この域まで来ると、さすがにかわいそうな。

先日もちょっと書いた件ですが、

うちのブログの件を取り上げているようだったので。 たぶん、理解していないんだろうなと思う点があるので。 一次ソース 一次ソ...

この域まで来ると、さすがにかわいそうだなと。

理解力というか、法律の読み方を説明しないとわからないんでしょうね。

一次ソースの意味を理解されてないようですが、記事で書いたように一次ソースを確認する手段は裁判所で閲覧するしかありませんので裁判所へどうぞ。
判決文の閲覧は原則として誰でもできますが、判決文は1審の裁判所にあります(確定判決が最高裁でも、保管先は1審に戻ります)。
裁判のシステムを理解しているなら、確認が取る術がないなんて雑な意見は出ないと思いますし、確認の方法を理解していないのかなという意味を込めて書いたのですがやはり理解力は乏しいようで。
まさかネット上とか、裁判所HPの判例検索で探したというようなレベルではないんでしょうから。

殆どの判例は裁判所のHPには掲載されませんので、そんなもんで探すような斬新なプレイをされたわけではないでしょうし。

どうでもいい話ですが、裁判をするときって、自分で判例を調べて証拠として提出します。
裁判所が調べてくれるわけではありません。
当事者主義、弁論主義なので。
なので民間の判例検索ソフトを使って判例を証拠として提出しますが、当然それは原本ではない。
弁護士を立てずに本人訴訟でやりましたが、そんな私ですら判例を検索する術はいくらでも思いつきますし、確認する術がないなどとご自身の能力的な欠如を誇らしげに語られても。
けど書いている内容を総合的に見れば能力的にわからないんだろうなと思ったので、判例の調べ方は前回記事でさらっと紹介しておきました。
調べる術がないのではなくて、調べる術はいくらでもあるけど、調べ方すらわかっていないという能力の問題でしょ。
正しく日本語を使いましょう。

27条の条文

道路交通法は特別刑法なので、条文に書いてあること以上を処罰することは当然ですが許されません。
以前も書いたように、民事での過失割合について争うときは道交法の概念を流用した事故回避義務まで争うわけで、刑罰を与えるわけではないので意味が違う。
ていうかこれの意味を、記事を読んでも理解できなかったというのが凄いなと思うのですが、ここが理解できない限りは永久にムリ。

・道交法の義務
・自動車運転処罰法の過失運転致死傷罪における注意義務
・事故が発生した際における、民事責任としての注意義務

これらの区別が付いていないから、判例ガー!と珍論に走るだけのこと。
多くの人が指摘しているのは、道交法の刑罰規定にかかる義務の話ですよ。
民事では刑罰を課すわけではないのは理解しているのかな??

道交法の刑罰規定としての義務と、民事での義務が違う件はいくつもケースを挙げて説明しましたが、どうせ読んでないんでしょ。
そんなレベルだからまともに話が通じない人だと思われているんですよ。
一番わかりやすいのは、道交法違反を犯して逆走している自転車と(法17条4項違反)、道交法を順守して左側通行している自転車が衝突した場合の過失割合。

ロードバイクで走っていると、それなりに見かけるのは逆走してくるママチャリ。 逆走自転車の交わし方については、過去にもいくつか記事を書いてま...

なぜか50:50になります。
道交法違反者と、道交法遵守者が衝突したのに痛み分け。
どうせ読んでもいないんでしょうけど、読んで理由を考えないから理解力不足だと見なされているわけ。

それ以外にも、信号機が無い横断歩道を渡ろうとする自転車について38条に基づき車は一時停止義務があるか?38条の適用はあるのか?という質問をすると、警視庁などでは【適用はありません】と回答されます。
けど民事の判例を見ると、38条の義務違反だとして過失を付けている判例もそれなりに出てくる。

先日このような記事を書いたのですが、 記事でも書いたように、横断歩道=歩行者のためのもの、自転車横断帯=自転車...

こうなる理由を考えたことないんでしょうかね。
道交法違反として刑罰を課すことは出来なくても民事では過失になる可能性があるという典型例も前回紹介しましたが、これの差を理解できないと

いろんな人
いろんな人
判例があるから適用されるんです!

