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心情的な面と、法律と。

まあ、そうなるだろうなと・・・

レンタカーの放置違反金の支払いをめぐり、貸し出したレンタカー会社が納付命令の取り消しをもとめた裁判で、最高裁第三小法廷は会社側の上告を棄却・不受理とする決定を下した。会社が1月24日、明らかにした。これによって、会社側の請求を退けた判決が確定する。決定は1月18日付。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e579c8b2d7ea6b62d75dc1213ba3a2dc5c0c8643

レンタカーを借りていた人が放置違反金を払わなかった場合、レンタカー会社が支払う義務があるという判決。
心情的にはどうかと思いますが、これもしょうがないといえばしょうがない。

逃げ得許容?

要はレンタカーを借りたお客さんがバックレた場合、レンタカー会社が泣き寝入りして支払う必要があるという判断になっているわけです。
心情的にはそんなバカな!と思うでしょうし、逃げ得許容なのか?と思われてもしょうがない。

ただこれ、平成16年の道交法改正時から確認されていたことなんですよね。

○政府参考人(人見信男君) お答え申し上げます。
使用者というのは、自動車の使用する権原を有し、自動車の運行を支配し、管理する者のことでございます。したがいまして、例えば盗難車、盗難された車の場合は、これは自動車の使用、自動車の運行を支配し、管理する者とは言えませんので、この場合は免責されるというように考えております。
また、レンタカーでございますが、レンタカーは、現行法でもレンタカーの使用者というのは、これは業者、レンタカー会社の方でございます。ただ、私どもは、したがいまして、借受人、借受人が必ずしも運転者とは限りませんですが、借受人、運転者がレンタカーを使用して反則金を、駐車違反をし、放置駐車違反をし、反則金を支払わなかったというような場合には、使用者であるレンタカー会社が責任を持つということにはなります。
ただ、私どもは、レンタカー会社とも、業界とも話をしまして、なるべく相互に、お互いに連絡をし合うと。これは、現在でも放置駐車違反の運転者の特定に当たりましてレンタカー会社の御協力を得ているところでございますので、今後ともそういった緊密な連携は取らせていただきたいなと、こう考えているところでございます。

第159回国会 参議院 内閣委員会 第9号 平成16年4月8日

第一に、違法駐車に対する使用者責任の拡充でございます。
我が国の都市部における駐車容量は最近確実に拡大してきたものの、違法駐車に関する一一〇番件数は刑法犯関係の一一〇番件数とほぼ同水準で増加傾向が続いております。違法駐車はなお未解決の重要な都市問題と言えます。
我が国では違法駐車は犯罪とされ、交通反則金制度により、反則金を納付すれば公訴を提起されない仕組みになっていますが、駐車違反の場合には現場に運転者がいないのが通常であるため、当該車両の使用者が違法駐車をした運転者であるということを否認する場合に、違反した運転者を特定することが困難であるという問題を抱えております。
駐車違反を行ったにもかかわらず、運転者であることを否認して反則金を支払わない者に対しては刑事責任を追及することができますが、そのためには十分な証拠を収集する必要があり、逮捕まで持ち込むことは容易ではございません。特に悪質な違反者に対しては、二、三か月にわたり張り込み捜査を実施し逮捕した例もありますが、刑法犯認知件数が増加の一途にあり、検挙率が二〇〇一年には先進国で最低水準の約二〇%まで低下した状況において、駐車違反の取締りに警察が多大の労力を費やすことを期待することはできません。
最近十年間で強盗が約三倍に増加し、その検挙率が五〇%を割ってしまったことに象徴されるように、戦後例を見ない治安の悪化におびえる国民の多くは、警察に凶悪犯の徹底した取締りを行ってほしいと願っていると思われます。そのためにも、駐車違反の取締りのためにより実効的な仕組みを考案し、駐車違反の取締りに費やされている警察の法執行の予算、人員を凶悪犯にシフトする必要があります。このような認識の下に、違法駐車問題検討懇談会は使用者責任を拡充することを提言いたしました。

