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安易に違反だ!という前に。

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ネットの世界ってなかなか恐ろしくて、自転車の走行方法について

いろんな人
いろんな人
おい!それは違反だぞ!

こういうのはよく見かけます。
ただまあ、話を聞くと結構メチャクチャだなと思うのですが、よくあるのは歩道の逆走違反だ!というもの。
いやいや、いったいいつから歩道に進行方向が出来たんだ??

 

歩道を歩いている人が、ご老人から「違反だ!」と咎められたみたいなニュースがあったと思う。
そのご老人曰く、歩道は右側を歩くルールだろ!逆走だ!(逆歩?)みたいな。

 

いやいや、

(通行区分)
第十条 歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。

「歩道と路側帯の区別が無い道路においては」と付いているように、どうみても歩道を歩く時についても方向性の指定はないw

 

違反だ違反だ!と騒ぐのはバカでもできる。
何条の違反なんすか?というところを指摘できない奴は、本当にダメだと思う。
脳内道路交通法違反容疑を掛ける前に、もうちょっと勉強した方がいいと思う。

 

まあ、追い付かれた自転車はまず制限速度まで加速する義務があるなどと平然と語り出すアホもいるので、困るのですが・・・

 

脳内道路交通法違反の自転車はSNSに晒します。追い付かれた自転車は制限速度いっぱいまで加速する義務がありますw
SNSってホントいろんな人がいるなぁと思うのですが、一番不可解なのは脳内道路交通法違反としてSNSで非難する人。 その代表格の一つに、自転車の歩道逆走があります。 歩道逆走という罪 歩道を逆走している自転車に対し、脳内道路交通法違反としてネ...

 

脳内道路交通法違反容疑

以前あったケース。
日中、リアライトもリフレクターも装備していないロードバイクを撮影して、

読者様
読者様
違反だ!
リアライトもリフレクターも付いてないぞあのロードバイクは!!

違反だとして動画をネットにアップして批判している人がいました。
道交法では、夜間、政令で定めるときに灯火をつける義務が定められているけど、

(車両等の灯火)
第五十二条 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
(夜間以外の時間で灯火をつけなければならない場合)
第十九条 法第五十二条第一項後段の政令で定める場合は、トンネルの中、濃霧がかかつている場所その他の場所で、視界が高速自動車国道及び自動車専用道路においては二百メートル、その他の道路においては五十メートル以下であるような暗い場所を通行する場合及び当該場所に停車し、又は駐車している場合とする。

各都道府県の公安委員会規則を見ても、自転車の灯火は法52条と施行令19条で定める場合以外にはつける義務が無くく、道路運送車両法でも二輪の自転車は規定がない。
なので何ら問題なく合法になる。

 

日中でもデイライトでリアをつけたほうがいいよね?という話は自己防衛に関する話になるので、個人的にはデイライトでリアを使ったほうがいいとは思うけど違法性が無い人を違法だとして咎めることは人として許されるものではない。
ましてや、動画で晒すとかはお話にならない。

 

道路交通法って特別刑法なので、違反行為は咎められるべきと思うけど、違法性が全くない人を晒すのは当然アウト。
こういうのって、そもそものところでいうと「何条の違反なのか?」「どの規定に抵触するか?」という観点が欠落しているから安易に調べもせずに語り出すのだろうと。
法律に反するのか、自己防衛とかマナーの範疇なのか?は全く別次元の問題

併進の話

自転車の併進(並走)は道路標識で許されていない限りはダメ、というのは自転車乗りであれば知っていることと思う。
根拠法は19条。

(軽車両の並進の禁止)
第十九条 軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない。

この規定、若干曖昧な要素を含んでいると思っているのですが、執務資料道路交通法解説によると、歩道上での自転車の並走は違反とはならないとなってます。

 

執務資料によると、17条4項のこの規定。

道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)

これがあるので、19条は「道路において」と読み替える、みたいに書いてある。

 

実際のところ、自転車の併進禁止の規定って出来たのが昭和39年、自転車の歩道通行が例外的に解禁されたのが昭和45年。
元々自転車が歩道を通行することを考慮していない時代に出来た条文なのでそうとも取れるのかな?と思うのですが、昭和39年時点の19条ってこうでした。