本質を理解していない解釈に陥る。
なんでこうなるのか、リンクを貼って置いたけど読んでないですよね。
刑罰を課すことができないというのも、見逃されたとかではないですよ?
刑罰規定として違反が成立していないからという意味ですが、ここまで理解力が無いとさすがにかわいそう。

さて、道路交通法の刑罰規定としての話。
27条はちょっと長ったらしいので意味が分からなくなる人って多いのですが、分解してあげないと理解できないようなので分解していきます。

27条1項

(他の車両に追いつかれた車両の義務)
第二十七条 車両(道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行又は同法第三条第二号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。

①【車両は】

車両はとあるわけですが、バス等を除外した全ての車両とみなせます。
なので軽車両もこの時点では含まれている。

②【第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)】

22条1項に基づく政令が定める最高速度ですが、道路交通法施行令の話になります。

(最高速度)
第十一条 法第二十二条第一項の政令で定める最高速度(以下この条、次条及び第二十七条において「最高速度」という。)のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道(第二十七条の二に規定する本線車道を除く。次条第三項及び第二十七条において同じ。)並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては六十キロメートル毎時、原動機付自転車にあつては三十キロメートル毎時とする。

自動車は60キロ、原付は30キロとあります。
なお、【以下この条において「最高速度」という。】とあるので、27条の中で最高速度という言葉を使うときには、施行令11条のことを指していると言えます。

③【最高速度が高い車両に追いつかれたときは】

政令で定める最高速度が高い車両に追いつかれた場合ですが、高い低いの概念になるので、高い=車、低い=原付となる。
なので言い換えるならば、【原付が車に追いつかれたときは】と読めます。

自転車は最高速度が定められていない以上、車や原付と比較できる要素がありません。

・高い⇔低い
・追いつかれた車両⇔追いついた車両
・うまい⇔まずい
・イケメン⇔ブサメン

比較概念なので高いの反対は低いですね。
政令で定めた最高速度が高い⇔政令で定めた最高速度が低い、ここが理解できないようだと、お話にならない。

④【追い付かれたときは】

これは法26条の車間距離まで迫った場合と解釈されます。
26条の車間距離の規定は、前後間の車両の衝突を防ぐための規定なので、道路の進行方向に向かって前後の車体が一部でも重なっていることが必要になります。

車両通行帯が設けられた道路を除いて、18条1項に基づき、自転車は左側端、車や原付は左側寄り通行義務があります。
くどいですが複数車線道路と車両通行帯は全く別物です。

ここまで何度も、一般道の場合は車両通行帯は限られた場所にしかないよという話を書いているのですが、警察庁が車両通行帯を設ける場所の基準を一応出...

18条1項の解釈は、車は軽車両の通行分を空けて左側に寄ることとされています。

ただし、自転車が全く走っていない状況や、道路幅が狭いなどの事情があるときには、自転車の通行分(左側端)を空ける義務までは課していないものと解釈できます。
左側端を空けるためにセンターラインを越えたら本末転倒なので。

なので【前後の車体が重なった状態で、法26条で定める車間距離まで迫った場合には】という意味になります。

⑤【その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない】

追いつかれた側が加速することを禁止している規定です。

⑥【最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。】

【最高速度が同じ】というのは、車が車に追いついた場合、もしくは原付が原付に追いついた場合を意味します。
【又は低い車両に追いつかれ】というのは、車が原付に追いつかれた状況を意味します。

かつ、とあるので、その前後は両方満たす必要がある
追いつかれた側が追い付いた車両よりも遅い速度で進行するときも、同様に加速禁止という規定です。

まとめます。

条文意味
車両(道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行又は同法第三条第二号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)はバスなどを除いた車両全てを意味する
第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは施行令11条に基づき、原付が車に追いつかれた場合を意味する。追い付かれたというのは法26条の車間距離まで迫った場合。
以下この条において「最高速度」という27条における最高速度の定義は、施行令11条を意味する
その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。追いつかれた側が加速禁止
最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ車同士、原付同士、もしくは車が原付に追いつかれた場合
かつ【かつ】の前後は両方満たす必要がある
その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする追いつかれた側が遅い速度で進行するときも同じく加速禁止

以上のことから、27条1項は車(自動二輪車を含む)と原付の規定です。

27条2項

2 車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、最高速度が高い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。

①【車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は】

そのまんまなので割愛。

②【車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き】

車両通行帯は公安委員会が指定した場所だけを意味するので、複数車線と車両通行帯は異なります。

ここまで何度も、一般道の場合は車両通行帯は限られた場所にしかないよという話を書いているのですが、警察庁が車両通行帯を設ける場所の基準を一応出...

