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自転車が車道から歩道に高速度進入。歩道で自転車と衝突した場合の過失割合。

ちょっと前に、自転車が車道から歩道に上がる際に一時停止義務があるのか?という記事を書いたのですが。

これ、道交法のバグの一つではないかと思っているのですが、自転車は63条の4により、危険回避目的の時や、道路標識がある場合や、子供と高齢者は歩...

車道から歩道に上がり、歩道上で自転車同士が衝突したという判例があります。

車道→歩道に自転車が進入し事故

判例は大阪地裁、平成29年3月29日。
判例みても細かい状況がよくわからないのですが、文字から図にするとおそらくはこんなイメージかと(正確性は保証しません)。

車道が25m以上ある幹線道路で、横断歩道と自転車横断帯あり。
原告(青自転車)は青信号で横断歩道を渡り、被告(赤自転車)は車道左側を通行し歩道に向けて進路変更(相当な高速度のまま)。
その結果、自転車同士が衝突した事案です。
原告は高齢者で、歩道には自転車通行可の道路標識あり。

過失割合は、原告:被告=20:80です。

被告は、本件交差点2の手前まで車道を走行しており、歩道通行可とされているものの、歩道に向けて進路を変更する以上、前方の歩道を通行する歩行者や自転車の有無及びその安全を確認すべき義務があり、その際、本件横断歩道を通行する歩行者や自転車を規制する歩行者自転車専用信号機が青色を表示しており、本件横断歩道を南から横断してくる歩行者や自転車があることが予見できたから、横断を終え、東西道路の北側の歩道に歩行者や自転車が進入してくることも予見できたはずであり、その有無を確認し、その安全に注意して進行すべき義務があったと認められる。
それにもかかわらず、被告は、歩行者や自転車の有無を確認し、その安全を確認しないまま歩道に向けて進路変更をし、かつ、相当の高速度で走行しており、この点で過失があったといえる。

他方で、原告も、本件横断歩道を原告車両で横断した上、歩道に進入し、あるいは、本件交差点2又は本件突き当り路に進入するに当たり、歩道や本件突き当り路を通行する歩行者や自転車の有無を確認し、その安全に注意すべき義務があったのに、これを怠った過失があるといえる。
そして、原告の過失相殺率については、原告車両及び被告車両のいずれもが自転車であること、被告車両が相当の高速度であり、本件事故の前に、停止せずに歩道に進路変更をしようとしたこと、原告が高齢者であることに加え、原告も、横断歩道から外れて進行したことなどを総合すると、2割とするのが相当である。

大阪地裁 平成29年3月29日

上のイメージ図がよくわからないと書いたのは、「原告も、横断歩道から外れて進行したことなどを総合すると」とある点。
もしかしたらこういうイメージなのかもしれませんが、ちょっとわかりません。

高齢者はマイナス10%に修正されるため、高齢者修正込みで20:80かと。

自転車の場合、時速30キロ以上だと高速度進入と見なされることが慣例です。
原付の法定速度以上だと高速度認定されますが、具体的な速度は不明です。

歩道通行の自転車の義務

先日も書いた件ですが、

これ、道交法のバグの一つではないかと思っているのですが、自転車は63条の4により、危険回避目的の時や、道路標識がある場合や、子供と高齢者は歩...

車両は歩道を横切って道路外の場所に入る場合、歩道の前で一時停止義務があります。

(通行区分)
第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
2 前項ただし書の場合において車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない

17条2項の義務は、歩道を横切って道路外の施設や場所に入る場合には歩道の前で一時停止義務があり、歩道をそのまま通行する自転車だと、一時停止義務がないことになってしまう。

前にも書いたように、法律のバグだと思うんですね。
車道→歩道とクラスチェンジする行為点に一時停止義務があるべきで、歩道に上がってコンビニに入りたい場合は一時停止義務があり、歩道に上がってそのまま通行する場合には一時停止義務がないことになってしまう。

しかし歩道には徐行義務と歩行者の妨害禁止義務がある(63条の4第2項)。
歩道での徐行は、6-8キロ程度とされます。

上の判例では、被告自転車の高速度進入と横断自転車の予見性を主な過失にしてますが、歩道に上がる際に一時停止しなかったことも過失にしている。

被告車両が相当の高速度であり、本件事故の前に、停止せずに歩道に進路変更をしようとしたこと

個人的には、車道→歩道に上がる自転車は行き先を問わず一時停止義務を作るべきだと思うのと、以前紹介した判例のように、歩道→車道も一時停止義務を明記すべきだと思う。

先日挙げた判例なんですが、 ちょっと補足。 なぜ車道ロードバイクにも5割の過失が付いたか まず、事故の前提...

まあ、一時停止義務を道路交通法で明記したところで自転車が守るのか?という疑問はありますが。

あと先日の記事についてコメントを頂きました。

読者様
読者様
もうこの件に関してはすでに管理人さんの一言に集約されているのではないかと・・。ぶっちゃけ道交法の解釈の裏付けなんてくだらないものはどうでもでもいいのでは・・。屁理屈しか言わない粘着系法律オタなど相手にしてもキリがないでしょうww
管理人さんの記述に答えが出ていますよね。 あーだこーだ言う人はママチャリが歩道にから突然ノールックで車道に出る事には激怒するのに、反対に本人が車道から歩道に入るのはルール無用なんですかね。不思議なもんですね(笑)

さらにもう一つ全く別の視点から。歩道に乗り上げる時に一時停止せずにそのまま行くのなら斜めに段差を越える事になります。これはMTBやグラベルロードなどの太いタイヤなら何の問題もありません。これがロードバイクの23Cや25Cのタイヤではとても危険です。 段差でハンドル取られて転倒するリスク大です。 初心者にはそれでトラウマになってしまうかもしれません。
だからこのブログ内では管理人さんが先導して一時停止を広く推奨していくべきではと思います。

このイラストで誤解を生みましたが、

ロードバイクが赤矢印の角度で歩道の段差に突っ込むと、確実にコケます笑。
たぶんママチャリでもスピード出してこの角度は無理です。
私、学生時代にこんな角度でママチャリで歩道に上がろうとして盛大にコケたことがあるので、90度に近いの角度以外では段差越えはしません笑。
それをするには一時停止せざるを得ないので、結果論としては一時停止してます。

結局のところ、仮に車道→歩道→そのまま歩道通行するに当たって一時停止義務がないにしても、歩道には徐行義務があるし、事故を起こさないことを最優先に考えれば、自然と「ほぼ一時停止」にはなるはず。
詳細に道路交通法を知らなくても、普通の思考能力があれば勝手にそうなるわけです。

仮に被告自転車が徐行していたら、過失割合は40:60(高齢者修正込み)あたりかなと予想しますが、徐行していたら基本は事故起きないですから笑。

自転車への取り締まりを甘くして、自転車ユーザーもそれに甘えた結果が今の日本における違反のオンパレード。
ナチュラルに違反しまくりですもんね。
あまりに自然過ぎる違反の風景、それが異常なんですよ。

なお何度も書いているように、民事の過失割合は道路交通法違反を争っているだけではなく、予見出来ることを回避しなかった場合を過失とします。
そりゃ、モグラのように地面から飛び出てくる歩行者を予見しろ!とかまでは求めていませんし、時速100キロで横断する歩行者(ロケット付き)を予見する義務はありません。
通常予見出来ることを回避しなかったら過失。