歩行者であっても違反は違反。

歩行者と原付の接触事故で、歩行者が書類送検されたという報道がありました。

高知県警高知南署は22日、横断歩道を歩行中に原付きバイクと接触して運転手にけがをさせたとして、高知市内在住の男性(51)を重過失傷害容疑で書類送検したと発表した。認否は明らかにされていない。

送検容疑は7月15日午後7時40分ごろ、高知市鴨部3の横断歩道で、国道56号を北東方向に進行中の原付きバイクと接触。バイクを運転していた30代男性を転倒させ、左手の骨を折る重傷を負わせたとしている。

高知南署によると、現場は片側2車線の直線道路。事故当時、歩行者側の信号は赤色で、車側は黄色点滅だったという。接触により双方が転倒したが、歩行者の男性に大きなけがはなかったとみられる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bf198384d02d48623f19ee86e2d61eb10e8ffc8f

歩行者であっても違反は違反

この事故ですが、具体的にどの横断歩道なのかは不明ですが道路はこれです。

幹線道路といっても良さそうな広い道路。
さて、原付が黄色点滅、横断歩道が赤だったとのことなので道交法的にはこうなります。

信号の種類信号の意味
黄色の灯火の点滅歩行者及び車両等は、他の交通に注意して進行することができること。
人の形の記号を有する赤色の灯火一 歩行者は、道路を横断してはならないこと。
二 横断歩道を進行しようとする普通自転車は、道路の横断を始めてはならないこと。
(信号機の信号等に従う義務)
第七条 道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第一項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。

歩行者だろうと車両だろうと、信号機に従う義務がある。
このケースでは原付は注意義務があるものの進行可能、歩行者は横断禁止状態なので、歩行者側の違反が顕著ということですね。

さてこの件、書類送検容疑は重過失傷害です。
道路交通法違反ではありません。

(業務上過失致死傷等)第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする

刑法211条後段の重過失傷害になっているわけですが、このケース、原付側が大怪我をしている以上、加害者は歩行者側になります。
信号無視という重大な過失によって他人を傷つけたわけなので、重過失傷害での書類送検。

道交法違反容疑ではないです。

これ、大怪我したのが歩行者のほうだった場合には、原付のほうが自動車運転処罰法による過失運転致傷に問われる。
大怪我したのが原付の方だったので、歩行者を書類送検しただけのこと。

歩行者は交通弱者に当たるわけですが、弱者だから信号無視が許されるわけでもなく、信号無視が無かったら原付の運転者が大怪我をすることもない。
なので刑法重過失傷害での書類送検となっているわけです。

弱者を語る強者

歩行者が書類送検された事例は過去にもあります。

https://news.yahoo.co.jp/byline/maedatsunehiko/20190613-00129877

このケースではバイクが青信号、歩行者が赤信号だった上に、歩行者も回避行動を取っていなかったことや、バイクの運転者が死亡していることも書類送検された理由かと。
バイクの運転者も書類送検されていますが、死亡しているので終了です。

信号機がある道路では、道路上の歩行者も車両も信号機に従うことを前提に動いているわけなので、交通弱者だたかといって信号無視して、その結果他人を怪我させたなら重過失傷害になりうる話。
赤信号で渡ろうとする歩行者っているにはいるので、本当に気をつけていないといけないわけですが、防ぎようがない事故も当然出てくる。

何か最近、やたらと車を悪者扱いする人が増えているように感じますが、歩行者だから常に保護対象なわけでもなくて、信号機を守る歩行者が保護対象。
信号を守らない保護者も全力で保護せよなんてバカな話は無いので、こういうのはきちんと取り締まってほしいところ。

ただまあ、書類送検というのは単なる事務手続きに過ぎないので、起訴されるのか、不起訴処分なのかはまた別問題。
起訴されたとしても、執行猶予になるでしょうけど。

けどこういうのって、歩行者が加害者になるわけで、きちんと賠償できるのかはやや謎です。
車同士なら自賠責に入っているわけですが、歩行者が何らかの保険に入っていない場合は自腹清算。

歩行者も道路上では責任を負うことは、マジで知っていて欲しいところです。
何でもかんでも交通弱者ではないですし、赤信号無視の歩行者でも常に守れというなら、怖くて自転車すら乗れませんし。

原付と歩行者の接触なので、車と違って原付の車幅の問題から回避できる余地はあったはず。
けど接触事故が起こるという意味を考えれば、何があったのかわかりそうなもんですが、事故ってその後の賠償責任の件もあるので詳細はプレスリリースしないんですよね。
よほどのことが無い限り。