一般道では交差点手前の進行方向別進行区分とか、専用通行帯がある場所くらいしか車両通行帯は無いと考えていいです。

③【最高速度が高い車両に追いつかれ】

1項の規定で、最高速度=令11条の最高速度を意味すると定義しているので、原付が車に追いつかれた場合のことです。

④【かつ】

かつ、という言葉の前後は両方満たす必要があります。

⑤【道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては】

追いついた車両の右側に十分なスペースが無いことを意味します。

③と⑤は【かつ】なので、原付が車に追いつかれて、道路中央寄りに十分なスペースが無い場合を意味します。

⑥【第十八条第一項の規定にかかわらず】

18条1項はキープレフトの原則です。
車や原付は自転車の通行分である左側端を空けて左側に寄ることとされているので、

この規定に従わずに、という意味。
18条1項では、車が左側端まで寄っていても違反ではありませんが、法解釈上、左側端を空けて左側に寄ること違反ではないので、それを解除するという意味。

だいぶ前にも書いたのですが、検索しても出てこないw と思ったらこれか。 だいぶ前のことですが、片側一車線道路...

⑦【できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない】

文字通りです。
左側端に寄って譲れなので、譲る方法は左側端に寄ることだけを意味し、一時停止する義務までは課していません。

⑧【最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ】

最高速度=令11条の最高速度だと1項で定義しているので、車同士、原付同士、車が原付に追いつかれた場合の3パターンが考えられます。

⑨【かつ】

この前後は両方満たす必要があります。

⑩【道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。】

追いつかれた側が遅い速度で進行するときも、同様に左側端に寄って譲る義務を課しています。

まとめます。

条文意味
車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)はバス等以外の車両全ては、という意味
車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き公安委員会が指定した片側2車線以上の道路以外では、という意味。
最高速度が高い車両に追いつかれ原付が車に追いつかれた場合
かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては【かつ】なので前後を両方満たす必要がある。

つまりは原付が車に追いつかれて、道路中央側に十分なスペースが無い時という意味

第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない18条1項では車や原付は左側端を空けた上で左に寄ることになっているけど、それを解除して左側端まで寄ること
最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ車同士、原付同士、車が原付に追いつかれた場合
かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。【かつ】なので前後を両方満たす必要がある。

つまり車同士、原付同士、車が原付に追いつかれた場合に、道路中央に十分なスペースが無く、先行車が遅い速度で進行するときも同じく左側端に寄って譲る義務を課している。

読めばわかる程度に、自転車は何ら関係しません。
道路交通法は特別刑法(刑法8条)なので特別な定めがない限りは故意犯のみが処罰されます(刑法38条)。
法の条文規定を超えた刑罰を課すことは法治国家として許されていないので、読めばわかる程度に自転車が27条違反として処罰対象になることはありません。
また、2項の義務は出来る限り左側端に寄ることを求めているのですが、左側端に避ける余地が無い場合には違法性阻却事由になりますので違反が成立することはありません。

そもそもなんですが、18条1項の規定によれば、車は自転車に追いつかないことになる。

自転車は左側端寄り、車や原付は左側端を空けた上で左側に寄ることなので。

理解力の乏しさ

ここまで誤解されるとさすがに失笑を通り越して呆れるというのが本音ですが、

読者様
読者様
県警本部は違反と言っているが見過ごされるから刑事では判例なし

さて、以前の記事で書いたことの意味。

道路交通法27条【追い付かれた車両の義務】は、自転車が適用除外されているわけですが、 これ、県警本部とかに聞く...

警察本部とか警察署の交通課に聞くと、追い付かれた車両の義務は自転車にも関係すると言われてしまうことがあります(単なる説明不足なんですが)。
ちゃんと正解を回答する警察官も当然います。

なんでそうなるのか?
本当に理解力が無いことって恐ろしいなと思うのですが、例えば、以前も取り上げたこの事例。

先日も書いた件です。 片側2車線道路で、左第1車線のど真ん中付近を走行しているので...