第十九条 軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない。
2 二輪の自転車は、公安委員会が道路又は交通の状況により支障がないと認めて指定した道路の区間においては、前項の規定にかかわらず、他の二輪の自転車と並進することができる。ただし、二輪の自転車が三台以上並進することとなる場合においては、この限りでない。

当時の19条2項は、現行だとほぼ同じ内容が63条の5(第13節)に移動してます。
昭和39年時点では、自転車が歩道を通行してもいいとする条文が無いし、19条2項の【道路の区間】というのがあるので、公安委員会が自転車の併進を可にしたところは車道なんだと理解できる。
けど現行法だと、63条の5における「道路」というのは車道に限定していないし(17条4項の規定は関係しない)、道路上であれば自転車の併進が全面的に禁止されているように読み取れるように思うのですが、どうも執務資料の説明で納得したことが無く。

 

けど仮に道路上での自転車の併進が全面的に禁止だという解釈に立つと、これが違反になるのか??という謎事態も発生する。

当然これは何ら違反になることは無いw

 

実際のところ、現行法の運用上ではこうなっている模様(執務資料によると)。

・歩道上での並走は19条違反ではない
・歩道と車道の間での並走も同様に違反ではない
・路側帯と車道の間での並走も違反ではない

歩道は徐行義務があって歩行者の往来を妨害してはいけない規定があるので、並走で取れなくても問題ないのか。
道交法は特別刑法なので、条文上で明記されている規定以上の処罰は出来ないはずなんですが、いまだにここの解釈については、納得いく説明を聞いたことが無い。
勝手なイメージでは、自転車は車道が原則(17条1項、63条の4)がある以上、例外的な歩道に関しては車両としての通行について詳しく定めるまでもないのかなとか思ったりするけど、昭和39年当時の条文で歩道の並走が禁止というのは理解できるけど(そもそも通行できない)、現行法で歩道の並走がダメではないという根拠はいろいろ読んでもよくわからん。

 

詳しい人がいましたら是非根拠を教えてください。

 

歩道での並走により、歩行者の妨害をしたなら63条の4第2項の違反だというのは明確だけど。

(普通自転車の歩道通行)
第六十三条の四
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
この手の話を書くと、歩道上で並走したい人だと認定して非難するアホが出てくるのですが、当たり前ですがそういう意味では無いです。
刑罰規定なのかマナー的な問題なのかを明確にしたいだけのこと。

ルールなのかどうか?

個人的な感覚としては、ルールを守るというのは最低ラインのことであって、それ以上に事故回避義務が課されている以上、危険性があると思う行動はしないという原則を守ってロードバイクに乗るので、どうでもいいと言えばどうでもいい。
ただし、違反ではないものを違反だとしてネット上で非難している人を見ると、さすがにそれは違うだろと思う。

例えば理屈の上では、各都道府県の公安委員会規則によって自転車ベルの装備義務がないところもあるにはある。
その地域においては、ベルの未装備だということだけで違反を取れないのは明らかですが、54条がある限り違反だという人もいる。

 

54条はベルを鳴らす義務と鳴らしてはいけない義務を課しているだけなので、当然未装備だということで違反にすることはできませんが、結局のところ標識で鳴らせとあれば鳴らす義務がある以上、付けておいたほうがいいよね?というマナー的な話にしかならない。
理屈の上では、標識で鳴らせと書いてあったらUターンして帰れば違反が成立することもないしw
ベルの装備義務は道交法71条6号の違反になるけど、装備義務が無い地域では条文にない以上は違反ではない。

 

時々聞く話で、オートバイ同士の並走、オートバイと車の並走は違反だ!という意見。
これが一体何条の規定に触れるのか?というところを考えないといけない。
日本は法治国家なので、違反だというからには道義的にみても何条の違反なのかを指摘できない限りは違反にはならないし、雰囲気的に危険そうだからなどと言う理由で違法認定することは道義に反する。

 

例えば、こういう状態が違反なのか?というと、違反ではない。

※一般道では車両通行帯は専用通行帯と交差点手前くらいしかないので、車両通行帯ではない道路として考えますw

 

車両通行帯=複数車線道路ではないの??ええ、違います・・・
メールで質問を頂いていた件なのですが、 確かにいろんな記事にとっ散らかっているのも事実なので、全部まとめます。 用語の確認 ・「法」 ⇒ 道路交通法 ・「令」 ⇒ 道路交通法施行令 ・標識令 ⇒ 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 複...

