すみませんがちょっとだけ補足。ボクらは横断しているわけではないので・・・

多くの方に引用してもらいありがとうございました。

これは昔からアルアル話なのかもしれませんが、多車線交差点において、自転車は最左車線からしか直進できないことを知らないドライバーはそれなりにい...

すみませんがちょっとだけ補足と、誤解されるとちょっと辛いので。

自転車は横断しているわけではない

自転車は第1通行帯からしか直進できないので、第1通行帯が左折専用レーンであってもそこから直進するしかないわけですが、

ちょっと誤解されるとつらいので、非難するつもりはないですが。

これは道路の横断ではなくて交差点の直進なので、25条の2は全く関係ありません。
自転車も車両なので、車やオートバイと同じく交差点を直進しています。

横断はこういうのを指します。

冒頭の件ですが交差点での直進なので、交差点内安全進行義務があります。

(交差点における他の車両等との関係等)
第三十六条
4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ交差道路を通行する車両、反対方向から進行してきて右折する車両及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

この場合は信号機で規制されているので交差道路に気をつける必要はないと思いますが、要は交差点内の状況に応じて、対向右折車などや歩行者等に気をつけて出来る限り安全な方法と速度で進みましょうというルールです。
ポイントとなるのは【等】が多数出てくる。
対向右折車、なので、対向右折車に限らず交差点内はいろいろ気をつけましょうねというルール。

よくある右直事故で直進車にも過失が付く理由は、36条4項の交差点内安全通行義務に反するからです。

で、冒頭のケース。

人間の目は前についているので、後続車が先行車の動向に注意する義務のほうが大きいわけです。
後ろよりも前のほうが見えるのは当たり前のこと。
自転車にはバックミラーの装備義務はありませんが、最近は特にロードバイクだとつけている人も増えているんじゃないかと思ってます。

これ、結構いいんですけどもはや入手は困難・・・

36条4項によると、交差点内では対向右折車や歩行者に注意する義務があるし、【等】となっているのでそれ以外でも注意義務があるとは思いますが、対向右折車と歩行者を注意しつつ、後方2レーン分まで全て確認して交差点を直進しろと言われても、後方についてはちょっと無理があるのです。
もちろん、怖いので後続車の動向も確認しますが、人間は前を見て運転するわけなので、後続車のほうが注意義務は明らかに大きい。

とりあえず、自転車は左折レーンから直進する乗り物ということを知ってもらえばそれでひとまずは十分ですが、横断ではないということはハッキリさせていただきたく。

36条4項に基づいて、交差点内を通行する車両は、車でもオートバイでも自転車でも、安全通行義務を負っていることについては当たり前のこと。

法律論と自己防衛論

グダグダ言うなら歩道を走れとか、危険性がある道路を避けるべきとも言われるのですが、自己防衛としては場合によっては歩道に上がったほうがいいこともあるし、趣味で乗るロードバイクなのでリスキーな道路にあえて行く必要はない。
けど、初めて通る道路ならそもそも危険かどうかはわかりませんし、法律論を踏まえた上で、自己防衛論としてこういう方法もあるよね?というのであればわかるのですが、いきなり自己防衛論に進まれるとちょっと違うんじゃないですかね。

もう一つ。
あえて歩道に上がって押して歩くことについて触れていないのには理由があって、気が付いたときには歩道側にガードレールなどがあって上がるポイントが無いことも普通にあります。
なので自己防衛手段としてほぼ確実にできることがあるとすると、流れに逆らわずにそのまま左折してしまうこと。

焦って歩道に乗り上げようとすると、歩道の段差で爆死することもあるし、下手に迷うならそのまま左折して、どこかで横断歩道を渡って戻るほうがマシ。
それもあって、自己防衛手段としてダブル左折レーンは左折と決めちゃっている人も結構いるようですね。

超危険な事故未遂の映像がありました。 よくこれで死ななかったですね・・・ さて、このようにダブル左折レーンの構造...