片側2車線の道路で、自転車乗りがこんなところを通行していて、後続車に煽られたと騒いでいた件。

これ、動画主の方は、管轄署の交通課の人からこのように言われています。

・車両通行帯でも、自転車は路肩を走れ
・追い付かれた車両の義務がある

こんな回答をするから自転車乗りのおもちゃにされるだけのこと。
警察の説明は両方間違いです。

正しい説明はこうなります。
・ここは片側2車線だが車両通行帯ではないため、自転車は18条1項に基づいて左側端通行義務がある。

車両通行帯は公安委員会が指定した場所だけなのですが、交通規制係に確認したところ問題の道路は車両通行帯ではありませんでした。

警察って、本部とか交通課であってもこういう間違った説明をするということ。
こういうのって凄ーく多いですよ。
特に自転車に対しては。
けどこれも、結論においては間違っていないわけですよ。
警察の説明では、結局のところ左側端を走れと言っているわけですから。
結論が同じでも、結論を導くまでの過程が間違っているのは、警察が道交法を説明するときのあるあるです。

なので以前の記事で書いたこの内容。

道路交通法27条【追い付かれた車両の義務】は、自転車が適用除外されているわけですが、 これ、県警本部とかに聞く...

県警本部でも【自転車にも追い付かれた車両の義務はある】と回答されてしまうこともあるのですが、これの意味は27条の規制ではなくて、18条1項の規制に過ぎないということ。
だいたいにして、前の記事でも書いたように、適用される根拠を聞くと1条だと言い張るような警察官も普通にいるわけで。
つまり適用されると言い張る警察官は根拠を伴っていない回答をしているんですよ、という意味で書いたにもかかわらず、文章の読解力が著しく低すぎませんかね。
過程を読めずに結果しか見れないレベルの無能者なのかな?

追いつかれた車両の義務なんて言うなら話がおかしくなるだけで、複数車線でも車両通行帯なんてほとんどないので、18条1項に基づいて左側端通行する義務がある。

そういうのを警察の一部が【自転車にも追い付かれた車両の義務がある】と回答する原因ですよと書いたのですが、さすがに理解できないあたりが凄い。
申し訳ないですが、理解力が無いと、警察が見過ごしているだけと勘違いするんでしょうね。

管理人
管理人
警察って、結論としては大筋の間違いがないけど、間違った説明することって普通によくあるんですわ。

自転車と追い付かれた車両の義務についても、27条の規制ではなく18条1項の規制だときちんと説明してくれる警察官もいますが、上でも挙げたように車両通行帯だけど左側端に寄れとか意味不明な説明をする交通課の人も普通にいる。
こういうのも説明が悪いというか、車両通行帯ではないから左側端通行せよというのが正解。
結果としては大差ないけど、条文の適用では完全に間違っているわけですから。

そんでもって27条2項では、追い付かれた車両の義務として左側端まで寄ることを求めていますが、そもそも自転車は左側端通行なわけで、既に義務を果たしている。

こういうのをまとめて、警察は【自転車にも追い付かれた車両の義務はある】ということを言うだけのこと、という意味で書いたのですが、法律に詳しくなさそうですし理解するのが難しいということなんでしょうか。

けどこの方の雑なまとめを見ると、ちゃんと文章を読んでいないか、理解力が無いかのどちらかですね。

判例の意味

このツイッターの方、どこまで裁判に詳しい方なのかもわかりませんが、裁判は当事者主義、弁論主義があるので、当事者間で争いが無いことについてはそのまま認定されます。

そして上で書いた内容は、道路交通法は特別刑法だという規定の元、刑罰を課す時の規定です。
民事で過失割合を決める場合、基本は民法709条の不法行為責任を追及するわけですが、道交法の規定よりも事故回避義務などが広く見られる。

こういう前提を理解しているのでしょうか?
どうも理解していないようにしか思えず。
理解していたら、珍論を盛大に披露することもないし、ここまでキチガイレベルの発想には至りませんし。

さてこちらで紹介した判例。

道路交通法27条【追い付かれた車両の義務】は、自転車が適用除外されているわけですが、 これ、県警本部とかに聞く...