 

車両通行帯ではない道路では、車線というのは単なる区画線に過ぎないので何ら規制効力が無い。
単に目安として存在しているだけに過ぎない。

 

逆にこういう状態で、同一車線内で並走するのが違反なのか?というと、並走だけでは違反を取る根拠がない。

こういうのも分かっていない人だと、左追越し違反だ!とか言い出すのですが、なにせ追越しの定義は「前方に出ること」なので前方に出ない並走は追越しではない。

二十一 追越し 車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。

では車両通行帯が無い道路だから、左寄り通行違反(18条1項)に問われるのか?というと、それもない。

(左側寄り通行等)
第十八条 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。

18条1項のキープレフトは、軽車両が通行する左側端を空けた上で左側に寄ること、となっているけど、車やオートバイが左側端を通行することを禁じているわけではないというのが通説的な解釈(注解道路交通法、判例タイムズ1973/01/25臨時増刊284号、判例等から)。

 

そもそも18条1項には罰則がないという事情もありますが、どちらにせよ車やオートバイ、原付が左側端を常に空けて走行する義務はない。

 

そうなると強いて言えるとしたら、並走時に側方距離が近すぎることでの安全運転義務違反くらいしかない。

(安全運転の義務)
第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

ただしこれも、超至近距離とかじゃないと事故らない限りは違反として取ることもない。
そこから発展して共同危険行為をしているというなら別ですが。

(共同危険行為等の禁止)
第六十八条 二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない

これも、併進自体で違反が成立するわけではなくて、いわゆる暴走族さんたちの危険行為を取り締まる条文。

 

そうなると車とオートバイの並走というだけで明確に取り締まる条文は存在しないわけですが、普通に考えれば危険性があるので、すべきことではないというマナー的な問題であったり、自己防衛の話となる。
よくオートバイの左追越しガー!という人もいるけど、追越しの定義を満たさないのであれば追越しではなく追い抜きに過ぎない。
追いつく前に進路を変えているなら、道路交通法上は追越しではなく追い抜きに過ぎないので、当然左追越し違反というものが成立しなくなる。
けど定義規定を理解していなかったり、道路交通法は刑法だという前提を理解していない人だと、条文に書いていないことまで違反扱いする。
いわゆる脳内道路交通法違反。

 

違法行為なのか、マナー違反なのか、自己防衛としてすべきことではないのかを分けずに、違反だ違反だと騒ぐ人もいたりする。
他人を批判するのであれば、当然これらを分けた上で、違法行為であれば何条に抵触するのかを指摘できないといけないはずなのに、安易に批判する人って多い。
そういう人に限って、道義で考えれば、などと誤魔化す傾向があるなと思っているのですが、道義で考えれば批判するときは何に抵触しているのかを指摘できないといけない。
それが大人の世界のモラルだけど、それすら分かってない人が良く使うんだよなぁ。

 

なお、私自身は法律に抵触しなければなんでもいい、という感覚は無くて、道交法で定めがあることだけを守っているのは不十分だと考える派です。
歩道での自転車の並走というのも、執務資料では違反ではないとしてますが、モラル的な問題からすれば好ましいこととは思えないですし(これの法律解釈はイマイチ納得したことが無いですがw)。

 

世の中、ルールでは何ら問題ない行動をルール違反だと言い出すような人もいて、もうちょっと勉強したら?と思うことも正直多い。
道路上ではマナーなんて不要、ルールだけで十分という人もいますが、それを公言する人がルール自体を全く分かっていなかったら目も当てられない。
ルールでは問題ない行動をルール違反だと指摘すること自体が、人としてのマナー違反、という謎状態に陥るw

 

中には、法定外のハンドサインを出すと安全運転義務違反、などと珍説を唱えてしまうような人もいるらしいですが、自ら判例とか読んだことが無いと公言しているのと同じこと。
そういう人が判例読んでます!などと語り出しても、説得力がない。
違反にはならないことでも脳内道路交通法違反を唱える人って多いですが、条文レベルで指摘できない人って、そもそも道交法を理解していないんでしょうね。

 




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