください。

ロードバイクに直接関係する話題でもないのですが。 ありがたいことに当サイトは、多数のメールを頂くのですが、ここ最近特になんです...

普段すべてのメールをGMAILで読み込んでいるのですが、5つのアドレスが一つのGMAILに集約されています。
GMAILを使うのは理由があって、セキュリティが高いこと。
スパム系メールは、ほぼ例外なく迷惑メールフォルダに入ります。

スパムメールって開くだけでもリスクがあるものもあるので、ある意味では助かってます。
毎日100件以上のメールが来るので、迷惑メールフォルダも一通りチェックしますが、間違って迷惑メールフォルダに入ったものをピックアップするだけの作業。
ここのメールも時々、迷惑メールフォルダに入ってしまうので・・・

メールソフトによっては、レビューとしてすべて開封してしまうものもあるので、そういうのはリスクがあるので使わない。

スパムメールを開封して、偽サイトへの誘導ガーとか言う人っているんですが、自らセキュリティ管理が低いことを露呈していると理解できる。
普通、疑わしきメールは開きませんからねぇ。

仕事関係での営業メールもあるのでなかなかややこしいですが、スパムメールを堂々と開封してしまう人ってある意味ではリスク管理に問題があるとも言えるわけで(ネット関係に詳しくないなら別ですが)、そういうのって全部つながっているんだなと思う。
道路上での危険行為を堂々と書いているようなリスク管理に難がある人が、スパムメールを開封してドヤ顔しているなら、やっぱりなと思うだけですし。

気をつけている気をつけていると口で言うのは簡単だし誰でもできる。
言動が一致しているか、不一致なのかでその人のリスク管理の度合いが見て取れるので面白いですね。