これ、一審が簡裁なので、地裁判決と言っても控訴審です。
しかも原告と被告の両方が控訴した事件。

1審の判決文が見当たらないので、1審で双方がどのような主張をしたのか定かではないのですが、一審では自転車:車=35:65となっています。
この手の事故としては、自転車側に厳しい判決になっていると言えます。

2審での主張ですが、そもそもなんですが双方ともに27条の成立には争いが無いんですよ。

かなり長くなるのでまとめます。(以下、控訴審判決文の双方の主張から引用)
・一審原告(自転車の主張)

第1審原告は、被告車に追いつかれた際、被告車との接触を避けるため、原告車を本件外側線上(車道の左端)に寄せて被告車に進路を譲ることにより(道交法27条2項)、結果回避義務を尽くしたのであるから、過失はない。

・一審被告(後続車の主張)

最高速度が高い被告車に追いつかれた原告車は、できる限り本件道路の左側端に寄って被告車に進路を譲らなければならない(道交法27条2項)。本件道路の左側端に溝や段差があるために自転車である原告車が被告車と並走することが困難な状況の下では、第1審原告は、被告車に進路を譲るためできる限り左側端に寄って一時停止すべき義務があった。

少なくとも控訴審では、双方が27条の成立自体を認めている。
その上で1審原告は義務を果たしたという主張。
1審被告は一時停止すべきだったという主張。

裁判って当事者主義があるので、双方が認めていることについては争えない。
双方が27条の成立を認めている以上、それ自体は争点にはならなくて、義務を果たしたかどうかが争点になる。

原告の主張のところ、一部を赤太文字にしておきましたが、これで意味を理解できるかな?
道交法違反(刑事)として処罰対象ではなくても、事故が発生したときには民事責任(民法709条)として過失になる可能性もあるよという意味で判例を紹介したにもかかわらず、判例の読み方も意味も理解できない人が盛大な勘違いをするというのがおそろしい。
最近本当に思うのですが、ネットってある意味では怖いですね。
全然違う意味に解釈されてしまい、判例の価値を見誤る人がいるので。

双方の主張をあえて書かなかったのは理由があって、1審の内容が分からないとどういう経緯で2審の主張をしたのかすらわからないからです。

一審の判決が自転車側に大きく不利な内容になっているわけですが、一つの可能性として。
あえて一審原告側が27条を自ら持ち出して、事故回避義務を果たしたのだから過失はないはずだと主張した可能性もあるわけですよ。
道交法の義務としては27条は自転車に適用外だけど、あえて自転車でも27条の義務を流用して求められていないけど事故回避義務と捉えて義務を果たしたんですよという主張して過失を下げる主張を行う可能性もある。
実際、35:65⇒10:90に変更されているので、1審原告側の主張が功を奏したとも言えますし。
けどこういうのも1審判決の内容が不明なので、どういう経緯で2審の主張をしたのかが分からず推測になる。

だから単に事実のみを掲載して、刑事では自転車の義務はないけど民事では過失として評価される可能性はあるよということを示しただけだったのですが、まさかその意味を理解せずに【判例がある!お前らはバカ!】などと安易な主張をするキチガイが出てくることは予想していませんでした。

今になって考えると、そういうキチガイ様が登場することも予見して、双方の主張も載せた上で解説すべきだったかなと反省してます。
普段から、【道路上には多数のキチガイ様がいるから、注意して自転車に乗るべき】みたいなことを書いているにもかかわらず、ネット上でキチガイ様の登場を予見していなかったのは私の過失といえるでしょうw

この事故、双方が1審判決に不満があり控訴しているわけですが、1審被告(車)が控訴審で主張した内容って、無過失の主張なんです。
要は十分減速して安全に追い抜きしたのだから、過失はない、もしくは90%の過失相殺を認めるべきという主張。

一審の判決文を入手出来ればもうちょっと細かい説明が可能なんですが、少なくとも2審では双方ともに27条に基づく結果回避義務については争いが無い。
結果回避義務として27条を流用した概念があって、左側端に寄ることで義務を果たしたと主張する一審原告と、一時停止義務もあると主張する一審被告。
民事の過失割合を決めるときは、道交法違反を争っているのではなくて、民法709条の不法行為責任を争っている。
その概念の中には事故回避義務も含まれるのですが、道交法上では違反にならない義務であっても、民事では過失として評価されることって普通にある。
そもそも私が紹介したかった内容は、刑事罰の対象外のことでも民事では過失として評価される余地がありますよということを伝えたかっただけなのですが、民事で認めたことが刑事でも同じだと思う時点で能力不足。
というよりも無能。
刑事では道交法違反を争っているのに対し、民事では民法の不法行為責任とか結果回避責任を争っているんですよ??