車両の使用者とは、車両を支配する権原を有し、その運行を支配し、管理する者のことであります。通常は車両の所有者と一致しますが、ローンで購入した自動車の場合には、ローンを完済するまでは販売会社が所有者であり、使用者と一致しないことになります。
先進国におきましては、駐車違反について、運転者責任を追及するものの、運転者が確認できない場合には所有者に行政制裁を科す仕組みが一般的であります。また、そもそも運転者責任は問わずに、所有者又は使用者に対してのみ行政制裁を科す例、フィンランドやスウェーデンがそうでございますが、そのような例もございます。また、イギリスのように、犯罪である駐車違反については前者、また犯罪でない駐車違反については後者の仕組みを採用している例もあります。これらの国では、所有者責任又は使用者責任の導入の結果、違法駐車問題の改善、裁判所、警察の負担軽減が実現したと評価されております。
我が国におきましても、駐車違反車両の使用者責任が全く問題とされてこなかったわけではなく、一九九〇年の法改正により、違法駐車防止に係る使用者の努力義務、違法駐車をした車両の使用者に対する公安委員会の指示、違法駐車防止に係る自動車の使用制限命令についての規定が道路交通法に置かれております。しかし、これらは個々の駐車違反に対して直接責任を追及するという性格のものではございません。
そこで、今回の改正案におきましては、個々の駐車違反に対して使用者に放置違反金を科す仕組みを導入することとしております。所有者ではなく使用者の責任を問うこととしているのは、所有者は、使用者と一致しない場合、車両の運行を管理する者ではないからです。もっとも、使用者は車両を管理する者であっても、運転者と一致しない場合には違法駐車を自ら行った者ではないわけですから、刑事責任を負わせることは適当ではありません。行政制裁を科すこととしているのはそのためです。

第159回国会 参議院 内閣委員会 第8号 平成16年4月6日

元々の法改正の経緯は、違法駐車でバックレる奴の捜査なんかよりも、より凶悪な刑事犯の捜査に警察力をあてがうべきだという発想があって、そのために運転者だけでなく使用者に対しても徴収できる仕組みを作った。
当時の国会議事録でも、レンタカーにおける「使用者」というのはレンタカー会社ですよと確認している。

(放置違反金)
第五十一条の四
4 前項の規定による報告を受けた公安委員会は、当該報告に係る車両を放置車両と認めるときは、当該車両の使用者に対し放置違反金の納付を命ずることができる。ただし、第一項の規定により当該車両に標章が取り付けられた日の翌日から起算して三十日以内に、当該車両に係る違法駐車行為をした者が当該違法駐車行為について第百二十八条第一項の規定による反則金の納付をした場合又は当該違法駐車行為に係る事件について公訴を提起され、若しくは家庭裁判所の審判に付された場合は、この限りでない。

心情的な面は理解できるけど、法律がそうなっている以上はやはり厳しい争いだったのかなと。

まあ、バックレるような奴が一番悪いのですが・・・

理論的には、レンタカー会社は契約者に対して請求できますが、2万円弱の徴収のために契約者に対して訴訟するというのはちょっと無理がある。
なので先にデポジット金などで徴収しておくか、クレジットカードのシステムを使って後日でも請求できるようにしておかないと、レンタカー会社は大損喰らうという話です。

この件は行政訴訟で、法律解釈についての争いになると思いますが、行政訴訟は絶対に勝てないし原告勝訴率10%以下というのも、こういうところにある。
心情的な面ではおかしいと思うけど、法律がそうなっている以上はどうしようもない。

個人的にちょっと気になる点ですが、レンタカー会社が反則金を支払った場合って、たぶんですが反則金を経費に出来ないはずなんですね。
なのでなおさら先に違反金相当を預かっておいて何もなければ後日返還とか、クレジットカードのシステムを利用して顧客のカードから差し引くとかそういう方式を導入しないととんでもないことになると思う。

難しいですよね法律

法律自体のバグみたいなこともあるし、法律って特に理不尽なのでこういうのはある意味ではしょうがない。
法律を知った上で先に対策しておくしかないのかと。

道路交通法関連ってなかなか分かりづらいことも多くて、ネット上では平然とデマみたいなの流す人もいますし、自分でそれなりに勉強しておかないと結構間違うと思う。
普通自転車通行帯という誰がみても明らかな車両通行帯がある道路なのに、18条1項のキープレフトを語り出すような人もいたり、法定外の手信号は安全運転義務違反だとかありえないことを語り出したり、自転車に危険運転致死傷罪が適用されると思い込んで平然とデマをネット上に流す人もいますが、そういう調べもしないテキトーな行為がインターネットの信用性を落とす最大の原因と言っていいのかと。
責任感が無い発言の人も多いので、自ら勉強する癖付けしないと、デマを信じて酷い目に遭う可能性があるので注意しましょう。