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MAX10キロの電動スケートボード。

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MAX10キロまでしか出ない電動スケートボードが販売されるらしいです。

公道走行について
最高速度10 km/h以下のWALKCARは、公道走行が可能に

最高速度10 km/h以下のWALKCARは、道路交通法上の車両には当たらないことと整理された旨が2021年7月14日、警察庁より全国の都道府県警察に示達されました。これにより新たに発売するWALKCAR(10 km/hモデル)は、公道を通行する場合には歩行者として歩道を通行することが可能となります(最高速度10km/h、ヘルメット・運転免許:不要)。

ただし(電動でない)キックボード等と同じ扱いとなるため、交通の頻繁な道路において使用することは禁止されています(道路交通法第76条4項第3号) 。

 

公道を走れるポータブルモビリティ WALKCAR ウォーカー
公道走行に対応。WALKCAR(ウォーカー)は日本で発明された「持ち歩けるクルマ」です。 ノートパソコン感覚で持ち歩けるこのクルマは、交通インフラに制限されない生活を提供します。​​ 「歩く」か「 WALKCAR」か、いつでも選択できる時代...

なんか変、と思ったので調べてみました。

なぜMAX10キロの電動スケボーがOK?

警察庁のHPをみても、該当する通達が出ている節が無い・・・
警察庁に聞いてみたところ、開示されていない通達もあるということと、開示されていない通達については情報開示請求してくれと言われるw

 

いやいや、情報開示請求してもいいけどさ。

 

管理人
管理人
ナイショにするような通達かよw

 

で、都道府県警に聞いたほうがいいのでは?と言われてしまったので、神奈川県警に聞いてみた。

 

結論から言うと、確かに2021年7月14日付で、該当の電動スケートボードを車両ではなく遊具とみなすという通達が出ているとのこと。
ただし、交通課の方も調べてみてやっとわかった程度の話で、話をした当初は【なんのこっちゃ?それ?】という感じでしたが。

 

なんで車両ではなく遊具扱いなのかは、警察庁が決めたことだから警察庁に聞いてくれと言われたのですが、警察庁に聞いてみた話をしたところ、

 

いろんな人
いろんな人
なんだよ、警察庁もいい加減だよなぁ・・・

本音が出てしまっているw

 

道交法の規定と、道路運送車両法の規定を考えていくと、車両には当たらないと解釈するしかないらしい。
その根拠は県警では分からないっぽい。
恐らくですが、ハンドルが無い乗り物だというところが関係しているのではないかと思うのですが、この辺の解釈については疎いのでよくわかりませんでした。

 

ちょっと前にですが、電動ではないキックボードについて、保安装備をしているものでも軽車両とは見なさないという通達が出ていました。

 

キックボード(非電動)は軽車両にあらず。
ほー、と思った内容。 電動ではないキックボード、あれは道交法上どういう扱いなんだ??という疑問について、国家公安委員会が回答しています。 キックボード(非電動)は軽車両にあらず (function(b,c,f,g,a,d,e){b.Mosh...

 

3.新事業活動に係る事業の概要
下記の装備を有するキックボード(以下単に「キックボード」という。)の販売が計画されている。
・ ブレーキ:両ハンドル(左手:後輪ブレーキ、右手:前輪ブレーキ)、タイヤもしくはホイールへの直接摩擦を利用しないブレーキ。自転車の標準仕様と同じもので、国内ユーザーが違和感なく使える
・ タイヤ:タイヤ踏面に水切り溝を刻む
・ フロントサスペンション:ストラット式でない(ダブルウィッシュボーン式、マルチリンク式等)
・ 反射板:あり(左右側面、後方に設置)
・ 警音器(ベル):あり
・ 前照灯:あり
・ 鍵:物理鍵あり、車両追跡GPS内臓(リチウムイオンバッテリー技術、通信モジュール技術、ソフトウェア技術、電気制御技術を用いる)
・ 車体の長さ:120cm程度(大きくて安定)
・ 車体の幅:15cm以上(両足を乗せることができる)
・ 利用者の年齢制限:15歳以上

 

5.確認の求めに対する回答の内容
照会書2.(2)に記載のキックボード(原動機を有さないものに限る。)は、現に広く一般的に人又は物の運送の用に供されておらず、また、車体の大きさや安定性、動力源等の構造を総合的に勘案してもそのように用いられることが想定されないため、道路交通法上の「車」として何らかの規制を行う必要性が認められず、「車」には当たらないと解されることから、当該キックボードを用いている者は、道路交通法上の歩行者になると解される。したがって、当該キックボードは道路交通法第2条第1項第11号イに規定する「軽車両」には該当しないと解される。