もちろん、歩道に上がれるタイミングがあればそれはそれでアリ。
けどこれらは自己防衛論なわけで、【左折しろ!】とか【歩道を走れ!】と言われるのはちょっと違うんじゃないですかね。
みんな法律を守っている中でも、怖いから自己防衛しているというなら別ですが、このケースについてはそもそも、第1通行帯からしか直進できないというルールが周知されていないことが問題なわけですし。

ドライバーの方々の不満もわかります。
信号無視したり、無灯火だったり、逆走したり、スマホ見ながら車に突っ込む自転車も多い。
そういうのは自転車乗りの立場としても、心の奥からしねと言いたいですし、お願いだから警察が取り締まってくれと願ってます。
車と自転車が事故を起こした場合、車の過失が大きくなることへの不満を言う人も多い。
交通弱者を語る強者みたいなバカな自転車もいるのが実情。

お互いに法律を理解しましょうという話だと思って頂ければ。

例えばですがこういうの。

以前も取り上げたことがありますが、 ちなみにツイ消しされているようなので、ほかの方が残しているものがこちら。 ...

自転車が第1車線のど真ん中を通行し、かつなぜか第1車線の右側まで寄っている。
後続車からしたら意味が分からないですし、妨害されていると思うのは当然のこと。

もちろん、イラっとした後の後続車の行動もいかがなものかとは思いますが、誰が原因を作ったのやら。

これ、誤解している自転車乗りがそこそこいるのですが、複数車線だから車両通行帯というわけではありません。
車両通行帯は標識令にて規制標示となっているので、公安委員会が車両通行帯だと決定したところだけが車両通行帯。(道交法2条1項7号、道交法4条、標識令別表第5など)
車両通行帯ではない複数車線道路のほうが多いのです。
一般道だと、専用通行帯がある場所か、交差点手前の進行方向別通行区分があるような場所以外は、ほぼ車両通行帯ではない。

ここまで何度も、一般道の場合は車両通行帯は限られた場所にしかないよという話を書いているのですが、警察庁が車両通行帯を設ける場所の基準を一応出...

車両通行帯があるかどうかでルールが変わります。

(左側寄り通行等)
第十八条 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
(車両通行帯)
第二十条 車両は、車両通行帯の設けられた道路においては道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。

つまり複数車線あっても、車両通行帯で無いなら自転車は左側端、車両通行帯であれば第1通行帯の中ならどこを走ってもいいことになる。

この無謀な自転車が通行している道路は、交差点手前の30m以外は車両通行帯ではないことを管轄署に聞いて確認しているので、自転車の左側端通行義務違反と言っていいのですが、

問題なのは18条1項には罰則規定が無いので、事実上はやりたい放題の自転車が登場したとしても、警察は注意しかできない。
罰則が18条1項に無い理由は、どこまでが左側端、左側と言えるかは道路次第で変わりうることから、罰則を以って取り締まるのは適切ではないという理由になっています。

こちらで18条1項の判例を紹介しています。

当サイトの記事を引用していたようなので。 見たところ片側2車線(?)なんですかね。 この動画で自転車が非難されるのはさすがに...

上の動画の自転車については(リンク先ではなくユーチューブの方ね)、同じ自転車乗りとしてもマジ勘弁と思いますし、こういう人がいるから車のドライバーさんが自転車に対して嫌悪の念を抱く気持ちは理解します。
こういうのはきちんと分析して、ダメなものはダメと非難することにしていますが、ダメではない自転車(違法性が無い通行方法)については違法であるかのように非難されるのはやっぱ違う。

ダメな事例↓

先日も書いた件です。 片側2車線道路で、左第1車線のど真ん中付近を走行しているのですが...

自転車乗りとしても信号無視、逆走、無灯火、スマホながら運転などはガンガン取り締まるべきと思っていますので、ドライバーの方々も自転車に関する特殊なルールは理解してもらえると、もうちょっと危険性を減らせるのではないかと思っています。

そもそも道路交通法は難しすぎるので、全てを理解している人がいるとは思えないレベルですが、自転車は第1通行帯からしか直進できないし、ダブル左折レーンとかトリプル左折レーンになると、もうお手上げなわけです。
ダブルではない左折レーンでも、こっちは直進するつもりでも後続車が追い抜き&左折開始とかされることもあるので・・・

いろいろ意見は出ているようですが、ダブル左折レーンについては怖いので、直進したいけど泣く泣く左折するというロード乗りの方もいましたし、分からなくなって怖いなと思うときは一度歩道に上がって考えるという人も。
これらは自己防衛論としてはアリなんですし、ダブル左折レーンについては私も無理せず左折をお勧めしてます。

超危険な事故未遂の映像がありました。 よくこれで死ななかったですね・・・ さて、このようにダブル左折レーンの構造...