管理人
管理人
民法709条の過失とは、予見可能なことについて結果回避義務違反があったことを意味します。
このケースでは後続車が追い抜きした際に一時的に並走状態になりますが、左に避ける余地があれば接触を避けるために左に寄ることで事故回避義務を果たしたと見なせるので、道交法27条の概念を流用したというだけのこと。

一次的な並走状態で、右に寄れば接触するのは明らかだし、左に寄れば接触は避けることができる。
けどこれ以上左に寄る余地がないので、事故回避義務を果たしたと評価されるだけのこと。

ほかの例まで挙げて示したのが、理解できなかったか・・・
個人的には27条よりも18条1項で主張したほうがスッキリしそうな気もしますが。

うちのブログの件を取り上げているようだったので。 たぶん、理解していないんだろうなと思う点があるので。 一次ソース 一次ソ...

車両通行帯ではない片側2車線道路の第2車線を、ただまっすぐ走っていただけなのに過失を付けた事例とか(道交法違反にはなりません)、横断歩道と自転車の関係で道交法違反にはならないけど過失になった事例など普通にあるんですね。
それを示しただけのこと。

27条の概念を流用して、事故回避義務として自転車は出来る限り左側端に寄って義務を果たしたという主張。
控訴審でもその主張が通り、35:65⇒10:90に変更されています。
自転車に10%の過失を付けた理由は、自転車が転倒した際に、自転車が自ら操作を誤った可能性を否定できないからとなっています。

もう少し、ちゃんと考えましょう

まず道路交通法は特別刑法なので、国家が刑罰を与えるもの。
道交法の条文を読めばわかるように、27条は自転車には適用されない条文です。

ただし事故になった際は、事故回避義務があるので27条の概念を流用して評価されることは普通にある。

そもそもこの話、刑事上の義務・違反の話をしているのか、事故った場合の民事責任の話をしているのかすらわかりませんが、多くの人がこの方に指摘しているのは道交法違反として刑事罰を与えるときの義務・違反の話。
自転車には27条の違反は成立することはありません。

けど民事では事故回避義務が求められるので、27条の概念を流用して双方が認めているならそのまんま判決に反映されるというだけのこと。

勝手な予想では、1審判決をひっくり返すためにあえて義務があると主張して、その上で義務を果たしたという主張をしたのではないかと思いますが、こういうあたりを書かなかったのは、1審判決文が無いからです。

・県警本部は違反と言っているが見過ごされるから刑事では判例なし

⇒言ってくることもある、程度の話ね。
警察の説明が悪いだけのことで、そもそも根拠が27条だと言われたことはない。
理由は既に説明済み。

・民事では27条適用を認め、義務を負い、違反時は過失扱いされる可能性が高い
けど法文では明らか(私見)なので認められない。

⇒民事責任と刑事責任の範囲が同じだと思っている時点で、主張自体失当。
刑事責任でも、道交法違反と、自動車運転過失致死罪ではその注意義務が異なることはこのように述べられている。

自動車運転者としては、同法70条による安全運転義務があるのはもちろん、交通の実情を踏まえた注意義務が求められるのは当然である(所論は、道路交通法上の義務と自動車運転過失致死罪における注意義務を同一のものと理解している点で相当でない。すなわち、信頼の原則が働くような場合はともかく、前者がないからといって、直ちに後者までないということにはならない。)

https://xn--3kq2bv26fdtdbmz27pkkh.cc/%E9%81%8E%E5%A4%B1%E5%89%B2%E5%90%88/crosswalk/