 

https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/press/210614_yoshiki.pdf

これ、ブレーキまで装備していても軽車両ではないという通達なんですが、ちょっと気になる表現。

現に広く一般的に人又は物の運送の用に供されておらず、また、車体の大きさや安定性、動力源等の構造を総合的に勘案してもそのように用いられることが想定されないため

電動ではないキックボードなのですが、人や荷物の運送目的とは言えないよね、というところが車両に当たらないとも取れる。
今回の電動スケートボードについては原付扱いか、電動車椅子とかが関係しそうな気配がするのですが。。。

 

まずは原付から見ていきましょうか。

 

道路交通法

八 車両 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。
十 原動機付自転車 内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、軽車両、身体障害者用の車椅子及び歩行補助車等以外のものをいう。
十七 運転 道路において、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)をその本来の用い方に従つて用いること(自動運行装置を使用する場合を含む。)をいう。

電動スケートボードの場合、キックボードとも異なりハンドルもないわけですが、これが【運転】に当たらないという解釈なのだろうか???
もしそうであれば、車両全般に当てはまらないという解釈も成り立つし。

 

施行規則

(原動機付自転車の総排気量等の大きさ)
第一条の二 法第二条第一項第十号の内閣府令で定める大きさは、二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものにあつては、総排気量については〇・〇五〇リットル、定格出力については〇・六〇キロワットとし、その他のものにあつては、総排気量については〇・〇二〇リットル、定格出力については〇・二五キロワットとする。

この規格以下であれば原付扱いなわけですし・・・

 

次に原動機付軽車両を見ていきます。
道路交通法

十一 軽車両 次に掲げるものであつて、身体障害者用の車椅子及び歩行補助車等以外のものをいう。
イ 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)
ロ 原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、車体の大きさ及び構造を勘案してイに準ずるものとして内閣府令で定めるもの

施行規則

(原動機を用いる軽車両)
第一条の二の二 法第二条第一項第十一号ロの内閣府令で定めるものは、次の各号のいずれにも該当するものとする。
一 車体の大きさは、次に掲げる長さ、幅及び高さを超えないこと。
イ 長さ 四・〇〇メートル
ロ 幅 二・〇〇メートル
ハ 高さ 三・〇〇メートル
二 車体の構造は、次に掲げるものであること。
イ 原動機として、電動機を用いること。
ロ 歩きながら運転するものであること
ハ 運転者が当該車から離れた場合には、原動機が停止すること。

まあこの規定は、歩行補助車の規定から外れる電動ベビーカー等を指すので、全く関係ない。

 

電動車椅子については定義上から見ても違う。

十一の三 身体障害者用の車椅子 身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための車椅子(原動機を用いるものにあつては、内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)をいう。

電動スケートボードは、身体の障害により歩行が困難な人向けではないので、この定義からも外れる。
電動車いすの場合、時速6キロ以下という規定がありますが(施行規則1条の4)、道交法2条1項11の3の定義から見ても明らかに違うので関係ない。

 

そうすると、原付に該当するかどうかだけに絞られるのかなと思うのですが、【運転】に該当しないという意味なんでしょうか?

 

次に道路運送車両法。

(定義)
第二条 この法律で「道路運送車両」とは、自動車、原動機付自転車及び軽車両をいう。3 この法律で「原動機付自転車」とは、国土交通省令で定める総排気量又は定格出力を有する原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽けん引して陸上を移動させることを目的として製作した用具をいう。

うーん・・・謎。
どちらにせよ、警察庁から通達で、時速10キロ未満の電動スケートボードについては車両には該当せず遊具ですよとなっていることは間違いないそうです。
県警本部の人も、調べてみて存在を知った程度の通達のようですが・・・間違いなく7月14日付で出ているとのこと。

遊具扱いなので

車両ではなく遊具だよ!という扱いなので、この規定による規制を受けます。

(禁止行為)
第七十六条
4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。三 交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。

類する行為に該当します。
問題なのは【交通のひんぱんな道路】とは何なのか?ということ。
一応古い判例があるっぽいのですが、判例を見ると現在の道交法が出来る前の昭和34年の判例ですし、現在と情勢も違うからさほどあてにはならない気がします。
実態としては、その場その場で検討するしかないのが実情の様子。

 

そのほか、例えば商業施設の敷地内などで【スケボー禁止】などと書いてある場合には、軽犯罪法により処罰される可能性もあると言えばある。

三十二 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者

あとは、市町村条例で禁止事項になっていることもある。
一例として栃木市駅前広場等迷惑行為防止条例。

第3条 何人も、駅前広場等において、次に掲げる行為をしてはならない。(5) 球戯、ローラースケート、スケートボードその他これらに類する行為をすること

条例については、公園内で禁止になっているケースもたぶんあるのでその都度調べるしかない。

 

