普通自転車と異常自転車。

なんか数日前からツイッター上で騒がしい出来事があったみたいですね。
リカンベントバイク(?)かなんかを歩道で押して歩いている人に対し、普通自転車のサイズを超えているから歩道を押して歩けないルールなんだ!みたいな話だったようですが・・・

普通自転車

そもそも普通自転車という枠組みと、歩道を押して歩けるかどうかは全く関係が無い話。

普通自転車の反対語って、まさかの異常自転車??
いやいや、正式な用語はないですが、普通の反対語は異常でもあるけど、このケースでは特殊自転車と言ったほうがいいのかもしれない。

それとも普通の対義語として、希少のほうが合っているのか??
普通自転車と希少自転車。

何かプレミア感があっていいですね。

さて乗らずに押して歩く場合の条文。
道路交通法2条3項2号ですね。

3 この法律の規定の適用については、次に掲げる者は、歩行者とする。二 次条の大型自動二輪車又は普通自動二輪車、二輪の原動機付自転車、二輪又は三輪の自転車その他車体の大きさ及び構造が他の歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当する車両(これらの車両で側車付きのもの及び他の車両をけん引しているものを除く。)を押して歩いている者

こういうのって、分からなくなったら分解して整理すればわかる話。

押して歩けば歩行者扱い除外規定
1大型自動二輪車側車付きのもの及び他の車両をけん引しているもの
2普通自動二輪車
3二輪の原動機付自転車
4二輪又は三輪の自転車
5その他車体の大きさ及び構造が他の歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当する車両

5が省令で定める車両に当たるわけですが、省令の規定はこちら。

道路交通法施行規則

(押して歩いている者を歩行者とする車両の大きさ等)
第一条の五 法第二条第三項第二号の内閣府令で定める基準は、次に掲げる長さ及び幅を超えない四輪以上の自転車であることとする。
一 長さ 百九十センチメートル
二 幅 六十センチメートル

なのでこれを上の表に組み入れるとこうなる。

押して歩けば歩行者扱い除外規定
1大型自動二輪車側車付きのもの及び他の車両をけん引しているもの
2普通自動二輪車
3二輪の原動機付自転車
4二輪又は三輪の自転車
54輪以上の自転車で、長さ190センチ以下、幅60センチ以下の車両

そこまで難しい話ではない。

けどまあ、昔から一定数いますが、違反ではないのに違反だと騒ぐような人。
日中、リアライトも反射板も装備されていないロードバイクを盗撮して、違反だと騒いでた人もいました。
日中であればライトも反射板も装備義務が無いので何ら違反ではない。

装備義務があるのは、夜間、トンネル内、濃霧、視界が50m先まで効かない場所だけ。
まあ、安全のためにはデイライトするのが当たり前になりつつあるのですが、法的には何ら違反ではない。

ちなみに普通自転車が関係するのは、自転車道とか歩道【走行】の場合。

(自転車道の通行区分)
第六十三条の三 車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽けん引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。

道路交通法施行規則

(普通自転車の大きさ等)
第九条の二の二 法第六十三条の三の内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
一 車体の大きさは、次に掲げる長さ及び幅を超えないこと。
イ 長さ 百九十センチメートル
ロ 幅 六十センチメートル
二 車体の構造は、次に掲げるものであること。
イ 四輪以下の自転車であること。
ロ 側車を付していないこと。
ハ 一の運転者席以外の乗車装置(幼児用座席を除く。)を備えていないこと。
ニ 制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること。
ホ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。

確かにややこしいと言えばややこしいのかもしれないけど、法律は分からなくなったら文章をバラバラに解体して読んだほうが分かりやすいと思う。
気をつけたほうがいいのは、法律には限定列挙と例示列挙というものがあって、上で挙げたのが限定列挙。
例示列挙というのはこういうの。

京都府自転車条例

第3条 自転車を利用する者は、道路交通法その他の法令の規定を遵守するとともに、次に掲げる事項を励行することにより自転車の安全な利用に努めなければならない。
(1) 交差点内を通行しようとするときは、必要に応じ一時停止又は徐行をするなど車両及び歩行者に注意して運転をすること。
(2) 携帯電話、イヤホン又はヘッドホンを使用しながら運転をしないこと。
(3) 歩行者の通行の頻繁な歩道及び路側帯(以下「歩道等」という。)では自転車を押して歩くこと。
(4) 歩行者が通行している歩道等においては、傘を使用しながら運転をしないこと。
(5) 歩道等を通行する歩行者に対し、自己の進路を確保する目的で警音器を使用しないこと。
(6) 前各号に掲げるもののほか、他人に危害を及ぼし、又は迷惑をかけるような運転をしないこと

【等】という文言と(6)の規定により、(1)~(5)に当てはまらない行動であっても他人に危害を及ぼすもしくは迷惑を掛ける行動であれば禁止になっていると読める。
具体例を示しながらも、それ以外でも当てはまる可能性があることを残しているのが例示列挙。

けどまあ

押して歩くと歩行者扱いの件ですが、牽引している場合が除外されているので、サイクルトレーラーは歩道を押して歩けないことになります。

どうしても押して歩きたい場合は・・・車道を押して歩くという珍事に陥る。

OGKがサイクルトレーラーを発売開始して、それなりに話題になっているように思います。 こういうものはうまく使え...

もちろん、コンビニなどに入るために歩道を横切ることは問題ありません。
歩道を継続的に走行したり、押して歩くことはNG.

サイクルトレーラーについては、普及させたいなら法律上の取り扱いをかなりアピールしないとマズイことになりそうな気がする。

けどまあ、ツイッター上で法律解釈の間違い程度なら、かわいいもんだと最近思ってしまう。
というのも、昨年まで行政訴訟してましたが、行政が法律解釈を間違った結果とんでもない事態に陥ったので、仕方なく裁判してましたので・・・
公権力を持つ方々が法律解釈を間違うと、裁判しないとひっくり返らない。

話し合いで解決しようにも無理だったので仕方なく裁判しましたが、完全勝利だった上に、相談した弁護士さんからも普通に勝てる案件だから自力でやってもいいのでは?と言われる始末。

より正確に書くと法律解釈を捻じ曲げてきたからおかしくなったというのもありますが、間違いは誰にでも起こるので、最近は間違いがある世界が自然なんじゃないかとすら思いましたw

世の中そんなもん。