PVアクセスランキング にほんブログ村

歩道で歩行者と自転車が衝突した場合、過失は100%自転車。

先日の記事について質問頂いたのですが、

読者様から質問を頂いた件。 ん-・・・ たぶん普通自転車の規格の話では? 歩道通行できるかどうかについては、道路交...

読者様
読者様
非普通自転車が歩道を走って歩行者にぶつかった場合、普通自転車よりも過失が増えたりしますか?

歩道で自転車と歩行者がぶつかった場合

平成20年だかに、改正道路交通法施行により自転車が歩道を通行出来る要件が明確になりました。
基本的にですが、歩道で自転車と歩行者がぶつかった場合、普通自転車だろうと非普通自転車だろうと、過失は100%自転車です。

(普通自転車の歩道通行)
第六十三条の四
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。

古い判例だと、歩行者に過失をつけてるものもありますが、改正道路交通法以降は基本的には自転車が完全に悪いという方針。
これは地裁の交通部の見解(確か非公式見解ですが)。

なので非普通自転車だから過失が増えたりすることはありません。
普通自転車ですら過失割合は100%なので、それ以上増える余地がありません。
ごく稀に歩行者にも過失がつく場合がありますが、そのようなケースであれば非普通自転車の場合は「通行禁止なのに通行した過失」があるため、普通自転車の場合とは変わる可能性もありますが。

ぶっちゃけ言いますと、歩道を通行する自転車には徐行義務があるにも関わらず、ほぼ守られていない。
目安は6-8キロ。

歩道に「普通自転車の通行指定部分」がある場合は、歩行者がいなければ徐行義務は解除され「安全な速度と方法」で通行できます。

しかし、普通自転車の通行指定部分があっても、歩行者は「普通自転車の通行指定部分を避けて通る努力義務」(10条3項)があるだけで、絶対的義務ではない。
対して自転車には、歩行者の妨害禁止義務(63条の4第2項)があるため、これがあっても歩行者とぶつかれば過失は全て自転車になるのが一般的。

言い訳

だいたいはこんな話になるのですが。

いろんな人
いろんな人
そんな低速で走れるか!

いろんな人
いろんな人
事故を起こさないことが目的なんだから、事故さえ起きなければ関係ない。

いろんな人
いろんな人
車道は怖くて走れないからしょうがないだろ!

全部言い訳。
別に自転車に乗らなきゃいけない義務はないので、ルール守らないなら乗らないでもらえると

ルール上は、徐行、歩行者の妨害禁止ですから。
まあ、サッパリ守られていませんけど。
横断歩道にしても、「歩行者がいるときは押して歩け」なんですけどね。

交通の教則(道路交通法108条の28)
(5) 道路を横断しようとするとき、近くに自転車横断帯があれば、その自転車横断帯を通行しなければなりません。また、横断歩道は歩行者の横断のための場所ですので、横断中の歩行者がいないなど歩行者の通行を妨げるおそれのない場合を除き、自転車に乗つたまま通行してはいけません

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない

ちょっと面白い議事録

第二回吹田市自転車利用環境整備計画会議というのがあって、一部の委員が、歩道と踏切(?)の一部に「自転車を降りて通行してください」という横断幕があるのはおかしい!と盛んに主張している。
要は自転車通行禁止の交通規制ではないのに、紛らわしい横断幕はやめてほしいみたいな主張。

https://www.city.suita.osaka.jp/home/soshiki/div-doboku/somukoutu/_83853/_111587/_112635.html

この中でちょっと気になったのがここ(議事録より抜粋)。

○法律上そのようなことは記載されていない。障がい者、70歳以上、児童は乗れるのにそのことについても触れられていない。先ほど規制がかかる所の表示である「吹田市・吹田警察署」の表記も明らかに間違っている。

