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事実に基づかない憶測の恐ろしさ。

よく自転車が絡む事故の報道があるとヤフコメでは自転車が悪いかのような論調のコメントが急増します。
ちょっと前にもありましたよね。
バスが自転車に当たった事故で、ヤフコメでは自転車が悪いかのような世論が形成された。
けどバス会社が全否定した。

事実のみについて論評するのが大人のマナーなのかな。

事実に基づかない憶測の恐ろしさ

事故報道って、ほとんどは詳細が発表されません。
これも理由があって、基本は警察がプレスリリースした内容と、独自の取材に基づく内容以外は単なる憶測になってしまうから、確定事実以外は報道しないのがお約束。
警察も後々争いになるような詳細についてはプレスリリースしないし、報道機関も憶測し間違っていた場合には責任を負う。

だから事実として確定していること以外は報道しないのが通常。

憶測って所詮は憶測に過ぎませんから。
けどヤフコメを見ていると、自転車は違反だらけだという世間の評価を代弁しているんだろうなと思うことはあります。
憶測で非難するのは良くないことですが、そういう声も出てくることは1サイクリストとしては受け止めないといけないし、自転車ルールの順守は啓蒙しないとと思う。

事実についてのみ検討する。
それが大切で、憶測が含まれると事実に反する恐れが出てしまう。

例えばですが、まだ暗い明け方に車道を横断する歩行者(横断歩道ではない)と車両の衝突事故があった。
報道事実は横断歩道が無い場所、衝突したこと、死亡事故になったこと程度しかないにも関わらず、憶測で【直前横断だったのではないか?】とか【車両の運転者が速度超過していたのではないか?】とか【車両のライトがロービームだったのではないか?】など勝手な憶測を加えて批判することは厳に慎まないといけない。
俺はあの道を知っている、みんな飛ばしているからこの事故もそうだろう、というのは単なる憶測であって、憶測で非難するのはヤフコメにいる自転車叩きするだけの人と同レベルでしかない。

これは当たり前のことですね。
大人の世界の常識。

事実を踏まえた上で、【もし】【仮に】、事故を防ぐためにはどういうことに気をつけて運転すべきなのか?という検討であれば話は変わる。
これらは事実については一旦置いといて、単なる想定と自己防衛の話となる。
例えばこういうの。

・暗い明け方の時間で車両の通行量が多くないからと言って油断しないほうがいいよね
・ロービームであればそれに応じた速度、ハイビームでもそれに応じた速度が求められるよね
・歩行者もきちんと見て横断しないと、距離感を見誤まって直前横断になるリスクもあるから気をつけないとね

こういうのは事故の事実は置いといて、一般的な注意事項の確認となる。
事実関係は報道されている以上のことは分からないのだから、間違っても歩行者が悪いとか、車両が不用意な運転をしたとか言える余地はない。
なので一般的注意事項の確認として、こういうことも気をつけるといいよね?程度の論評しかできない。

けどヤフコメとかツイッターとかだと、どうしても事実として報道されていないことも含めて勝手な批判が飛び交う。
だから好きになれないんですけどね。
ヤフコメとかツイッターとか。
安易な意見が多すぎる。

こういうのって難しいところですが、いわゆる幹線道路のようなところの場合、横断歩道が無いところでの直前横断を予見する注意義務はないとする判例もある(東京高裁 昭和45年5月25日など)。
これは道交法でも、歩行者が横断歩道以外での直前横断を禁止する条文があり、かつ70条のような安全運転義務もある。
70条は具体的状況で客観的危険性を認定しないと成立しませんが、とりあえずこの状況下では、報道以上の憶測を勝手に認定して非難することは早計
ヤフコメとか見ていると、事実として報道されていないことを勝手に認定するアホどもがいて、知らぬ間に自転車が悪いみたいな風潮を作り上げる傾向にはありますが、同じことを車両に対してやっていたら同レベルの人材にしかならない
報道には出ていない憶測を勝手に認定して車両を非難するのは慎むのが当たり前。
その後の報道を確認してからすべきこと。
その後の報道で憶測があっていたかどうかという結果論でもダメ。

憶測だけで非難する人って、ヤフコメでよく見かける【自転車が常に悪だと認定する謎の人たち】とレベルとしては何ら変わりない。

報道とか判例とか

当サイトでは判例もそこそこ取り上げるようにしてますが、結構ビックリするのは判例の読み方を理解していない人が多いこと。
民事の損害賠償請求は、そもそも道交法違反を争っているのではない。
民法709条の過失に当たるかどうかを争っているわけで、民法の過失というのは予見義務と回避義務の違反。

道交法の義務を超えた範囲でも、予見できることは回避しないといけない。
これについて争っていることを理解しないと、的外れな論評になる。
民事での判例はまあまあいい加減な面もあるので、自転車にも27条の義務があるような判例もあれば、横断歩道を渡ろうとする自転車に対して38条1項の義務が生じるかのような判例もある。

堅苦しい話が続いていますが、一つの参考になるかと思いまして。 自転車の場合、道路交通法27条の【追いつかれた車両の義務】は適用...

先日このような記事を書いたのですが、 記事でも書いたように、横断歩道=歩行者のためのもの、自転車横断帯=自転車...

これらってより正確に書くと、27条の義務があるとか38条の義務があるという表現は不適切。
道交法は特別刑法なので、義務違反=処罰対象になるわけなので。

そしてもっと大事な点としては、争点がどこにあったのかということ。
民事では双方が認めたことはそのまま認定されるし、当事者が主張していないことは判決には一切加わらない。
この原則を分かっていないと、トンデモ論を出す結果に陥る。
こういうのとか。

たまたま検索してヒットした記事なんですが、ちょっとこれはいかがなものかと思うところがありまして。 まあ、気持ちは分からないでもないですが。...

ちょっと前に取り上げた件。 この記事で取り上げたブログさん、ほかにも判例について解説(?)をしているようなので...

裁判官が盛大に間違えたかのように考えているようですが、裁判官は法廷で提出された主張と証拠のみで判断するので、事故現場に出向くことは基本ない。
そして当事者が主張していないことを勝手に認定することも出来ない。

当事者が主張していないことを勝手に認定すると、一方に有利、一方に不利になる。
当事者の一方が主張したことに対して、相手方に反論の機会を与えるのが民主主義。
主張と反論から裁判官が結論を出すだけの仕組みです。

この原則って大切だなと思うのですが、報道でもそう。
一般人は報道されてない情報を知ることはなかなかないわけで、報道された事実のみで検討することが大切で、そこに憶測が含まれるとヤフコメで自転車叩きをしているような人と同じレベルに堕ちてしまう。
そんな低レベルに成り下がってはいけないなと思うのですが、単に叩きたいだけの根拠が無い人と同レベルでいいのか?というところについては自制を兼ねて書いてます。
こういうのは私自身も憶測を含めて失敗したこともあるので。

なんでもかんでも対立構造を煽ったり、根拠が無い叩きをしたいだけの人には理解できないことかもしれませんが、事実の論評と、事実は一旦置いといてどのようなことが想定できるのかという検討と、その検討に基づく自己防衛手段は分けて考えないとおかしくなる。
自己防衛を法律であるかのように混同して強要することになったり、憶測だけで批判するような人間になってはいけないと思うのは、事故報道で憶測が含まれることは容易に誹謗中傷になるからだと思う。
ちょっと前に遭ったバスと自転車の事故がその最たる例ですが、いち早くバス会社が自社の責任だと表明したのはある意味ではいいことだと思う。