ただまあこれは自己防衛論としての話なので、自己防衛論を強制するかのように主張するのはやっぱ違う。
自転車は左折レーンで直進するのが危険だから、左折しろ!と言われてもそれは違うでしょと。
タケコプターでも装備して空中から直進しろ!とか言われたら、もう話になりませんが、タケコプターがあるならむしろ欲しいですw
あと、自己防衛のために左折専用レーンだった場合には一旦左折するという方法があるにしても、その先が高速の入り口になっていて詰んでしまうこともあるので、必ずできる自己防衛というわけでもない。
自己防衛論と法律論がゴッチャになってしまうと支離滅裂にしかならない。
上の動画のような無謀な自転車については、堂々と法律論に則って非難されるべきと思いますが、結論においてはどっちもどっち感が出ているのが残念なところでもある。
バカで法律を守らない自転車に対して、キレたら負けです。
粛々と110番したほうがいい。 ¥

お互いに道交法を知ることが第一歩なんじゃないですかね。
冒頭の方についても非難したいわけではなくて、横断ではないことを知ってもらえれば。

ついでなので

自転車は車両通行帯がある道路以外では左側端通行義務があるわけですが(18条1項)、どこまでが左側端というのは定めがありません。
一般的には路肩の通行に適さない危険部(エプロン部や側溝)を避けた上で左側に寄ることと解釈されています。

車道外側線は道交法上の規制効力がない区画線なので、道交法上の車道は路肩の縁石部までです。

二輪車は左側に寄り過ぎても危険なのでどこまでが左側端と言えるかは難しいですが、私見として、左側から自転車が追い抜き出来る程度の余地が残っているなら左側端に寄っているとは言えないと考えています。

道交法27条に追い付かれた車両の義務というのがあります。

(他の車両に追いつかれた車両の義務)
第二十七条 車両(道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行又は同法第三条第二号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
2 車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、最高速度が高い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。

この規定、実は自転車は除外されています。
政令に定める最高速度が高いか低いかの話なので、政令で最高速度が定められていない自転車は関係ない。
とはいえ、昭和39年までは自転車にも適用されていました。

現行法で27条が自転車に関係ないには理由があると思ってまして、要は18条1項に基づいて左側端を走っている分には常に譲っている状態と解釈できるからではないかと。
このあたり正確な理由は調べてもよくわかりませんが、いろんな資料を検討するとそのように解釈するのが合理的。

こういうのも、自転車乗りが、【自転車は譲る義務が無いから譲らない!】というとちょっと感じが悪いなと思っていまして、【左側端に寄っているのでこれ以上は譲る余地が無いんです】というほうが正解。

自転車って難しいですね。
誰か法改正してくれ。

ついでなので、自転車を追い抜きするときにクラクションを鳴らしてもいいのかという判例を挙げておきます。

先日書いた記事で紹介した判例。 自動車運転者が自転車を追い越す場合には、自動車運転者は、まず、先行する自転車の右側を通過しうる十分の余裕が...

同2項但書によって警音器を吹鳴すべき義務を負担する場合は、危険が現実具体的に認められる状況下で、その危険を防止するため、やむを得ないときに限られ、本件におけるように先行自転車を追い抜くにあたって、常に警音器を吹鳴すべきであるとは解されず、追い抜きにあたって具体的な危険が認められる場合にのみ警音器を吹鳴すべき義務があるものと解される。

奈良地裁葛城支部 昭和46年8月10日

左折レーンから直進するときにクラクション鳴らされるのも怖いです・・・
ほんといろいろ難しいことは多いですが、とりあえず、ドライバーの方々には左折レーンから自転車が直進することは知ってもらえれば。