○何が間違っていますか。

○だから法律的に自転車を降りなくてもよい人は歩行者優先で気を付けながら通ってもよい。

○そのようなことはどこかに記載されていますか。

○道路交通法に記載されている。

○降りなくてもよいと記載されていますか。

○降りなくてもよいじゃなくて、歩道を通ることができることが記載されている。昨日発見したが吹田市の自転車安全利用五則にも例外として車道や交通の状況からみてもやむを得ない場合、歩道を通行できるという項目が入っている。これは主語が入っていないが、自転車に乗っている人が判断をするのですよね。降りることが危ないと判断した私が乗ることができるはずです。それなのに如何にも降りなくては間違っている、規制がかかっているような記載が間違っている。

「法律的に自転車を降りなくてもよい人は歩行者優先で気を付けながら通ってもよい」という主張をしている委員がいる。
法律の条文はこちら。

2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。

この条文、歩行者の妨害禁止義務を定めていて、歩行者の通行を妨げるときは一時停止義務があるとしている。
そして2条3項2号では、「自転車から降りて押して歩く人は歩行者とみなす」としている。

場所をGoogleマップなどで見る限り、「普通自転車の通行指定部分」があるようには見えないが、「法律的に自転車を降りなくてもよい人は歩行者優先で気を付けながら通ってもよい」という主張、普通自転車の通行指定部分がある場合ならその通りだけど、無い場合の解釈としては違和感しかない。

しかも、「降りることが危ないと判断した私が乗ることができるはず」については、ちょっと意味がわからない。

「気をつけながら通ってもよい」ではなく、「歩行者の通行を妨げるときは一時停止。だけど、降りたら歩行者なのでその場合は義務が消失」が正解。
気をつけながら通ってもよいと解釈すること自体に違和感を感じる。

そもそもこの条文、このような規定もある。

(普通自転車の歩道通行)
第六十三条の四 普通自転車は、次に掲げるときは、第十七条第一項の規定にかかわらず、歩道を通行することができる。ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない

学童や高齢者だろうと、「歩道通行可」の標識があろうと、警察官が必要と認めて歩道通行はダメと言えば自転車の歩道通行は出来ない。
けど押して歩けば歩行者にクラスチェンジ可能だから、歩道を押して歩くことは可能になる。

歩道を自転車が通行できることを「権利」と捉えたいのかなと思うけど、そもそもかなり制限がついた権利であって、現場の警察官の裁量権により歩道通行を禁ずることも出来る。
あくまでも車道通行義務(17条1項)の例外規定であって、「権利」というほど強いものではない。
法律をしっかり理解していないまま話を進めるから噛み合わないだけなのではないかと。

さらにここ。

○それについては死亡事故が起きる場所ではありません。でも当たったら怪我をするかもしれません。前回も保険の話がでていましたけど、歩行者との接触事故が発生した場合、自転車が強者であり、治療費の請求があった場合に、そのような表示がしてあったら、賠償責任の問題を考えると負担の割合が一段階増える。

歩道で自転車と歩行者が衝突すれば基本的に過失は100%自転車だし、増えようがないと思うんですね。

自転車が歩道通行出来ることを「権利」と捉えることには感覚的には違和感しかないですが、仮に権利だと捉えても、相当な制限付きの権利でしかなく、現場の警察官の裁量で通行禁止にも出来る。
法律解釈をしっかり確認しないまま議論するから話が噛み合わないだけなのではないかと。

横断幕には法的な規制効力はないし、注意喚起に過ぎないもの。
押して歩くのは重くてどうのこうのという主張もあるけど、上で書いたように、事実上押して歩くしかない場面が普通にあるのが歩道を通行する自転車。
嫌なら車道を通行するしかない(17条1項)。

「ゆっくり走ろう」なんて横断幕が車道にあっても、その道路の最高速度を越えない限りは何ら違法性はない。
単なる注意喚起に過ぎないけど、横断幕に違法性があるわけでもない。
法的拘束力を持たない横断幕にこだわる理由すらわからないけど、噛み合わない議論の主な原因は、法律を理解していないことにあるのではないでしょうか?

けど、「法律的に自転車を降りなくてもよい人は歩行者優先で気を付けながら通ってもよい」ということと、「歩行者の通行を妨げるときは一時停止義務があり、警察官から歩道通行するなと言われたら通行することは出来なくなる」では、ニュアンスが全く違うと思う。