これを挙げれば刑事でも道交法違反と自動車運転処罰法違反では義務が異なることは理解できると思いますし、ましてや民事での民法709条の過失の範囲が違うことは理解できるかと思って取り上げましたが、理解できないのかちゃんと読んでいないのかはわかりませんが、このリンク先の判例も見ました??
横断歩道で自転車と車の衝突死亡事故の刑事事件ですが、本来、横断歩道を渡る自転車については道交法では38条の適用が無く、横断禁止(25条)があるので車道の車が優先します。
なので道交法違反は成立しませんが、それでも自動車運転過失致死罪上では過失なんです。
なぜそうなるのかを理解できないから珍論に走るだけのこと。

・ってただのバカなのでは?裁判官のつもりなんですかね。

⇒ちょっとかわいそうだと思っているのですが、民事と刑事の違い、裁判のシステムから勉強したほうがいいと思いますよ。

たぶんこの方の理解力では、永久に理解することは難しいと思います。
残念ながら能力的な問題については、助けることも出来ませんし。

具体例として挙げたものである意味では分かりやすいと思うのは、横断歩道と自転車の例。

先日このような記事を書いたのですが、 記事でも書いたように、横断歩道=歩行者のためのもの、自転車横断帯=自転車...

38条は横断歩道を渡る歩行者と、自転車横断帯を渡る自転車に対する保護規定。
なので横断歩道を渡る自転車については保護対象ではない。

信号機が無い横断歩道を渡ろうとしている自転車に対して、車は一時停止しなくても道路交通法38条違反にはなりません。
けど事故ったときには車のほうが過失が大きくなる。

違反ではないけど過失になることなんて民事では普通のこと。
これの意味を理解できないから、トンチンカンなところだけを抜き取って考えることしかできないみたいですね。

そもそも、27条2項ではできる限り左側端に寄って譲る義務を定義してます。
自転車は18条1項に基づいて左側端通行なので、この時点で既に譲っているんですね。
それ以上どこに逃げろというのでしょう?
空中に逃げろとか歩道に逃げろというなら、残念ながら本格的にヤバいですよ。

さらに言うと、18条1項の立法趣旨通りに通行していたならば、そもそも追い付いていない。

追いつく=法26条の車間距離まで迫った場合=前後の車体が進行方向に一部でも重なっている状態。
追いつかれてもいない上に、自転車にはバックミラーの装備義務もないので後続車の動きは音でしか確認できないし既に左側端に寄って通行している(18条1項)。
なので譲る義務(27条)は自転車は適用除外とされていて、18条1項に基づいて左側端通行義務を果たしていない場合は違反となるだけのこと。
法令上、車両通行帯が無い道路では自転車に対し車が追い付かないことが前提になっていることから考えても、27条が自転車にも規制対象と思っている時点でまともに法律の条文を検討していない証拠にもなる。

こういう人って判例があれば全てOKみたいな幻想に陥りがちですが、判例の読み方も理解していないでしょうし、裁判のシステムも理解していないからおかしなことになるだけのこと。
民事と刑事の差、裁判のシステム、条文の読み方など全部総合して考えないとこういう人のようにおかしな解釈に陥ることがあるので、気をつけたほうがいいと思います。

ちょっとこのレベルはかわいそう。

一次ソースを確認したいのであれば、裁判所でしか見れませんので裁判所へどうぞ。
判決文は、一審の裁判所に保管されていますので、どこかの簡裁だとは思いますが。
けど読んでもまともに意味を理解出来るとは思いませんし、ご自身の能力を理解されるほうが先ではないでしょうか。
ちょっとこのレベルだとまともな議論にはなりませんし、自分では反論出来ていると思い込んでいるところが痛々しい。

当サイトでは普段から読んでいる読者様はお分かりのことと思いますが、法的義務にかかわらず車に対しては譲る方向性をお勧めしています。
理由は単純で、道路上の他人を信用すると痛い目に遭うから。
二輪車は車に突っ込まれると、マジで爆死する。
爆死してから法的義務ガーと言っても無意味です。

けどもう一つ、譲る方向性の意味が増えました。
このように独自解釈で、自転車に対して存在しない法的義務を強いるような人もいるので、トラブルになりうる。
確かこの方、追い付かれた車両の義務で自転車は歩道に退避せよと主張していたようなのですが、そんなレベルですよ。
お話になりません。
けど、こういうレベルで歩道に退避しない自転車に喧嘩を売ってくるドライバーもいるおそれがあるとわかったのは、ある意味では収穫なのかもしれませんね。
道路上の他人を信用すると痛い目に遭う典型例。