県警本部の方ともお話したのですが、確かに警察庁から該当の電動スケートボード(時速10キロ以下)は車両には該当しないので遊具扱いだという通達は出ているとのこと。
その上ですが、そもそも道交法が成立したのは昭和35年で、76条の規定についても、家の前で子供がキャッチボールするとか、子供が家の近所でスケボーに乗るようなことを想定して規定したはずで、今の時代には必ずしも合っていないのではないか(私見)と言っていました。
該当の電動スケートボードについても、遊びで乗るというよりも移動手段の一つとして想定しているはずで、76条の趣旨とも本来は違う気がすると・・・

 

公道走行可能という表記も、なんか違うんだよなぁ・・・と。
交通がひんぱんではない道路で【遊ぶ】のは規制されていないけど、走行可能というのもなんか違うよね?という話。

 

ちなみにこれに乗る人は歩行者なのか?という問題が生じます。
これももしかしたら通達に書いてあるのかもしれませんが、県警本部の人が言うには歩行者というよりも【遊具で遊ぶ人】のほうが適切ではないかと。
けど非電動キックボードに係る通達では、歩行者だとされています。

5.確認の求めに対する回答の内容
照会書2.(2)に記載のキックボード(原動機を有さないものに限る。)は、現に広く一般的に人又は物の運送の用に供されておらず、また、車体の大きさや安定性、動力源等の構造を総合的に勘案してもそのように用いられることが想定されないため、道路交通法上の「車」として何らかの規制を行う必要性が認められず、「車」には当たらないと解されることから、当該キックボードを用いている者は、道路交通法上の歩行者になると解される。したがって、当該キックボードは道路交通法第2条第1項第11号イに規定する「軽車両」には該当しないと解される。

 

https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/press/210614_yoshiki.pdf

これは原動機を有さないキックボードについての通達なので必ずしも参考になるとも言えませんが。

 

電動ではないスケボーで事故を起こした場合ですが、赤信号を無視したスケボーとタクシーが衝突した事故では、スケボー:タクシー=100:0としています(東京地裁 平成24年7月20日)。
これは交通がひんぱんな道路だと認定されたことが大きな理由のようです。

 

この電動スケートオード。
どんだけ普及するのかは不明ですが、交通のひんぱんな場所だと判断されれば検挙対象ですし、実態としてどこまで乗っても大丈夫なのかは謎です。
県警本部の人も調べてみないと通達を知っていない状況だったので、よくわかっていない警察官から停止命令を受けることは多そうな気がする。

電動キックボードの話

今やっている実証実験の電動キックボードですが、実験結果をみて、小型低速車として免許なしで乗れる方向性を打ち出しています。

 

自転車に少額違反金制度導入と、電動キックボード(一部)が免許不要の方向へ。
警察庁の有識者会議が中間報告をまとめたとのことで、いくつか報道にも出ているように、自転車に対して少額違反金制度を導入することと、電動キックボードの一部を免許不要とする検討に入ったようです。 まだ正式に決まったわけではありませんので、あくまで...

 

保安基準を設けることや、基準を満たさないものへの販売規制も検討している様子。

 

エラー|NHK NEWS WEB

 

やっぱ、免許なしで法制化する方向性は変わっていなそうですね。
免許制は維持したほうがいいと思うんだけどなぁ・・・

 

ということで、謎の電動スケボー、時速10キロ以下のものについては、交通のひんぱんな道路を除き遊具として使うのはokというのが警察庁の方針のようです。
個人的には止めて欲しいのですが・・・
こういうのも道交法の穴とみるのか、こういうのまでは規制しない方針とみるのかはわかりませんが。
警察内でも把握していない人がいるくらいなので、いろいろと誤解を生む可能性は高いかもしれません。

 

あともう一つ。
76条の規制は、道路になっているので歩道だろうと車道だろうと関係ないわけですが、それと同時に、これに乗る人が本当に歩行者なのか?という疑問もあります。
歩行者だとするならば、歩道と車道の区別がある道路では車道にいると通行区分違反(法10条)になるわけで。
けど歩道と車道の区別があるような道路の場合、交通のひんぱんな道路に当たることが多いんでしょうし・・・

 

昭和30年代に想定していた規定を使うからおかしくなるような気がするのですが、遊具ねぇ・・・
遊具で遊ぶ大人たち、という文字面を見るとなんか違うんだよなぁ。




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